堆積学

堆 積 学
Sedimentology (& Stratigraphy)
地球惑星科学科2年目講義(選択2単位)
レジュメ
Sedimentology & Stratigraphy
Ⅴ.対比
- 地層同定の法則と,岩相層序・生層序
対比(correlation)
広い範囲にわたっ て対比さ れたロ ーカ ルセク ショ ン の例
本来の定義: 離れたところ
に存在する各々の検討範囲
(local section)に存在する
二つの地層ユニットが,同じ
時代(時期)に形成されたと
判断される場合,それらは互
いに『対比される』.
一般の用法: ある地層の単
なる連続性や同一の上下関係
の認識に対して『対比』とい
う言葉が使用される.むしろ
こちらの用法の方が一般的.
Sedimentology & Stratigraphy
地層I
地層同定の法則
(
The
Law
identification)
魚類の進化-絶滅のパタ ーン
地層H
of
地層G
地層E
地層D
地層C
地層B
地層A
甲皮類
板皮類
a-d: 各ロ ーカ ルセク ショ ン
対比線
化石①
化石①
化石②
化石③
化石②
化石③
オリジナルには,『化石による地層同定
の法則』
= 同じ化石を含む地層は相互に対
比される.
古生代に特徴的な 原始的魚類
Sedimentology & Stratigraphy
*
ただし...化石にもいろいろある.
=役立つもの・役に立た
ないもの.
*
正確には,『示準化石』に限られる.
示準化石(index fossils): 広い地域にかけて,ある特定の地質
時代を示す化石.その生物種には,①進化速度が速く,②短期間
で広い地域に生活範囲を広げることができる,という条件が必要.
* 生物の進化(と移動)が,地球表層部で形成される地層に時間の“目盛
り”を刻んでいることになる.
地層中に記録さ れた
生物の消長
Sedimentology & Stratigraphy
地層ユニットの持つ層序の種類・タイプ
層序(stratigraphy)
= 地層の積み重なりの順番(stratigraphic sequence)
+ 積み重なりの厚さ(stratigraphic thickness)
生物種の出現-絶滅( 進化) を 用いた地層の区分 -生層序
・岩相層序 Lithostratigraphy
堆積相・岩相の差異,積み重なり
の順番によって形成される層序.
地層の分布とその構造から認識
(構築)される.層序の認識・構築にお
けるもっとも基本的なもの.
・生層序 Biostratigraphy
地層中に含まれる化石種の組み
合わせ・有無・変遷によって認識され
る層序.
Sedimentology & Stratigraphy
・その他の層序...いろいろあるが...
$ 年代層序 Chronostratigraphy 岩石の絶対年代(後述)によって
認識される層序.
$ 古地磁気層序 Paleomagnetostratigraphy 地層(岩石)中に保
存されている磁化方位の違いによって認識される層序.
これらの層序は ,必ずしも
互いに同一のものとは限ら
ない.また,平行したもので
あるとも限らない.
要因:
岩相層序 -堆積相の横
方向の有限性
生層序
-生物の分布
の局地性・不均質性
古地磁気層序 -極端
な場合,上下方向の層序を形成
しない.
これらの層序と年代層序は,
互いに交差する場合が有り
得る.
岩相層序と 時間面の斜交関係の例
時間面5
岩相層序
の境界
時間面4
時間面3
時間面2
時間面1