東村山市立東村山第五中学校 「学校いじめ防止基本方針」

東村山市立東村山第五中学校
「学校いじめ防止基本方針」
平成 27 年 4 月 8 日
校 長 高 野 和 美
1.はじめに
本方針は、いじめ防止対策推進法(平成 25 年 9 月 28 日施行)により、東村山市立東村山第五中学校
のすべての生徒が安心して充実した学校生活を送ることができるよう、いじめの防止等のための対策に
関する基本的な方針を策定するものです。
いじめは、いじめを受けた子供の教育を受ける権利を侵害し、心に永く深い傷を残すと共にその心身
の健全なる成長及び人格の形成に重大な影響を及ぼし、また生命や身体に危険を生じさせるおそれもあ
る深刻な問題です。
学校の教職員は、
「いじめは人間として絶対に許されない」という意識を一人一人の生徒に徹底させな
ければなりません。そして、人と人との心がふれ合う豊かな体験を通じて、生徒一人一人の心を耕すな
どの「いじめを予防する指導」
、すべての生徒が「いじめは、しない・させない・許さない」という強い
決意を抱けるよう各教科等や道徳教育で人間としての生き方・在り方の指導が極めて重要です。
また、教職員の言動が生徒に大きな影響力を持つことを自覚し、生徒との信頼関係の構築も強く求め
られます。いじめを根絶するためには「いじめの未然予防・早期発見及び適切な対処、並びに再発防止
の対策と組織」の充実を図ることが大切です。さらに、いじめの重大事態に迅速に対応できる学校や教
育委員会、関係諸機関との連携も必要です。
以上、
「法」の趣旨に則りいじめ根絶のための本校の基本方針を定めいじめ根絶を目指します。
2.目 的
いじめ防止対策推進法等の趣旨を踏まえ、いじめの防止等(いじめの未然防止、早期発見及び対処)
のための対策について、学校等の組織の基本的なことを定めることにより、いじめの防止等のための対
策を効果的に推進することを目的にします。
(いじめ防止対策推進法第1条の趣旨に準拠)
(1)いじめの定義
この法律において、
「いじめ」とは、
「児童等に対して当該児童等が在籍する学校に在籍する当該児
童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネッ
トを通じて行われるものを含む)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じてい
るもの」をいう。
(児童等とは、学校に在籍する児童又は生徒をいう。いじめ防止対策支援法第2条)
(2)いじめの禁止
いじめは、いじめを受けた生徒の「教育を受ける権利」を著しく侵害し、その心身の健全なる成長
及び人格の形成に重大な影響を及ぼし、いじめを受けた生徒の心に永く深い傷を残すものです。いじ
めは、人間として絶対に許されない行為であり、すべての生徒にいじめを行ってはならないという行
動規範を徹底しなければなりません。
(いじめ防止対策推進法第4条の趣旨に準拠)
3.いじめ防止に向けての基本姿勢
いじめの兆候や発生を見逃さず、学校が迅速かつ組織的に対応するために、
「いじめ」に対する認識を
全教職員で共有します。また、
「いじめはどの子供にも起こりうる」ということを踏まえ、すべての生徒
を対象に、いじめに向かわせないための未然防止に取り組む姿勢を全教職員で示します。学校は次の基
本的な考え方にもとづきいじめ根絶に向けた取り組みを推進します。
[基本的な考え方]
いじめは、大人が気づきにくく判断しにくい形で行われることがあることを理解することが重要です。
どのような些細な兆候であっても、早い段階からいじめではないかとの疑いをもって、個人及び学年・
生活指導部・校内委員会等の組織、保護者や地域青少対等の学校内外と情報及び連携行動をしながら、
いじめを隠したり軽視したりすることなく積極的に認知していきます。
(1)いじめを生まない、許さない学校をつくります。いじめる生徒に対して、
「いじめは人間として絶対
に許されない」という認識を徹底させる適切な指導を行います。そのため相手を傷つけるような些細
な言動であっても教職員は慎みます。身体の特徴等、本人が傷ついているような言動を確実に諌める
等、常に「人間として許されるものか」と人権意識のアンテナを高く持つように日々取り組みます。
「今
の言い方(態度)は人間としてどうか」
「言われた人(された人)がどんな気持ちになるか分かって言
ったのか」と躊躇せず厳しく指導します。
(2)いじめられている生徒からの声や兆候を確実に受け止め、いじめられた生徒が安心して学校生活が
送られるように組織的に守り通す取り組みを徹底します。
(3)周囲の生徒が、いじめについて知っていながらも「言ったら自分がいじめられる」などの不安を抱
えていることを直視し、周囲の生徒の発信を促すための主体的な取り組みを支援するとともに、勇気
をもって教員等に伝えた生徒を守り通します。また「いじめを見て見ぬふりをしない」ように指導す
るとともに、生徒会等によるいじめ根絶に向けた取り組みを支援します。
生徒には各教科・道徳の授業及び学級活動で、いじめやからかいに対する鋭敏な感性を育てます。
いじめの芽になる言動に対して互いに注意し合ったり、話し合ったり、先生に相談しやすい体制を学
級・学年で育て、学校全体で毅然とした中に温かみのある雰囲気を創っていきます。
(4)教員のいじめ問題への鋭敏な感覚と的確な指導力を高めます。また、特定の教員が抱え込むことな
く、学校全体による組織的な対応ができるように指導力と組織力の向上を図ります。
(5)いじめの「未然防止」
「早期発見」
「早期対応」「重大事態への対処」の4つの段階に応じたきめ細
やかな対応の充実を図ります。このため、常に人権意識を高め人権尊重教育を推進します。
4.いじめ対策のための校内組織の設置
(1)いじめ対策の組織
毎週1回「生活指導部会」
「校内委員会」を設け、いじめの早期発見に努めます。また、いじめが発
覚した場合は「学校いじめ防止対策委員会」、重大事態発生時には外部機関の関係者も交えた「学校サ
ポートチーム」を組織し取り組みます。
(2)
「学校いじめ防止対策委員会」
(特別委員会)
校長・副校長・主幹・学年主任・生活指導主任・スクールカウンセラー・養護教諭・特別支援コー
ディネーター
(3)
「学校サポートチーム」
校長・副校長・主幹・学年主任・生活指導主任・スクールカウンセラー・養護教諭・特別支援コー
ディネーター・児童相談所・警察・子ども家庭支援センター
(4)
「学校いじめ防止対策委員会」の主な取り組み
① ふれあいアンケートの実施
② いじめに関する校内スポット研修
③ 生徒会等による取り組みへの支援
④ スクールカウンセラーによる 1 年生の全員面接
⑤ 担任との二者面談・三者面談
(5)
「学校サポートチーム」の主な取り組み
重大事態発生時の対応
重大事態とは、
〇 生徒が自殺をした場合
〇 身体に重大な傷害を負った場合
〇 金品等の重大な被害を受けた場合
〇 精神性の疾患を発症した場合
5.いじめの未然防止、早期発見・早期対応、重大事態への対応
(1)いじめ未然防止に向けた具体的な取り組み
[基本的な考え]
①
いじめは、いつでも、どこでも起こりうるという危機意識を持ち、各教科や道徳の授業、学
級指導で常にいじめ防止に向けて最大限の努力・配慮をします。
② 人権尊重・生命の尊重の立場に立ち、被害者の人権を最優先します。
③ いじめの芽が発覚した場合、関係生徒への組織的な指導で素早い対応に努めます。
④ いじめの背景や内容を常に正確に把握し根絶を目指して指導にあたります。
[具体的な取り組み]
① 学級担任による生徒への積極的な声かけ
学級担任は学級経営の責任者として、生徒と積極的にコミュニケーションをとり生徒との人
間関係を構築します。
② 「いじめに関する授業」の実施
東京都教育委員会が作成した「いじめ防止教育プログラム」等を活用して、道徳の時間や特
別活動において「いじめに関する授業」を実施します。
③ 生徒会等による主体的な取り組みへの支援
「いじめ根絶サミット」など、生徒会等のいじめ根絶に向けた取り組みを支援します。
④ 学校便り・学年便り等の発行
各種便りを活用し、いじめ防止に向けて保護者に協力の依頼をします。
(2)いじめ早期発見・早期対応に向けた具体的な取り組み
① いじめ実態調査の実施
いじめ実態調査は、東京都のふれあい月間の調査、問題行動調査、本校独自のふれあいアン
ケート調査の実施によりいじめの早期発見を図ります。
② 担任等による面談の実施
生徒との二者面談を行い、本人や友人・学級・部活動のことなどを把握します。
③ スクールカウンセラーによる全員面接
生徒が気兼ねなくSCに相談できる環境をつくるため、中学校一年生を中心に、SCによる
全員面接を実施します。
④ 校内巡回等を通じた生徒の観察
チャイムと同時に授業が始められることを目指し、教員は休み時間であっても廊下・教室等
で待機することを通して生徒とのふれ合いを図っています。この取り組みを継続することで
生徒の小さな変化もいち早く把握していきます。
⑤ 生徒情報の共有
日頃から生徒情報を記録するなど組織的に情報の共有を図ります。また、年度替わりの異動
や学級担任の交替等により、いじめ問題の対応に遺漏がないよう引き継ぎの徹底を図ります。
⑥ 「学校サポートチーム」を通じた警察・児童相談所等との連携・協力
暴行や金銭強要等の犯罪行為や児童虐待等が疑われる場合には、迅速かつ円滑に対応できる
よう学校サポートチームを通じて、警察や児童相談所等と情報を共有し対応策を協議します。
⑦ PTAとの連携
被害生徒のみならず、周囲の生徒も多くの大人に見守られていることを実感できるようにす
るため、PTAによる「登下校の見守り」や「朝のあいさつ運動」への協力を依頼します。
6.いじめ重大事態への対処に向けた取り組み
(1)被害生徒の心のケア
被害生徒の自殺などの最悪のケースを回避するため、複数の教員が間断なく見守る体制を構築す
る他、被害生徒の情報共有を必ず朝、夕に実施します。また、被害生徒が帰宅した後も教員が保護
者に電話等で様子を確認するなど状況把握に努めます。
(2)スクールカウンセラーによるケア
SCと教員との情報共有の徹底やSCによる授業観察などを実施します。また、東村山市教育委
員会との緊密な連携を図ります。
(3)家庭訪問を通じた家庭状況の把握とケア
家庭訪問を通じ、被害生徒の家庭状況の把握に努めるとともに不測の事態を回避するため、保護
者と緊密に連携して、被害生徒とその家庭を支援します。また、教育委員会の指導主事や子ども家
庭支援センター等の派遣を依頼し、福祉の観点からもケアを図ります。
(4)警察・児童相談所等の関係諸機関への相談・通報
被害生徒に対する暴行や金銭強要などの犯罪行為が行われていると疑われる場合、被害生徒を守
ると共に周囲の生徒に被害が拡大しないよう、速やかに警察への相談・通報を行います。中・長期
的な健全育成指導や医療的な治療が必要な場合は、児童相談所の専門機関と連携を図ります。
(5)加害生徒とその保護者に対するケア
加害行為の背景には、例えば過去に深刻ないじめを受けた時に生じた心の傷が原因となっている
場合もあり、必要に応じて加害生徒の心のケアを行います。また、加害生徒の保護者が子育てに悩
みを抱えている場合もあることから、SCを活用してケアを行います。
7.インターネットいじめに対する取り組み
(1)情報モラル教育の年間指導計画に基づき情報モラル教育を実施し、インターネットを通じて行
われるいじめを防止します。
(2)情報モラル教育について保護者に情報を提供し、家庭における指導に役立てます。また、フィ
ルタリングの利用や有害情報について保護者に対する啓発を促進します。
8.
「学校いじめ防止基本方針」の定期的な見直し・検討についての取り組み
○教職員の年度末評価、学校評議員による学校評価をもとに、毎年度末(2月から3月)に本基本方
針の内容の見直しを行う。