エキサイプレックス化学の開拓と展開 Parts

第22巻 第12号
研究
レ ー ザ
(963)
レーザー解説
エキサイプレックス化学の開拓と展開 Part5
一スペーサーで距離を固定したポルフィリンーキノン系による電子移動の
基本的メカニズムの探求一
具*
又賀
(1994年5月11日 受理)
Pionee血g and Developing Exciplex Chemistry Part5
−ElucidatingtheMostFundamental AspectofElectronTransferMehcanisms byMeans
of Ultrafast Laser Photolysis Studies on Distance−Fixed Porphyrin−Quinone Dyadsτ
Noboru MATAGA*
(Received May11,1994)
General problems in relation to the investigations on the photosynthetic reac亡ion centef
models including bichromophoric as well as multichromophoric、systems are discussed,
Moreover,the most fundamental aspects of electron transfer(ET)mechanisms are discussed
on the basis of the results obtained by ultrafast laser photolysis studies on distance−fb【ed
porphyrin−quinone dyads.The quite different nature of ET in the inverted region from that in
the normal region is demonstrated。
Key Words:Porphyrln−quinone dyad,Energy gap dependence of ET,Inverted region,Ultra−
fast Iaser photolysis
1.光合成反応中心モデルに関する研究の概要
初期の段階からこの問題に対する開拓的な研究
を行なってきた26)。しかし,生体の光合成反
バクテリアや植物の光合成反応中心における
応中心を構成しているクロモフォア系と類似の
光誘起CSのメカニズムに関連して,ポルフィ
リン類やキノン等を適当な立体配置にスペー
サーでつないだモデル系の合成とその光誘起電
系を適当なスペーサーでつないだモデル系を構
荷分離のナノ・ピコ秒,フェムト秒レーザー分
光等による研究が盛んに行なわれている1)。筆
Part1−4で述べたEX系,蛍光消光反応における
築し,且つ,生体におけるように超高速で高効
率の光誘起CSを実現するのは容易ではない。
者等はPart1,2で述べた分子問,分子内EX系
CSや生成した1LIPのCR反応の一△G依存性,あ
るいはCT錯体励起による1CIPの挙動等に関す
の研究の一つの発展として,国際的にその最も
る基礎的な研究成果の上に立って,生体類似の
*レーザー技術総合研究所(〒550 大阪市西区靭本町1丁目8番4号)
*Institute for Laser Technology,(Utsubo−Hommachi1−8−4,Nishiku,Osaka550Japan)
3
(964)
平成6年12月
エキサイプレックス化学の開拓と展開 Part5
クロモフオア系における光誘起CS,IPのCR及
びCSH(charge shift)反応等のメカニズムのよ
り詳細な解明を行なうことが光合成反応中心モ
デル系のデザインには決定的に重要である。
この問題に関連して,生体類似クロモフォア
P−Q乃至ZnP−Q2元系について,光誘起ET反応
の最も基本的な問題であるエネルギーギャップ
則,エネルギーギャップ則の温度や溶媒依存性
等について詳しい定量的研究も必要であるが,
従来あまり組織的な研究が行なわれていなかっ
た。
としてのポルフィリン(P)乃至金属ポルフィリ
ン(MP〉(D)とキノン(Q〉(A)の系における光誘
起ET反応については古くから多くの研究が行
なわれてきたが,P乃至ZnPの励起一重項状態
からQへのETによる11P状態1(P+…Q一)乃
そこで,筆者等は,一つには光合成モデルク
ロモフォアとしてのこれらの点を明確にするた
めと,もう一つには,Part1−4で,EX系や蛍光
消光反応における蛍光分子一消光分子対や生
成した11Pの構造(D−A問距離等)が溶媒極性や
至1(ZnP+…Q一)は,特に極性の高い溶媒中で
一△Gによって種々変化する“多状態機構”がこ
は超高速CRを示し3),光誘起CSより速いた
め,11P状態を時間分割吸収スペクトルにより
れらの系の挙動,それらを経る光化学反応のメ
カニズム解明に極めて重要であることを明らか
観測するのは高速レーザー分光によっても容易
にしたが,逆に,上述のような光ET反応の最
ではない3’4b)。これはこの系のCR過程の一△
も基本的,一般的な問題の詳細な解明を行なう
ためには,D−A間距離をスペーサーで固定した
GCR依存性は,Part3のHg.2に示した1LIPの
ベル型んCRVS.一△GCR関係6)の頂点付近(一△
系でD,Aを種々変えてエネルギーギャップ則
を調べまたそれに対する温度,溶媒効果を調べ
ることが極めて重要であり,この観点から距離
を固定したP−Q,ZnP−Q2元系について,フェ
GCR∼1.5eV)にあるためとして理解できる。無
極性乃至より極性の小さい溶媒中では一△GCR
が増加するが,溶媒のreorganizationエネルギー
ムト秒,ピコ秒分光による組織的研究を行なっ
た7)。これについて最初にに述べ,次に種々の
λは増加しないため11PのCRはおそくなるが,
しかしそれでも,P+一Q『乃至ZnP+一Q一系のんCR
3元系の研究について述べる。
は,一△GCRがPart1−4で述べたEX系や蛍光の
電子移動消光における1LIP等の場合より小さ
2.スペーサーでD−A間距離を固定したポル
フィリンーキノン系による光誘起電子移動
の基本的メカニズムの探求
いため,これらの系のんCRに比べてはるかに大
きい。
このように本来生体系に含まれているクロモ
一連のP−Q乃至ZnP−Q系の構造式をFig.1に
示す。これらの系のベンゼン溶液のピコ秒,フェ
フォアであるが,P−Q系そのものは生体で実現
されている超高速,高効率の光誘起CSの観点
からは適当な系とは言えない3)。これについて
、
、
り
は後で詳しく述べるように,P−Qのような2元
CH3、〃 M /
’一c至モ2−Q
系(dyad)ではなく,3元系(triad)乃至それ以上
、、“
のクロモフォアを適当な配置につないだ多元系
む
Q=c阜:1M二畷
モデルシステムを構築し,光誘起CSにつづい
てCRと十分に対抗し得るCSH反応で正,負の
心
魚
M=Zn ZQIM
Cl13 =H2H(⊇1M
O
爺
電荷を大きく引き離して速いCRが起らない状
態まで持ってくることが必要であり,筆者等は
M=Zn ZQC
世界に先駆けてそのような研究をP,Qを含む3
O
の
M=Zn ZQ
=II2 HQ
O
c1 =H2 HQC
元系について行なった475a)。しかし,この問題
ゆ
に立ち入る前に,生体光合成反応中心に含まれ
るクロモフォアによる最も簡単なD.A系である
cH3曹M=Z蹴ZQ2M
罧H2HQ2M
CH3
0
㊥
M=Zn ZQN
=II2 HQN
O
Fig.1Structural formulas of the P−Q dyads.
4
第22巻 第12号
レ ー ザ ー 研 究
ムト秒時間分割過渡吸収スペクトル及びポル
フィリンの蛍光減衰曲線は,HQN以外は(1)式
(965)
らは(4),(5)式によって関係づけられる。
の反応スキームで解析できる。
κcs
P*(S1)一Q→P+一Q。
一△GcsニムE(S1)+△GCR
(4)
一△GCRニE。x−Ered+△Gs
(5)
△E(S1)はS1←Soの0−0遷移エネルギー,E。xと
嘲箸/(刷\西(、)
E,edは適当な極性溶媒中で測定したポルフィリ
ン(H2P及びZnP)の酸化電位と種々のキノンの
P−Q
還元電位を表し,△Gsはんcs,碗Rを測定した
溶媒とE。x,E畑を測定した溶媒の極性の相違
時間分割スペクトルの測定によりabsorbanceの
時問依存性から,τ、4=んCS+τσ1=んCS+(んf+
によって生ずるP+,Q”の溶媒和エネルギーの
差に対する補正及びP+,Q雪問のクーロンエネ
ん、+んi,、〉の値及びんCRの値が求まり,Qのキノ
ンを還元した参照化合物のS1状態の寿命の実測
ルギーを表す。ベンゼン溶液におけるHQNの
場合にはんCS駕た,。tであるから,一△GCS=
値をτoとしてんcsが求まる。HQNの場合には,
P*(S1)一QとP+一q状態のエネルギーが接近し
RTln(κcs/た,.t)駕0となり,(4)式により一△GcR
ているため,(2)式のような反応スキームを考
=△E(S1)となる。これと(5)式の関係からベン
える必要がある。
ゼン溶液の△Gs廻0.4eVと求まった。この△
Gsの“実験値”を用い,ベンゼン中の溶媒和エ
ネルギーの補正をBomの式で計算することな
んcs
P*(S1)一QごP+一Q福
漏y(軌噛(2)
く一△Gcs及び一△GCRの値を求めることができ
る。その結果,紀svs.一△Gcs及びκcRvs.一△
P・Q
GCRはFig,2に示すようになった。曲線は(6)式
この場合には,P*(S1)一Qの蛍光の減衰関数は
による理論値である。(6)式はPart2の(1)式と
ん,e,の存在のためdoubleexponentialになり(3)
同じであり,Marcusの古典式に含まれていな
式のように表され,実験結果はこの式によく一
かった分子内振動の効果を近似的に含む。
致する。
12.0
一、o
O! \
11,5
1f(‘)=C、exp(一α∫)+C2(一β∫)
α,β一(1/2)1τσ1+んcs械,e、械CR
メ
/ こ¥
∠
\
O 合
へ11.0
マ
+{(ん,et+んCR一τ。4一んcs)2+4んcsんretl1/21(3)
¥ ②
△ N
の
\10.5
C、=(τσ1+んcs一β)/(α一β)
!
ぢ
邑10。o
C2=(α一τ。ロ1一んcs)/(α一β)
ノ
ぎ
貞 9.5
均
ノ
ノ
O
ノ
’
(3)による実験結果のsimulat量onから,常温ベン
9,0
ゼン溶液中の速度定数は次のようになる1んcs
ノ
1
’
ム
¥㊨
、
璽
轡⑱
、 ④
奏⑧
、
、
8,5
0.0 0.5 1,0 1,5 2,0
−4.2×10gs−1,たcR=1.8×109ぎ1,ん,et−4.0×
一△G/eV
109s4。これらの速度定数を用いHQNの時間分
Fig・2Energy gap dependence ofκcs andκcR.
割過渡吸収スペクトルの測定で求まったある波
O:んcs in benzene3 ㊨:んcR in benzene l
長での吸光度の時問依存性を再現することがで
△:たCS in tOIUene3 血:たCR in tOIUene.
きる。
Theoretical curves were calculated by uslng
eq(6)with the fqllowing parameter values:
以上のようにして,求めたベンゼン溶液中の
紀s,んCRの一△G依存性を調べるために,以下
一;λs=0.18eV,λv=0.6eV,力<ω>=
0.15eV,y=3.8meV,…1λsニ0.6eV,λv=
のようにして一△GCS,一△GCRを求めた。これ
0.2eV,力<ω>ニ0.15eV,y=5.OmeV.
5
(966)
エキサイフ。レックス化学の開拓と展開 Part5
平成6年12月
にあるCRの方はどの一△GCRの所でも反応の活
性化エネルギーはゼロである。従って,Mar−
CUSの古典論では説明できない。娩Rが一△GCR
ん.,一(π/力2λ,んB乃1/2γ2Σe喫3n/n!)
exp l一(△G十λ、十n力<ω>)2/4λ、んBTl (6)
の増大とともに減少するのは活性化エネルギー
y:P,Qの問の電子的相互作用のマトリックス
の増加によるのではなく,量子力学的なトンネ
エレメント,S=λ.焼<ω>:電子一分子内振
ルの確率が減少するためである。すなわち,
invertedreg童onでは,分子内振動の高振動数
quantummodesによるトンネルの効果が非常に
大きく,Part4のFig.2に示したようになって
動coupling定数,λv:平均の分子内振動数<ω
>によるreorganizationエネルギー,λs:溶媒
のreorganizat圭onエネルギーである。
Fig.2から分るように,ここで求めたんcsは
いることを12),この温度効果の実験は明確に
normalregionにあり,またIPのんcRはinverted
示している。さらに,んCSと椀Rの温度依存性
regionにある。図の実線は,パラメーターを調
を(6)式によって再現することを試みた結果,
節して実測に最もよく一致するようにした場合
んcRについてはλsニ0.18eV,λv=0.60eVで,
であるが,ベンゼンが極性の低い溶媒であるこ
またんcsについてはλs=0.60eV,λv=0.20eV
とを反映してλs=0.18eV,λv=0.6eVである。
λsに対してM&rcus9)の古典的な式(7)を用いる
で実験結果に一致する。従って,同じreorga−
nizationparameterを用いたのではnormalre−
と,ベンゼンが双極子モーメントを持たないこ
gionのんcsとinverted regionのんcRの温度依存性
とに対応して静的誘電率ε、と光学的誘電率ε。。
を説明することができず,これらの反応が本質
が殆ど等しいためλs∼0となり実験結果を再現
的に異なった性質のものであることを示唆して
できない。
いる。以上のようなnormalregionとinverted
regionにおけるん.tの温度効果の相違は,P−Q系
λ・一’(岩+、羨一÷)(焉一去)(7)
の場合だけでなく,それ以外のD,A系をrigid
なスペーサーでつないだ系の無極性溶媒中にお
(7D,7A:D及びAの半径,7:D,Aの中心間距
ける測定においても認められている13)。
離)
次に溶媒をベンゼンからTHF(テトラヒドロ
恐らく,ベンゼンと溶質分子乃至イオンとの問
フラン),さらにBuCN(ブチロニトリル)に変え
には,連続誘電体における線型応答で分極を考
て極性を増大させると,normalregionにおけ
えるのでは不十分であり,より特異的な溶質一
るんcsvs.一△Gcsのカーブは,一△Gcsの大きい
溶媒間相互作用の存在を示唆する。このことは
方ヘシフトし,これは(6)式のλsが溶媒の誘電
また,Part1で述べた蛍光のストークスシフト
率(ε,)の増大とともに大きくなる((7)式参照)
に関するLippert−Mataga式によるプロットでベ
ためとして説明される。各溶媒中のんcsVS.一△
ンゼン溶液ではそのε、から考えられる値よりも
GCSの実測値は実際にλ、に適当な値を用いて,
かなり大きなシフトを示すという事実とよく符
んcsの値が比較的小さい領域では定量的に計算
合している10’11)。
値によって再現できるが,頂点に近い所では計
次に,これらの系のトルエン溶液を用いて,
算値の方は逆転効果を示しているのに対して,
種々の一△GにおけるんcsとんCRに対する温度効
果の測定を行なった結果,normalregionにあ
実測値の方はどの溶媒中でも,最も大きい一△
GCSの値の所でも逆転効果を示していない7)。
るCSでは,比較的一△Gcsが小さい所(0.2∼0.4
Part2で述べた,スペーサーでつないでいない
eV)ではかなりの活性化エネルギーを要し,且
D,A系の極性溶媒中における蛍光消光反応で,
つこれは一△Gcsの減少とともに大きくなり,
Marcusの古典論と一致するが,invertedregion
CS過程に逆転効果が観測されない最も重要な
理由として,電子移動におけるD,A問距離の
6
第22巻第12号
ザ ー 研究
レ
の2.で考察、したCIPのんCRvs.一△GCRに対する
12,0
11.5
パ
マ11.0
の
\
お10.5
図
一ももも!
極性溶媒のreorganizationの効果が非常に小さ
魂、
系の場合も,分子内振動の高振動数quantum
modesの寄与がinvertedregionにおけるCR過程
においては圧倒的であり,Part4のFig.2のよ
いという結果と良く似ている。従ってこのP−Q
\\
②
葛
うな概念図で表される。またこれは上述の温度
810・0
効果の研究結果が,invertedregionにおける
んcRに対して高振動数quantummodesの寄与が
圧倒的なことを示唆していることともよく符合
9.5
9・00.0
(967)
0.5 1.0 1.5
2.0
一△G/eV
している。
Fig.3Energy gap dependence ofんcR(O)andんcs
参 考文 献
(㊥)in THF solution.O:1,ZQ2Ml
2,ZQIMl3,ZQl4,ZQCl5,ZQ3C.
1)比較的最近の一般的文献としては例えば,(a)
D.Gust and T.A.Moore,Eds.:Covα1εnめ
分布とその一△σcs依存性について考察した
L∫n舵4Doπo耐ccεμorSρεc∫63∫b7ノ協履c7yoプ
(Part3,ref。8,14−16)。しかし。D,A間距離を
Plzo∫osynごhα∫c Elεα70n αn4 Enε78』ソ Trαn5プセ7,
Tetrahedron Symposia−in−Print No。39,Tet−
固定したP−Q系において逆転効果に関する上の
rahedron 45 (1989) 4669−4912。(b) 」.Jortner
ような傾向がみられるということは,筆者等が
and B,Pullman,Eds:P6汽sp8α∫vεs∫n P加‘o−
以前に提案した,IP状態における極性溶媒の非
3y窺hε3∫3(Kluwer Academic,Dordrecht1990).
線型分極(Part3のref.11−13)やその他通常の理
(c)J.R。Bolton,N,Mataga and G,Mclendon,
Eds。:Elεα70n T耀n5た7∫η1no78αn記,078σn∫c
論では考慮されていない未知のメカニズムもあ
θn4、B∫olog加1Sy3‘朋s,Advances in Chemistry
る程度働いているのかもしれない。
Series228(Am、Chem。Soc.Washington DC,
1.の最初の所で述べたように,P,Q系の酸
1991).
2)(a)M.Migita,T。Okada,N。Mataga,S.Nishi−
化還元電位や励起エネルギー等の関係で,とく
大きくなり得るため,んCRの正確な測定が困難
tani,N.Kurata,Y.Sakata and S.Misumi:
Chem。Phys。Lett.84(1981)2631(b)S、Nishi−
tani l N.Kurata,Y.Sakata,S.Misumi,M.
になってくる。しかし,THF溶液中では,こ
Mataga,T。Okada and N.Mataga:Tet−
れらの距離を固定したP−Q系につき,いくつか
rahedron Lett.22(1981)2099.
に極性溶媒中では容易にIPのんCRがんCSよりも
3)N.Mataga,A.Karen,T。Okada,S.Nishitani,
N,Kurata,Y.Sakata and S。Misumi:(a)」。
Am.Chem.Soc。106(1984)24421(b)J.Phys.
Chem.88(1984)4650。
の一△GcRの値に対応したinverted regionにおけ
るκCRの値を正確に求めることができ,Fig.3
に示すような結果が得られた7)。THF中のんCR
4)(a)S.Nishitani,N。Kurata,Y.Sakata,S。Mis−
vs.一△GCRカーブはベンゼン,トルエン溶液に
umi,A。Karen,T.Okada and N,Mataga:」.
Am。Chem。Soc。105(1983)7771;(b)N。Mata−
ga,A。Karen,T.Okada,S,Nishitani,N.Kura−
おけるそれに殆ど一致しており,んcsVS.一△
σcsの方はベンゼン,トルエン溶液に比べてエ
ネルギーギャップの大きい方ヘシフトしている
ta,Y.Sakata and S。Misumi,」。Phys.Chem、88
(1984)5138.
ため,二つのカーブは交叉している。この結果
は,極性溶媒のreorganizationの効果が,nor−
5)N.Mataga:(a)Pure&AppL Chem.56(1984)
1255,(b)ibid.65(1993)1605.
mahegionにおけるCS過程に対しては顕著なの
に対し,inverted regionにおけるCR過程に対
6)N.Mataga,T.Asahi,Y.Kanda,T.Okada and
T.Kakitani:Chem。Phys。127(1988)249.
しては非常に小さいことを示しており,Part4
7)T.Asahl,M.Ohkohchil R.Matsusaka,N.
7
( 968 )
J! Hf4
y
7 ; 4
:(7)f f
f f
Part 5
F ; 6 j 12)
Mataga, R. P. Zhang, A. Osuka and K.
11) N. Mataga, Y. Kaifu and M. Koizumi: (a) Bull.
Maruyama: J. Am. Chem. Soc. 115 (1993)
Chem. Soc. Jpn. 28 (1955) 690; (b) ibid. 29
(1956) 465.
5665 .
8) (a) J. Jortner: J. Chem. Phys. 64 (1976) 4860;
(b) M. Bixon and J. Jortner: J. Phys. Chem. 95
(1991) 1941.
12)
T. Asahi, M. Ohkohchi and N. Mataga: J.
Phys. Chem. 97 (1993) 13132.
13) J. Kroon, H. Oevrning, J. W. Verhoeven, J.
9) R. A. Marcus: J. Chem. Phys. 24 (1956) 966.
10) E. Lippert: (a) Z. Naturfursch, 10a (1955) 541;
(b) Ber. Bunsenges. Phys. Chem. 61 (1957)
962 .
- 8 -
M. Warman, A. M. Oliver and M. N. PaddonRow: J. Phys. Chem. 97 (1993) 5056.