人種の壁を超えて--ワシントン州の歴史から

テストと評価をどう改善
したらよいか
2005年7月25日
兵庫教育大学 成田 滋
目 次
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アメリカの教師との対話
テストの現状
保護者からの質問
評価の歴史
生徒による評価の受けとめ方
評価の方法
相対評価の注意点
絶対評価と目標準拠
個人内評価
個人内評価と総合学習
評価の過剰
アメリカの教師との対話
• フルブライト財団派遣教師
• “No Child Left Behind”
• 連邦政府--機会均等のインフラづくり、競争
的補助金
• 州政府--運営と説明責任
• 州標準学力テストの実施と修了要件の強化
• 学力評価結果と学校への指導介入
国際学力調査--数学と
授業時間
テストの現状
• 「指導と評価の一致」
• 「テストは教育行為の領収書」
• “成績評価を数値化しないと問題”
• 評価についての過剰な対応
保護者からの質問
• 個々の教師の能力がまちまちなのに絶対評価に変
更され、生徒の評価がすべて教師に任されてしま
うのはおかしい。
• 子どもは学校を選べない。教師のプライドに左右
されることもありうるし、教師のご機嫌をとる子
どももいる。
• 曖昧な絶対評価で評価されるのに、入試は相対評
価だ。
• 相対評価による配分と全く同じ割合で絶対評価を
つけていた学校が明らかになったのはなぜか。
評価の歴史
自由面接
批判:恣意的、主観的
客観テスト
相対評価
論述、選択、空所補完
統計学の進歩
過度の期待と偏重
個人内評価
絶対評価
形成的な評価
生徒による評価の受け止め方
• テストを行う長所と短所
• テスト不安と学習の方略
– 学習性無力感
– 学習できないことを学ぶ
• 評価基準、学習目標、学習活動
– 生徒は成績を目標とする
– 学習目標は試験をパスすること
評価方法-- 評価時期と手法
実施時期
評価目的 評価方法
単元導入
診断的
絶対評価
相対評価
中 間
形成的
絶対評価
個人内的
評価
単元終了
総括的
絶対評価
相対評価、
個人内評
価
相対評価の注意点
1 準拠する集団の設定
2 小集団の学力は、正規分布してい
るか。
相対評価の長所と短所
1
2
3
4
相対的な位置の記述
学習目標と達成度の基準は曖昧
学力保障と無関係
職員集団の”世間体”の問題
相対評価の重要な点
1 問題の適切な標準化
2 問題の難易度が明確
3 学習すべきことと整合性があること
4 生徒の理解度について弁別能力がある
こと
絶対評価と目標準拠
• 習熟度での評価
• 生きる力
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1.豊かな人間性や社会性、国際社会に生きる日本人としての自覚を育成す
ること。
2.自ら学び、自ら考える力(生きる力)を育成すること。
3.ゆとりのある教育活動を展開する中で、基礎・基本の確実な定着を図り、
個性を生かす教育を充実すること。
4.各学校が創意工夫を生かし特色ある教育、特色ある学校づくりを進めるこ
と。
– 教育課程審議会答申 (平成10年6月)
• 評価規準 「関心・意欲・態度」「思考・判断「
技能・表現」「知識・理解」
– 国立教育政策研究所
研究”(2004年)
“学習評価の工夫改善に関する調査
絶対評価の留意点
• 目標の具体化と評価時期
– 到達目標は言葉で具体的に説明
– 単元レベルで評価(北尾, 2002)
– 「関心・意欲・態度」--観点別指導事項(茨城、福島、
東京など)
• 情意面と学習活動(科学技術への関心の比較
指数--OECD)
絶対評価と個人内評価
• 教育課程審議会 児童生徒の学習と
教育課程の実施状況の評価の在り方
(平成12年12月)
個人内評価
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B. Bloomの完全習得学習論(タクソノミー)
学習者本人の評価
自己評価能力
形成的な評価
• Portfolio Assessment
個人内評価の問題点
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絶対評価や目標準拠評価ではない
規準が本人のなかにあるかどうか
到達目標は個人内にあるかどうか
教師と生徒の目標が異なっていてよいか
生徒は独力で理解目標を設定できるのか
個人内評価と総合学習
• 特定の正解のない社会的なテーマの選択
– “調べ学習” “探索学習” “共同学習“
• 生徒の自主的な目標の設定でよいのか
• 生徒の到達目標は適切か否かの判断
• 専門家の協力が必要
問題解決型と総合学習
4つの課題
• 生徒の自主性に依存した目標設定
– 過度の放任主義
• 到達度の評価の困難さ
– メタ認知の難しさ
• 体系的な知識の獲得が保障されない
– 這い回る経験主義
• 賢い生徒は伸びる
– 格差の拡大と再生産
(平, 2000)
評価の過剰
• 序列化の過剰
• 評定対象の過剰
• 作業記録の過剰
(国民教育文化総合研究所, 1998)
テストと評価の改善策は
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参考資料
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評価規準および評価方法等の改善と開発に関する研究
「学習評価の工夫改善に関する調査研究
「通信簿に関する調査研究」
指導方法の工夫改善による教育効果に関する比較調査研
究(第二次・最終報告書)
「ポートフォリオ評価を活用した指導と評価の改善に関
する開発的研究」
国立教育政策研究所
http://www.nier.go.jp/