堆積学 Sedimentology (& Stratigraphy) 地球惑星科学科２年目講義（選択２単位）レジュメ Sedimentology & Stratigraphy Ⅷ．海水準変動と地層形成－地層のシーケンスサイクロセム（Cyclothem）地層中に認識される顕著な周期性．アメリカ・イリノイ州の石炭系から初めて認識された．一つのサイクルは約 10 - 20 m の厚さを持つ．サイクロセムの模式図（上位サイクロセムの砂岩）陸成層頁岩（ironstone ノジュールを含む） * * FeCO3を多量に含む泥岩成層海成石灰岩非海成相－海成相－非海成相，のくり返しからなり，海水準変動，あるいは堆積システム（＝デルタ）の前進・後退によって形成されたと考えられた．一つのサイクロセム海成層黒色頁岩（石灰岩ノジュールを含む）不純海成石灰岩（レンズ状）頁岩石炭 “underclay” 淡水成石灰岩陸成層砂質頁岩砂岩（下位層と不整合の場合が多い）（下位サイクロセムの頁岩） Sedimentology & Stratigraphy しかし，一つのサイクロセムが数百kmにわたって追跡される場合があり，このようなものは全地球的な海水準変動（global sealevel change = eustacy）を反映していると考えるのが妥当．サイクロセムは，海水準変動のサイクルのもっとも小さな（４番目の）オーダーの周期性に対応していると考えられている．サイクロセムと海水準変動との関係＊時間的な尺度の見積もりの例． 1 st . or d er 1 cyclothem = 225,000～500,000 years 3 r d . or d er 2 n d . or d er 全地球的な海水準変動のパターン非海成浅海成 Sedimentology & Stratigraphy シーケンス層序学（Sequence Stratigraphy）サイクロセムのような地層中に認識される周期性を，地層の形成（層序）・堆積環境（堆積相）・その時空変遷，という観点から総合的に捉えようとするもの．必然的に，海水準変動に密接に関連したものとなる．＊アメリカでの油田地域で行われる『seismic stratigraphy』の検討成果に強く関連がある．地層の積み重なり・連続性を３次元的に把握する手法．海側層序軸陸側約 5 km 時間軸不連続面断層河口－浅海地域で堆積した地層の形態 TWT: two-way travel time “ 地震層序断面” の例