Page 1 Page 2 動的臨界現象における く り こみ群及びモー ド結合理論

KURENAI : Kyoto University Research Information Repository
Title
Author(s)
Citation
Issue Date
URL
動的臨界現象におけるくりこみ群及びモード結合理論(「
非線型非平衡状態の統計力学」報告)
川崎, 恭治
物性研究 (1975), 24(6): D15-D16
1975-09-20
http://hdl.handle.net/2433/89033
Right
Type
Textversion
Departmental Bulletin Paper
publisher
Kyoto University
動的臨界現象におけるくりこみ群及びモー ド結合理論
動 的 臨界 現 象 にお け る く りこみ群 及 び ・
モ ー ド結 合 理 論
京大基研
川
崎
恭
拍
Wi
l
s
o
nに始 まる く りこみ群 の方法 が最近 BeH Tel
ephoneの人達 によって動的臨界現
象 に も応用 され るよ うになってまたo
l
)2
)
,3
)そ して 次元数 d-4- 8と して Eが小 さい
時 には今 まで と異 る新 しい結果 が得 られ ている。 この事か ら従 来のモー ド結合理論 には
欠陥 がある とす る考 え方が流布 されているよ うである0
4
)最近筆者 は J.I
)
.Gt
mt
o
n氏 と
共 にこの点 を調べ てみた5
)のでその結果 を報告 した。結論か ら先 に云 えば結 果 のちがい
はモー ド結合理論その ものの欠陥 ではな くモー ド結合理論 で出て来た方程式 の従来の取
り扱 い方 に不十分な点 があった と云 う事である。易 ち d- 8次元 でモー ド結合方程 式 を
注意深 く解 けば Eの一次 で くりこみ群 の結果 を完 全に再現 す るこ とがわか った.
6
)例 とし
て容 易平面 をもった強磁性体 (Pl
a
narFerr
o)を考 えてみ る.丁度臨界点で容易平面 の
磁化 の緩和 に結 びつ いた輸 送係数 を L(
k
)と L har
daxi
s 方向の磁化 の拡散 に結びつ い
た輸 送係数 を E(
k)とす る と, Eの一次 まででモー ド結合方程式 は
k些 坦
J
l dk
= _ k-8
L(
k)+E(
k)
2
k 慧
L
-
-
k -e
J
L
21
」
(
k)
但 L gはモー ド結合 の強 さで ある.一方,対応 す る く りこみ群 の方程式 は
<
^
g
(
L)
2
k孟 こ(
k)-(Z-2)L(
k
)+ i(
k)+ E
:
(
I
i
)
<
ki E
^
(
k)-(Z-2)E・
(
2a
)
g
^(
k)
2
2£(
k
)
ki g
^(
k)-(Z
守 )
g
^(
k
)
但 L zは動的臨界指数。
これ らの 2組 の方程式の間 には
d
g
^(
k)-AkZ7 g
(
3a
)
-I
)15-
川崎恭 治
(
3b)
i.
(
k
)-Ak
評 -2
L(k
孟/k)
<
f(
k)-AkSkZ-2i
(
k
孟/k)
(
3C)
な る 関係 が な 。立 つ o但 し kn と Aは任 意 定数 o特 に A- 1と とれ ば
Z
吾
だか ら
g
^(
k)- g
L(
k
)-L*k-e
I
2
E(
k)- E*k1/2
<
(
4)
∧
ここで L*と E*は(
2)式 の固定点 での Lと Eの値。即 ち輸 送係数 の cri
t
i
c
ala
mpl
i
t
u
des
が く りこみ群 方程 式の固定点 での値 に他 な らよい。
結 論 は,少 くとも Cの一次 では く りこみ群 とモー ド結合理論は,同 じ理 論 の 2つ の異
った表現 になっている と云 う事。 これ は云 わば 量子力学で Hei
se
nber
g表示 と Schr
o-
di
n
ger表示 が あ るの に似 て い る.一 万 8の高 次 まで考 える とどうか。 これ は, そ う単
純 ではない。即 ちモ ー ド結合理 論 では (少 くとも私 のや り方 では )平 衡状態 につ いての
知 識 がわか っている と してその上 に ダイナ ミックス を組み立 て る方針 を とったが (した
net
i
ce
q
uat
i
o
nに帯磁 率 ,比熱等 の si
a
gul
arな係数 が は い って
がって出発点 となる Ki
い る )く りこみ群 では出発点が完 全 に a
n
al
yti
cであ る。しか しこの差 はそれ程 本 質的 と
oc
hast
i
ce
quat
i
o
nの形 をと
は思 えない。即 ち完 全 に解析的 な出発点 (これ は一般 に st
るで あろ う )か らモー ド結合 理論 を作 るこ とは可能 で ある しこ うすれば両方 の理 論 は内
容的 に等価 になる と考 え られ るか らであ る。た だモー ド結合理論では固定点 の概念 があ
るの に入 って来 ないが, これ は前述 した表現の ちが いによる もので, モー ド結合理 論 で
は常 に出発点 に含 まれ ているパ ラメタ- の空間 内で最 も安 定 な固定点 を自働 的 に拾 い出
してい るこ とがわわ る。
参
考
文
献
1
) B.Ha
l
pe
r
i
n,P.Ho
he
nbe
r
ga
ndS・Mo・Phys
・Re
v
・B1
0(
1
97
4)1
39・
2
) B.Ha
lpe
r
i
n,P・Ho
he
nbe
r
ga
ndE・Si
g
g
i
a
,Phys
・Re
v・
'Le
t
t
・3
2(
1
97
4)1
289・
3) S.Maa
ndG.Ma
z
e
n
ko,Phys
.Re
v
.Le
t
t
.33 (
1
97
4)1
38
4.
4) M.E.Fi
s
he
r
,Re
v.Mo
d.Phys
.46(
1
974)5
97.
on,RI
FPPr
e
pr
i
ntNo.222 (
1
975
)
.
5
) 良.Ka
wa
s
a
k
ia
nd J・D.Gunt
nt
ona
ndK.Ka
wa
s
a
ki
,∫
.Phys
.A8 (
1
975
)L9.
6
) ∫.D.Gu
-D16-