近現代の京都・奈良付近の地震活動 ~近世以前の活動との比較基準として 総合科学専攻 小山研究室 2年 杉山あかね 研究目的 京都・奈良付近は古代より地震の揺れが綿々と 記録された場所で、古記録の分析が進められ ている。しかし、それと比較すべき近現代の地 震記録の分析が不十分である。 明治以降の京都・奈良付近の有感地震活動を 集計し、時間推移を分析することによって、近 現代の有感地震の特徴を明らかにし、近世以 前の有感地震との比較基準として役立てること を本研究の目的とする。 京都・奈良付近 京都盆地 奈良盆地 研究方法 1、気象要覧・地震月報と気象庁のwebペー ジから地震記録を入手する。 2、京都・奈良付近の有感地震記録のデー タを選別し、エクセルに入力して整理する。 3、そのデータを用いて時間推移をグラフ化 し、分析する。 入手したデータ ①気象要覧 ●明治33年1月 ●明治41年・1月 入手したデータ ②気象庁HPのデータ 京都府の有感地震検索(震度 ≧ 1) (検索期間 1926/01/01 00:00 - 1926/12/31 24:00) (*がついているのは地方公共団体または防災科学技術研究所の震度観測点です) No.1 1926年2月8日21:55:36.4 34゜48.4'N 136゜22.9'E 10km M:未決定 三重県中部 震度分布図 岐阜県 1 岐阜市加納二之丸 愛知県 京都府 No.2 京都府 No.3 京都府 No.4 京都府 No.5 京都府 兵庫県 1 名古屋千種区日和町 1 京都中京区西ノ京 1926年3月19日19:27:0.0 35゜1.0'N 135゜44.0'E 0km M:未決定 詳 細不明 1 京都中京区西ノ京 1926年5月1日00:42:0.0 35゜1.0'N 135゜44.0'E 0km M:未決定 詳 細不明 1 京都中京区西ノ京 1926年5月21日05:18:39.9 35゜28.9'N 134゜39.4'E 18km M:3.2 兵 庫県北部 震度分布図 1 宮津測候所 1926年6月8日12:44:24.7 35゜13.8'N 134゜42.9'E 0km M:未決定 兵庫県南西部 震度分布図 1 宮津測候所 1 豊岡市桜町 参考資料・掲載情報の時代変化 データ源 掲載データ 1900(明治33年)・1月 主な地震の発生地域・発生時 刻・震度 1908(明治41年)・1月 気象要覧 主な地震:震央名・発生時 刻・緯度・経度・震度 有感地震:震央名・発生時刻 気象庁HP 発生時刻・緯度・経度・深 1926(大正15年・昭和 気象統計情報 さ・規模(M)・各震度観測点 元年)~ 地震・津波 での震度 震度観測点の時代変化 京都 1990京都測候所 1926京都中京区西ノ京 1995 1996 1998京都上京区薮ノ内町 向日市寺戸町 長岡京市開田 八幡市八幡 大山崎町円明寺 久御山町田井 奈良 八木測候所 奈良市半田開町 平群町鳴川 桜井市池之内 奈良市二条大路南 大和郡山市北郡山町 御所市役所 高取町観覚寺 広陵町南郷 大和高田市大中 天理市川原城町 橿原市八木町 桜井市粟殿 生駒市東新町 香芝市本町 三郷町勢野西 安堵町東安堵 三宅市伴堂 田原本町役場 上牧町上牧 河合町池部 葛城市柿本 奈良川西町結崎 明日香村岡 王寺町王寺 斑鳩町法隆寺西 平群町吉新 葛城市長尾 1999城陽市寺田 京田辺市田辺 井手町井手 精華町北稲八間 木津川市山城町上狛 木津川市加茂町里 木津川市木津 2001 精華町南稲八妻 2004京都山科区安朱川向町 奈良市南紀寺町 宇治市折居台 大和高田市野口 生駒市上町 気象庁震度階級の変化の歴史 1884(明治17年) 微・弱・強・烈の4階級 ~ 1898(明治31年) 微震(感覚なし)・微震・弱震(震度弱キ ~ 方)・弱震・強震(震度弱キ方)・強震・ 烈震の7階級に細分化されていたと思わ れる。 1908(明治41年) 無感覚地震・微震・弱震(震度弱キ方)・ ~ 弱震・強震(震度弱キ方)・強震・烈震の 7階級であることが明示。 1936(昭和11年) 表現の一部が修正。無感・微震・軽 ~ 震・弱震・中震・強震・烈震 震央分布 36 35.5 35 34.5 34 33.5 33 134.0 134.5 135.0 135.5 136.0 136.5 137.0 137.5 138.0 地 震 回 数 ( 回 ) 1900 1903 1906 1909 1912 1915 1918 1921 1924 1927 1930 1933 1936 1939 1942 1945 1948 1951 1954 1957 1960 1963 1966 1969 1972 1975 1978 1981 1984 1987 1990 1993 1996 1999 2002 2005 年別地震回数の変化 80 70 60 50 40 30 20 10 0 経過時間(年) 地震回数が1927年・1936年・1945年・1968年・1995年 あたりで増加しているのが読み取れる。 規模(M)の時間変化 地震回数増加 9 地 震 の 規 模 ( M 8 7 6 5 4 3 ) 2 1 1900 1920 1927年の規模の時間変化 1940 1960 1980 経過時間(年) 地震計の精度がよくなった? 8 7 6 5 4 3 2 1 ) 地 (震 Mの 規 1/1 模 3/1 2000 6/1 経過時間(日) 9/1 震源の深さ分布 800 700 頻度 600 500 400 300 200 100 0 10 20 30 40 50 60 70 深さ(km) 震源の浅い地震が多いことがわかる。 80 90 100 次の級 今後の方針 • 1900~1925年の京都・奈良付近の有感地震 を集計する • 集計結果から時間推移を分析し、その特徴 を明らかにする
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