Ⅳ構造(22.コンクリート材料) ①重要事項の解説 「22.コンクリート材料」で2回以上繰り返し出題のある重要項目(H8~H27)は、下記の通りである。 (1)ヤング係数 ※過去に選択肢問題として11回出題有 ・コンクリートのヤング係数は、コンクリートの圧縮強度が高いほど大きい値となる。 ・コンクリートのヤング係数は、強度が同じならば、軽量コンクリートより普通コンクリートのほうが大きい。 ・コンクリートのヤング係数は、設計基準強度が同じ場合、使用する骨材により異なる。 ・コンクリートの設計基準強度が2倍になると、コンクリートのヤング係数は21/3=1.26倍となる。 ・コンクリートのせん断弾性係数は、ヤング係数の0.4倍程度である。 ・ヤング係数は、応力ひずみ曲線上における圧縮最大強度時の1/3~1/4の点と原点とを結ぶ直線の勾配で表される。 (2)中性化 ※過去に選択肢問題として8回出題有 ・コンクリートの中性化は、空気中の炭酸ガス等により、硬化したコンクリートのアルカリ性が失われていくことにより生じる。 ・普通ポルトランドセメントを用いる場合、コンクリートの水セメント比が小さいほど、大気中における中性化速度は遅い。 ・コンクリートの中性化速度は、圧縮強度が大きいほど遅い。 ・高強度コンクリートは、通常のコンクリートよりも組織が緻密であるため、中性化の進行に対する抵抗性が優れている。 (3)水セメント比 ※過去に選択肢問題として8回出題有 ・コンクリートの圧縮強度は、水セメント比が大きいほど小さい。 ・コンクリートの単位水量が多くなると、乾燥収縮によるひび割れが発生したり、耐久性が低下したりする。 ・セメントの水和反応に必要な水分が不足すると、コンクリートの強度発現に支障をきたす。 ・普通コンクリートにおいては、水セメント比の最大値は65%とし、単位水量は185kg/㎥以下とする。 (4)AE剤 ※過去に選択肢問題として7回出題有 ・AE剤は、ワーカビリティーを向上させる。 ・AE剤等の混和剤は、コンクリートの性質を改良又は調整するために使用する。 ・AE剤等を用いるコンクリートの空気量は、4.5%を標準とする。 ・AE剤を用いたコンクリートは、凍結融解作用に対する抵抗性が増大し、耐久性も向上する。 ※AE剤や減水剤は、水の代わりに流れを良くする薬剤である(コンクリートのワーカビリティ改善効果大)。 (5)圧縮強度 ※過去に選択肢問題として7回出題有 ・コンクリートの引張強度は、圧縮強度の1/10程度である。 ・普通コンクリートの圧縮強度時のひずみ度は、1×10-2程度である。 ・設計基準強度とは、構造計算において基準としたコンクリートの圧縮強度である。 (6)水中養生 ※過去に選択肢問題として4回出題有 ・コンクリートは、空気中養生したものより、水中養生したもののほうが、強度の増進が期待できる。 (7)線膨張係数 ※過去に選択肢問題として4回出題有 ・常温における普通コンクリートの線膨張係数と一般の鋼材の線膨張係数は、ほぼ等しく、1×10-5/℃程度である。 (8)ひび割れ ※過去に選択肢問題として3回出題有 ・単位セメント量が少ないコンクリートほど、水和熱及び乾燥収縮によるひび割れが発生しにくい。 (9)スランプ ※過去に選択肢問題として3回出題有 ・コンクリートのスランプを大きくすることは、耐久性の低下につながる。 ・コンクリートのスランプは、コンクリートの単位水量を小さくするほど小さくなる。 ・普通コンクリートのスランプは、品質基準強度が33N/mm2未満の場合、18cm以下とする。 (10)圧縮強度試験 ※過去に選択肢問題として2回出題有 ・構造体コンクリートの1回の圧縮強度試験は、3台の運搬車から1個ずつ採取した合計3個の供試体により行う。
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