ポスター - リーディング

第
71 回
分子システム
日時:
分子システムデバイスコース
Advanced Graduate Course on Molecular Systems for Devices
Open Seminar
デバイスセミナー
★
九州大学大学院 博士課程教育リーディングプログラム
参加無料
2015 年 6月 12 日(金) 16:30 ∼ 18:00
会場: 伊都キャンパス総合学習プラザ 110
Ito campus: Open Learning Plaza 1F Seminar room(110)
* ( 箱崎 ) 理学部 3 号館 6F#3607/Hakozaki #3607
* via TV conference system for the course students
電子のさざ波 プラズモン で駆動する
光ピンセット:分子捕捉を目指して
要旨
坪井 泰之先生
大阪市立大理学研究科 分析化学、光化学 教授 微細な表面構造を有する貴金属に共鳴光を照射すると、金属中の自由電子の集団運動が さざなみ の
ように励起され、これをプラズモンと呼びます。この時、金属表面に光電場は著しく局在し、増強されます。
これに輻射力も増強し、ナノ粒子を金属ナノ構造に効率よく捕捉できることがあります。このようプラズ
モン光ピンセット(=図 .1)は、従来の集光レーザービームを用いた光ピンセットに比べ、①安定な捕捉に
必要な光強度がおよそ一万分の一程度で済む、②捕捉の空間分解能が回折限界よりもはるかに小さいナノ
ギャップのサイズにまで小さくすることができる、などの大きな利点を有しております。
私たちはこのプラズモン光ピンセットに注目し、現在まで量子ドット [1] や高分子鎖 [2]、ポリスチレンビー
ズ [3] などの光捕捉に成功してきた。さらに分子系の光捕捉を達成するため、光共鳴効果の利用 [4, 5] やフェ
ムト秒レーザービームの導入を行い、特徴的な DNA の光捕捉にも成功しております [6]。これらは私たち
の独自のアプローチなのです。
ある程度の大きさを持つ有機高分子系が安定的に光捕捉できたことにより、このような研究は第二ステー
ジに入りつつあると私たちは認識しております [7]。つまり、今までは世界的に見ても「捕捉とその確認」
のみに留まっていた研究ですが、これからはこれを光ナノサイエンスや物質科学へと応用する試みが活発
になると予想しております。
本講演では、私たちの取り組みを中心に、プラズモン光ピンセットの機構と特徴を紹介します。そして、
私たちが最近試み始めた、その化学的な応用に関し紹介いたします。分野外の方々にもわかりやすいお話
を心がけます。
文献
[1] Y. Tsuboi et al. J. Phys. Chem. Lett. 2010, 1, 2327-2333.
[2] M. Toshimitsu et al. & Y. Tsuboi, J. Phys. Chem. C 2012, 116, 14610−14618.
[3] T. Shoji et al. & Y. Tsuboi, J. Phys. Chem. C. 2013, 117, 2500–2506.
[4] T. Shoji et al. and Y. Tsuboi, Jpn. J. Appl. Phys. 2012, 51, 092001(Spot Light Paper).
[5] T. Shoji et al. & Y. Tsuboi, J. Phys. Chem. C. 2013, 117,10691–10697.
[6] T. Shoji et al. & Y. Tsuboi, J.Am. Chem. Soc. 2013135, 6643−6648.
[7] T. Shoji and Y. Tsuboi et al., J. Phys. Chem. Lett., Vol.5 (2014) 2957-2967.
図.1プラズモン光ピンセット
■お問い合わせ先
分子システムデバイス国際リーダー教育センター支援室
E-mail:office[at]molecular-device.kyushu-u.ac.jp
TEL:092-802-2911 FAX:092-802-2912
〒819-0395 福岡県福岡市西区元岡 744
九州大学伊都キャンパス ウエスト 2 号館 627 号室
(Highlighted as a cover art and ACS Editor’s Choice)
■主催: 九州大学大学院博士課程教育リーディングプログラム
分子システムデバイスコース
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