Page 1 Page 2 Page 3 24 表3 に示す通り、 SCANBURケージの外

22
ウサギケー ジの大 きさによる行動学 的研 究
一括 に在 来 型 FRPケ ー ジ とSCANBURケ ー ジ との比 較 につ い て一
倉
林
譲 ・上
山 和 黄 ・大
光
宗
義
岡山大学 医学部附属動物実験施設
< 目的 >
平成 6
7
年度 において 「
実験動物 のケージサ イズ
文部省科学研 究費補助金総合研究
に関す る検討」 (
A;課題番号 0
6
3
0
4
0
5
5:佐藤班) を組織 し,わが国
にお ける新 しい各実験動物 のケ ージサ イズであ る
「
4
B
S
」 とい う規準が提 唱 され,在来型 の ウサギケ
ージが小 さい ことが指摘 された1
)
,
2
)
。勿論,わが 国
のみな らず欧米 において も既 にそれぞれ規準値が存
I
H
規準値 に も一部修正が加 え ら
在 し,最近,米 国N
L
A
R
規準 として最低推奨
れ,特 にウサギケージでは I
値が新 しく盛 り込 まれた。当施 設において も最近,
F
R
Pブラケ ッ トケージ」では小 さい ことが
在 来型 「
分 ったため,それ より約 2
.
6
倍 の スペ ースを持つデ
S
C
A
N
B
U
Rケージな らびに架台」 を新
ンマ ーク製の 「
規 に購入 し,ウサギの飼育 を開始する前 に試験的に
ウサギを飼育 し,行動学的観察 を実験的に行い両者
のケージを比較 した結果,興味ある成績 を得たので
ここに報告する
。
<実験材料 な らび に実験方 法 >
実験材料 は,S
L
C
社 の 日本 白色種雄性 ウサギ 6羽
(
平均体重3
,
9
7±0
.
3
1
k
g
)を観察対象動物 とした。
F
R
P
ケージ」 (
床面積 :3
0
0
W
実験 方法 は,在来型 「
x485 =1,455c
m
2
)と約 2.6倍 の 床 面積 を持 つ
「
s
c
A
N
B
U
R
ケ ージ」 (
床面積 :6
1
0
WX6
1
0=
3
,
7
2
1
c
m
'
)
の 2種類のケージを比較 した。観察機暑
封二はカラー
I)
I)
S
O
N
YS
S
CC
X
2
1
V
)4台 な らびにタイム
ビデオカメラ (
ラブス ビデオカセ ッ トリコーダー (
S
O
N
YS
V
TL
2
0
0
)
1台 を使 用 して観察 した 第 1
カ メラ (
在 来型F
R
P
ケージで 2羽),第 2カメラ (
S
C
A
N
B
U
R
ケージで 1
羽),第 3カメラ (
S
C
A
N
B
U
Rケージで 1羽) な らび
在来型F
R
Pケージで 2羽)の 4台の
に第 4カメラ (
R
Pケ ージ (
小 ) にて
カメラにて撮影 した。在 来型F
C
A
N
B
U
Rケージ (
大)へ移動
飼育 していたウサギをS
し, 5日間飼育 した後,それぞれの大小逆のケージ
0日後 にはまた元のケージに戻 し
にウサギを入れ,1
。
た。すべ ての観察記録実験が済んでか ら録 画テープ
を再生 し,肉眼的にウサギの行動 を解析 した。
<実験成続 >
1. ウサ ギの行動 特性 :
ウサギの行動特性 は,長い耳介 を有 し普通の とき
には横 に寝せ ているが,緊張す.
る時にはこれを立て
る。 そ して しば しば リラックスポーズで寝そべ るこ
とが多 く,時 に伸 び上がる探索行動 をとることがあ
る。 また,歩行行動以外 に後肢の蹴 り上げによる跳
躍行動 をとることもある。 また,動物実験施設では
一般的には行 われていない稲藁 を入れれば造巣の習
性 もある これ らのウサギの行動 を列挙すれば次の
。
7項 目に大別 される。1
)
Si
t
t
i
n
g/
L
yi
n
g(
座位,伏
)wonderi
ng (歩 行 ,俳 個
臥位等 にて静 止 ) , 2
等 ) ,3
)J
u
E
l
pi
n
g/
ki
c
ki
n
g (跳躍 ,蹴 り等 ),
4)
摂餌,
摂水等),5
)
G
r
o
o
mi
n
g(
毛
E
a
t
i
n
g
/
Dri
n
ki
n
g(
づ くろい),6
)
Sl
e
e
pi
n
g(
伏 臥位,横臥位で寝 る),
7
)
Ot
h
e
r
s(その他 の行動 ;例 えば排尿,排糞,ケー
ジの噛 り等) な どの行動が観察 される
。
2.ウサ ギ体格 の系統 差 :
ウサギの リラックスポーズの体寸法 を佐藤班の研
1
9
9
5
)
か ら引用すれば,3
.
5
k
g
体重の
究成果報告書 (
日本 白色種 の成体 ウサ ギでは,体長約 6
0
c
mである
.
0
k
gの成
が,ニュージーラン ドホワイ ト種の体重4
体 における体長は約7
0
C
1
丑
である ケージの間口は最
低 このサ イズが必要であ り,ケージの奥行 きは作業
5
c
m
が限度であろうと記 されている。これ らを総
上5
合す ると,3
.
5
k
g
体重の ウサギが必要 とす る床面積
は6
7×5
5
c
m
二
3
,
6
8
5
c
m
2
程度 と思われる 囲みにN
I
H
基
準では,2
,
8
0
0
c
m
2
,E
C:2
,
7
5
0
c
m
2
,U
K:4
,
7
0
0
c
r
n
2
,
環境
研基準 :2
,
7
5
0
c
m
2
と規定 されているO 以上の ことか
ら本研究 に使用 したs
c
A
N
B
U
R
ケージは3
,
7
2
1
c
m
2
の床面
I
H,E
C,環境研基準 より大 きいが,u
x
積 を有 し,N
基準 よりは小 さい借である。
。
。
23
3.各 国 に お け る ウサ ギ ケ ー ジの 床 面 積 規格 :
表 1は,体 重別 にわが 国の佐藤 らが規 格作成 を
行 った4BSや欧米諸 国の規格 な らび に今 回実験 に使
用 したFRPケージやSCANBURケージの床面積規格 を表
示 した もの であ る。 4BS規格 は伏 臥位 と後肢伸 長伏
臥位の二つ に分かれてお り,伏 臥位 な らびに後肢伸
長伏臥位 [( )内]では,1kg体重の ウサ ギでは
1,500c
r
n
2(
2,229c
m
2
),2kg体 重 の ウサ ギで は2.120c
n
1
2
(
3,1
50c
m
2
),
3kg体重の ウサギでは2,704c
m
2(
4,01
7c
r
n
2
).
4kg体重の ウサ ギでは3,340c
n
1
2
(
4,962cm
2
)と規定 され
てい るが ,US,CA.ECな らびにUKでは, 1kg体重 の ウ
サギでは,それぞれ1,400c
m
2
,3,700c
r
n
2
,1,
400c
m
2
,2kg
体重 の ウサ ギ で は, 2,800c
m
2
,3,700c
m
'
,2,000c
m
'
,
2,000c
m
'
で あ る また , 3kg体 重 の ウサ ギ で は,
2,800c
n
)
2
,3,
700c
r
n
'
,2,500c
r
n
2
,
4,000c
m
2
である 。 また,
4kg体 重 の ウサ ギ で は, 2,800c
m
2
,4,600c
m
2
,3,000
c
m
2
,4,000c
m
2
であ る。 また ,46kg体 重 の ウサ ギ で
m
2
,4,600c
m
2
,-日-,5,400c
m
2
の床面積 で
は,3,700c
ある。 在 来型FRPケージな らびにSCANBURケージでは
。
m
2
お よび3,721c
n
1
2
であ
体重 に関係 な くそれぞれ1,455c
る。SCANBURケージは在 来型FRPケージに比較すれば
約 2.6倍の床面積 を有す る ことになる わが 国な ら
びに欧米 各 国にお ける規格 の平均値 は, 1kg体重 で
。
体重で3,784c
m
2
,
41
6kg体重 で4,567c
m
'
となる 。 更 に,
各 国の平均値 とFRPケージな らびにSCANBURケージの
床面積 とを比較 す る と,FRPケージでは約 1kg体重
の ウサギ しか飼育 で きない こ とにな り,scANBURケ
ージでは約 4kg体重 の ウサ ギが飼 育で きることにな
7
J
9 o
4. ウサ ギ ケ ー ジの 高 さの 規 格
(
佐藩班研 究成
果報告書 ;1994-1995よ り) 1
):
ウサ ギのケ ージの高 さの規格 は,体重 5kgの ウサ
m
ギの頭頂部が ケ ージの天井 につかない高 さは約 18c
である
。
伸 び上が りの探 索行動 は,体重 2kgの ウサ
ギで30C叫 3kg体重 の ウサ ギで35c
m.5kg体重 の ウサ
ギで40c
d
)
の高 さとな り,欧米 の基準値 はそれ を考慮
に入れた もの と考 え られる。それ らの規準値 は表 2
に示 す通 り,欧米の基準値 は3045c
mの間にある 。
因み にSCANBURケ ー ジの 高 さは, ケ ージの高 さが
30c
m,架台 の天 井部分 に余裕 が 7c
mあ り,合 計37cm
となるが,FRPケ ージの高 さはアル ミ蓋 が 附属 され
皿である これ らのケージの高 さはスペ ー
てお り35C
ス程問題 にはな らないが , 「
立ち上が り行動 」が観
察 されない ことか らケージの高 さがやや低 い ことが
推 定で きる
。
C
705c
m
2
,2kg体重 で 2,628c
m
2
,3kg体重 で3,287c
r
n
2
,
4kg
表1
. 各国におけるウサギケージの床面積規格
1
k
g
工5
00
2,
2
2
9
1
,
40
0 i3,
7
0
0
工4
0
0
∼
7
0
5
1
,
4
5
5
3
,
7
21
(
c
m
2
)
表2
. 各国におけるウサギケージの高さ基準
ウサギ
J
P
US
C
A
EC
U
X
S
C
A
N
B.
F
R
P
(
佐藤 ら : 文部省科学研 究費補助金 (
総合研 究A 「
実験動物のケージサイズに関する検討」
研究成果報告書 (
1
9
9
41
99
5) より)
24
5, SC州 BuRケ ー ジ とFRPケ ー ジの大 き さ ・材
質 ・重 量 :
表 3に示 す通 り、scANBURケ ージの外 寸法 は72
0
H
x720I
)
×300Ⅰ
血mであるの に対 し,FRPケ ージの外 寸
)
×350f
hmであ り,それぞれの床面積
法 は350WX527Ⅰ
m
2
お よびFRPケ ージでは
はSCANBURケージでは3,721c
1,455c
m
2
であ り,scANBURケージはFRPケ ージの約 2.6
倍 の 面 積 を有 して い る ま た , 容 積 と して は
SCANBURケ ージは137.7Lに対 してFRPケージ は50.9L
。
であ り, scANBURケ ージはFRPケ ージの2.7倍 の容積
を有す る 材 質 については市販 の ウサ ギケージの材
A実験 ) 香,次 い で, 6
れた場合 の行動分析 結果 (
日か ら10日までの 5 日間 scANBURケージ (
大)か ら
FRPケ ージ (
小 ) に ウサ ギ を移 しての行動分析 結果
(
B実験 ) を,最後 にFRPケージ (
小 )か らSCANBUR
ケージ (
大) に移 して11日か ら15日までの 5 日間の
行動観 察 (
C実験 )の分析 を行 った結 果次 の ような
成績 を得 た。 1)静止行動 は,SCANBURケージの方がA
実験 で は観察 されたが,ち,
C実験 で徐 々 に減少傾 向
が観 察 され た 。 2)歩 行 行 動 は, FRPケ ージ よ りも
ク(
FRP)である。重量 について はSCANBURケージ本体
のみでは,3.6kg (
扉 十飼箱 は架台 に附属 ;1
.
4kg)
であ るの に対 し,FRPケージは4.6kgであ り,約 1kg
程度FRPケージの方が重 い。なお,販売元 はscANBUR
SCANBURケージの方が多 い傾 向が認め られた。3)跳
躍 ・蹴 り行動 は,SCANBURケ ージのみ に観 察 され,
FRPケージでは認め られ なか った 。4)摂餌 ・摂水行
勃 はA,B,C実験 の順 で3.2%程 のわずかな上昇が認 め
られたが,大 きな変化 は認め られなかった 。5)毛づ
くろい行動 は,SCANBURケージでは16.221
.9%しか
認め られなかったの に対 し,FRPケージでは26.0%の
行動観 察 が で きた 。 6)睡 眠 は, SCANBURケ ージ に
32.144.1
%の高値 で観 察 されたの に対 し,FRPケ ー
ケージ は㈱ 夏 目製作所 であ り,FRPケージは 日本 ク
レア㈱ である。
ジで は29.1%の低値 で観察 された。7
)また,その他
排便 ・排 尿 ・ケー ジの噛 り行動 はC実験 で僅 か0.2%
。
質 は,金網 (
ス テ ンレス な ど) アル ミ板等 もあ る
が,SCANBURケージはFDA基準 に許可 された特殊樹脂
であ り,FRPケ ージはその名 の通 り強化 プラスチ ッ
6.大 小 ケ ー ジ別 ウサ ギの行 動 分 析 結 果 :
表 4な らびにFi
g.1に示す通 り, まず ,最 初の 5
日間FRPケ ージ (
ノ
J
、
)か らscANBUR (
大 )ケージに入
に観察 されたの みで,A,B実験 ではそのチ ャ ンス と
巡 り会 えなか ったが,基本 的 には大 きな相違が無 い
もの と考 え る また, これ らをグラ フで示 せ ば,
Fi
g.t
の ようになる
。
。
表3. S
C
AN
B
U
R ケージと F
RPケージの大 きさ ・材質 ・重量等
r ウサギケージ
外寸法 (
mm)
床寸法
(
mm)
床 面積 (
c
m
2
)
比率 (
%)
. 材質 (
kg)
重量 (
k
g)
S
C
A
N
B
U
Rケージ
7
20
WX7
2
0DX3
00
H
F
RPケージ
35
0
WX5
27DX350
H
61
0
WX61
01
)
3
00
WX4
85D
3,
7
21
1
,
455
3,
7
21
/
5,
71
6-0.
71
9(
7⊥
.
9%)
1
.
45
5/
5,1
76
=0.
2
81 (
2
8.1%)
特殊樹脂 (
FD
A基準許可)
3.
6(
本体)+1
.
4(
秦+餌箱)-5
F
R
P
4.
6(
本体+秦+餌箱)
表4. 第-実験 (
小一大ケージ)、第二実験 (
大-小ケージ)ならびに第三実験 (
小一大ケージ)
におけるウサギの行動解析結果
ウサギの行動分類
A.
小一大ケージ
B.太一小ケージ
C.
小一大ケージ
1
.
静止
歩行
2.
3.
跳躍 .蹴 り
5
4,
61
8(
42.
6%)
45.
00
2(
3
5.
1%)
2
6,
6
6
8(
2
0.
8%)
2,
9
49 (
2.
3%)
1
2
8(
0.
1%)
2,
436 (
1
.
9%)
o(0%)
3,
71
8(
2.
9%)
2
5
6(
0.
2%)
4.
摂餌 .摂水
5.
毛づ くろい
8,
5
90 (
6.
7%)
2
0,
77
0(
1
6.
2%)
9,
3
59 (
7.
3%)
33,
33
5(
26.
0%)
1
2,
6
9
3(
9.
9%)
2
8,
0
7
8(
21.
9%)
7.
尿
その他
.噛む等)
(
排便 .那
o(0%)
o(0%)
2
5
6(
0.
2%)
静止)
*1+6 (
9
5,
7
7
3(
7
4.
7%)
83,
080 (
6
4.
8%)
83,
2
0
9(
6
4.
9%)
*2+3+4+5+7 (
活動)
32,
43
7(
2
5.
3%)
45,
1
3
0(
35.
2%)
45,
0
01(
35.
1%)
25
■SL:
Sj
t
dnd Lyi
ng
l
lW:
Wondor
i
ng
E
)J:
Jumpi
ng
)E:
E虞i
r
嶋/Ddnki
ng
E
ロG:
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ng
E
3Sl
:
SJ
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ng
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30:
Ot
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m
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n
Fi
g
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S
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S
l
e
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pi
ng
Ot
her
s 0
r
a
l
l
s
iz
eFRP
c ag
ea
nd
b
ig
s
iz
e
BUR c
a
SCA N
g
e
ai
ng i
nr
ab
re
r
b
i
ts
<考察 >
ウサギscA
NB
URケ ージ とFRPケージの利害得失 は表
る。5
)しか しなが ら,在 来のロー タリーケージワッ
シ ャーにはSCANBURケ ージサ イズが大 きいため使用
5に示す通 り, 1)床面積 は居住性 に関係が ある項 目
であ り, どち らのケ ージが ウサ ギに とっで 快適 であ
るかはウサ ギの行動 を良 く観察す る と,前後肢 を伸
長 し,快 く睡眠 している姿 を見 ることが分析結果か
らも多 い こ とか らscANBURケ ージの方が よ り快適 で
)
一つのケージに 2匹の群飼 な
あることがわかる 。2
らびに大型 ウサ ギの飼育等 について は,SCANBURケ
ージ はスペ ース的 にゆ と りが あ り可 能で あ るが ,
す ることが出来 ないので,大型 のケージワ ッシャー
を作製 しない限 りこの問題 点 を残す ことになる。6
)
洗浄 ・滅菌作業の効率化 については,現在 では在来
型FRPケージの数が多いため,S
CA
NB
URケージの方 は
ヒ トの手 でケージ洗 浄 を しなければな らず,FRPケ
ージの方が作業効 率化 は良いが,SCANB
URケージは
作業効率化が現 時点 では比較的 に期待 しに くい。 し
か しなが ら,それ らのケ ージ数が逆転 して多 くなれ
ば次第 に洗浄 ・滅 菌効率 は高 くなる もの と考 え られ
FRPケージ は不 可能である 。 3)材 質 と してオー トク
レーブに入れ高熱処理 をす ることは両 ケージ共 可能
であ る。 4)ケージの重量 は,SCANBURケージではケ
ージ本体 のみで3.6
kg (
扉 ・餌箱 はケ ージ架台 に附
属 してい るため) であるの に対 し,FRPケ ージでは
)
良い飼育環境 での均一化 は,飼育環境 と して
る。7
よ り良いS
CA
NBURケ ージでは可 能であるが,FRPケー
)また,実験環境の均一化 は,
ジでは不可 である。 8
SC
ANBURケージな らびにFRPケージ共 に可能ではある
罪 ・餌箱 込みで4.6kgであ り,重量 か ら見 た作 業性
は SCANB
URケージの方が軽量 で作業 し易 い ことにな
が ,理想的環境 下 でのFRPケ ージ飼育で は不可 能で
URケージの方が高
ある。 9)ケージの価格 は,SCANB
表5
.ウサギS
C
A
N
B
U
RケージとF
RPケージの利害得失
項
目
1
.
床面積 (
居住性)
3
.
材質 (
オー トクレーブ)
5
.ケージワッシャー使用
8.
実験環境の均一化
1
0
.
ケージの互換性
S
C
A
N
B
U
Rケージ
F
R
Pケ-ジ
3
,
7
21
C
㌔
1
,
4
5
5
c
m
2
町
可
不可
可
町
不可
不可
可
l
26
価 であ るの に対 し,F
RPケ ージはそれに比較 し安価
であ る。 しか しなが ら,s
cA
NB
URケージ も量産化す
れば安価 になる ことが期待 出来 る。 1
0)ケージの互
換性 は,現在 2種類 のケージを同時 に使用 している
こ とか ら不 可 能 で あ る が , 当 施 設 に導 入 した
S
C
A
NB
U
Rケージの新 ケージ架台 は,F
R
Pケ ージ もハ ン
ガーで き使用 出来 るように したので特 別な問題点は
ない 。 ll)ウサ ギの飼 育数 の減 数化 の 問題 点 は,
SC
AN肌Rケージの方が半減す る問題 点があるが, ウ
サ ギの飼育 数が多 くなった時 にはS
C
ANB
U
Rケージ架
台 を増設する必要性が 出て くる もの と考え られる
。
以上の ように,両 ケージサ イズの うちS
C
ANB
U
Rケ
ージ につ い ては4BSな らび にUK規格 に近似 してお
RPケージについては4BS
規格 では伏 臥位 1
k
g体
り,F
重の ウサ ギ に, また,Usな らびにEC規格 に匹敵す
る 従 来使用 してい るF
RPケ ージは欧米 の規格か ら
して も約 1/
2の大 きさに当た る と言 って も過言で は
ない くらい小 さいケージであ り,実験動物殊 にウサ
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'
を考 えた場合,在来のF
RPケージ
ギの …
cA
NB
URケ ージの方が よ り快適 な飼 育環境が得
よ りs
られるケージの大 きさである と考え られる
。
。
<結論 >
ウサギの在 来型F
R
Pケージとs
c
A
NB
U
Rケージについ
て,行動学的観察 を行 って解析 した ところ,次の よ
うな結論 を得 た。
1.第 一実験 (
A実験 ) で あ る小 ケー ジ (
FRPケ ー
ジ)か ら大 ケージ (
SC
ANB
U
Rケージ) に移動飼育す
る と行動 は静止 してゆった りと睡眠 を取 ることが多
いが,歩行 ・跳躍することも多い。
2.第二実験 (
B
実験 )である大ケージ (
s
c
A
NB
U
Rケ
ージ)か ら小 ケージ (
FRPケージ)へ移 動飼育す る
と,毛づ くろい行動が約 1
0%ほ ど増加することが判
明 した。そ して静止 ・歩行 ・跳躍 ・睡眠等の行動が
減少す る傾 向が観察 された。毛づ くろい行動が狭い
FR
Pケージ に多 く認め られた こ とは,ス トレスのた
めであ り,毛づ くろい行動 はそれ を解消す る行動で
あると推察で きる。
3.第三 実験 (
C実験 ) で は,小 ケ ージ (
FRPケー
s
c
A
NB
URケ ージ)へ移動飼育 した
ジ)か ら大 ケージ (
場合,歩行 ・跳躍 ・睡眠等 が増加す るが,静止 ・毛
づ くろい行動等が減少する傾 向が認め られた。
なお,摂餌 ・摂水 ・排便 ・排 尿等 の行動 はやや増
加 した ものの大 きな変動 は認め られなか った。
.
9
7
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g
体重の ウサギにとっ
以上の結果か ら,平均 3
RPケージ よりs
c
A
ⅣBU
Rケージの方が, ウサ
て在来型F
ギの飼育環境 として より良い環境 であることが分 っ
た。なお,良い ウサ ギの飼育環境 として専 らウサギ
を フ ィー ル ドに近似 した飼 育 を是 とす るAni
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飼育ケージその もの を動物環境工学,危険 因子, コ
ス ト効果な らびに将来像等か ら検討す ることも必要
なことである と思われる7)8)9)1
0
)0
3回岡山実験動物研
なお,この論文の要 旨は,第3
9
9
7.
7
.
1
2.
)な らびに第
究会 (
於 岡山大学農学部,1
12回実験動物 環境研 究会 (
於 島根 県立産業交流会
9
9
7
.
6.
2
8) にて報告 した3
)
4
)
0
館 :くにび きメ ッセ1
<文献 >
1
)佐藤徳光 ら : 「
実験動物のケージサ イズ に関す
総合研 究
る検 討 」 文 部省科 学研 究費補 助金 (
A)研究成果報告書,2
22
4(
1
9
9
5)
2
)倉林 譲 :ケージサ イズの動 向について,岡山
実験動物研究会報,第1
3
号,1
92
2(
1
9
9
6)
3)倉 林 譲 ,上 山和貴,大光宗義,西野光芳,西
崎 緑 :ウサ ギケージ内にお ける行動学 的観察
R
Pケージ とs
c
A
NB
U
Rケージ との比
一特 に在来型 F
較 について-,第 1
2回実験動物環境研 究会
「
実験動物 ケージの規格化 」-ウサギケージー
1
9
9
7
)
講演要 旨集 (
4
)倉林 譲 ,上 山和貴,大光宗義 :ウサギのケー
ジ 内 にお け る行 動 学 的観 察一 時 に在 来型 FRP
ケージ とs
c
A
NB
U
Rケージ との比較 について- ,
第3
3回岡山実験動物研 究会 プログラム (
1
9
9
7)
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