「東京文化資源区」構想の概要 20150521 東京文化資源会議 1.「東京文化資源区」とは 「東京文化資源区」とは、東京の北東部の谷根千、根岸一帯にはじまり、上野、本郷、秋葉原、神田、神保町、湯島 に至る地区の名称で、これらの地区はわずか半径 2km の徒歩圏に集中的に立地しています。 この「東京文化資源区」には近世・近代・現代と、時代をまたぐ文化資源が集積しています。谷根千は町屋と路地 の街並み等の「生活文化資源」、上野は博物館群と東京藝術大学の「芸術文化資源」、本郷は東京大学の「学術文化資源」、 秋葉原はマンガ•アニメ等の「ポップカルチャー資源」、神保町は古書店街と出版社の「出版文化資源」、湯島は湯島天 満宮や湯島聖堂等、神田は神田祭等江戸の伝統を引き継ぐ「精神文化資源」が集積しています。 「東京文化資源区」は高度成長期以降の大規模な開発から免れることで、東京における文化資源の宝庫としての価値 を維持し続けており、文化、環境、観光等の様々な視点から街としての新たな可能性が注目されています。 東京文化資源区構想 諏訪神社 ●谷中・根津・千駄木 上野桜木 谷中周辺寺町 ●本郷 根津 国立博物館 東京芸術大学 池之端 寛永寺 上野公園 日本芸術院 ■東京大学による うえの 「学術文化資源」 東京大学 ●上野 ■博物館群と東京芸大による 「芸術文化資源」 都立旧岩崎邸庭園 湯島天神 不 忍 通 り 低速(人速)ネットワークの整備 ●湯島 若者居住エリア ■湯島神社や湯島聖堂による 後楽園 「精神文化資源」 すいどうばし おかちまち 人力車、馬車、LRT などの回遊手段整 アーツ千代田 3331 神田明神 備 ●秋葉原 ■マンガ•アニメ等による 湯島聖堂 明大東京国際 マンガ図書館(仮) 「ポップカルチャー資源」 おちゃのみず 凡 例 あきはばら ニコライ堂 岩波ホール 大学等教育施設 ■古書店街と出版社による 「出版文化資源」 日本武道館 公園・皇居等緑地 学士会館 職住一体エリア 学術総合センター かんだ ●神田 上野動物園 ■神田祭等江戸気質による 「市民文化資源」 北の丸公園 (仮)国立デジタル アーカイブセンター 江戸城本丸跡 墓地・墓苑 谷中寺社集積地 神社 会館・宗教施設 博物館・美術館等 ●日本橋 ●大手町 ・丸の内 ・有楽町 皇居 市街地整備地区 居住等新整備エリア 幹線道路 とうきょう 地区内道路 バス等回遊動線 低速の回遊動線 N 半径 2.0km 圏 ゆうらくちょう 半径 2.0km の中心 ●日比谷 0 北の丸公園 皇居東御苑 ○ ものづくりとアート・知識が出会う新たな場(場所、機会、電子空間)の創造 ○ 民官産学を横断した交流・創造体験による地域創造人材の養成 ○ 地域の伝統的・歴史的知識資源を蓄積・編集するアーカイブの構築と活用 ○ 域内建造物等歴史・文化資源の保全と再活用 ○ 公開アーバンラボの設置による、アート × 産業 × コミュニティを可能にするインキュベーション拠点づくり ○ それらの前提となる域内文化資源の洗い出し・見える化 特色ある文化資源の活用(文化プログラム) うぐいすだに 日本学士院 ●西片 ●神保町 ●根岸 谷中墓地 国内外ツーリスト宿泊エリア 根津神社 東京文化資源区は、文化資源・知識資源を活用してレガシーとクリエイティビティ両面を提示できる重要な場所とし て、東京から全国に、さらに文化資源を備える海外の都市にも波及する世界的なモデルとなります。 本構想が目指すものは、以下に示すような都市における空間資源の再編成と文化戦略の転換です。 3.「東京文化資源区」構想実現のための具体策 日本美術院 白 山 通 り 都市政策モデルとして全国的・世界的意義の波及へ にっぽり ■谷根千:町屋と路地の街並み 等による「生活文化資源」 2.「東京文化資源区」の意義 0.5km 上野公園 1.0km 1.5km 2.0km ○ プロジェクトスクールの開設:文化資源を使いこなして社会課題を解決する専門職の養成・活用 ○ 文化(アート)× 産業 × コミュニティの拠点としてのアーバンラボの設置 ○ 域内文化資源のアーカイブ化とデジタル化 ○ 古いビルのリノベーションコンペの実施 ○ 湯島聖堂を拠点とした精神文化ルネサンスを生成する各種文化活動 ○ 江戸・東京の食文化の伝統を活かした食材、飲食店等のグローバルに通用する価値体系づくり ○ 文化資源観光の全国モデルとなる周遊ルートの開発 そのための環境整備(環境プログラム) ○ 東京文化資源区全体を歩ける回遊路と湯島天神→神田明神ルートの整備 ○ 歩いて気持ちよい道の整備(電線類の地下化、水と緑の保全、沿道機能の充実等) ○ 岩崎邸の改修・再活用 ○ 留学生・外国人観光客のための宿泊施設整備(既存ホテルリノベーション、宿坊、古民家宿泊等も含む) ○ 行財政制度の改革:規制緩和、規制強化、投資減税、通貨発行など、伝統的建物等、文化資源保全活用 のためのプログラム支援 ○ 文化資源活用の担い手育成・ネットワーク支援によるエリアマネジメント 地域特性に応じた対応策(地域プログラム) ○ 神保町活性化を目的とした各種イベントプログラムの企画実施運営 ○ 谷根千・根岸一帯の環境保全、文化資源活用とネットワークづくり ○ 秋葉原の新しいハイブリッド文化の創造活動の実施 ○ 神田に新たなクリエーターを集積させるクリエーターコンプレックスの形成 全施策の集大成、継承事業としての「東京ビエンナーレ」の開催 東京文化資源区構想、そして東京オリンピック•パラリンピック文化プログラムの象徴として、2020 年を第1回とし た域内文化資源を活用した世界発信のイベント「東京ビエンナーレ」の開催を想定しています。 約 200 カ国参加の国際現代アート展、プロジェクトスクール、約 100 カ国参加の国際クリエイティブ産業フェスティ バル、東京リノベーションコンペ、全国 300 市町村参加の日本食フェスティバル、精神文化の復権:大学、宗教施 等の活用と湯島聖堂の再生等、主催、共催、連携会場で 10000 のプロジェクトを実施。新たな東京観光モデルを形成し、 人材育成、産業振興、コミュニティ形成、国際交流へとつながる新たなレガシーの創造、継承を目指します。
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