モデル:A(売主)→B(買主)への所有権移転 添付書類 権利者(買主

モデル:A(売主)→B(買主)への所有権移転
添付書類
個別に必要となるもの
権利者(買主)
義務者(売主)
住所証明書
登記済証 or 登記識別情報※
印鑑証明書
共通で必要となるもの
登記原因証明情報(売主=義務者の記名押印)
委任状(義務者=現在の所有権登記名義人は実印押印)
資格証明書(申請人が法人の場合)
※ 義務者が所有権登記名義を取得した時期が、当該管轄登記所がオンライン指定された後
の場合は登記識別情報
※ オンライン指定前で登記済証交付を希望する場合、規則附則第 15 条第 2 項書面が必要
登録免許税
不動産価額の 20/1000(土地の移転(売買を原因とするものに限る)は 10/1000)
登記完了後の扱い
オンライン未指定庁:交付希望をしない場合を除き、申請人に登記済証を交付
※
登記済証…規則附則第 15 条 2 項書面に登記済の印判を押捺
→受付年月日、受付番号、順位番号、登記済の旨、登記所の印が押される。
権利取得の登記済証は、その者が義務者となる場合に必要
ex.所有権移転、抵当権設定 etc.…当該登記済証が以後の登記で必要
cf.根抵当権極度額増額、債務者変更…その登記で権利の登記名義人となった訳では
ないため、以後の登記では登記済証不要
交付を受ける者…単独申請の場合
当該申請人
共同申請の場合
登記権利者
(登記義務者には申請時に添付した登記済証を返却)
オンライン指定庁:登記完了証を申請人に交付
当該登記により登記名義人となる者に、登記識別情報を通知
登記完了証:権利者側、義務者側に各1通
登記識別情報通知書:不動産、名義人ごとに各1通
提出して返却される書類
権利者:なし
義務者:登記済証(未指定時に登記名義を受けていた場合)
オンライン指定後に登記名義を受けていた場合、提出した識別情報は破棄
ex.A→BC(各2分の1)に所有権移転
申請情報
登記の目的
所有権移転
原
因
平成○年○月○日売買
権
利
者
持分2分の1
義
務
者
A
B
2分の1
C
Aに返却される書類:登記完了証1通、(登記済証)
B、Cに返却される書類:登記完了証1通、登記識別情報2通(B、C各自のためのもの)
cf.オンライン未指定庁の場合
Aに返却される書類:登記済証のみ
(旧法60条2項の処理…登記の目的と登記済の旨を記載し、登記所
の印を押捺)
B、Cに返却される書類:(新)登記済証1通
まとめ
権利者に返却されるもの
オンライン指定庁
オンライン未指定庁
登記完了証
(新)登記済証
1通
登記識別情報通知書
1通
→規則附則第 15 条第 2 項書面を素材とする
通数:権利者の数×不動産の数
義務者に返却されるもの
オンライン指定庁
オンライン未指定庁
登記完了証
1通
登記済証
登記済証
1通
旧法 60 条 2 項の処理をして返却
1通
例外:返却されない場合
権利者:登記識別情報 or 登記済証の交付を希望しない場合は交付されない
Cf.登記完了証の交付を希望しない旨の申し出はすることができない。
添付書面のオプション
1
登記原因についての第三者の許可・同意・承諾
(私文書の場合、当該文書の印鑑について印鑑証明書(期限なし)が必要)
例
農地法許可
b
会社・取締役間の利益相反取引
c
抵当権の順位変更における利害関係人
d
根抵当権の極度額変更における利害関係人
e
根抵当権の譲渡・分割譲渡・一部譲渡における設定者
f
根抵当権の分割譲渡における転抵当権者
g
共有根抵当権の権利譲渡における他の共有者の同意
2
a
登記上利害関係人の承諾
(私文書の場合、当該文書の印鑑について印鑑証明書(期限なし)が必要)
例
a
権利の登記の変更…債権額の増額等
b
権利の登記の更正…
c
権利の登記の抹消
d
権利の登記の抹消回復
e
所有権の仮登記に基づく本登記
〃
※申請受理 or 付記の要件
a、b…付記の要件(承諾がなければ主登記)
c、d、e…申請受理要件
登記識別情報 or 登記済証の添付・提供ができない場合
3
原則:事前通知制度
例外:資格者本人確認情報の提供、公証人による委任状の認証
※
登記申請書に添付する登記義務者の印鑑証明書との関係
原則:所有権(共有持分含む)の名義人が義務者となるときに必要
→所有権以外の権利の登記名義人が義務者となるときは原則不要
ex.抵当権抹消、地上権を目的とする抵当権設定
例外:登記識別情報 or 登記済証の添付・提供ができない場合
→所有権以外の権利の登記名義人が義務者になる場合でも、印鑑証明書必要
理由:
本来、印鑑証明書の添付を求めなくても、登記識別情報又は登記済証(本人しか持
ち得ないもの)で登記義務者本人からの申請であることを確認することができる
↓よって
申請書(本人申請の場合)または委任状(代理人による申請の場合)に押印した印
鑑につき印鑑証明書を求める必要がない
(ゆえに、申請書又は委任状に押捺する印鑑は認印でよい)
↓しかし
登記識別情報又は登記済証が提出・提供されないと、登記官は登記義務者本人から
の申請であることの確認をすることができない
↓そこで
本人しか持ち得ない印鑑で申請書又は委任状に押捺させること、その印鑑につき、
印鑑証明書を提出させることで、登記義務者本人からの申請であることを証明させ
る必要がある