平 成 21 年 度 事 業 報 告 書 財団法人 日本サイクルスポーツセンター 概 要 平成21年度は、新型インフルエンザの流行、富士山静岡空港の開港、観測史上稀に見る長 梅雨、自民党から民主党への政権交代、静岡沖地震及び伊豆半島東方沖群発地震の発生、秋季 大型連休“シルバーウィーク”の出現、日本スポーツマスターズ富士山静岡大会の開催、異常 低温による“凍える春”の襲来等、伊豆地区における観光業界へ大きく影響を及ぼすような様々 な出来事が起きた激動の一年であった。 このような状況下、本センターは、平成21年6月2日付で文部科学省から「ナショナルト レーニングセンター自転車強化拠点施設」の指定を受け、自転車競技振興と自転車普及促進の 両機能を備えた日本一の総合自転車施設として新たな一歩を踏み出し、次のような事業を展開 した。 ○ 屋内型板張り250mトラックの建設事業への着手 ○ MTBコースの拡充整備 ○ 各種自転車競技の愛好者層拡大への取組み ○ 自転車利用の普及対策(場内におけるソフト面のサービス向上) ○ 健康増進プログラムの開発 (自転車及びウエイトトレーニング機器等の有効活用並びに人的なサービス) ○ 安定運営に向けた経営改善策の継続 ○ 地元活性化事業への積極的参画 ○ 公益法人制度改革への対応を前提とした事業の総点検 以上の結果、自転車競技振興事業については、アジアサイクリングセンター(CCC修善寺) の運営、自転車競技者層の拡大の両主軸事業も着実に浸透し、ジュニア向け自転車に関する研 究や各種自転車競技大会の開催・受入れ等と併せ、自転車競技の拠点としての地位を強固なも のにした。 一方、自転車の普及促進事業については、自転車関連施設を広く一般に提供する中で、魅力 的な自転車の導入や自転車の乗り方指導を始めとするサービスの強化を推進したことなどに より、年間約30万人の来場者に自転車を堪能していただくことができた。 なお、事業の実施に際し、自転車競技振興事業及び自転車の普及促進等事業、競技用自転車 等に関する調査研究事業、自転車の改良研究等事業、事故防止に関する研究事業、構内施設の 整備事業及び施設・設備等の管理事業については、それぞれ財団法人JKAから公益事業振興 資金並びに機械工業振興資金の補助を受けた。 ―1― 1.経営改善策の検討及び実施 (1)施設運営条件の見直し ア.公益法人制度改革への対応 平成20年12月の公益法人制度改革関連3法の施行を受け、本センターは当初 「公益財団法人」への移行を前提に、平成23年中の移行申請を目指していたが、そ の後、様々な状況の変化が生じているため、主務官庁を始め各方面とも情報交換に努 め、改めて対応の検討を行った。 イ.活性化の推進 平成20年度に開催された「日本サイクルスポーツセンター活性化委員会」の提言 の中から、世界大会仕様に適合した250mトラックの建設、MTBコースの整備、 注目度の高い魅力的な自転車の導入、クリテリウム大会の開催、週末イベント「親子 自転車教室」の定期開催、ニューモデル自転車の展示試乗会、地元教育委員会との連 携による自転車競技体験企画の確立、多目的ホールを活用した健康増進事業の実施等 を実現させ、更に活性化を推進した。 ウ.その他の見直し 平成21年度は、「飲食部門の活性化」と「繁閑に合わせた流動的な執務体制の確 立」をテーマに、中堅・若手職員によるプロジェクトチームを編成して検討を行い、 前者に関しては、客席レイアウトの改善・季節別メニューの開発及びメニュー案内板 の製作等の提言を行うとともに、後者に関しては、パートナーシステムをルール化し、 平成22年3月から相互支援体制を実行に移した。 (2)合理化策の検討・実施 ア.人件費の抑制 基幹職員は必要最小限に止め、臨時職員・再雇用嘱託・人材派遣を有効活用し、ま た、アルバイトの雇用調整を行うなど、少数精鋭の体制により、施設の運営に臨んだ。 一方、給与面については、定期昇給を実施したものの、11年連続でベースアップ を見送ったほか、補給金も最小限の支給に止め、人件費の抑制を図った。 イ.業者選定方法の改善 入札については、一般競争入札制度を原則としたほか、その他に関しても、指名競 争入札・見積合せあるいは委員会制度を導入して業者選定を行うなど、経済的な価格 による契約を推進した。 ウ.自主管理業務の拡大 清掃、芝生植木管理を始めとする場内環境維持については、全てを外注に頼らず、 可能な限り職員の手で実施する方針を継続して推進したほか、軽微な補修工事等につ いても、自らで行い、経費の節減に努めた。 ―2― (3)販売促進策並びに増収策の検討・実施 ア.販売促進活動の強化 首都圏からの誘客を促進するため、旅行業界に熟知した経験豊富な専従の担当者を 配し、宿泊を伴うスポーツ合宿団体や企業研修の誘致に主眼を置いた販売促進活動を 展開したほか、施設割引利用契約先の団体に対し、積極的に企画商品の提案やイベン ト情報の提供を行った。 イ.健康プログラムの開発研究 将来に向けた事業展開を念頭に置きつつ、これまで毎週火曜日に実施してきたマイ シェイプ教室、ヨガ&ピラティス教室に加え、毎週金曜日にパワーヨガ教室、ボクサ サイズ教室を企画したほか、伊豆市主催の高齢者筋力向上トレーニング教室を受け入 れるなど健康増進事業を積極的に企画・展開し、新規顧客の開拓に努めた。 ウ.外部イベントの誘致 野外音楽イベント「METAMORPHOSE 2009」を始め、自動車及び自動二輪車関係の走 行会や安全走行研修会、雑誌社の主催するラジコン大会や触れ合いミーティングなど、 閑散期には外部イベントを積極的に受け入れ、事業収入の増大に努めた。 エ.委託業者との協力体制の強化 施設、飲食物販、宿泊の3部門を一体化して誘客促進活動を推進すべく、委託業者 各社との連携を密にして、売上げ増進策の検討を行った。 この中で、特に飲食部門については、本センター内に活性化プロジェクトを立ち上 げ、重点的に経営改善への協力を行った。 2.自転車競技の振興事業 (1)コンチネンタル・サイクリング・センター(CCC修善寺)の運営 ア.トレーニングキャンプ UCI国際自転車競技連合支援事業として、アジア各国からオリンピック出場を目 指す将来有望なトラック競技者及びそのコーチをCCC修善寺に集め、年2回、訓練 研修を行った。 平成21年度の参加実績は、次のとおりである。 [第1回] 期間:平成21年5月15日~平成21年5月28日 人数:4ヵ国 - 選手13名、コーチ2名、オフィシャル1名 合計16名 (カザフスタン9名、香港チャイナ3名、タイ王国2名、 チャイニーズタイペイ2名) このトレーニングキャンプへ参加した選手全員が、5月30日・5月31日 の両日、花月園競輪場で開催される「2009年トラック・アジアカップ ~ ―3― 日本ラウンド~」へ出場するため、前半は基礎的なトレーニングプログラム を設定し、後半は大会へ照準を合わせたメニューを実施した。 その結果、個々のコンディションも良好で、多くの選手がメダルを獲得する に至った。 [第2回] 期間:平成21年9月24日~平成21年10月7日 人数:2ヵ国 - 選手4名、マネージャー1名 合計5名 (大韓民国3名、香港チャイナ2名) このトレーニングキャンプへ参加した選手が4名と少数であり、また、その 内3名が10才代の若い選手であったため、フィジカル・スキル・メンタルの 全ての面において、基礎的な事項をきめ細やかに指導した。 参加選手全員が非常に真剣にトレーニングに取組んでおり、将来は自国を代 表する自転車競技者になることを予感させられるキャンプであった。 イ.移動サブセンター ACCアジア自転車競技連合の協力のもと、資金面で来日が困難なアジア各国への 便宜を図るため、CCC修善寺のコーチングスタッフを「第29回アジア自転車競技 選手権大会」の開催地であるインドネシアのカリマンタン島へ派遣し、大会直前に自 転車競技者及び指導者を対象にしたトレーニングキャンプを実施した。 平成21年度の開催実績は、次のとおりである。 開催期間 :平成21年8月3日~平成21年8月12日 開催地 :インドネシア・カリマンタン島「テンガロン自転車競技場」 派遣スタッフ:4名 参加者 :4ヵ国 - 選手16名、コーチ6名 合計22名 (マレーシア9名、インドネシア7名、タイ王国3名、日本3名) インドネシアでのトレーニングキャンプは初めてであったが、同国やマレーシ アから多数の若手選手が参加し、東南アジア地区における自転車競技の普及・発 展に寄与することができた。 また、インドネシア自転車競技連盟スタッフの協力もあって、充実したトレー ニングを行うことができた結果、当該大会へ出場した選手5名全員がメダルを獲 得するに至った。 ウ.コーチング指導 トレーニングキャンプ及び移動サブセンターの活動と併せて、各国の指導者に対し スポーツ科学に基づいたトレーニングプログラムの策定方法やコーチング法等を指 導した。 このほか、大会当日におけるコーチの役割、留意点等についても研修を行い、指導 者の育成を図った。 ―4― エ.アジア地域のコーチングシステム調査 アジア地域における自転車競技者のレベルアップを図るための必要アイテムとし て、指導者の育成に着目し、初年度は各国のコーチングシステムに関する基礎的な情 報の収集に努めた。 オ.PR及び招致勧誘活動 平成21年8月にインドネシアのカリマンタン島で開催された第28回アジア自 転車競技選手権大会及び第16回アジア・ジュニア自転車競技選手権大会並びに 2009年移動サブセンターの会場等において、CCC修善寺のPR及び招致勧誘活 動を実施した。 また、本センターのホームページサイト上に日本語及び英語表記のCCC修善寺紹 介ページを設け、トレーニングキャンプの開催状況等を国内外に向けて広く公開して いる。 (2)自転車競技者層の拡大 ア.全国サイクルスポーツクラブの活動 財団法人日本自転車競技会へ委託し、全国47都道府県52ヵ所のサイクルスポー ツクラブを拠点として、原則月3回トラック競技を中心に、また、川崎・玉野の両モ デルクラブにおいては、BMX競技も導入しつつ、会員に対する定例指導を行い、本 センターは、このクラブ運営に必要な指導並びに支援に努めた。 イ.CSCサイクルスポーツクラブの運営 本センターの施設・設備とスタッフを活用して、CSCサイクルスポーツクラブの 運営を行った。 同クラブは、性別、年齢、目的及び自転車競技経験の有無を問わず、トップ競技者 を目指す者のほか、キッズクラスからマスターズ世代に至るまで幅広い層を受け入れ、 トラック競技を中心に、毎月3回、原則として土曜日の午前中に活動した。 なお、CSCスポーツクラブは、川崎・静岡の両スポーツクラブ共々、地元のスポ ーツ少年団へ登録を済ませ、地域密着型の運営体制を確立することができた。 ウ.会員の拡大 全国のサイクルスポーツクラブ会員の拡大を目指し、各地区実施委員会と連携して、 自転車競技大会やイベントのプログラム等で募集PRを実施したほか、各地区の担当 者が管轄地域の中学校・高等学校を訪問し、自転車競技への参加勧誘に努めた。 エ.指導者の養成 幅広い競技者層に対する指導方法の統一化と指導担当者のレベルアップを図るた め、巡回講習会3回と中央講習会1回の指導者講習会を実施した。 なお、本年度の巡回講習会の会場は、高松サイクルスポーツクラブ・防府サイクル スポーツクラブ・前橋サイクルスポーツクラブの3ヵ所であった。 ―5― オ.全国大会の開催 日頃の練習成果発表の場として、また、競技レベル向上の場として、全国のサイク ルスポーツクラブから選抜された97名の選手により、平成21年8月20日から2 日間「第12回サイクルスポーツクラブ全国競技大会及び記録会」を開催し、サイク ルスポーツクラブ会員の競技意欲の高揚を図った。 なお、本年度も引き続き、女子の部・ジュニアの部を設け、女性並びに小中学生の 自転車競技愛好者へも門戸を開いた。 カ.MTBチャレンジスクールの開催 アトランタオリンピックの日本代表選手である小林可奈子氏を講師に招き、本セン ターのMTBスキルパーク等において、合計20回のスクールを開催し、マウンテン バイク競技の普及を図った。 また、平成21年8月には、長野県北安曇郡松川村において、第2回目となるキッ ズMTBサマーキャンプを開催し、MTB競技愛好者の拡大に努めた。 キ.競技用自転車等の貸与 競技用自転車等貸与事業推進委員会での検討結果を基にして、全国の高体連加盟高 等学校自転車競技部の部員及び各サイクルスポーツクラブの会員に、低年齢向けの2 4吋を含むトラックレーサー、ロードレーサー合計100台を貸与した。 (3)ジュニア向け自転車に関する研究 「低年齢層向け自転車及び機材の試作改良事業」によって試作したジュニア向けの競 技用自転車、24吋トラックレーサー及び26吋ロードレーサーを各10台、ジュニア 会員の多い熊本サイクルスポーツクラブへと配備し、低年齢層に対する自転車競技のよ り一層の普及を図るとともに、身体・技術の育成過程に適合するような各成長段階別の モデル自転車を完成させるために必要な各種データの収集を行った。 (4)自転車競技大会等の開催・受入れ ア.自転車競技大会 本センターの主催で、トラック競技「CSCトラック自転車競技大会2009夏・ 秋」、ロード競技「第12回CSC5時間耐久チームサイクルロードレース大会」及 び「月例CSCクリテリウム大会」、MTB競技「第9回CSCチャッキーズCUP ~3時間耐久~」及び「JCFマウンテンバイクJ2クロスカントリーin 日本CSC」 、 BMX競技「2010JBMXFスーパーシリーズ第1戦」を始めとする各大会を開 催した。 また、15団体が主催する37の自転車競技大会を誘致し、開催に協力した。 ―6― イ.自転車競技合宿 高等学校、大学の自転車競技部を始めとする延べ84団体1,621名の自転車競 技者を誘致し、合宿トレーニング場所を提供した。 (6)施設の整備 ア.施設・設備整備 ナショナルトレーニングセンター自転車競技強化拠点の中核施設としての位置づ けのもと、世界で活躍できる自転車競技選手の育成並びに世界選手権大会の招致も可 能な、日本で初めての世界基準の自転車競技場 ― 「屋内型板張り250mトラック の建設事業」に着手した。 また、1周1kmにも満たない周回コースとテクニカル・スキルの両パークとで構 成されていた既設のMTBコースに、カナディアンタイプのオフロードコースを増設 し、初心者から上級者まで楽しめる全長3,410mの本格的コースへとリニューア ルを図った。 このほか、遠方監視装置の改修・走路の舗装改修を始めとする5キロサーキットの 安全対策工事、スタンド壁面及び屋根裏コンクリート面の補修を始めとする333メ ートルピストの環境整備等を実施し、競技訓練用施設の充実を図った。 イ.施設・設備維持管理 場内における基本的な施設・設備等の保守点検を実施して、経済的かつ長期的な活 用と安全性の確保に努めた。 3.サイクルスポーツの普及奨励事業 (1)施設の運営 ア.施設の一般開放 “安全性の確保”と“満足度の向上”をスローガンに、2キロサーキット、変わり 種自転車を始め、場内の自転車関連諸施設を開放し、自転車の普及促進に努めた。 また、本年度も自転車乗車技術等に関し、利用者へ的確なアドバイスを行ったほか、 自転車に関連する様々な教室を毎週末に開催するなど、ソフト面でのサービス向上を 図り、再来場・再利用に繋がるよう努めた。 イ.自転車施設の充実 自転車を基軸とした本センターの機能を充実させるため、5キロサーキット・MT Bコース・2キロサーキット・変わり種自転車・水上自転車におけるレンタサイクル の一部入れ替えを行い、新型自転車や人気自転車の導入を図った。 この中で、2キロサーキットにおいては、話題の「幼児2人同乗自転車」を5メー カーから3台ずつ合計15台購入し、試乗に供した。 ―7― ウ.構内の環境改善 各シーズン前には「環境整備デー」を設定するなど、本年度も職員の手による構築 物の補修・塗装、雑木の伐採、草刈り等美化運動を推進し、構内の環境改善を図った。 また、来場者の主要動線沿いに5キロサーキットや2キロサーキットのレンタサイ クル、シンボル的な変わり種自転車「カフェサイクル」等を展示し、自転車の国とし ての雰囲気作りと、施設の利用促進に努めた。 (2)入場者及び運営収支 第1四半期は、長期化する経済不況に加え、新型インフルエンザの影響等も懸念され たが、販売促進活動の成果並びに雨天率 22.2%(前年同期間 34.1%)と比較的天候に も恵まれた結果、GW期間の貯金もあって、総入場者 73,623 人(対前年比 104.2%)と 前年度を上回ることができた。 続く第2四半期は、梅雨明けの遅れが影響して、前半は低調であったものの、旧盆期 間に前年度を上回る入場者があったことや9月の後半が5日間の大型連休になったこ ともあって、総入場者 106,218 人(対前年比 104.1%)と好調を維持する結果となった。 一方、第3四半期は、9月後半の大型連休「シルバーウィーク」の反動による出控え や新型インフルエンザの再流行に起因する団体旅行客の予約取り消し、12月に発生し た伊豆半島東方沖群発地震による伊豆離れ等マイナス要因が重なり、総入場者 53,522 人(対前年比 92.7%)と大幅な落ち込みを見せた。 そして、第4四半期は、3月末に降雪を記録するなど、春先まで続いた異常低温に加 え、2月の後半にカナダのバンクーバーで開催された第21回オリンピック冬季競技大 会による出控えなどもあって、総入場者 62,112 人(対前年比 96.2%)と2期続けて前 年度実績に及ばなかった。 以上、平成21年度も入場者増加要因と減少要因とが錯綜した一年となったが、最終 的には一般有料入場者 175,485 人(対前年比 98.9%)、総入場者 295,475 人(対前年比 100.2%)であった。 また、平成21年度の場内施設利用者は、スカイコリドールを廃止したこともあり、 996,588 人で、前年度実績の 1,040,969 人を 4.3%下回り、入場者一人当たりの場内施 設利用回数も 3.4 回へと減少した。 財政面では、一般有料入場者の減少や消費単価の低迷はあったものの、引き続き各種 合理化と経費節減を実施したことにより、経常収支で黒字を堅持することができた。 (3)イベントの開催 ア.自転車教室 本センターの多目的ホール、サイクリングコース等を会場にして、女性のための自 転車教室を6回、小学生のための自転車教室を6回開催し、それぞれ参加者に自転車 ―8― の乗車技術を会得させ、自転車愛好者の底辺拡大を図った。 イ.自転車普及イベント 夏季には「第6回一輪車3時間耐久レース大会」 、秋季には、日本一輪車協会との 共催による「第5回CSCユニサイクルトライアル&マウンテンユニサイクル大会」 並びに「第6回紅葉サイクリング」、冬季には、静岡県一輪車連盟との共催による「第 20回新春静岡県一輪車競技大会~5kmマラソン~」 、春季には、 「サイクリングジ ャム’10」等自転車に特化したイベントを開催した。 このほか、ゴールデンウイーク・夏季・秋季・正月・春季の各シーズンに、各種自 転車ショーやキャラクターショーなど来場者サービスイベントを併せて開催し、多方 面からサイクルスポーツの普及に努めた。 ウ.健康増進イベント 本センターの恵まれた自然環境を活用して、山菜採りも楽しめる「第12回ウォー キング大会」、冬季の名物イベント「第5回伊豆サンタマラソン」を実施したほか、 初心者を対象にしたフットサル大会「CSC山のカップ」及び「CSC山のリーグ」 も開催した。 (4)広報宣伝活動 静岡県内に対しては、テレビ・新聞・新聞折込チラシ・車内吊を中心にイベント告知 に主眼を置いた広報宣伝活動を展開したほか、首都圏に対しては、時期を選んで新聞、 雑誌等による広告を実施し、知名度の向上と誘客促進に努めた。 一方、普及の著しいインターネットに関しては、ホームページの全面的な見直しを受 け、より効果的な訴求を心掛けた。 このほか、近隣主要駅及び幹線道路における看板広告やホテル・旅館の宿泊客を対象 にしたテレビラ広告を併せて実施するとともに、各種報道機関に対して、本センターの 実施事業や各種イベント、シーズンごとの見所等の情報を適宜提供するなど、積極的に パブリシティ活動を展開した。 (5)販売促進活動 地元静岡県東部地区に対しては、前年度に引き続き、伊豆市・伊東市・沼津市を始め とする9市3郡にある幼稚園・保育園及び伊豆半島一円の宿泊施設に的を絞り、各シー ズン前に集中的な販売促進活動を実施した。 その中で、宿泊施設に関しては、定期的な販売促進活動のほかに、前年度同様、修善 寺温泉・伊豆長岡温泉・伊東温泉の一部有力ホテル・旅館と夏季特別割引利用契約を締 結し、誘客に努めた。 この他、伊豆シャボテン公園グループとのタイアップによる交換イベントを企画し、 本センターにおいて、同公園で飼育する動物との触れ合いイベントを開催した。 ―9― 一方、首都圏に対しては、前述のとおり、旅行業界に熟知した経験豊富な専従の担当 者を配し、大手旅行代理店及び学生の合宿を取扱う旅行代理店等を始め、高等学校・大 学生協・官公庁・自治体・勤労者組合・各地区体育協会・企業等へも直接足を運び、新 規顧客の開拓を推進した。 また、読売ファミリーサークル(YFC)並びに日本自動車連盟(JAF)とのタイ アップを実現し、関東地区・中部地区からの誘客を図った。 この他、近隣企業の福利厚生活動を対象にした法人会員の加入促進を行った結果、平 成21年度においては、とくとくパス関係1法人1件、サイクル温泉ゆーサロン関係 6法人12件の会員を獲得した。 (6)競輪関係事業等への協力 ア.競輪選手会訓練の受入れ 日本競輪選手会等が主催する特別指導訓練5回、特別訓練5回(特別指導訓練と併 催)、第2次新人教育研修3回の受入れを行い、400メートルピスト・合宿所サイ テル等本センターの諸施設を提供して、その開催に協力した。 イ.自転車の貸出し 競輪施行者の要請に応じ、競輪場ほかで開催される15のイベントに、本センター 所有の変わり種自転車を貸し出し、競輪事業等への貢献と知名度の向上に努めた。 ウ.自転車教室の開催 近隣都県の競輪場5場において、各施行者の協力のもとに女性のための自転車教室 を3回、小学生のための自転車教室を6回開催し、競輪事業のイメージアップの一翼 を担った。 エ.自転車技士実技主任試験員の派遣 日本車両検査協会が主催する自転車技士試験の実技主任試験員として、名古屋会場 へ本センターの職員4名を派遣し、協力を行った。 (7)地元対策活動 “伊豆を自転車のメッカに!”を合言葉に、財団法人JKAから支援を受け、伊豆市 と自転車関係団体とが一体となって企画・開催した地元活性化イベント「サイクルフェ スティバル伊豆2009」に際し、委員・幹事・事務局の派遣や行政と自転車関係団体 とのパイプ役、メイン会場の提供等、その中心的な役割を果たしたほか、狩野川100 kmサイクリング(伊豆の国市観光協会)を始め、地元の自転車関連事業に参画し、本 センター所有の自転車の提供や技術的な面での協力を行った。 また、自転車以外の分野においても、伊豆市健康福祉まつり、伊豆市まるごと TO-JI 博覧会、伊豆市高齢者筋力向上トレーニング事業等へ積極的に参画・協力し、本センタ ーの事業を広く紹介した。 ―10― このほか、地元住民との交流を図り、相互の信頼関係を築くとともに、本センターの 存在意義を再認識していただくため、修善寺中学校・中伊豆中学校・大仁中学校・韮山 中学校の職場体験の受入れ、静岡県立修善寺工業高校の校内マラソンへの会場提供等を 行った。 4.試験研究事業 (1)各種自転車の改良研究 変わり種自転車の事故防止と魅力及び利用率の向上を目的に、専門家を交えた「各種 自転車の改良研究事業に係る委員会」において検討を行った結果、人気の高いバイバイ サイクル・ヘリコプターサイクル・スピンサイクル・動物シリーズ・ジョイフル・ダッ クスサイクルの6車種について改良と試作を行い、利用者からのデータ収集に努めた。 (2)視覚面からの事故防止に関する調査研究 自転車利用者に対して視覚面から安全意識を喚起し、減速を促すことができるような 路面標示の開発を目的に、各方面の専門家を交えた「視覚面からの事故防止に関する調 査研究委員会」において検討を行った結果、2キロサーキットの要注意喚起ポイントに 台形イメージハンプ・正弦波形イメージハンプ・トリックアート等の路面標示を施し、 その効果について調査研究を行った。 (3)自転車に関する基礎調査 自転車の安全性確保に資するため、各自転車関連施設の利用状況、自転車の整備状況、 部品の交換状況等の調査を行った。 5.その他 (1)諸会議 本センターの最高議決機関である理事会、評議員会を始め、常勤役員会を開催し、事 業の基本的施策に関する事項を審議したほか、事業運営方針の周知徹底及び事業推進方 法の検討などについては、役職員懇談会、管理職会議等を開催した。 (2)諸規程の制定・改正 給与規程について、等級別号俸表の見直しを行い、平成22年4月1日から施行する こととした。 (3)職員研修 運動生理学の専門家である日本競輪学校の白石裕一氏を講師に招き「CSCの従業員 として知っておきたい運動生理学」と題した全体研修を行ったほか、前年度に引き続い ―11― て、他施設の視察調査を行ったうえで、サイクルスポーツセンターの活性化に有効な諸 施策を提案・発表するグループ研修を実施するなどして、職員の資質向上と意識改革に 努めた。 また、火災・地震等の災害発生時及び場内施設のトラブル発生時における対応を迅速 に行い、人命の安全確保並びに被害の軽減を図るため、各種訓練を実施したほか、関係 職員に対し、業務の遂行に必要な資格の取得並びに講習会の受講を推進した。 (4)組織及び人事の活性化 自己申告制度・特別表彰制度を本年度も引き続き実施し、職員の勤務意欲の維持・高 揚に努めた。 ―12―
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