変化する余暇消費の形 -余暇市場の現状と今後の展望- 05A2004U 稲葉 弘道ゼミ所属 足立 直樹 余暇市場とは・・・ 人間が余暇時間において使用されたお金で成り立っている市場。 主に スポーツ部門(競技観戦等) 趣味・創作部門(お稽古事といった趣味) 娯楽部門(ゲーム、ギャンブル、飲食、カラオケ等) 観光・行楽部門 に分類される。 市場規模は 約80兆円 で 国民総支出の 約14% を占めている。 が、 年々、市場規模が縮小してきており、2007年には市場規模が 約74兆円 まで低下している。 要因 ↓↓ 団塊の世代の定年退職に伴う余暇市場のシニア化 若年層の余暇離れ 余暇市場のシニア化による問題点 若年層の余暇離れが進む中、余暇市場を牽引しているのは シニア層であるという事実。 ↓↓ 企業もシニア層にうけるサービス・商品を提供 ↓↓ 若年層に受け入れられず、ますます余暇離れが進行する ↓↓ 世代交代の際に、余暇経験の少ない現在の若年層が消費の 中心となったときに現在以上の余暇消費は見込めない。 つまり、 シニア層の台頭は一時的なものであることを認識し、業界は 若年層の新規顧客の獲得を視野に入れなければ、 市場規模の持続は困難である。 日本人の余暇をめぐる環境 労働環境 平成10年から平成12年にかけて労働者全体の総労働時間を 減らすためにパートタイマーの比率を上げる(この傾向は現在 まで続いている) ↓↓ 総労働時間は見かけ上減ったが、パートタイマーのやりきれな かった仕事のしわ寄せが正社員にくる ↓↓ 正社員のみの総労働時間の増加が時間的ゆとりを減らす ↓↓ 余暇活動への参加率の低下 経済環境 2007年の可処分所得は 441070円 で前年比 0.1%減 一方で、平均消費性向は 73.2% で前年比 0.6%増 ↓↓ 消費者の消費意欲は活発である つまり、現在の日本人は 「経済的な余裕があり、消費意欲もあるが、労働時間の増加 や有給休暇取得率の低下といった時間的ゆとりが十分取れ ないため、余暇活動に勤しめない」 といえる。 ↓↓ 時間的ゆとりが少ないため、余暇時間を家で過ごす人も少なく ない。また、外出しても近場で済ますことがほとんどで旅行等 の遠出をすることは滅多にない。 ↓↓ 余暇活動減少の一因であるといえる。 しかし、 この動きは、「限られた時間でいかに有意義な余暇活動を行う か」という側面があることに注目すると・・・ ↓↓ 消費者が自分の好きな余暇種目を選択してそれを中心に(極 端に言えばそれのみに)余暇消費を行う。 →新しい余暇消費の形「選択投資型余暇消費」 これまで、消費者は余暇活動を 「広く・浅く」 行っていたが、 近年では 「狭く・深く」 という傾向に変わっている。 ↓↓ こういった消費者を選択投資型顧客と呼ぶ。 選択投資型顧客の特徴 ①活動への愛情とロイヤリティ ②高頻度の参加 ③大きな時間投資 ④大きな経済的投資 ⑤仲間の存在 ⑥能力・技能水準と能力開発志向 ⑦情報収集力・蓄積・提供 ⑧宣伝力・新規顧客開拓力 ⑨レジャー倫理 ⑩継続性・持続性 選択投資型顧客に対する業界の課題 「賢い顧客」が増える ↓↓ 今までよりも厳しい顧客の商品に対する選択・評価を受ける ↓↓ 供給側の思惑に乗ってくれなくなり、 施設リニューアルやサービスの質の向上にも手が抜けなくなる。 つまり、 選択投資型顧客の台頭は、市場の質の上昇に繋がる 選択投資型顧客の問題点 一部顧客だけが強力な仲間グループを形成する ↓↓ 新規顧客が入りにくくなる よって、業界は選択投資型顧客対応戦略を行うと同時に、 新規顧客開拓戦略を行う必要がある。 ニュー・レジャーの出現 ニュー・レジャーとは・・・ 既存のレジャー活動の中から生まれてきた種目や全く新 たに登場した種目を指す。 例:携帯電話でのやり取り、インターネットでの音楽配 信サービス、検定、岩盤浴等 ニュー・レジャーの市場規模は 約10兆円 である ニュー・レジャーがもたらしたものの例 携帯電話の急速な普及 ↓↓ 携帯電話料金によって、10代のお小遣い(余暇消費の余裕) の圧迫 ↓↓ 他の余暇活動を行う余裕がなくなってしまう。 ↓↓ 若年層の既存余暇種目に対する余暇離れ 一方で、若年層は既存の余暇活動の参加率は低いが、 ニュー・レジャーの参加率は シニア層よりも高いという特徴がある。 ↓↓ 実質、若年層の余暇消費は減少していない?? が、 今後の余暇市場を担う世代としては、既存の種目に対する 余暇経験数が少ないのは事実である。 ↓↓ ニュー・レジャーは時代の流行とともに種目内容が変化してい るため、10年・20年先を視野に入れると、現在のニュー・レ ジャーが残っている可能性は高いとはいえない(決してゼロで はない)。 ニュー・レジャーの台頭は業界にとっても嬉しい出来事である。 が、 「若年層の余暇離れに拍車をかけている」という見方もできる。 余暇市場のこれから 今後の余暇市場が行うべきこと →選択投資型顧客対応戦略 と 新規顧客開拓戦略 ↓↓ どんどん消費者の能力が上がっていくなかで、 商品の質をそれに合わせて向上させる。 ↓↓ 理論上、あらゆるニーズに応えた サービスの提供ができるようになる。 結論 21世紀のレジャー産業のビジョン ↓↓ 高まる消費者の能力・ニーズと社会的役割に応えて 消費者とともに成長する産業となること
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