有松寛章 - 日本大学理工学部

平成 22 年度 日本大学理工学部 学術講演会論文集
K6-84
運動解析のための自転車ロボットの製作
Development of the standing stability bicycle robot for motion analysis
○古田土直也 1,有松寛章 1,河村直紀 1,杉山嘉英 2,富永茂 3,岡野道治 3
*Naoya Kodato, Hiroaki Arimatsu, Naoki Kawamura, Yoshihide Sugiyama, Shigeru Tominaga, Michiharu Okano
Bicycle is an easy transportation tool. But the safety precaution and the analysis are made some studied. And the rider may greatly
influence the bicycle when we think about the system of the bicycle. It is necessary to think as a bicycle-rider system and we
reproduce the movement of the bicycle when the rider controlled. We consider that the mechanism can control the steer part, and
produce the standing stability bicycle robot.
1.序論
自転車ロボットは市販の折りたたみ自転車にモータ
自転車は手軽な移動手段であるが四輪車と比較する
センサ等を搭載し改造することにより製作する.その
と安全対策や解析があまり行われていないのが現状で
全体図を Figure 1.に示す.Figure 2.に操舵機構,Figure 3
ある.そこで自転車の運動特性の把握し運動の解析を
に.駆動機構,Figure 4.に全体のシステムの接続図に関
行う事とした.
して示す.
自転車の運動システムを考える場合自転車単体では
直進走行においても不安定であるためライダによる操
縦の影響を大きく受ける事を考慮しなければならない.
そのため運動システムは自転車-ライダ系として考え
3.操舵機構
自転車走行時の方向安定を行うための操舵機構の組
立図を Figure 2.に示す.
なければならない.またライダは姿勢安定,方向安定
の2つの操作によって自転車の動きを安定させている.
姿勢安定はライダの上半身の左右の重心移動によって
行われる安定であり,方向安定はハンドルの操作によ
って行われる安定である.そこで今回は自転車のハン
ドルを操作する事で方向安定を制御できる機構を考案
し直立安定自転車ロボットを製作する.そしてライダ
操縦時の自転車の直進運動を再現,制御することで自
転車の運動特性の解析を行う.
2. 自転車ロボット
Figure 2. Assembly drawing of control mechanism
構造としては自転車のサドル部分にモータを取り付
け,そのモータに取り付けたシャフトとハンドル部を
ジョイントを用いて別のシャフトと接続しモータから
の動力を伝達する.モータとハンドルをプーリー等を
介してベルトで接続するのではなくシャフトで接続し
た理由としてはベルトを用いて接続した場合,滑り等
によりモータからの動力伝達に誤差が生じる可能性が
あったためシャフトを用いての動力伝達を考案した.
モータに取り付けたシャフトとハンドル部は平行にな
るように設置する.平行に設置しなかった場合,モー
タからハンドルへの動力伝達がスムーズに行われなく
なるため平行に設置する事とした.操舵機構の寸法を
Figure1. Overview of bicycle robot
1:日大理工・学部・機械 2:日大理工・院・機械 3:日大理工・教員・機械
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を基に AC サーボモータを用いて出力する.走行速度
Table 1.に示す.
に応じた制御を行うために走行速度毎の操舵角とロー
ル角のデータを解析し制御プログラムに組み込む.
Table 1. Specifications
Names
Length[mm]
Handle
550
Shaft
(Attach to motor)
Shaft(use to connect)
545
600
4.駆動機構
自転車走行時の駆動機構を Figure 3.に示す.駆動機
構としては,DC サーボモータを自転車の荷台に取り付
け走行速度を変化させる.走行速度の設定は電源電圧
を 0~5[V]の間で変化させる事によって行う.また速度
Figure4. Connection diagram
の算出は駆動用モータから 1 回転につき 30 パルスを出
力させ出力パルス数をカウンタで測定しその値とタイ
6.今後の展開
ヤの寸法を用いて算出する.
モータとタイヤの回転数を等しくするために2つの
CAD で作成した操舵機構の組み立てを行う.またプ
ギア比を等しくした.出力可能な走行速度は,
ログラムを作成し操舵機構の制御を可能にする.その
0.85~4.27[m/s]の間となっている.4.27[m/s]は時速に直
後操舵機構の動作確認のために操舵角の測定を行う.
すと 15.4[km/h]であり実際に人が自転車で走行する場
また人による自転車での走行により近づけるために,
合での平均速度と近い値である.自転車の運動特性の
ロール角の制御も必要となるためジャイロセンサでの
解析を行うにあたり人による自転車での平均走行速度
測定も行う.ジャイロセンサによって測定されたロー
に近づける事と,低速時のデータを測定する必要があ
ル角にはドリフトが生じる.そのためドリフトの補正
ったため出力速度範囲をこのように設定した.
方法の検討を行う.
実際に人が乗車している状態での直進走行実験も行
い直立安定走行ロボットの製作後に人が乗車時の実験
データと比較する.そして自転車ロボットによりライ
ダ操縦時の自転車の運動特性の解析が可能か検討する.
その後比較により生じた問題点を考慮し制御プログラ
ムの改善を行い自転車の直立安定走行を実現する.
7.参考文献
[1] 佐口太一,高橋正樹,吉田和夫:
「自律走行自転車
ロボットの安定化走行制御」
,日本機械学会,2006 年
発行
[2]永井正夫:
「低速時における二輪車の走行制御」
,自
動車技術会,1986 年発行
Figure3. Drive mechanism
[3]景山一郎,宮岸俊一,馬場雅之,内山一:
「二輪車を
操縦するロボットの構築」
,自動車技術会,2004 年発
5.接続方法
自転車走行時に制御を行うための接続図を Figure 4.
に示す.ロール角の測定はジャイロセンサで行う.そ
して測定した値と制御プログラムより出力した操舵角
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