スライド タイトルなし

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肝硬変とその合併症
肝硬変症とは
肝硬変症とは
原因
肝臓に線維が多くなり,
肝臓が硬くなって正常な
機能を果たせなくなる
状態
代 償 期
肝硬変であるが,
その症状がない時期
非代償期
黄疸, 腹水, 脳症など
の症状がある時期
その他:自己免疫性肝炎,原発性胆汁
性肝硬変,原発性硬化性肝硬
変など
肝硬変症にみられる自覚症状
全身症状
消化器・
腹部症状
その他
全身倦怠感,疲れ易い,
集中力の低下,発熱,体重減少,
黄疸
お腹の張り,腹部膨満感,
肝臓部の圧迫感,吐血,下血,
食欲低下,むかつき,便秘,下痢
褐色尿,尿量の減少,下腿浮腫,
皮膚のかゆみ,不眠,腰痛,
こむら返り,性欲の減退,出血傾向,
月経異常,乾燥症候群(目や口など)
肝硬変症でみられる身体所見
全身所見
黄疸,貧血,全身性出血傾向
手掌紅斑(手のひらが赤い),クモ状血管腫,
皮膚と四肢 毛細血管の拡張,色素沈着,体毛減少,
の所見
出血斑,黄色腫・黄色斑,太鼓バチ状指
腹部所見 鼓腸(ガスの溜り),腹水,肝・脾腫,
腹壁静脈怒張
精神・神経 意識障害,性格の変化,羽ばたき振戦,
所見
手指振戦
その他
肝性口臭,女性化乳房,睾丸の萎縮,
耳下腺の腫大,甲状腺腫,血圧低下,
心雑音の聴取,胸水,ぢ核
肝硬変の重症度
肝硬変の重症度は,肝臓の残された機能で見る.
チャイルド ピューの分類
1点
2点
3点
血清ビリルビン
血清アルブミン
1-2
3.5以上
2-3
2.8–3.5
3以上
2.8未満
腹水
脳症
プロトロンビン時間%
なし
なし
80以上
軽度
1-2
50-80
中等度
3-4
50以下
A; 5-6点,B; 7-9点,C; 10-15点
肝硬変症の予後
死因
3大死因
肝臓癌、肝不全、消化管出血
生存率
生存率
代償性
非代償性
肝臓死(80%)
肝臓癌(50%)
肝臓死(80%)
肝不全(60%)
肝臓癌(15%)
5年生存率
10年生存率
80%
50%
50%
30%
肝硬変の合併症とその対策
合併症に対する治療
内視鏡的硬化療法(EIS)
食道静脈瘤 内視鏡的結さつ術(EVL)
外科手術
腹水
肝性脳症
減塩食,利尿剤,アルブミンの点滴,
シャント術
たんぱく質の制限
アミノ酸製剤(経口,点滴)
合成2糖類(ラクツロース,ラクチトール)
抗生剤の投与
食道静脈瘤
●出血時
●治療後
内視鏡的静脈瘤硬化療法
硬化術(EIS)
結さつ術(EVL)
腹水と鼓腸
腹水
鼓腸
(水が多い)
(ガスが多い)
肝性脳症(肝性昏睡)とは
肝性脳症(肝性昏睡)とは
肝臓の機能が低下して,有害物質が除去
できなくなり精神神経症状をきたした
状態
症状とその程度
睡眠障害,多幸感,判断力低下
眠りがち,羽ばたき振戦,時間や場所がわからない.
ほとんど眠る,意識障害,暴れたりする.
意識消失,昏睡
肝性脳症の誘因と治療
誘因
便秘,高たんぱく食,出血
治療
便通,低たんぱく食,出血対策
合成2糖類,抗生物質
分岐鎖アミノ酸
肝硬変から肝癌の発生
ウイルス性肝硬変では,肝癌の発生がある.
C型では年率5~7%
B型ではやや低く,頭打ちとなる.10年で30%程度
アルコール性肝硬変では,まれに発癌する.
肝癌は局所的に処理をしても,他部位での再発の
問題がある.
転移の多い臓器
肝内,肺,骨,副腎など
GOT,GPTの低い症例では
発癌も少ない.
肝癌に対する治療
エタノール注入療法 侵襲が少ない
マイクロ波凝固療法 エコーで見える
ラジオ波凝固療法
肝動脈塞栓術
刺しやすい場所
大きい多発性の癌にも対処できる.
動脈内注入化学療法 効果は塞栓術に比べやや弱い.
繰り返して行う.
外科的手術
最も確実に切除できる.
開腹手術
残された肝臓で再発、予備能の問題.
腹腔鏡下切除
陽子線照射療法
切らずに刺さずに治療(試行中)
非環式レチノイド
再発予防が期待されている(試行
中)
肝がん治療の選択


局所療法
 エタノール注入療法
(PEIT)
 マイクロ波凝固療法
(MCT)
 ラジオ波熱凝固療法
(RF)
血管造影法
 経動脈的塞栓療法
(TAE)
 動脈内抗がん剤注入療
法(TAI)


外科的切除術
 開腹切除術
 腹腔鏡下





リザバー動注療法

肝切除術
ラジオ波(RF)
凍結療法
肝移植術
 生体肝移植
 脳死体肝移植
再発予防
 非環式レチノイド?
 ビタミンK?
免疫療法?
肝癌の治療
PEIT(エタノール
局注)
RF(ラジオ波)
肝移植の現状
米国では年間約5千例の肝移植が行われ,
全世界では 年間約1万例に達する.
治療成績
対象
1年生存 90%
5年生存 70%
良性胆道疾患,先天性代謝異常,非ウイルス性肝硬変
などが優先されてきた.
抗ウイルス剤やインターフェロンの使用により,
ウイルス性肝疾患にも適応は拡がってきている.
日本では
文化的違いからか,脳死肝移植は進んでいない.
生体肝移植ではドナーの問題,経済的問題が残される.
肝硬変患者における運動療法とBCAA療法
62 才, 男性, HCV 陽性
腹水 3L
94/8 EVL
96/4 TAI
96/10 TAE (4cm)
2002/7 開腹手術 S1
運動
BCAA granule
ED with BCAA
オリゴ糖
4
ALB
3.5
3.5
3
3.0
2.5
2.5
2
2.0
1.5
1.5
1
1.0
TB
0.5
0
90
80
70
50
50
40
30
30
1
3
5
7
9
11
13
15
17
19
21
23
25
27
29
31
33
35
37
PT
NH3
70
60
93
20
10
0
96
93
96
1
3
5
97
7
97
9
11
13
98
15
98
99
17
19
21
99
2000
2000 2001 2002
23
25
27
29
31
33
35
B型肝硬変 59歳 男性 AA







TBil
DBil
TP
Alb
γglob
0.9
0.1
8.4
4.7
16.4%
PT
BTR
96%
5.1







AST
ALT24
GGTP
ALP
CHE
25
95
238
302
RBC
478万
PLT15.1万
ウイルス性肝硬変患者(B型肝炎)
と飲酒


1999年1月3日より吐
血と下血がつづき、1
月5日に救急外来に受
診した。
Hbは3.0g/dlと高度の
貧血を認め、緊急内視
鏡にて食道静脈瘤から
の出血を認め、入院と
なった。


以前よりB型肝炎ウイ
ルスが陽性であること
が指摘されていた。
飲酒;平均日本酒5合/
日
99.01.05
99.04.06
99.06.29
99.10.05
00.04.25
01.02.06
02.01.15
03.01.14
04.01.27
TB
3.5
0.7
0.9
0.9
1
1.5
1.1
1.1
1.2
Alb
2.6
3.2
2.6
3.3
3.4
3.7
3.8
4.1
3.9
PT%
33%
76
66
75
61
62
59
60
80%
腹水
中等
軽度
軽度
軽度
軽度
なし
なし
なし
なし
脳症
2度
なし
なし
なし
なし
なし
なし
なし
なし
CPスコ
ア
14
8
9
8
7
6
6
6
5
AST
347
55
215
189
115
52
45
40
41
ALT
106
38
138
169
88
36
31
29
31
GGTP
696
174
107
110
46
37
36
36
61
NH3
195
70
43
77
66
77
47
32
23
PLT
14.5
9
13.7
9.6
8.8
6.4
7.3
6.8
7.4
肝硬変としての重症度

入院時検査所見(1999/1)







TBil
アルブミン
PT
腹水
脳症
CPスコア 12点
Grade C

3.5mg/dl
2.6g/dl
33%
中等度
なし
2004年現在の状態







TBil
アルブミン
PT
腹水
脳症
CPスコア 5点
Grade A
1.2mg/dl
3.9g/dl
80%
なし
なし
アルコール性肝障害患者




42歳 男性
2ヶ月前より食欲不振となり、倦怠感も強く
なったため受診した。
以前はかなりアルコールを飲んでいたが最近
はあまり飲まなくなっていたという。
経営者でもあり、ストレスもかなり多い。
アルコール性肝障害 42歳 男性







TBil
DBil
TP
Alb
γglob
6.8
4.3
4.7
2.6
19.3%
PT
NH3
54%
17







AST
ALT499
GGTP
ALP
CHE
290
880
616
132
RBC
331万
PLT13.6万
アルコール性肝障害 入院後の経過
05/16
05/26
07/08
08/05
TP
ALB
TB
AST
4.7
2.6
6.8
290
6.6
3.6
1.6
46
7.6
4.7
0.8
29
7.2
4.8
0.8
22
ALT
GGTP
PT
499
880
54%
78
381
100
20
145
100
15
49
100
ChE
RBC
132
331
185
365
267
433
264
431
今月の推薦図書







坪野吉孝: 食べ物とがん予防、 文春新書
米国対がん協会 坪野吉孝訳:「がん」になってから
の食事療法 ー米国対がん協会の最新ガイドー、
法研
池見酉次郎: ヘルスアート入門、 創元社
加藤眞三: 肝臓病教室のすすめ、 メディカルレ
ビュー社
ウォルターC.ウィレット 前田和久訳 太らない、病気
にならない、おいしいダイエット ハーバード・メディカ
ル・スクール公式ガイド 光文社、
加藤眞三: 肝臓病生活指導テキスト 南江堂
加藤眞三: 患者の生き方 春秋社