寒中高強度コンクリートの強度増進に関する研究

研究期間
平成 19∼20 年度
継続研究報告
寒中高強度コンクリートの強度増進に関する研究
寒中コンクリート(コンクリートが凍り強度が出な
くなる恐れがある気温以下で打設するコンクリート)
工事は,本道の建築工事の通年施工において重要・必
要な技術です。近年,施工技術の発展に伴い,マスコ
ンクリートや高強度コンクリートが増加し,これまで
の建築工事では使用の少なかった発熱量が小さい中
庸熱ポルトランドセメント,低熱ポルトランドセメン
ト等の利用が拡大されています。これらのセメントを
使ったコンクリートの寒中工事も行われつつありま
すが,現状では対応する技術指針類が少ないため,効
率的な工程管理ができているとはいえません。そのた
め,本研究では多種多様なセメントに対応することの
できる強度増進推定方法の確立を目的としています。
普通ポルトランドセメント
低熱ポルトランドセメント
中庸熱ポルトランドセメント
フライアッシュセメントB種
70
水セメント比 30%
コンクリート温度(℃)
60
50
40
30
20
10
0
0
50
100
150
材齢(時間)
図2 簡易断熱養生でのコンクリートの温度履歴の一例
100
100
80
60
40
5℃
20℃
35℃
20
圧 縮 強 度 (N / m m
2
)
)
2
圧 縮 強 度 (N / m m
現在市販されているセメントのうち,普通ポルトラ
ンドセメント,中庸熱ポルトランドセメント,低熱ポ
ルトランドセメント,フライアッシュセメントB種に
ついて,水セメント比 60∼30%のコンクリート(4
週水中養生の圧縮強度で 30∼75N/mm2の範囲)を
作成し,養生温度,条件を変えた場合の強度増進性状
について検討し,強度予測式の提案を行います。さら
に,各種セメントを使用したコンクリートでの,氷点
下での強度増進性状についても実験を行い,提案した
各種セメントに対応した強度予測式の氷点下温度へ
の拡大利用についての検討も行います。
図1 寒中コンクリートでの採暖養生の一例
0
1
10
100
材齢(日)
普通セメント
図3
1000
80
60
40
5℃
20℃
35℃
20
0
1
10
100
材齢(日)
1000
低熱セメント
コンクリートの強度増進の一例(水セメント比 30%)
今年度は予定していた市販セメントを使用したコンクリート試験体を作成し,その強度増進性
状の検討を引き続き行っているところです。次年度は引き続き長期材齢でのコンクリート強度試
験を継続し,あらたに氷点下でのコンクリートの強度増進性状の検討を行う予定です。
北方建築総合研究所(担当部科)
生産技術部技術材料開発科
共同研究機関