アメリカ経済の再生

アメリカ経済の再生
ニュー・エコノミー論
雇用なき繁栄
中間層の崩壊
ゴールディロックス経済
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繁栄の1990年代アメリカ
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高い経済成長と低いインフレ
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経済成長率 4% (1990年代後半平均)
失業率 4.1% (1999年末)
インフレ率 2.9% (1990年代後半平均)
ニュー・エコノミー論の台頭
ニュー・エコノミー論
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経済構造の変化
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景気循環の消滅
インフレなき好況の持続
バブルか構造変化か
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情報革命をどう見るか
繁栄のかげり
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2001.9.11 ニューヨーク・テロ
エンロン事件の意味するもの
レーガンの負の遺産
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好況の裏にある問題の表面化
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財政と国際収支の2重の赤字
S&L(貯蓄貸付組合)の不良債権問題
ブッシュ政権の苦悩
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公約違反の増税
減らない財政赤字
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不良債権問題での政府負担
景気停滞による税収減
経済面での停滞と大統領選挙の敗北
クリントン政権の成果
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前政権の遺産
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ブッシュ政権の景気刺激策の効果
1990年予算執行法の効果
若返ったアメリカ経済
財政赤字削減への着実な取り組み
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好感を持って迎えた経済界
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発展の基盤の確立への予感
財政赤字削減への環境整備
ニュー・エコノミーの虚と実
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すばらしい10年はなぜ可能であったか
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ブッシュ政権の財政改革の遺産
冷戦終了による平和の配当
IT革命の果実
アメリカ経済の若返り
アメリカ経済の光と影
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雇用なき繁栄
雇用なき繁栄
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企業の業績改善と雇用条件の悪化
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リストラクチャリング
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なぜ好況で雇用が伸びないか
雇用条件の悪化が生む企業の業績改善
ダウンサイジング
アウトソーシング
コスト削減と労働者の所得
共和党政権下の所得分配
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所得分配の不平等化
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ジニ計数
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0.397(1973年)から
0.454(1993年)への悪化
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参考 0.456(1998年)
上位20%の所得/全所得
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43.6%(1973年)から
48.9%(1993年)への悪化
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参考 49.2%(1998年)
アメリカン・ドリームの消滅
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悪化する労働者所得
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民間1時間あたり実質賃金
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雇用の中身
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リストラクチャリング
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80.8(1973年を100とした時の1993年の値)
再就職後の賃金の低下
グローバリゼーションの裏で
中間層の崩壊
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グローバリゼーションと先進国
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開発途上国の発展
後発国の技術力アップと低賃金
IT技術の発展
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単純事務作業の激減
労働力需要の2局化
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単純労働と高度な専門技術
多国籍企業の戦略
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企業と国家は運命共同体か
グローバリゼーションと多国籍企業
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一番安く作れる国で作って
一番高く売れる国で売る
国意識の消滅
先進国の開発途上人
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世界レベルでの労働者の競争
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労働の超過供給は解消するか
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労働供給の増加と賃金の低下
労働供給増加の傾向
トリックルダウンへの長い道のり
要素報酬率均等化
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10倍の賃金なら10倍の効率を
情報革命をどうとらえるか
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産業革命と機械打ち壊し運動
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情報革命は需要増に結びつくか
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製品需要の増大による雇用増加
デジタル・ディバイドの可能性
労働の質の問題
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単純事務作業の減少
高度専門技術者の必要性
企業の論理と国家の論理
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国家にリストラは可能か
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企業経営と前提が異なる国家経営
所得の源泉としての労働
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フェアな所得分配とは何か
勝ち組・負け組の発生
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負け組は自己責任か
ゆとりのない社会
ニュー・エコノミー論の崩壊
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情報スーパーハイウェイ構想の破綻
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過激なシェア争い
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インターネット・バブルと過剰な投資
ネットワーク外部性
Winner takes all
IT株の高騰
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実績を生まない
将来への期待のみでの株高
インターネット・バブルの崩壊
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情報ハイウェイ関係
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過剰投資が明白に(1999年頃)
設備投資の急激な収縮
IT関連企業の業績悪化
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ナスダックの下落
2000年3月10日、5200ドルがピーク
エンロン事件
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株価低下
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2000年8月の90ドルをピークに
粉飾決算の発覚(2001年10月)
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かさ上げされた過去5年間の決算の数字
10億ドルの特別損失を計上
12億ドルの自己資本取り崩し
信頼の崩壊
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揺さぶられたアメリカ型資本主義の根幹
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アメリカ型コーポレートガバナンスの失敗
アーサー・アンダーセンの倒産
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粉飾決算への協力
全社的な問題隠蔽
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会社決定によるエンロン関係の資料の破棄
信頼の喪失と顧客の流出
アーサー・アンダーセン
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巨大会計事務所の倒産
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世界5大会計事務所の1つ
2001年の年商 93億ドル
8万5千人の従業員
エンロン社関係の社内文書の破棄
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2001年1月10日、事実を認める
6月15日、有罪判決を受けて廃業決定
バブル崩壊とその対応
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9.11同時多発テロ
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かすんでしまったエンロン事件
景気悪化の原因の複合化
FRBのすばやい対応
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グリーンスパンの金融政策
1990年代の金融政策
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改善する財政のもとでの金融緩和
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うまくいったポリシー・ミックス
クリントンの財政赤字削減策
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市場心理の変化
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アメリカ経済健全化への兆し
好況の持続と低いインフレ率
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NAIRUの低下
エンロン後の金融政策
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1996年頃から金利引き上げ検討
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エンロン事件後の金融緩和
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1999年6月から金利引き上げ
FRBの金融緩和政策の成功
適切な量、適切な時期に
致命的でないバブル崩壊
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回復するアメリカ経済
日本への教訓
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失われた10年との対比
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金融秩序維持の重要性
雇用なき繁栄
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「豊かな社会」から「不安な社会」へ
勤勉さに生活の脅しは不可欠か
タフでなければ生きて行けない。易しくなけれ
ば生きてゆく値打ちがない(レイモンド・チャン
ドラー『プレイバック』)