JASS 5 に基づくコンクリートの調合設計 ・構造体コンクリート:型枠に打ち込まれ,養生されて硬化したコンクリート. ・構造体コンクリート強度 Fs:構造体コンクリートが発現している圧縮強度.材齢 91 日 のコア強度. ・品質基準強度 Fq:材齢 91 日の時点で構造体コンクリートが満足すべき強度,下側不良 率は 5%以下. Fq MAX Fc , Fd ・設計基準強度 Fc:構造設計において必要とする圧縮強度で,構造体コンクリートが満足 しなければならない圧縮強度.18~36 N/mm 2 3N きざみ ・耐久設計基準強度 Fd:耐久性を確保するために構造体コンクリートが満足しなければな らない圧縮強度.計画供用期間の級から定まる. 計画供用期間の級と耐久設計基準強度 計画供用期間 の級 短 期 標 準 長 期 超長期 大規模改修 までの期間(年) 30 65 100 200 耐久設計基準強度 (N/mm2 ) 18 24 30 36 最小かぶり 屋内(mm) 30 ・調合管理強度 Fm:Fs が Fq を満足するようにコンクリートの調合を定める場合,標準養 生した供試体が満足しなければならない圧縮強度で,工事に使用するコンクリートが満 足すべき圧縮強度.標準養生,円柱供試体. Fm Fq m S n ・構造体強度補正値 m S n :標準養生した供試体,材齢 m 日の強度と構造体コンクリート n 日の強度との差.一般には,m=28 日,n=91 日.構造体と標準養生の差を補正する. セメントの種類と打込みから 28 日間までの予想平均気温 (℃)の範囲で決まる. 普通ポルトランドセメントの場合: 0≦ <8 8≦ → → 28 S 91 =6 28 S 91 =3 N/mm 2 N/mm 2 ・調合強度 F:所要平均強度.使用するコンクリートの圧縮強度の期待値.標準養生,円 柱供試体.以下のうち大きな方を採用する. F Fm 1.73 F 0.85 Fm 3 ここに, :使用するコンクリートの圧縮強度の標準偏差(N/mm 2 ).工場の実績. 実績がない場合, = MAX(2.5, 0.1F m) -1- 構造体強度補正値 28 S 91 の標準値 コンクリートの打込みから 28 日までの 期間の予想平均気温 の範囲(℃) セメントの種類 早強 5≦ 0≦ <5 普通 8≦ 0≦ <8 中庸熱 11≦ 0≦ <11 低熱 14≦ 0≦ <14 フライアッシュ B 種 9≦ 0≦ <9 高炉 B 種 13≦ 0≦ <13 3 6 構造体強度補正値 2 28 S 91 (N/mm ) 単位水量の標準値(kg/m 3 ) 水セメント比 スランプ 砕石 水セメント比 スランプ (%) (cm) Gmax:20mm (%) (cm) 8 163 8 12 178 12 40 15 181 55 15 18 (192) 18 21 (203) 21 8 158 8 12 168 12 45 15 176 60~65 15 18 (187) 18 21 (198) 21 8 157 12 165 50 15 172 18 183 21 (194) セメント:OPC,砂の粗粒率:2.70,砕石の粗粒率:6.69,実積率:60.0% 砕石 Gmax:20mm 155 162 168 179 (190) 153 160 166 176 (186) 単位水量が 185kg/m3 を超える場合は高性能 AE 減水剤を用いる. 単位粗骨材のかさ容積の標準値(m 3 /m 3 ) 水セメント比 (%) 40~60 65 スランプ (cm) 8 12 15 18 21 AE 減水剤 高性能 AE 減水剤 0.66 0.65 0.64 0.60 0.56 0.67 0.66 0.65 0.61 0.57 - - - - - 8 12 15 18 21 0.65 0.64 0.63 0.59 0.55 セメント:OPC,細骨材:砕砂,粗骨材:砕石,粗骨材の最大寸法:20mm -2- JASS 5 に基づくコンクリートの調合設計 例題 以下の調合条件の下で,必要な調合強度 F と水セメント比 W/C を求め,計画配合を完成させ なさい. ○調合条件 ・設計基準強度:Fc=27 N/mm 2 ・計画供用期間の級:標準(耐久設計基準強度 Fd=24 N/mm2 ) ・スランプ 18 cm ・28 日間の予想平均気温:θ=15 ℃ ○使用材料 ・セメント C:普通ポルトランドセメント,密度ρ C = 3.15 g/cm3 ・細骨材 S:砕砂,密度ρ S = 2.56 g/cm 3 ,粗粒率(F.M.) 2.48 ・粗骨材 G:砕石,密度ρ G = 2.68 g/cm3 ,粗粒率(F.M.) 6.74,最大寸法 G max 20 mm 単位容積質量=1.5 kg/L,実積率:58% ・混和剤 Ad:AE 減水剤,使用量 C×0.25 % 高性能 AE 減水剤 (減水率 10%以上) 使用量 C×1.0 % ○圧縮強度とセメント水比の関係 (減水率 18%以上) (標準養生,4 週間) F 19 .3 28 .4 C / W -3-
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