22 ウサギケー ジの大 きさによる行動学 的研 究 一括 に在 来 型 FRPケ ー ジ とSCANBURケ ー ジ との比 較 につ い て一 倉 林 譲 ・上 山 和 黄 ・大 光 宗 義 岡山大学 医学部附属動物実験施設 < 目的 > 平成 6 7 年度 において 「 実験動物 のケージサ イズ 文部省科学研 究費補助金総合研究 に関す る検討」 ( A;課題番号 0 6 3 0 4 0 5 5:佐藤班) を組織 し,わが国 にお ける新 しい各実験動物 のケ ージサ イズであ る 「 4 B S 」 とい う規準が提 唱 され,在来型 の ウサギケ ージが小 さい ことが指摘 された1 ) , 2 ) 。勿論,わが 国 のみな らず欧米 において も既 にそれぞれ規準値が存 I H 規準値 に も一部修正が加 え ら 在 し,最近,米 国N L A R 規準 として最低推奨 れ,特 にウサギケージでは I 値が新 しく盛 り込 まれた。当施 設において も最近, F R Pブラケ ッ トケージ」では小 さい ことが 在 来型 「 分 ったため,それ より約 2 . 6 倍 の スペ ースを持つデ S C A N B U Rケージな らびに架台」 を新 ンマ ーク製の 「 規 に購入 し,ウサギの飼育 を開始する前 に試験的に ウサギを飼育 し,行動学的観察 を実験的に行い両者 のケージを比較 した結果,興味ある成績 を得たので ここに報告する 。 <実験材料 な らび に実験方 法 > 実験材料 は,S L C 社 の 日本 白色種雄性 ウサギ 6羽 ( 平均体重3 , 9 7±0 . 3 1 k g )を観察対象動物 とした。 F R P ケージ」 ( 床面積 :3 0 0 W 実験 方法 は,在来型 「 x485 =1,455c m 2 )と約 2.6倍 の 床 面積 を持 つ 「 s c A N B U R ケ ージ」 ( 床面積 :6 1 0 WX6 1 0= 3 , 7 2 1 c m ' ) の 2種類のケージを比較 した。観察機暑 封二はカラー I) I) S O N YS S CC X 2 1 V )4台 な らびにタイム ビデオカメラ ( ラブス ビデオカセ ッ トリコーダー ( S O N YS V TL 2 0 0 ) 1台 を使 用 して観察 した 第 1 カ メラ ( 在 来型F R P ケージで 2羽),第 2カメラ ( S C A N B U R ケージで 1 羽),第 3カメラ ( S C A N B U Rケージで 1羽) な らび 在来型F R Pケージで 2羽)の 4台の に第 4カメラ ( R Pケ ージ ( 小 ) にて カメラにて撮影 した。在 来型F C A N B U Rケージ ( 大)へ移動 飼育 していたウサギをS し, 5日間飼育 した後,それぞれの大小逆のケージ 0日後 にはまた元のケージに戻 し にウサギを入れ,1 。 た。すべ ての観察記録実験が済んでか ら録 画テープ を再生 し,肉眼的にウサギの行動 を解析 した。 <実験成続 > 1. ウサ ギの行動 特性 : ウサギの行動特性 は,長い耳介 を有 し普通の とき には横 に寝せ ているが,緊張す. る時にはこれを立て る。 そ して しば しば リラックスポーズで寝そべ るこ とが多 く,時 に伸 び上がる探索行動 をとることがあ る。 また,歩行行動以外 に後肢の蹴 り上げによる跳 躍行動 をとることもある。 また,動物実験施設では 一般的には行 われていない稲藁 を入れれば造巣の習 性 もある これ らのウサギの行動 を列挙すれば次の 。 7項 目に大別 される。1 ) Si t t i n g/ L yi n g( 座位,伏 )wonderi ng (歩 行 ,俳 個 臥位等 にて静 止 ) , 2 等 ) ,3 )J u E l pi n g/ ki c ki n g (跳躍 ,蹴 り等 ), 4) 摂餌, 摂水等),5 ) G r o o mi n g( 毛 E a t i n g / Dri n ki n g( づ くろい),6 ) Sl e e pi n g( 伏 臥位,横臥位で寝 る), 7 ) Ot h e r s(その他 の行動 ;例 えば排尿,排糞,ケー ジの噛 り等) な どの行動が観察 される 。 2.ウサ ギ体格 の系統 差 : ウサギの リラックスポーズの体寸法 を佐藤班の研 1 9 9 5 ) か ら引用すれば,3 . 5 k g 体重の 究成果報告書 ( 日本 白色種 の成体 ウサ ギでは,体長約 6 0 c mである . 0 k gの成 が,ニュージーラン ドホワイ ト種の体重4 体 における体長は約7 0 C 1 丑 である ケージの間口は最 低 このサ イズが必要であ り,ケージの奥行 きは作業 5 c m が限度であろうと記 されている。これ らを総 上5 合す ると,3 . 5 k g 体重の ウサギが必要 とす る床面積 は6 7×5 5 c m 二 3 , 6 8 5 c m 2 程度 と思われる 囲みにN I H 基 準では,2 , 8 0 0 c m 2 ,E C:2 , 7 5 0 c m 2 ,U K:4 , 7 0 0 c r n 2 , 環境 研基準 :2 , 7 5 0 c m 2 と規定 されているO 以上の ことか ら本研究 に使用 したs c A N B U R ケージは3 , 7 2 1 c m 2 の床面 I H,E C,環境研基準 より大 きいが,u x 積 を有 し,N 基準 よりは小 さい借である。 。 。 23 3.各 国 に お け る ウサ ギ ケ ー ジの 床 面 積 規格 : 表 1は,体 重別 にわが 国の佐藤 らが規 格作成 を 行 った4BSや欧米諸 国の規格 な らび に今 回実験 に使 用 したFRPケージやSCANBURケージの床面積規格 を表 示 した もの であ る。 4BS規格 は伏 臥位 と後肢伸 長伏 臥位の二つ に分かれてお り,伏 臥位 な らびに後肢伸 長伏臥位 [( )内]では,1kg体重の ウサ ギでは 1,500c r n 2( 2,229c m 2 ),2kg体 重 の ウサ ギで は2.120c n 1 2 ( 3,1 50c m 2 ), 3kg体重の ウサギでは2,704c m 2( 4,01 7c r n 2 ). 4kg体重の ウサ ギでは3,340c n 1 2 ( 4,962cm 2 )と規定 され てい るが ,US,CA.ECな らびにUKでは, 1kg体重 の ウ サギでは,それぞれ1,400c m 2 ,3,700c r n 2 ,1, 400c m 2 ,2kg 体重 の ウサ ギ で は, 2,800c m 2 ,3,700c m ' ,2,000c m ' , 2,000c m ' で あ る また , 3kg体 重 の ウサ ギ で は, 2,800c n ) 2 ,3, 700c r n ' ,2,500c r n 2 , 4,000c m 2 である 。 また, 4kg体 重 の ウサ ギ で は, 2,800c m 2 ,4,600c m 2 ,3,000 c m 2 ,4,000c m 2 であ る。 また ,46kg体 重 の ウサ ギ で m 2 ,4,600c m 2 ,-日-,5,400c m 2 の床面積 で は,3,700c ある。 在 来型FRPケージな らびにSCANBURケージでは 。 m 2 お よび3,721c n 1 2 であ 体重 に関係 な くそれぞれ1,455c る。SCANBURケージは在 来型FRPケージに比較すれば 約 2.6倍の床面積 を有す る ことになる わが 国な ら びに欧米 各 国にお ける規格 の平均値 は, 1kg体重 で 。 体重で3,784c m 2 , 41 6kg体重 で4,567c m ' となる 。 更 に, 各 国の平均値 とFRPケージな らびにSCANBURケージの 床面積 とを比較 す る と,FRPケージでは約 1kg体重 の ウサギ しか飼育 で きない こ とにな り,scANBURケ ージでは約 4kg体重 の ウサ ギが飼 育で きることにな 7 J 9 o 4. ウサ ギ ケ ー ジの 高 さの 規 格 ( 佐藩班研 究成 果報告書 ;1994-1995よ り) 1 ): ウサ ギのケ ージの高 さの規格 は,体重 5kgの ウサ m ギの頭頂部が ケ ージの天井 につかない高 さは約 18c である 。 伸 び上が りの探 索行動 は,体重 2kgの ウサ ギで30C叫 3kg体重 の ウサ ギで35c m.5kg体重 の ウサ ギで40c d ) の高 さとな り,欧米 の基準値 はそれ を考慮 に入れた もの と考 え られる。それ らの規準値 は表 2 に示 す通 り,欧米の基準値 は3045c mの間にある 。 因み にSCANBURケ ー ジの 高 さは, ケ ージの高 さが 30c m,架台 の天 井部分 に余裕 が 7c mあ り,合 計37cm となるが,FRPケ ージの高 さはアル ミ蓋 が 附属 され 皿である これ らのケージの高 さはスペ ー てお り35C ス程問題 にはな らないが , 「 立ち上が り行動 」が観 察 されない ことか らケージの高 さがやや低 い ことが 推 定で きる 。 C 705c m 2 ,2kg体重 で 2,628c m 2 ,3kg体重 で3,287c r n 2 , 4kg 表1 . 各国におけるウサギケージの床面積規格 1 k g 工5 00 2, 2 2 9 1 , 40 0 i3, 7 0 0 工4 0 0 ∼ 7 0 5 1 , 4 5 5 3 , 7 21 ( c m 2 ) 表2 . 各国におけるウサギケージの高さ基準 ウサギ J P US C A EC U X S C A N B. F R P ( 佐藤 ら : 文部省科学研 究費補助金 ( 総合研 究A 「 実験動物のケージサイズに関する検討」 研究成果報告書 ( 1 9 9 41 99 5) より) 24 5, SC州 BuRケ ー ジ とFRPケ ー ジの大 き さ ・材 質 ・重 量 : 表 3に示 す通 り、scANBURケ ージの外 寸法 は72 0 H x720I ) ×300Ⅰ 血mであるの に対 し,FRPケ ージの外 寸 ) ×350f hmであ り,それぞれの床面積 法 は350WX527Ⅰ m 2 お よびFRPケ ージでは はSCANBURケージでは3,721c 1,455c m 2 であ り,scANBURケージはFRPケ ージの約 2.6 倍 の 面 積 を有 して い る ま た , 容 積 と して は SCANBURケ ージは137.7Lに対 してFRPケージ は50.9L 。 であ り, scANBURケ ージはFRPケ ージの2.7倍 の容積 を有す る 材 質 については市販 の ウサ ギケージの材 A実験 ) 香,次 い で, 6 れた場合 の行動分析 結果 ( 日か ら10日までの 5 日間 scANBURケージ ( 大)か ら FRPケ ージ ( 小 ) に ウサ ギ を移 しての行動分析 結果 ( B実験 ) を,最後 にFRPケージ ( 小 )か らSCANBUR ケージ ( 大) に移 して11日か ら15日までの 5 日間の 行動観 察 ( C実験 )の分析 を行 った結 果次 の ような 成績 を得 た。 1)静止行動 は,SCANBURケージの方がA 実験 で は観察 されたが,ち, C実験 で徐 々 に減少傾 向 が観 察 され た 。 2)歩 行 行 動 は, FRPケ ージ よ りも ク( FRP)である。重量 について はSCANBURケージ本体 のみでは,3.6kg ( 扉 十飼箱 は架台 に附属 ;1 . 4kg) であ るの に対 し,FRPケージは4.6kgであ り,約 1kg 程度FRPケージの方が重 い。なお,販売元 はscANBUR SCANBURケージの方が多 い傾 向が認め られた。3)跳 躍 ・蹴 り行動 は,SCANBURケ ージのみ に観 察 され, FRPケージでは認め られ なか った 。4)摂餌 ・摂水行 勃 はA,B,C実験 の順 で3.2%程 のわずかな上昇が認 め られたが,大 きな変化 は認め られなかった 。5)毛づ くろい行動 は,SCANBURケージでは16.221 .9%しか 認め られなかったの に対 し,FRPケージでは26.0%の 行動観 察 が で きた 。 6)睡 眠 は, SCANBURケ ージ に 32.144.1 %の高値 で観 察 されたの に対 し,FRPケ ー ケージ は㈱ 夏 目製作所 であ り,FRPケージは 日本 ク レア㈱ である。 ジで は29.1%の低値 で観察 された。7 )また,その他 排便 ・排 尿 ・ケー ジの噛 り行動 はC実験 で僅 か0.2% 。 質 は,金網 ( ス テ ンレス な ど) アル ミ板等 もあ る が,SCANBURケージはFDA基準 に許可 された特殊樹脂 であ り,FRPケ ージはその名 の通 り強化 プラスチ ッ 6.大 小 ケ ー ジ別 ウサ ギの行 動 分 析 結 果 : 表 4な らびにFi g.1に示す通 り, まず ,最 初の 5 日間FRPケ ージ ( ノ J 、 )か らscANBUR ( 大 )ケージに入 に観察 されたの みで,A,B実験 ではそのチ ャ ンス と 巡 り会 えなか ったが,基本 的 には大 きな相違が無 い もの と考 え る また, これ らをグラ フで示 せ ば, Fi g.t の ようになる 。 。 表3. S C AN B U R ケージと F RPケージの大 きさ ・材質 ・重量等 r ウサギケージ 外寸法 ( mm) 床寸法 ( mm) 床 面積 ( c m 2 ) 比率 ( %) . 材質 ( kg) 重量 ( k g) S C A N B U Rケージ 7 20 WX7 2 0DX3 00 H F RPケージ 35 0 WX5 27DX350 H 61 0 WX61 01 ) 3 00 WX4 85D 3, 7 21 1 , 455 3, 7 21 / 5, 71 6-0. 71 9( 7⊥ . 9%) 1 . 45 5/ 5,1 76 =0. 2 81 ( 2 8.1%) 特殊樹脂 ( FD A基準許可) 3. 6( 本体)+1 . 4( 秦+餌箱)-5 F R P 4. 6( 本体+秦+餌箱) 表4. 第-実験 ( 小一大ケージ)、第二実験 ( 大-小ケージ)ならびに第三実験 ( 小一大ケージ) におけるウサギの行動解析結果 ウサギの行動分類 A. 小一大ケージ B.太一小ケージ C. 小一大ケージ 1 . 静止 歩行 2. 3. 跳躍 .蹴 り 5 4, 61 8( 42. 6%) 45. 00 2( 3 5. 1%) 2 6, 6 6 8( 2 0. 8%) 2, 9 49 ( 2. 3%) 1 2 8( 0. 1%) 2, 436 ( 1 . 9%) o(0%) 3, 71 8( 2. 9%) 2 5 6( 0. 2%) 4. 摂餌 .摂水 5. 毛づ くろい 8, 5 90 ( 6. 7%) 2 0, 77 0( 1 6. 2%) 9, 3 59 ( 7. 3%) 33, 33 5( 26. 0%) 1 2, 6 9 3( 9. 9%) 2 8, 0 7 8( 21. 9%) 7. 尿 その他 .噛む等) ( 排便 .那 o(0%) o(0%) 2 5 6( 0. 2%) 静止) *1+6 ( 9 5, 7 7 3( 7 4. 7%) 83, 080 ( 6 4. 8%) 83, 2 0 9( 6 4. 9%) *2+3+4+5+7 ( 活動) 32, 43 7( 2 5. 3%) 45, 1 3 0( 35. 2%) 45, 0 01( 35. 1%) 25 ■SL: Sj t dnd Lyi ng l lW: Wondor i ng E )J: Jumpi ng )E: E虞i r 嶋/Ddnki ng E ロG: Qr o oml ng E 3Sl : SJ eepJ ng E 30: Ot her s be ha i o b y s m v % f ; ' 二・.・ ・.,. .. ・J,I : I:,; 7 . ・;I: i : o 7 29 ・0 s 3 2 e 孟 g 。 a n Fi g .i . Ch 崇 1 6.3 1 7 2.1 42 2・0 6・16 32.0 S i t t i ng/L yi ng Wonde r i ng J umpi ng Ea t i ng /Dr i nki ng Gr oomi ng S l e e pi ng Ot her s 0 r a l l s iz eFRP c ag ea nd b ig s iz e BUR c a SCA N g e ai ng i nr ab re r b i ts <考察 > ウサギscA NB URケ ージ とFRPケージの利害得失 は表 る。5 )しか しなが ら,在 来のロー タリーケージワッ シ ャーにはSCANBURケ ージサ イズが大 きいため使用 5に示す通 り, 1)床面積 は居住性 に関係が ある項 目 であ り, どち らのケ ージが ウサ ギに とっで 快適 であ るかはウサ ギの行動 を良 く観察す る と,前後肢 を伸 長 し,快 く睡眠 している姿 を見 ることが分析結果か らも多 い こ とか らscANBURケ ージの方が よ り快適 で ) 一つのケージに 2匹の群飼 な あることがわかる 。2 らびに大型 ウサ ギの飼育等 について は,SCANBURケ ージ はスペ ース的 にゆ と りが あ り可 能で あ るが , す ることが出来 ないので,大型 のケージワ ッシャー を作製 しない限 りこの問題 点 を残す ことになる。6 ) 洗浄 ・滅菌作業の効率化 については,現在 では在来 型FRPケージの数が多いため,S CA NB URケージの方 は ヒ トの手 でケージ洗 浄 を しなければな らず,FRPケ ージの方が作業効 率化 は良いが,SCANB URケージは 作業効率化が現 時点 では比較的 に期待 しに くい。 し か しなが ら,それ らのケ ージ数が逆転 して多 くなれ ば次第 に洗浄 ・滅 菌効率 は高 くなる もの と考 え られ FRPケージ は不 可能である 。 3)材 質 と してオー トク レーブに入れ高熱処理 をす ることは両 ケージ共 可能 であ る。 4)ケージの重量 は,SCANBURケージではケ ージ本体 のみで3.6 kg ( 扉 ・餌箱 はケ ージ架台 に附 属 してい るため) であるの に対 し,FRPケ ージでは ) 良い飼育環境 での均一化 は,飼育環境 と して る。7 よ り良いS CA NBURケ ージでは可 能であるが,FRPケー )また,実験環境の均一化 は, ジでは不可 である。 8 SC ANBURケージな らびにFRPケージ共 に可能ではある 罪 ・餌箱 込みで4.6kgであ り,重量 か ら見 た作 業性 は SCANB URケージの方が軽量 で作業 し易 い ことにな が ,理想的環境 下 でのFRPケ ージ飼育で は不可 能で URケージの方が高 ある。 9)ケージの価格 は,SCANB 表5 .ウサギS C A N B U RケージとF RPケージの利害得失 項 目 1 . 床面積 ( 居住性) 3 . 材質 ( オー トクレーブ) 5 .ケージワッシャー使用 8. 実験環境の均一化 1 0 . ケージの互換性 S C A N B U Rケージ F R Pケ-ジ 3 , 7 21 C ㌔ 1 , 4 5 5 c m 2 町 可 不可 可 町 不可 不可 可 l 26 価 であ るの に対 し,F RPケ ージはそれに比較 し安価 であ る。 しか しなが ら,s cA NB URケージ も量産化す れば安価 になる ことが期待 出来 る。 1 0)ケージの互 換性 は,現在 2種類 のケージを同時 に使用 している こ とか ら不 可 能 で あ る が , 当 施 設 に導 入 した S C A NB U Rケージの新 ケージ架台 は,F R Pケ ージ もハ ン ガーで き使用 出来 るように したので特 別な問題点は ない 。 ll)ウサ ギの飼 育数 の減 数化 の 問題 点 は, SC AN肌Rケージの方が半減す る問題 点があるが, ウ サ ギの飼育 数が多 くなった時 にはS C ANB U Rケージ架 台 を増設する必要性が 出て くる もの と考え られる 。 以上の ように,両 ケージサ イズの うちS C ANB U Rケ ージ につ い ては4BSな らび にUK規格 に近似 してお RPケージについては4BS 規格 では伏 臥位 1 k g体 り,F 重の ウサ ギ に, また,Usな らびにEC規格 に匹敵す る 従 来使用 してい るF RPケ ージは欧米 の規格か ら して も約 1/ 2の大 きさに当た る と言 って も過言で は ない くらい小 さいケージであ り,実験動物殊 にウサ wel lbei n g' ' を考 えた場合,在来のF RPケージ ギの … cA NB URケ ージの方が よ り快適 な飼 育環境が得 よ りs られるケージの大 きさである と考え られる 。 。 <結論 > ウサギの在 来型F R Pケージとs c A NB U Rケージについ て,行動学的観察 を行 って解析 した ところ,次の よ うな結論 を得 た。 1.第 一実験 ( A実験 ) で あ る小 ケー ジ ( FRPケ ー ジ)か ら大 ケージ ( SC ANB U Rケージ) に移動飼育す る と行動 は静止 してゆった りと睡眠 を取 ることが多 いが,歩行 ・跳躍することも多い。 2.第二実験 ( B 実験 )である大ケージ ( s c A NB U Rケ ージ)か ら小 ケージ ( FRPケージ)へ移 動飼育す る と,毛づ くろい行動が約 1 0%ほ ど増加することが判 明 した。そ して静止 ・歩行 ・跳躍 ・睡眠等の行動が 減少す る傾 向が観察 された。毛づ くろい行動が狭い FR Pケージ に多 く認め られた こ とは,ス トレスのた めであ り,毛づ くろい行動 はそれ を解消す る行動で あると推察で きる。 3.第三 実験 ( C実験 ) で は,小 ケ ージ ( FRPケー s c A NB URケ ージ)へ移動飼育 した ジ)か ら大 ケージ ( 場合,歩行 ・跳躍 ・睡眠等 が増加す るが,静止 ・毛 づ くろい行動等が減少する傾 向が認め られた。 なお,摂餌 ・摂水 ・排便 ・排 尿等 の行動 はやや増 加 した ものの大 きな変動 は認め られなか った。 . 9 7 k g 体重の ウサギにとっ 以上の結果か ら,平均 3 RPケージ よりs c A ⅣBU Rケージの方が, ウサ て在来型F ギの飼育環境 として より良い環境 であることが分 っ た。なお,良い ウサ ギの飼育環境 として専 らウサギ を フ ィー ル ドに近似 した飼 育 を是 とす るAni mal 5 と,A ni mal恥l f a r e Act s ) が, Wel f a r el nsti t ut e 飼育ケージその もの を動物環境工学,危険 因子, コ ス ト効果な らびに将来像等か ら検討す ることも必要 なことである と思われる7)8)9)1 0 )0 3回岡山実験動物研 なお,この論文の要 旨は,第3 9 9 7. 7 . 1 2. )な らびに第 究会 ( 於 岡山大学農学部,1 12回実験動物 環境研 究会 ( 於 島根 県立産業交流会 9 9 7 . 6. 2 8) にて報告 した3 ) 4 ) 0 館 :くにび きメ ッセ1 <文献 > 1 )佐藤徳光 ら : 「 実験動物のケージサ イズ に関す 総合研 究 る検 討 」 文 部省科 学研 究費補 助金 ( A)研究成果報告書,2 22 4( 1 9 9 5) 2 )倉林 譲 :ケージサ イズの動 向について,岡山 実験動物研究会報,第1 3 号,1 92 2( 1 9 9 6) 3)倉 林 譲 ,上 山和貴,大光宗義,西野光芳,西 崎 緑 :ウサ ギケージ内にお ける行動学 的観察 R Pケージ とs c A NB U Rケージ との比 一特 に在来型 F 較 について-,第 1 2回実験動物環境研 究会 「 実験動物 ケージの規格化 」-ウサギケージー 1 9 9 7 ) 講演要 旨集 ( 4 )倉林 譲 ,上 山和貴,大光宗義 :ウサギのケー ジ 内 にお け る行 動 学 的観 察一 時 に在 来型 FRP ケージ とs c A NB U Rケージ との比較 について- , 第3 3回岡山実験動物研 究会 プログラム ( 1 9 9 7) 5 )A ni malWel f ar eI nsti t ut e:C o n ) f ort a bl e , Q ua r t er sf orLa bo r at or yA ni mal s;Ra b bi t s 7 47 9( 1 979) 6)A ni l n alWel f a r eAc ta ndLa bor at or yRa b bi t car eGui del i nei nS wi t z e r】 a nd( 1 9 9 4) 7)c o u ncilDi r e cti ve .O nt hea p pr o xi ma ti o nof l a ws ,r e gul ati o nsa nda d d ) i ni st r ati ve pr o vi si o nsoft heA ) e mbe rs t a t er e ga r di n g t hepr ot ecti o nofa ni t n al sus e df or e x pe ri Ⅲe nt ala ndot he rs ci e nti fi c p ur p oses ( 1 98 6) 8 )I nsti t ut eofLa bor at or yA ni malRes o ur ce s; La bor at or yA ni malHo usi n g( 1 9 7 8 ) 9)I nsti t ut eofLa , bo r at or yA ni H ) alRes o ur ces Nati o nalRe s e ar c hC o unci ) .G ui d ef ort he c a r ea ndus eofl a bor at or ya ni I D al s .NI n, 1 9 85) Mar yl a nd ( 1 0)I nsti t ut eofLa , b or at or yA ni malRes o ur ce s Nati o nalRe s e ar c hc o u nci l .G ui def ort he c a r ea ndus eofl a bor at or ya ni mal s , Nati o nala c a de mypr es s, Wa s hi n gt o nD. C. ( 1 9 9 6)
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