平成27年度 由野台中学校いじめ防止基本方針

平成27年度
由野台中学校いじめ防止基本方針
いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号)第13条に基づ
き、本校の実情に応じた、いじめ防止等の対策のための基本的な方針
を定める。
由野台中学校いじめ防止基本方針(以下、
「学校基本方針」という。)
には、「いじめの未然防止」、「いじめの早期発⾒」、「いじめへの対処」
を主な項目とし、「学校がどのような子どもを育てようとしているの
か」、そのために「教職員は何をするのか」、「家庭や地域とどう協⼒し
合うのか」等を示す。
4
[
内
容
学校基本方針の策定にあたって 3
]
① 学校基本方針には、いじめ未然防止、いじめの早期発⾒、いじめへの対処などを定
める。
② 具体的には、いじめ防止の観点から、包括的な取り組みの方針を定めたり、校内研
修等、教職員の資質能⼒向上を図る取り組みなど、その具体的な指導内容のプログ
ラム化を図る。
③ いじめの早期発⾒、いじめへの対処に関する取り組み方法等を定める。
[
留意事項
]
① 学校基本方針については、地域や保護者の理解を得るようにする。なお、学校HP
や学校だより等において、平成26年4⽉を目途に公表する。
② 学校基本方針を⽣徒指導の全体的な計画の中に適切に位置づける。
③ 学校基本方針については、当該学校の実情に即して機能しているか、あらかじめ、
方針策定時に検証の時期・方法等を決定しておく。なお、年間計画で定めた期間の
終わりには、本市の「学校改善支援システム(かがやき)」を活用して、取り組みに
ついて点検・検証し、必要に応じて⾒直すという、PDCAサイクルの考え方を盛
り込む。また、⽣徒、保護者、地域、関係団体の方々の意⾒も取り⼊れながら⾏う。
平成27年4⽉
相模原市⽴由野台中学校
相模原市⽴由野台中学校いじめ防止基本方針
【 目指す⽣徒像
】
・いじめが⼈権をそこなう、許されない⾏為であることを理解し、絶対にいじめをしない。
・いじめを⾒すごさず、友達や信頼できる⼈と⼒を合わせて、いじめがなくなるように⾏動する。
・思いやりの⼼を⼤切にし、友達の喜びや⼼の痛みを、その⼈の気持ちになって感じたり考えた
りできる。
・⼀⼈⼀⼈のよいところをたくさん⾒つけ、⾃分も相⼿もかけがえのない存在として⼤切にする。
・⽣活の仕方や⽂化、ものの考え方などにちがいがある⼈々とも進んで交流する。
【 家庭・地域との連携 】
学校の実態を公開するととも
に⽣徒を幾重にも支える体制を
築くことを趣旨とする。
○ 開かれた学校づくり
授業参観・保護者会・学校へ⾏
こう週間・各⾏事の公開
○ PTA組織との連携
○ 地域⾏事への教職員と⽣徒の参
加
○ 学校関係者評価の実施
【 校内組織 】
いじめ防止対策委員会
構成員:校⻑、教頭、教務主任、⽣担、
学年主任、支援教育コーディネーター、
養護教諭、(⻘少年教育カウンセラー)
役割:いじめ防止基本方針の策定、い
じめの未然防止・早期発⾒・早期対応
開催:⽉1回以上
【 関係機関との連携 】
迅速で効果的な「いじめ対策」
を⾏うために次の機関との連携を
強化する。
○ 教育委員会各課
○ ⾸⻑部局各課
○ ⺠⽣・児相委員
○ 小学校
○ スクールサポーター
○ 県警少年保護・相談センター
○ その他関係機関との連携
いじ め の未 然 防止
(1)
(2)
(3)
(4)
⽣ 徒が 主 体的 に 参 加・ 活 躍で き る よう な 授業 づ くり や 集 団づ く りを ⾏ う。
学 校の 教 育活 動 全 体を 通 じ、 ⽣ 徒 の⾃ 己 有用 感 を高 め ら れる 機 会を 充 実さ せ る 。
学 校の 教 育活 動 全 体を 通 じて 、 ⼈ 権教 育 、道 徳 教育 の 充 実や 体 験活 動 など を 推 進を す る。
い じめ(イ ン ター ネ ッ ト等 に よる い じめ を 含 む )に つい て 、校 内 研修 や 職員 会 議で 積 極 的に 取 り上 げ 、
平素 か らの 共 通 理解 を 図る と とも に 、 ⽣徒 、 保護 者 に対 し て も周 知 徹底 を 図る 。
(5) 学 校 、 P T A 、 地 域 の 関 係 団 体 等 と 活 動 を 共 に す る 場 や い じ め の 問 題 に つ い て 協 議 す る 機 会 を 設 け る
など 、 家庭 、 地 域と 連 携し た 取り 組 み を推 進 する 。
い じ め への 早 期発 ⾒
(1) 日 常的 な 観察 を 充 実さ せ 、⽣ 徒 の 様子 に 目を 配 る。
(2) 定 期 的 な ア ン ケ ー ト 調 査 ( 学 期 に 1 回 ) や 教 育 相 談 の 実 施 等 に よ り 、 ⽣ 徒 が い じ め を 訴 え や す い 体 制
を整 え 、い じ め の実 態 把握 に 取り 組 む 。
※ 教 育 相談 ⽉ 間 (6 ⽉ 、1 1 ⽉、 2 ⽉ )
(3) 在 籍す る ⽣徒 及 び その 保 護者 、 教 職員 が いじ め に関 す る 相談 を ⾏う こ とが で き る体 制 を整 備 する 。
い じ めへ の 対処
(1) 被 害 ⽣ 徒 を 守 り 通 す と と も に 、 い じ め を や め さ せ 、 そ の 再 発 防 止 の た め に 、 教 育 的 配 慮 の も と 毅 然 と
した 態 度で 加 害 ⽣徒 等 を指 導 する 。
(2) 事 実確 認 を迅 速 に ⾏う と とも に 、 教職 員 全員 の 共通 理 解 を図 る 。
(3) 保 護者 の 協⼒ 、 教 育委 員 会へ の 報 告、 関 係機 関 ・専 門 機 関と の 連携 の もと で 対 応す る 。
重 ⼤ 事 態へ の 対処
重⼤ 事 態が 発 ⽣ した 場 合は 教 育委 員 会 と連 携 し調 査 を⾏ う 。
調査 は 重⼤ 事 態 に対 処 する と とも に 、 同種 の 事態 の 発⽣ の 防 止に 資 する た めに ⾏ う もの で ある 。
- 1 -
1.いじめの防止等の取り組みを推進していく基本的な考え方
いじめは、⼈として決して許されない⾏為である。しかしながら、いじめは、どの学級でも、ど
の⽣徒にも起こり得ることから、誰もが安⼼して学校⽣活を送れるように、全教職員が共通理解を
図り、同⼀歩調の下、いじめのない学校づくりに取り組んでいく必要がある。
また、学校と地域、家庭、その他の関係機関との連携も積極的に⾏っていくことも重要な課題で
ある。いじめ防止の取り組みは、⼀過性ではなく、継続して、未然防止、早期発⾒、早期対応に取
り組むことが重要である。
いじめの定義を理解する
「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児
童等と⼀定の⼈的関係にある他の児童等が⾏う⼼理的⼜は物理的な影響を与える⾏為(イ
ンターネットを通じて⾏われるものを含む。)であって、当該⾏為の対象となった児童等が
⼼身の苦痛を感じているものをいう。
「いじめ防止対策推進法 総則」 より
2.いじめの防止等の対策のための組織
学校内において、以下の構成員により、いじめ防止等の組織的な取り組みを推進するための組織
を置く。この組織を中⼼として、全教職員で共通理解を図り、学校全体でいじめ対策を⾏う。
○ 組織名称:いじめ防止対策委員会
○ 構 成 員:校⻑、教頭、教務主任、⽣徒指導主任、学年主任、支援教育コーディネーター、
養護教諭、(⻘少年教育カウンセラー)
○ 委員会の取り組み内容
① いじめの防止等に関わる取り組み方針や具体的な対応について、企画・⽴案する。
② いじめの未然防止、早期発⾒、早期対応の具体的な方策など、いじめ対策を推進する。
③ いじめ事案発⽣時はその対応を協議する。
○ 開
催
⽉1回以上
3.いじめの未然防止の取り組み
「いじめが起こらない学校づくり」を目指し、未然防止に取り組むことが最も重要である。その
ためには、「いじめは、どの学級にも、どの学校にも起こり得る」という認識をすべての教職員が
持ち、好ましい⼈間関係を築き、豊かな⼼を育て、「いじめを⽣まない土壌づくり」に取り組む必
要がある。そのために、すべての⽣徒を対象にいじめに向かわせないための未然防止に⼒を⼊れて
取り組む。
(1) ⽣徒が主体的に参加・活躍できるような授業づくりや集団づくりを⾏う。
① 望ましい⼈間関係や互いのよさを認め合う環境をつくる。
② 子どもがいじめ問題を⾃分のこととして考え、⾃ら活動できる集団をつくる。
③ ⼀⼈⼀⼈を⼤切にしたわかりやすい授業づくりに努める。
(2) 学校の教育活動全体を通じ、⽣徒の⾃己有用感を高められる機会を充実させる。
① ⽣徒会でいじめ防止キャンペーンを⾏うなど、⽣徒の主体的ないじめ防止活動を推進する。
② ピアサポート活動や異学年交流を通して、⽣徒が互いに認め合い、信頼し合う⼈間関係づく
りを目指す。
③ 活動の中に⾃己の役割を⾒いだすことにより、前向きな意欲を持たせる。
- 2 -
(3) 学校の教育活動全体を通じて、⼈権教育、道徳教育の充実や体験活動などを推進をする。
① いじめは、「相⼿の⼈権を踏みにじる⾏為であり、決して許されるものではない」ことを⽣
徒に理解させる。
② ⼈権教育の基盤である⽣命尊重の精神や⼈権感覚を育むとともに、⼈権意識の高揚を図る。
③ 道徳・特別活動を通して規範意識や集団の在り方等についての学習を深める。
(4) いじめ(インターネット等によるいじめを含む)について、校内研修や職員会議で積極的に取
り上げ、平素からの共通理解を図るとともに、⽣徒、保護者に対しても周知徹底を図る。
① 教職員の⾔動でいじめを誘発・助⻑・黙認することがないよう細⼼の注意を払う。
② 常に危機感をもち、いじめ問題への取り組みを定期的に点検して、改善充実を図る。
③ 教職員研修の充実、いじめ相談体制の整備、相談窓⼝の周知徹底を⾏う。
(5) 学校、PTA、地域の関係団体等と活動を共にする場やいじめの問題について協議する機会を
設けるなど、家庭、地域と連携した取り組みを推進する。
① 地域や関係機関と定期的な情報交換を⾏い、日常的な連携を深める。
② PTAの各種会議や保護者会等において、いじめの実態や指導方針などの情報を提供し、意
⾒交換する場を設ける。
③ いじめの持つ問題性や家庭教育の⼤切さなどを具体的に理解してもらうために、学校HPや
学校・学年だよりなどによる広報活動を積極的に⾏う。
4.いじめへの早期発⾒の取り組み
いじめは、早期に発⾒することが、早期の解決につながる。早期発⾒のために、日頃から教職員
と⽣徒との信頼関係の構築に努めることが⼤切である。いじめは、教職員や⼤⼈の気づきにくいと
ころで⾏われ、潜在化しやすいことを認識し、教職員が⽣徒の小さな変化を敏感に察知し、いじめ
を⾒逃さない認知能⼒を向上させることが求められる。
また、⽣徒に関わるすべての情報を教職員間で共有し、保護者とも連携して情報を収集すること
も⼤切である。
(1) 日常的な観察を充実させ、⽣徒の様子に目を配る。
① 子どもの声に耳を傾ける。(アンケート調査、⽣活ノート、個別面談等)
② 子どもの⾏動を注視する。(チェックリスト、ネットパトロール等)
③ 「⽣徒がいるところには教職員がいる」ことを目指し、⽣徒とともに過ごす機会を積極的に
設ける。
(2) 定期的なアンケート調査(学期に1回)や教育相談の実施等により、⽣徒がいじめを訴えやす
い体制を整え、いじめの実態把握に取り組む。
① 学期ごとに教育相談⽉間(6・11・2⽉)を設け、アンケート調査や教育相談を実施する。
② ⽣徒の気持ちを受け⼊れることが⼤切であり、共感的に⽣徒の気持ちや⾏動・価値観を理解
しようとするカウンセリング・マインドを高めることが必要である。
③ 学校⽣活での悩みの解消を図るために、⻘少年教育カウンセラー等を活用する。
(3) ⽣徒およびその保護者、教職員がいじめに関する相談を⾏うことができる体制を整備する。
① 保護者がいじめに気づいたときに、即座に学校へ連絡・相談できるよう、日頃から保護者と
の信頼関係を築くことが⼤切である。
② 問題が起こったときだけの連絡や家庭訪問では信頼関係は築けない。日頃から、⽣徒のよい
ところや気になるところなど、学校のようすについて連絡・相談しておくことが必要である。
③ 地域⾏事への参加、関係機関との情報共有など、日常的な連携を⼼がける。
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5.いじめへの対処
いじめの兆候を発⾒したときには、問題を軽視することなく、早期に適切な対応をすることが⼤
切である。また、発⾒・通報を受けた場合には、いじめられている⽣徒の苦痛を取り除くことを最
優先に、迅速に事実確認と適切な指導を⾏い、特定の教員で抱え込まず組織的に対応することが重
要である。また、いじめの再発を防止するため、継続的に⾒守る必要がある。
(1) 被害⽣徒を守り通すとともに、いじめをやめさせ、その再発防止のために、教育的配慮のもと
毅然とした態度で加害⽣徒等を指導する。
① いじめられている子どもや保護者の⽴場に⽴ち、詳細な事実確認を⾏う。
② いじめる子どもには、⾏為の善悪をしっかり理解させ、反省・謝罪をさせる。
③ いじめが解消した後も、保護者と継続的な連絡を⾏う。
把握すべき情報例
① 誰が誰をいじめているのか
(加害者と被害者の確認)
② いつ、どこで起こったのか
(時間と場所の確認)
③ どんな内容のいじめか、どんな被害を受けたか。
④ いじめのきっかけは何か。
(内容)
(背景と要因)
⑤ いつ頃から、どのくらい続いているのか。
(期間)
※ ⽣ 徒 の個 ⼈情 報 は、
そ の 取 扱 い に 十分 配
慮すること
(2) 事実確認を迅速に⾏うとともに、教職員全員の共通理解を図る。
① いじめの事実確認においては、いじめの⾏為を⾏うに⾄った経過や⼼情などをいじめている
⽣徒から聞き取るとともに、周囲の⽣徒や保護者など、第三者からも詳しく情報を得て、正確
に把握する。
② 短時間で正確な事実関係を把握するため、また、学級担任等が抱え込むことのないよう複数
の教職員で対応することを原則とし、管理職の指示のもと教職員間の連携と情報共有を随時⾏
う。
(3) 保護者の協⼒、教育委員会への報告、関係機関・専門機関との連携のもとで対応する。
① 校⻑は事実に基づき、子どもや保護者に説明責任を果たす。
② 法を犯す⾏為に対しては、早期に警察等に相談して協⼒を求める。
③ 必要に応じて、教育委員会・学校教育課の⼈権⽣徒指導班の活用を図る。
(対応経路)
いじめ情報のキャッチ
正確な実態把握
いじめ防止対策委員会を招集する。
指導体制、方針決定
(全職員による共通認識)
⽣徒への指導・支援
(市教委への報告・関係機関との連携) (保護者との連携)
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今後の対応
6.重⼤事態への対処
重⼤事態が発⽣した場合は教育委員会と連携し調査を⾏う。
調査は重⼤事態に対処するとともに、同種の事態の発⽣の防止に資するために⾏うものである。
(1) 重⼤事態が発⽣した場合は、その事態に対処するとともに、速やかに組織を設け、事実関係を
明確にするため、在籍⽣徒や教職員に対する質問紙調査や聞き取り調査等を実施する。
(2) 教育委員会を通じて、速やかに市⻑へ重⼤事態発⽣について報告する。
(3) 当該⽣徒およびその保護者に対し、適時・適切な方法で調査結果を提供する。
重⼤事態とは
◎ いじめにより⽣徒の⽣命、身体または財産に重⼤な被害が⽣じた疑いがあると認めるとき
例えば、 ・⽣徒が⾃殺を企図した場合
・身体に重⼤な障害を負った場合
・⾦品等に重⼤な被害を被った場合
・精神性の疾患を発症した場合
◎
などのケースが想定される。
いじめにより⽣徒が相当の期間、学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認
めるとき
「相当の期間」については、不登校の定義を踏まえ、年間30日を目安とする。ただし、⽣
徒が⼀定期間、連続して欠席しているような場合には、上記目安にかかわらず、教育委員会ま
たは学校の判断により、迅速に調査に着⼿することが必要である。
7.その他
(1) いじめの態様
いじめの態様について、その⾏為が犯罪⾏為として取り扱われるべきと認められる場合は、い
じめられている⽣徒を守り通すという観点から、毅然とした対応をとることが必要である。
《 分 類 》 《抵触する可能性のある刑罰法規》
ア 冷やかしやからかい、悪⼝や脅し⽂句、いやなことを⾔われる ……………………▶脅迫、名誉毀損、侮辱
イ 仲間はずれ、集団による無視
※刑罰法規には抵触しないが、他のいじめと同様に毅然とした対応が必要
ウ 軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする ……………………………………▶暴⾏
エ ひどくぶつかられたり、叩かれたり、蹴られたりする ……………………………………………▶暴⾏、傷害
オ ⾦品をたかられる ………………………………………………………………………………………………▶恐喝
カ ⾦品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする …………………………▶窃盗、器物破損
キ いやなことや恥ずかしいこと、危険なことをされたり、させられたりする …………▶強要、強制わいせつ
ク パソコンや携帯電話で、誹謗中傷や嫌なことをされる ………………………………………▶名誉毀損、侮辱
(2) 周りの⽣徒たちに対しての指導
●当事者だけの問題にとどめず、学級及び学年、学校全体の問題として考え、いじめの傍観者か
らいじめを抑止する仲裁者への転換を促す。
●「いじめは決して許さない」という毅然とした姿勢を、学級・学年・学校全体に示す。
●はやし⽴てたり、⾒て⾒ぬふりをする⾏為も、いじめを肯定していることを理解させる。
●いじめを訴えることは、正義に基づいた勇気ある⾏動であることを理解させるよう指導する。
●いじめに関するマスコミ報道や、体験事例等の資料をもとにいじめについて話し合い、⾃分た
ちの問題として意識させる。
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(3) 出席停止・転学退学措置について
⽣徒に対しては、日頃からきめ細やかな指導や教育相談を粘り強く⾏うことが必要である。し
かし、指導の効果があがらず、他の⽣徒の⼼身の安全が保障されない等の恐れがある場合につい
ては、いじめ防止対策委員会と⽣活指導支援部が連携し、学校⻑の判断で出席停止等の懲戒処分
の措置を検討する必要がある。出席停止の制度は、本⼈の懲戒という観点からではなく、学校の
秩序を維持し、他の⽣徒の教育を受ける権利を保障するという観点から設けられているものであ
る。
いじめられた⽣徒の⼼身の安全が脅かされる場合等、いじめられた⽣徒をいじめから守りぬく
ために、必要があればいじめた⽣徒に対し転学や退学について弾⼒的に対応することと規定され
ている。
保護者から、他の学校に変更したい旨の申し出があれば、学校は柔軟に対応し⽣徒の将来を⾒
据えた指導を⾏う。
学校法第11条
校⻑及び教員は、教育上必要があると認めたときは、⽂部科学⼤⾂の定めるところにより、学⽣、⽣徒及び
児童に懲戒を加えることが出来る。ただし体罰を加えることはできない。
学校法施⾏規則第13条
校⻑及び教員が⽣徒等に懲戒を加えるに当たっては⽣徒等の⼼身の発達に応じる等教育上必要な配慮をしな
ければならない。
① 懲戒のうち退学、停学及び訓告の処分は校⻑がこれを⾏う。
② 前項の退学は、公⽴の小学校、中学校、盲学校、聾学校または養護学校に在学する学齢児童または学齢⽣
徒を除き、次の号の⼀に該当する児童等に対して⾏うことができる。
(1) 性⾏不良で改善の⾒込みがないと認められた者。
(2) 学⼒劣等で成業の⾒込みがないと認められた者。
(3) 正当の理由がなくて出席常でない者。
(4) 学校の秩序を乱しその他学⽣⼜は⽣徒として本分に反した者。
③ 第2項の停学は学齢児童⼜は学齢⽣徒に対しては⾏うことができない。
(4) ネット上のいじめへの対応
インターネットの特殊性による危険を十分に理解した上で、ネット上のトラブルについて最新
の動向を把握し、情報モラルに関する指導⼒の向上に努める必要がある。
未然防止には、⽣徒達のパソコンや携帯電話、スマートフォン等を第⼀義的に管理する保護者
と連携した取組を⾏う必要がある。早期発⾒には、メールを⾒たときの表情の変化や携帯電話等
の使い方の変化など、被害を受けている子どもが発するサインを⾒逃さないよう、保護者との連
携が不可欠である。
「ネット上 のいじめ」を発⾒し た場合は、書き込みや画
像の削除等、迅速な対応を図るとともに、⼈権侵害や犯罪、
法律違反など 、事案によっては、 警察等の専門的な機関と
連携して対応していくことが必要である。
① 未然防止のためには
ネット上のいじめとは
パソコンや携帯電話・スマートフォン
を利用して、特定の子どもの悪⼝や誹
謗中傷等をインターネット上のWeb
サイトの掲示板などに書き込んだり、
メールを送ったりするなどの方法によ
り、いじめを⾏うもの。
学校での校則遵守の徹底・情報モラルの指導だけでは限界があり、家庭での指導が不可欠で
あることから、保護者と緊密に連携・協⼒し、双方で指導を⾏う事が重要である。
② 早期発⾒・早期対応のためには
関係機関と連携したネット上の書き込みや画像等への対応
●書き込みや画像の削除やチェーンメールへの対応等、具体的な対応方法を子ども、保護者に
助⾔し、協⼒して取り組む必要がある。
●学校、保護者だけでは解決が困難な事例が多く、警察等の専門機関との連携が必要になる。
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(5) いじめ早期発⾒のためのチェックリスト
いじめが起こりやすい・起こっている集団
□ 朝いつも誰かの机が曲がっている
□ 教職員がいないと掃除がきちんとできない
□ 掲示物が破れていたり落書きがあったりする
□ グループ分けをすると特定の子どもが残る
□ 班にすると机と机の間に隙間がある
□ 特定の子どもに気を遣っている雰囲気がある
□ 学級やグループの中で絶えず周りの顔色をうかがう子どもがいる
□ ⾃分たちのグループだけでまとまり、他を寄せつけない雰囲気がある
□ 些細なことで冷やかしたりするグループがある
□ 授業中、教職員に⾒えないように消しゴム投げをしている
いじめられている⽣徒
●日常の⾏動・表情の様子
□ わざとらしくはしゃいでいる
□ おどおど、にやにや、にたにたしている
□ いつもみんなの⾏動を気にし、目⽴たないようにしている
□ 下を向いて視線を合わせようとしない
□ 顔色が悪く、元気がない
□ 早退や⼀⼈で下校することが増える
□ 遅刻・欠席が多くなる
□ 腹痛など体調不良を訴えて保健室へ⾏きたがる
□ ときどき涙ぐんでいる
□ 友だちに悪⼝を⾔われても⾔い返さなかったり、愛想笑いをしたりする
●授業中・休み時間
□ 発⾔すると友だちから冷やかされる
□ ⼀⼈でいることが多い
□ 班編成の時に孤⽴しがちである
□ 教室へいつも遅れて⼊ってくる
□ 学習意欲が減退し、忘れ物が増える
□ 教職員の近くにいたがる
□ 教職員がほめると冷やかされたり、陰⼝を⾔われたりする
●昼食時
□ 好きな物を他の⽣徒にあげる
□ 他の⽣徒の机から机を少し離している
□ 食事の量が減ったり、食べなかったりする
□ 食べ物にいたずらされる
●清掃時
□ いつも雑⼱がけやごみ捨ての当番になっている
□ ⼀⼈で離れて掃除をしている
●その他
□ トイレなどに個⼈を中傷する落書きが書かれる
□ 持ち物や机、ロッカーに落書きをされる
□ 持ち物が壊されたり、隠されたりする
□ 理由もなく成績が突然下がる
□ 部活動を休むことが多くなり、やめると⾔い出す
□ 服に靴の跡がついている
□ ボタンがとれたり、ポケットが破れたりしている
□ ⼿や足にすり傷やあざがある
□ けがの状況と本⼈が⾔う理由が⼀致しない
□ 必要以上のお⾦を持ち、友だちにおごるなどする
いじめている⽣徒
□ 多くのストレスを抱えている
□ 家や学校で悪者扱いされていると思っている
□ あからさまに、教職員の機嫌をとる
□ 特定の⽣徒にのみ強い仲間意識をもつ
□ 教職員によって態度を変える
□ 教職員の指導を素直に受け取れない
□ グループで⾏動し、他の⽣徒に指示を出す
□ 他の⽣徒に対して威嚇する表情をする
□ 活発に活動するが他の⽣徒にきつい⾔葉をつかう
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(6) いじめが起こった場合の組織的対応の流れ
いじめを認知した場合は、教職員が⼀⼈で抱え込まず、学年及び学校全体で対応することが
⼤切である。学級担任が⼀⼈で抱えこみ、配慮に欠ける対応をしたため、⽣徒をよりつらい状
況に追い込んでしまい、保護者とのトラブルに発展してしまうことがある。
そういった状況を避けるためにも、校⻑がいじめ防止対策委員会による緊急対策会議を開催し、
今後の指導方針を⽴て、組織的に取り組むことが必要である。
《
即
迅
応
な
初
期
対
応
》
発
⾒
日常の観察・アンケート・教育相談・周りの児童⽣徒の訴え等の情報
情
報
収
集
担任・学年主任等
情報を得た教職員
⽣活指導担当
日
対
速
教
頭
校
いじめ防止対策委員会
事
報告・共通理解
実
職
認
員
報 告
会
共 通
理 解
調査班編成
事案の状況により、メンバーの決定
(学年主任・⽣徒指導担当・担任・養護教諭等)
針
定
対
応
適宜連絡
保 護 者
報 告
教 育 委 員 会
支 援
報告・事実関係の把握・指導
方
決
招集・指揮
調査方針・分担決定
確
議
⻑
方針の決定、指導体制の編成
対応班編制
事案の状況によりメンバーの決定
(学年主任・担任・部活動顧問・学年教職員等)
対応班によるいじめ解消に向けた指導
いじめ解消継続指導・経過
経
過
観
察
観
察
連絡・相談
学校だけで解決
が困難な事例
暴⼒・恐喝等
の犯罪⾏為が
あった場合
支
援
警
察
関係機関
再発防止・未然防止活動
※ いじめの事案の状況に応じて柔軟かつ適切に対応する。
※ いじめの解消に向けて取り組むにあたっては、迅速な対応が⼤切であることから、いじめの情報
が⼊ってから学校の方針決定に⾄るまでを、いじめの情報を得たその日のうちに対応することを基
本とする。ただし、いじめが重篤な場合やいじめられた側といじめた側の意識にずれが⽣じている
場合は、把握した状況をもとに、十分に検討協議し慎重に対応することが必要である。
⽣命⼜は身体の安全がおびやかされるような重⼤な事案が発⽣した場合
●速やかに監督官庁、警察等の関係機関へ報告する。管理職が中⼼となり、学校全体で組織的に対応
し、迅速に事案の解決にあたる。
●事案によっては、学年及び学校のすべての保護者に説明する必要の是非を判断し、必要があれば、
当事者の同意を得た上で、説明⽂書の配布や緊急保護者会の開催を実施する。
●事案によっては、マスコミ対応も考えられる。対応窓⼝を明確にし、誠実な対応に努める。
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