2 00 5年5月発行 発 行 国 土 地 理 院 総務部広報広聴室 ― 2 0 0 5年日本国際博覧会 (愛・地球博) 記念地図 (英語版) の一部 ― 1.20 05年日本国際博覧会(愛・地球博)記念地図を作成 2 ―英語・韓国語・中国語・日本語による多国語表記― …………………………………… 2.あなたも情報発信してみませんか? 3 「電子国土Webシステム」の技術情報を一般公開しました………………………………… 4 3.平成16年度刊行地図等の販売実績………………………………………………………………… 4.福岡県西方沖を震源とする地震に伴う地殻変動解析…………………………………………6 7 5.第163回地震予知連絡会議事概要 ―第1 9期役員決定― ……………………………………… 9 6.日印津波ワークショップ参加報告………………………………………………………………… 1 0 7.科学技術週間に伴う施設の一般公開を実施 …………………………………………………… 1 1 8.企画展「第8回地図屋さんの作品展」を開催…………………………………………………… 1 2 9.平成17年度「測量の日」関連イベントスケジュール………………………………………… 1 2 1 0.記者発表・6月の主な行事予定…………………………………………………………………… −1− − 英語・韓国語・中国語・日本語による多国語表記 − 3月2 5日から愛知県で開かれている「2 00 5 初めてとなります。 年日本国際博覧会(愛・地球博)」の開催に この地図の作成範囲は、博覧会会場とその 合わせて、縮尺1万分の1地形図を主とした 周辺を包括し、東西約10km×南北約7kmで、 記念地図を作成しました。 会場への交通手段として利用される愛知高速 交通東部丘陵線(リニモ)、東名高速道路に新 現在、政府は訪日外国人旅行者の増大を目 設された日進ジャンクションなどが含まれて 指して、ビジット・ジャパン・キャンペーン います。 に取り組んでいます。 また、博覧会のテーマが「自然の叡智」で 国土地理院においても、今回の博覧会の開 あることから、自然をイメージする緑を基調 催に合わせて記念地図を作成しました。記念 とした色使いで作成しています。裏面には、 地図は、訪日外国人旅行者も利用できるよう 会場図や会場周辺のみどころなどを掲載して に、日本語のほか英語、韓国語、中国語の計 います。 4種類の言語で作成しています。 記 念 地 図 は、大 き さ が 四 六 判(78. 8× このうち英語版、韓国語版、中国語版につ 1 0 9. 1cm)で、これを折りたたんでA4サイ いては、日本語を併記し、それぞれの言語と ズ の ケ ー ス に 入 れ て い ま す。定 価 は、一 部 対応できるようにしています。 1, 2 0 0円(税込み)で、 (財)日本地図センター また、地図に表示する地名や施設名等の文 にて販売しています。 字を大きくし見やすくしています。 国土地理院では、これまでも英語で表記し 博覧会へ訪れる、国内外の多くの方々に広 た 地 図 は 刊 行 し て き ま し た が、今 回 の よ う く利用されることが期待されます。 (測図部) に、韓国語、中国語で表記した地図の刊行は 各言語記念地図の一部 ◆英語版 ◆韓国語版 ◆中国語版 −2− ◆日本語版 「電子国土Webシステム」の技術情報を一般公開しました て詳しく説明しています。) 国 土 地 理 院 は、3 月29日 か ら「電 子 国 土 Webシステム」に関する技術情報を一般に公 ③地理情報標準第2版電子国土プロファイル 開しました。 (標準的な交換データ形式など重ね合わせ 平成15年7月にインターネット上に「電子 表示するためのデータの仕様について説明 国土Webシステム」を公開以来、国、地方公 しています。) 共団体等のほか非営利団体に限定して技術情 ④重ね合わせデータのサンプルとツール類 報 の 提 供 を 行 っ て き ま し た が、「電 子 国 土 (重ね合わせ表示するデータの例と、デー Webシステム」の利活用を一層促進する観点 タ作成を助けるソフトウエア等について説 から、このたび技術情報を一般に公開したも 明しています。) のです。なお、使用上のルールが守られてい この「電子国土Webシステム」の技術情報 るか、運営に関して問題はないかなど、様々 を読むことにより、任意の場所の地図表示、 な角度から検討し、必要があれば規約等の改 拡大、縮小、地図印刷など行うことができる 正も視野に入れ、当面(約1年間)試験的に ホームページを作成することができます。 公開するものです。 国土地理院では、いつでも、どこでも、だ 一般公開した技術情報の内容 れでも最新かつ多様な地理情報、位置情報を 「電 子 国 土Webシ ス テ ム」の 技 術 情 報 は、 利活用できる社会の実現を目指し、これを具 「電 子 国Webシ ス テ ム」を 利 用 し た ホ ー ム 体化する政策として「電子国土」の構築とそ ページの作り方を説明するもので、以下のと の利活用を推進しています。 おりです。 「電子国土Webシステム」は、「電子国土」 ①電子国土Webシステムプログラミングガイド を実現させるためのシステムです。今回、技 (ホームページの作り方や地図の表示方法 術情報を民間を含め一般に公開したことによ 及び重ね合わせ表示するデータの作り方を り、だれでもこのシステムを利用することが 説明しています。) できます。地図や地理情報の利用者の裾野が ②電子国土WebシステムAPIリファレンス 広がり、より身近で便利なものとして、多く (上級者向けの技術情報で、地理情報や背 の人が利活用されることを期待しています。 景地図の表示や操作を制御する命令につい あなたも情報発信してみませんか。 (企画部・地理情報部) (http://cyberjapan.jp/)電子国土ポータル −3− 平成16 平成 平成16年度刊行地図等の販売実績 16年度刊行地図等の販売実績 年度刊行地図等の販売実績 平成1 6年度 地図等の販売実績 図 種 販売実績(枚) 前年実績(枚) 1万分1 地 形 図 50, 5 01 4 3, 5 59 2. 5万分1 地 形 図 1, 30 7, 8 61 1, 44 4, 0 7 8 5万分1 地 形 図 43 9, 340 53 9, 0 4 1 一 20万分1 地 勢 図 66, 7 52 8 2, 6 82 小縮尺及び主題図等 12, 5 77 1 7, 3 95 計 1, 87 7, 0 31 2, 12 6, 7 5 5 般 5mメッシュ(標高) 30 7 3 52 10mメッシュ(火山標高) 41 7 5 数 50mメッシュ(標高) 1 , 8 0 3 2 , 0 9 4 刊 0mメッシュ(標高) 18 2 3 29 値 25 25 00 (空間データ基盤) 2, 12 8 2, 1 8 1 地 行 25 00 0 (地図画像) 8, 73 2 1 0, 7 21 図 25 00 0 (空間データ基盤) 3, 18 2 3, 5 4 5 25 00 0 (行政界・海岸線) 21 1 2 87 地 C 25 00 0 (地名・公共施設) 13 7 1 70 D 50 00 0 (地図画像) 1, 99 3 2, 0 0 3 00 00 (地図画像) 68 8 8 45 図 R 20 O 0万(総合) 41 − M 50 日本国勢地図 16 4 1 計 19, 4 61 2 2, 6 43 密着焼付印画 85, 8 28 8 3, 2 94 空 引伸印画 43, 3 38 4 1, 0 42 中 5, 46 3 − 受 写 画像データ 6, 58 9 8, 1 7 7 注 真 そ の 他 計 14 1, 218 1 32, 51 3 刊 2. 5千分1 国 土 基 本 図 41 7 4 28 行国 5千分1 国 土 基 本 図 1 , 2 9 5 1 , 5 1 8 地土 48 4 1 基 写 真 図 図 本 湖 沼 図 73 0 5 14 等 図 ポリエステル複写図 0 0 等 計 2, 49 0 2, 5 0 1 数値データ2kmメッシュ(ジオイド高) 35 2 3 15 - 平成16年度における地図等の販売実績および ベストテンについては、それぞれ表のとおりで す。 一般図は、新刊として388面を刊行しました。 昨年の4月には浜名湖花博の開幕に合わせた同 時刊行、10月には旭川紋別自動車道の開通にあわ せた刊行、平成17年2月には中部国際空港の開港 に合わせた刊行、3月には国際博覧会「愛・地球 博」の開幕にあわせた刊行がありました。 販売枚数は、平成1 5年度に比べ、1万分の1地 形図は16%の伸びがあるものの、2万5千分の1 地形図は9%の減、5万分の1地形図は1 9%の 減、20万分の1地勢図は1 9%の減、小縮尺及び主 題図等は28%の減、総販売枚数は1 2%の減になっ ていてます。 「数値地図CD-ROM」については、新たに5m メッシュ(標高)及び5 00万(総合)をそれぞれ 1面刊行し、平成16年度で数値地図は、 13種類2 64 面が刊行され販売枚数は平成1 5年度に比べ、14% の減になっています。 空中写真については、新たに画像データの提供 を開始し、販売枚数は平成1 5年度に比べ7%の増 の状況であり、国土基本図等については、ほぼ同 様となっています。 (地理情報部) 各地図等の販売枚数ベスト1 0 1万分1地形図 順位 総図名 1(1) 東 図 名 京 新 2. 5万分1地形図 販売枚数 順位 総図名 宿 1, 37 0 1(1) 高 1, 31 5 2(2) 図 名 販売枚数 山 穂 高 岳 4, 54 1 〃 白 馬 町 3, 74 1 2(4) 〃 日 本 橋 3(3) 〃 渋 谷 97 8 3(7) 〃 剱 岳 3, 35 6 3(2) 〃 世 田 谷 97 8 4(4) 〃 槍 ヶ 岳 3, 24 0 5(5) 横 須 賀 鎌 倉 77 3 5(5) 東 京 大 山 3, 10 4 6(10) 東 京 上 野 64 2 6(8) 長 野 蓼 科 2, 99 9 良 2, 99 1 7(6) 〃 池 袋 61 0 7(1 4) 京都及大阪 奈 8(16) 〃 新 橋 59 0 8(3) 甲 府 八ヶ岳西部 2, 96 7 9(12) 〃 自由が丘 53 9 9(6) 和 歌 山 信 貴 山 2, 85 2 10 (7) 京都及大阪 京都御所 51 3 10 (1 9) 富 2, 84 6 山 白 馬 岳 刊 行 面 数 300面 刊 行 面 数 4, 34 3面 総販売枚数 50, 501枚 総販売枚数 1, 30 7, 2 40枚 平均販売枚数 168枚 平均販売枚数 30 1枚 対前年比(%) 15. 9% 対前年比(%) ※( )内は前年度の順位 △ 9. 4% ※( )内は前年度の順位 ※総販売数にA1版は含まない −4− 5万分1地形図 順位 総図名 20万分1地勢図 販売枚数 順位 販売枚数 順位 図 名 販売枚数 1(1) 和 歌 山 岸 和 田 2, 824 1(1) 東 京 2, 46 6 1 関 東 3 2 04 2(1 1) 岐 阜 岐 阜 2, 147 2(2) 甲 府 2, 25 9 2 関 東 4 1 56 3(3 5) 甲 府 山 中 湖 2, 123 3(4) 長 野 1, 76 1 3 関 東 2 1 49 4(4) 東 京 東京東北部 2, 060 4(5) 京都及び大阪 1, 68 2 4 近 畿 2 1 42 5(7) 横 須 賀 小 田 原 2, 020 5(7) 宇 宮 1, 61 7 5 近 畿 1 1 41 6(2) 東 京 東京西北部 1, 918 6(8) 日 光 1, 55 9 6 中 部 2 1 04 7(3) 仙 台 仙 台 1, 905 7(3) 高 田 1, 52 6 7 九 州 2 8 5 8(5) 東 京 東京西南部 1, 845 8(9) 高 山 1, 43 2 8 関 東 1 8 3 梅 1, 838 9(6) 静 岡 1, 37 3 9 九 州 1 7 4 岡 御 殿 場 1, 768 10 (10) 名 屋 1, 32 8 10 中 7 0 9(9) 1 0 (1 0) 静 〃 図 名 数値地図CD-ROM 2500 (空間データ基盤) 青 図 名 都 古 国 刊 行 面 数 1, 291面 刊 行 面 数 13 0面 刊 行 面 数 9 1面 総販売枚数 439, 340枚 総販売枚数 66, 7 52枚 総販売枚数 2, 12 8枚 平均販売枚数 340枚 平均販売枚数 51 3枚 平均販売枚数 2 3枚 対前年比(%) △ 18. 5% ※ ( ) 内は前年度の順位 対前年比(%) 対前年比(%) △ 2. 4% ※( )内は前年度の順位 数値地図CD-ROM 2 50 0 0 (空間データ基盤) 順位 △ 19. 3% 図 名 数値地図CD-ROM 250 00 (地図画像) 数値地図CD-ROM 500 00 (地図画像) 販売枚数 順位 図 名 販売枚数 順位 図 名 販売枚数 1 東 京 137 1 東 京 29 3 1 山 口・福 岡・大 分 1 02 2 神 奈 川 112 2 京 都 及 大 阪 26 6 2 埼玉・東京・神奈川 1 00 3 埼 玉 94 3 名 古 屋 21 4 3 茨 城 ・ 千 葉 8 7 4 千 葉 89 4 岐 阜 18 9 4 熊 本 ・ 宮 崎 8 5 5 静 岡 87 5 横 須 賀 18 5 5 徳島・香川・愛媛・高知 8 2 6 群 馬 85 6 福 岡 18 4 6 福 井・滋 賀・京 都 7 5 7 新 潟 80 7 豊 橋 17 9 〃 兵 庫 ・ 大 阪 7 5 〃 愛 知 80 8 甲 府 17 3 8 新 潟 7 4 9 茨 城 79 9 熊 本 17 2 9 福 島 7 3 〃 長 野 79 10 宇 都 宮 16 7 〃 北 Ⅳ 7 3 海 道 刊 行 面 数 53面 刊 行 面 数 75面 刊 行 面 数 3 0面 総販売枚数 3, 182枚 総販売枚数 8, 73 2枚 総販売枚数 1, 99 3枚 平均販売枚数 60枚 平均販売枚数 11 6枚 平均販売枚数 6 6枚 対前年比(%) △ 10. 2% 対前年比(%) −5− △ 18. 6% 対前年比(%) △ 0. 5% 3月20日1 0時53分頃に福岡県西方沖の深さ 震機構と調和的になっています。一部のGPS 約1 0kmでマグニチュード(M) 7. 0 (暫定)の地 観測点では、地震後の滑りによる余効変動が 震が発生し、福岡県と佐賀県で最大震度6弱 検出されました。 を観測しました。地震の発生状況から、これ 国土地理院では、この地殻変動から北西− までの活動はM7. 0の地震を本震とする本震 南東方向のほぼ垂直に立った断層面を持つ左 −余震型であると考えられています。これら 横ずれ断層モデル(図−1)を推定しました。 の 地 震 は、北 西 − 南 東 方 向 に 長 さ 約30kmに 長さ約30km、幅約2 0kmの断層が約0. 6m滑っ 分布していて、本震の発震機構は東西方向に たと推定され、余震域ともほぼ対応します。 圧力軸を持つ横ずれ断層型です。余震活動は この断層運動から導かれるモーメントマグニ 順調に減衰しています。 チュードは約6. 6となりました。 電子基準点(GPS連続観測点)の結果によ また、本震に関してΔCFFによる解析(図− ると、今回の地震に伴い、福岡観測点(福岡 2)を行いました。 県福岡市東区)では南西に約17cm、前原(ま これら各種資料は第1 6 3回地震予知連絡会 えばる)観測点(福岡県前原市)では南に約 (4月7日開催)に提出し、議論をいただきま 8cm移 動 す る な ど 福 岡 県 を 中 心 に 変 動 が 観 した。(詳細は別掲) 測されました。これらの観測結果は本震の発 −6− (地理地殻活動研究センター) 第163回 −第19期役員決定− 4月7日、国土地理院関東地方測量部にお ○福岡県西方沖地震について いて第16 3回地震予知連絡会を開催しました。 2 0 0 5年3月2 0日1 0時5 3分に福岡県西方沖で 会議では、第19期地震予知連絡会の執行体 M7. 0の地震が発生しました。余震活動は北 制の他、釧路・根室付近の地震・地殻変動に 西 − 南 東 方 向 に お よ そ30kmに わ た っ て 分 布 関して3月17日に行われた特定部会打ち合わ しています。地震の発震機構は東西に圧力軸 せ会の報告及び3月20日に発生した福岡県西 を持つ横ずれ断層を示しており、震源分布か 方沖の地震に関する観測・研究成果の報告お ら、北西−南東方向のほぼ垂直に立った断層 よび議論が行われました。以下に、その概要 面の左横ずれ断層運動が推定されています。 について報告いたします。 本 震 後 の 余 震 活 動 は、博 多 湾 付 近 に も み ら ○第19期の地震予知連絡会の構成について れ、波形インバージョンの結果では、本震に 会長には、全委員の一致した推薦で、第17 対して南東方向の浅い領域で大きく滑った領 期から会長を務めてきた大竹政和委員が引き 域が推定されています。 続き務めることとなりました。次に会長の指 本震を含む地震のメカニズムは主に東西圧 名により、副会長として、岡田義光委員、島 縮の横ずれ断層型ですが、場所によってそれ 崎邦彦委員が再選されました。また、今回か とは若干異なるメカニズムの余震も発生して ら強化地域部会及び特定部会に代わり新しく います。余震活動は順調に減衰しています。 発足した中日本部会長には島崎副会長、東日 本震に関してΔCFFによる検討が行われ、本 本 及 び、西 日 本 部 会 長 に は 岡 田 副 会 長、ま 震によるΔCFFの増加域に余震が発生してい た、トピックス部会長には橋本学委員が指名 る事が示されましたが、同様にΔCFFの増加 され、部会長からそれぞれの部会の委員の指 域にはいっている「警固断層」では余震活動 名がありました。(表−1) が起きていない点が議論されましたが結論は ○3月17日の特定部会打ち合わせ会の報告に 出ませんでした。 ついて 余震活動は博多湾直下にかけても発生して 3月17日に北海道大学において開催された いますが、地質構造との対比から、この余震 「釧路、根室付近の地殻活動についての特定 活動は「石堂−海の中道断層」とほぼ一致す 部会打ち合わせ会」の報告がありました。報 る事が示され、静的応力変化によりこの断層 告では、地震活動、地殻変動、相似地震解析 が影響を受けている可能性が報告されました。 の結果が、それぞれ釧路・根室付近で、20 0 3 国 土 地 理 院 のGPSに よ る 地 殻 変 動 観 測 で 年十勝沖地震後の変動とは異なる別なステー は、地震観測の結果と調和的な変動が得られ ジの変動が起きている事を示しており、今後 ています。一部のGPS観測点では、本震後の の推移を注意深く見ていく必要性の指摘が 滑りによる余効変動が検出されたことが報告 あったことと、この活動に関して、気象庁、 されました。 東北大、北海道大、海洋研究開発機構、国土 GPS連続観測データから、この地域では地 地理院の監視体制の現状が報告されました。 殻の歪みが小さかった事がわかっており、こ −7− のような領域でM7クラスの大地震が発生し ませんでした。 (地理地殻活動研究センター) たことに関して、その意味が何であるか、議 論が行われましたが、結論を得るには、至り 表−1 地震予知連絡会第19期委員名簿 (平成1 7年4月7日現在) 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 大 竹 政 和 島 崎 邦 彦 岡 田 義 光 谷 岡 勇市郎 長谷川 昭 野 津 憲 治 池 田 安 隆 金 沢 敏 彦 阿 部 勝 征 加 藤 照 之 平 田 直 小 川 康 雄 山 田 功 夫 竹 本 修 三 伊 藤 潔 橋 本 学 清 水 洋 石 田 瑞 穂 金 田 義 行 〃 桑 原 保 人 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 春 櫻 吉 伊 中 熊 村 日 井 邦 川 澄 藤 秀 堀 義 木 洋 上 茂 雄 夫 美 郎 太 亮 溝 吉 尾 山 上 岡 直 形 良 中 佳 恵 人 彦 子 東北大学名誉教授 東京大学地震研究所教授 独立行政法人防災科学技術研究所企画部長 北海道大学大学院理学研究科助教授 東北大学大学院理学研究科教授 東京大学大学院理学系研究科教授 東京大学大学院理学系研究科助教授 東京大学地震研究所教授 東京大学地震研究所教授 東京大学地震研究所教授 東京大学地震研究所教授 東京工業大学火山流体研究センター教授 名古屋大学大学院環境学研究科教授 京都大学大学院理学研究科教授 京都大学防災研究所教授 京都大学防災研究所教授 九州大学大学院理学研究院教授 独立行政法人防災科学技術研究所研究主監 独立行政法人海洋研究開発機構地球内部変動 研究センタープレート挙動解析研究プログム長 独立行政法人産業技術総合研究所地質情報研究 部門地震発生過程研究グループ長 海上保安庁海洋情報部海洋調査課長 気象庁地震火山部長 気象庁地震火山部地震予知情報課長 気象庁気象研究所地震火山研究部長 国土地理院測地部長 国土地理院地理地殻活動研究センター長 国土地理院地理地殻活動研究センター地殻活動 総括研究官 地震防災対策強化地域判定会会長 横浜市立大学大学院総合理学研究科教授 統計数理研究所教授 東京大学地震研究所助手 高 茂 木 木 章 清 雄 夫 東北大学名誉教授 東京大学名誉教授 第19期地震予知連絡会中日本部会 島 崎 邦 部 会 長 彦 東京大学地震研究所教授 第19期地震予知連絡会東日本部会 岡 田 義 部 会 長 光 独立行政法人防災科学技術研究所企画部長 第19期地震予知連絡会西日本部会 岡 田 義 部 会 長 光 独立行政法人防災科学技術研究所企画部長 会 副 副 委 長 長 長 員 会 会 〃 臨 時 委 員 委 員 〃 〃 名 誉 〃 第19期地震予知連絡会トピックス部会 橋 本 学 部 会 長 京都大学防災研究所教授 詳しくはホームページ (http://cais.gsi.go.jp/YOCHIREN/JIS/meibo.html) をご覧下さい。 −8− する地殻変動や災害の実態、地震や津波の検 知手法・住民への警報、避難対策等の観測技 術、解析手法、それらの適用例などが報告さ れました。 国立地球物理学研究所のメインビルディング 3月18日∼3月19日に、インド共和国ハイ ダラバード市の国立地球物理学研究所におい て日印津波ワークショップが開催されまし た。本ワークショップは、日本学術振興会と インド共和国科学技術局(Department of Science コーヒーブレイク・休憩時間の様子 and Technology, India)がスマトラ島沖地震に また、日本側からスマトラ沖地震・津波に 関連した共同研究推進のために企画したもの 関連する調査・研究の報告、関連した新しい で、ハイダラバードにある国立地球物理学研 観測技術、解析手法、それらの適用例などが 究所(National Geophysical Research Institute)が 報告されました。国土地理院からは、日本に ホストとなって、インド側コンビナーを同研 おける地殻変動やアジア・太平洋地域におけ 究所・チャダ所長(Dr. R.K. Chadha)、日本側 る国際地震・火山観測に関する研究、防災マッ コンビナーを東大地震研究所・加藤照之教授 プなどについて発表しました。一方インド側 が担当してプログラムが作成されました。 の報告には、既に実施された調査・観測の結 果や過去からのデータの蓄積に関わるものが 報告され、地震観測、地殻変動観測の結果に ついては、これまで日本では入手できなかっ たいくつかの重要なものが含まれていました。 今給黎地殻 変動研究室 長の発表 日本側参加者(ハイダラバッドホテルで) 会議の参加者は全体で約50人、うち日本か らはコンビナーの東大地震研加藤照之教授を 関口研究管 理課専門職 の発表 初めとして、国土地理院、産業技術総合研究 所等の大学・研究機関から10名でした。日印 双方から計31件の報告が行われました。国土 地理院からは地理地殻活動研究センターの地 最 終 セ ッ シ ョ ン で は、(1)GPS津 波 計 等 の 殻変動研究室今給黎室長、研究管理課関口専 新 し い 技 術 に よ る 津 波 監 視 に 関 す る 研 究、 (2)GPS連続観測による余効変動観測・解析に 門職が参加しました。 発表内容は、スマトラ沖地震・津波に関連 関する研究、(3)古地震記録・津波堆積物等 −9− による過去の活動に関する研究、(4)地震観 測・潮位データ等による断層破壊の進行に関 する研究、(5)数値シミュレーション等によ る津波挙動に関する研究の重要性、共同研究 の必要性が確認されました。 インド側の参加者は、非常に好意的であり 日本側の観測技術・研究等の経験・実績を高 く評価していました。 また、国土地理院のGEONETの多点数・高 密度のGPS連続観測実績も感銘を受けたよう 報告会全体のまとめ(右列2番目が日本側代表の東大 地震研究所・加藤照之教授) であり、短期間であったが有意義な会議とな りました。 (地理地殻活動研究センター) 科学技術に関し、広く国民の関心と理解を 深め、我が国の科学技術の一層の振興を図る ことを目的として、昭和35年に始まった科学 技術週間も、今回で第46回を迎え、今年は4 月1 8日から24日まで行われました。 「地図と測量の科学館」以外の施設の公開 は、一年を通してこの日だけということもあ り、参加者の殆どが担当者の説明を大変熱心 に聞かれ、何度も質問をされていました。 本週間中の「地図と測量の科学館」来館者 国 土 地 理 院 で は 4 月2 2日 に 一 般 公 開 と し は 延 べ7 0 2名、一 般 公 開 日 の2 2日 は 見 学 ツ て、 「地図と測量の科学館」ラウンジにおいて アー参加者39名を含む16 0名の来館があり、 地形図作成工程パネルを展示するとともに、 大変な賑わいとなりました。この科学技術週 VLBIアンテナ、地球観測データ解析室、宇宙 間を通して、地図と測量により一層親しんで 測地館インフォメーション室を特別に公開 いただけたものと思います。 し、担当者が国土地理院が行っている業務や 果たしている役割などを、参加者に分かり易 く紹介しました。 − 10 − (総務部) 地図と測量の科学館では、「第8回地図屋 古 地 図、住 宅 地 図、航 空 図、学 習 地 図、ポ さんの作品展」を4月19日から5月29日まで ケット版地図等で、公共機関から受注したも 開催しました。 のや自ら企画したものがあり、多種にわたっ 国土地理院では2万5千分の1地形図等の ており、用途面では実用的なものを始め、専 基本図を作成し、ユーザーに提供しています 門的なもの、趣味的なもの等がありました。 が、地図の需要分野は行政、国土開発・管理、 地図の形態では平図で使うもの、折り畳むも 研 究、教 育、レ ジ ャ ー 等 と た い へ ん 幅 が 広 の、オ ー バ ー レ イ の あ る も の、本、CDで、 く、これらの需要を支えているのが民間の地 フィルム上に出力した地図などもありました。 図調製会社です。 全体の傾向として、どの地図も良くできて この企画展は、国土地理院と(社)日本地図 いて様々な目的に十分、活用されるものと思 調製業協会が共催するもので、第1回目は平 われました。 成1 0年にスタートし、今回で8回目を数えま 地図は、私たちの生活にはなくてはならな し た。当 館 の シ リ ー ズ も の 企 画 展 と し て は いものです。今回の企画展により、多種多様 「全国児童生徒地図優秀作品展」に続き2番 な地図が展示されましたが、これらの地図が 目に、永きにわたり開催されています。 私たちの生活の中で広く利用されていること 企画展では、地図調製会社が、それぞれ利 を再認識していただき、地図のすばらしさ、 用目的に合うよう表現内容を工夫して作成し おもしろさ、ユニークさなどにより地図への た地図(12社9 4点)を紹介しました。展示さ 関心を高めていただいたものと考えます。 れた地図は、道路地図、地質図、伊能復刻図、 (総務部) 白地図、観光図、電子地図、ハザードマップ、 知床半島地図 弘法大師空海足跡図 利尻空港RAG用航空図 − 11 − ■主な行事 開 催 日 行 事 名 6/1 (水) 国土地理院技術研究発表会 6/3 (金) 施設一般公開(日本水準原点) 6/5 (日) [測量と地図のフェスティバル200 5] −国土地理院施設公開− 地図と測量の科学館 6/2 2 (水) 全国測量技術大会2005 ∼2 4 (金) ①応用測量技術研究発表会 ②日本測量調査技術協会技術発表会 ③講演会・シンポジウム ④測量・設計システム展2005 1 1/1 8 (金) 地図展2005 in 静岡 ∼2 0 (日) 場 所 新宿明治安田生命ホール 東京・憲政記念館構内 つくば・国土地理院 東京国際展示場 (東京ビッグサイト) 静岡市 主 催 者 等 国土地理院 国土地理院関東地方測量部 国土地理院、 「測量の日」実行委員会 日本測量協会 「測量の日」実行委員会 全国測量設計業協会連合会 日本測量機器工業会 日本測量調査技術協会 国土地理院他関係7団体 その他全国各地でさまざまな行事が予定されております。 4月11日 平成17年2月∼3月の地殻変動について 【測地観測センター・地理地殻活動研究センター】 4月15日 電子基準点の測量成果を改定 【測地観測センタ−・九州地方測量部】 −福岡県西方沖を震源とする地震災害の復興支援のために− 記事の内容は、国土地理院ホームページ記者発表 (http://www.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/index.html)に掲載しておりますので、 ご覧ください。 6月の主な行事予定 1日 5日 5∼ (7/24) 日 9∼10日 21日 22∼24日 27∼ (7/1) 日 29日 国土地理院技術研究発表会 測量と地図のフェスティバル2005 企画展「地図が教える郷土の変遷 ∼未来を拓く つくばの路∼」 ISO/TC211総会 第101回火山噴火予知連絡会 全国測量技術大会2005 国連米州地域地図会議 国土地理院研究評価委員会 発行 国土交通省国土地理院 〒305-0 81 1 茨城県つくば市北郷1番 TEL 029-86 4-1 50 7 FAX 0 29-86 4-64 41 連絡先 総務部広報広聴室 国土地理院ホームページ http://www.gsi.go.jp/ − 12 −
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