Page 1 Page 2 Page 3 Page 4 Page 5 ー.トウモロコシと玄米の栄養価

資 料 10
農研機構
飼料用米の栄養価
NARO 策ぶ一郎攣ナ人.整登場竺盈蟹妓脛璧誉単発饅縄
トウモロコシと玄米の化学成分値は、ほぼ同等である。
㌧㌻tTJ∴こノー:こ.・、・くJ
飼料用米の豚及び鶏への給与技術
(国)農研機構 畜産草地研究所
家畜生理栄養研究領域
領域長 阿部啓之
●
●
トウモロコシ 玄米
17二言−r」’−て蒜、正 ●一蒜J(Mニ「kg了
膿竪」腰_川膿賢」長還kd_jL遥裟jj
トウモロコシ 7.6 3.8 1.7 1.2 3.56 0.29
玄米 7.5 2.7 0.7 1.4 3.62 0.32
親米 6.5 2.2 8.6 5.4 2.82 0.28
飼料用米の化学成分値(日本標準飼料成分表2009より引用)
飼料用米の栄養価
トウモロコシと玄米の消化率は、ほぼ同等である■。
・鶏は親米の利用が可能。
NFE∴■− 粗繊維‡‡ DE
トウモロコシ 79
84 94 45 3.56
玄米 79
72・ 98 34へ 3.62
枚米 65
52 90 0 2.82
豚における飼料用米の利用
豚に給与する場合には、2mmメッシュを通るように
粉砕して給与する。
粉砕粒度と消化率の関係
(%) 1mm以下 ト2mm 2−3.35mm1mm以下 2−2.35mm 無粉砕
粗蛋白質 88.4 82.3 59.7 68.8 21.5 0.0
粗脂肪 77.4 47.9 18.9 37.6 0.0 0.O
トウモロコシ 85
94 89 0 3.28
玄米 89
83 94 0 3.28
枚米 71
50 91 0 2.66
飼料用米の消化率(日本標準飼料成分表2009より引用)
NFE 99,9 97.7 83.4 90.9 67.6 18.6
エネルギー 96.7 92.7 77.5 73.2 50.1 11.1
畜産草地研究所、日本科学飼料協会、フリーデン(平成21年度新たな農林水産政策を推
進する実用技術開発事業より)
飼料用米の給与例
飼料用米の給与例
(バークシャー種・肥育後期)
(バークシャー種・肥育後期)
飼養成績に差はなく、ロース肉中の脂肪含量、
背脂肪内層の脂肪酸組成に差がみられた。
飼料用米を75%給与した豚肉は、_消費者型官能評価 _
試験で評価が高かった。バークシャー種と飼料用米給
与は、相性が良いと考えられる。
玄米75%
玄米 75・0 日増体量(g)642.3 671.4
トウモロコシ 30・0 飼料要求率 4.76 4.43
マイロ 25.0
書ロース肉中の理化学成分(%)
大麦 10.0 蛋白質 22.9 22.7
大豆粕 9.8 9.8 脂肪含量 5.7a 8.2b
その他 25.2 15.2
背脂肪内層中の脂肪酸組成(%)
岩手県農業研究センター畜産研究所 オレイン酸 42.5a 44.3b
リノール酸 7.2B 5.7A
飼料用米の給与例
0 (LWD肥育後期)
飼養成績に差はみられない。、
成績 市販飼料j.玄米70%
飼料組成(%)
玄米
飼料用米とエコフィードを組み
合わせた給与例(LWD肥育後期)
飼養成績に差はなく、背脂堺内層の
脂肪酸組成に差がみられた。
l ̄ ̄l ̄ ̄、 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄1.1  ̄ ̄ ̄  ̄一
70.0
トウモロコシ
マイロ 10.6
大豆粕 15.1
その他の原料 4.3
岐阜県畜産研究所
日増体量(g) 1106 1055
二三・ご一二三三二二 票…三二 十∵∵成績 汀滴販醐
背脂肪厚(cm) 2.3b 2.Oa
玄米 52.5
日増体量(g) 727
干しイモ残さ 軍2・5
ロース肉中
ロース肉中の理化学成分(%)
脂肪含量 4.8 5.2
大豆粕 20.0
背脂肪内層中の脂肪酸組成(%)
その他の原料 5.0
脂肪含量(%) 2.1
オレイン酸 42.3
オレイン酸 44.1A 4軋8B
リノール酸 7.7
※ 市販飼料を給与した成績との比較。
リノール酸 11.2B 6.6A
※ 市販飼料を給与した成績との比較。
研究所の飼養試験結果から得られた給与上限値。
低コスト省力化・軽労働化技術等の開発
国産飼料分科会(第4系)の成果
NARO
一般的に利用可能と考えられる飼料用米の
◆・
肥育後期に飼料用米を75%まlで給与可能
国産の飼料用米を用いた飼養試験により、飼養・枝肉■肉質成績を低下さ
せないことを確認。試験は2箇所以上、飼料用米を給与した豚20頭以上の
規模で行った。
配合水準は0∼40%
エコフイ⊥ド等め他のタンパク質源とともに国産の飼料用米を利用する場
合を想定し、問題なく給与できる水準。
飼料用米を40%以上配合した飼料を用いて、4戸の現地農家および5研究
機関で飼養試験(飼料用束を給与した豚は205頭)を行い、飼養t枝肉・肉質
成績が低下しないことを確認n‘
前∼後期 玄米
肥育豚
破砕(2mm以下)
(LWD・B種・後期 事米
肥育豚
(LWD)
破砕 全飼料中
(2mm以下)原物当たり
肥育豚
0∼40%
(LDB.LWD)
ロック種)
飼料用米の給与により、オレイン酸は概ね増加する。消糞者型官能評価で
「香り」め評価が高く、好ましい豚肉生産に繋がる可能性。
象碧V
飼料用米給与による豚肉への影響(豚)
または
エクストルーダ処理
LDB)
禁憲芸肥育後期玄米
破砕
(2mm以下)
前∼後期 籾米
破砕
(2mm以下)
後期 粗米 エクストルーダ処理
全飼料中
原物当たり
全飼料中
原物当たり
全飼料中
原物当たり
全飼料中
原物当たり
70∼75%
30%
55∼60%
ブロイラーへの親米多給時の留意点
ブロイラーに親米を給与する際、エネルギー要求量を満たすための
油脂の添加量は6%までとし、籾米の配合割合を18%程度までとす
ることが望ましい。
(例)ブロイラー用後期飼料
一般的に利用しやすい飼料構成
品種 バークシャー種 LWD LWD
給与日数 70日 68日 54日
筋肉内脂肪含量や
肉の柔らかさ、等
背脂肪内層中の
脂肪酸組成
オレイン酸(%)
リノール酸(%)
特段の影響は見られない
観米 0 59
42.5vS44.3
44.1vs46.8 42.5vs44.1
42.3vs42.3
7.2vs5.7
11.2vs6.6 11.0vs8.7
7.7vs7.0
単体アミノ酸 0.3 0.6†
(アンダーラインは有
意差を示す)
消費者型
官能評価
「香り好ましさ,食
感.香ばしさ,脂
肪の溶けやすさ」
で高評価
米国産ロース肉
(未実施) 「香り」で高評価
に比べてr香り」
で高評価
油脂添加
量を6%ま
(対照)(玄米)(対照)(玄米)(対照)(玄米)(対照)(玄米)
でとし、ME
要求量を
満たす親
米の給与
量を設定。
M【含量(kg座) 3.1 2.91 3.1
*ME:代謝エネルギーのこと。鶏が利用できるエネルギー価と考えられている。
†挿木㌫
一般的に利用可能と考えられる飼料用米の
研究所の飼養試験から得られた飼料用米
の配合上限値(肉用鶏)
配合水準(肉用鶏)
、
ヽ
肉用鶏(ブロイラー)では、油脂添加により問題なくME要求量を満たすこと
が可能な水準。飼料用親米を用いた研究所での飼養試験(n=100羽)にお
いて、飼養成績、肉質成績を低下させないことを確認。肉用鶏(地鶏)では、
安全性を見込んだ配合水準。農家での実証試験(炉710羽)において、飽量
成績、肉質成績を低下させないことを確認。
生−9日酷
く前期)
ブロイラー
9日齢∼21日齢
(前期)
21日齢∼出荷
(後期)
肉用鶏
(地鶏)
7日齢以降∼出
荷
試験場内試験結果から、飼養成績、肉質成績を低下させないことを 産盟した配合水準。ただし、ブロイラ」では、油脂添加を6%に抑え
て親米を多給した場合には、ME要求量を充足することができないも
のの、飼養成績、肉質成績の低下は見られなかった。
籾米 粉砕 0∼20% 35%
親米 未処理 0∼20% 35%
7日齢以降−21
籾米 未処理 0∼18% 25%
籾米 未処理 0∼30% 40%
肉用鶏
(地鶏)
一般的に利用可能と考えられる飼料用米の
研究所の飼養試験から得られた飼料用米
の配合上限値(卵用鶏)
配合水準(卵用鶏)
NARO
飼料用籾米を用いた農家での実証試験において、飼養成績、卵質
成績を低下させないことを確認。安全性を見込んだ配合水準。
貪草子零㍉㍉㍉仁力諒灘∵守 真如笠慶
籾米 未処理 30% 40%
NARO
試験場内試験結果から、飼養成績、卵質 ̄成績を低下させないことを
確認した配合水準。
■ ̄・離逆説諾欝F■ .
l■= _ ヨ■l・l
産卵期 親米 未処理 0∼30% 40%
まとめ
NARO
1.トウモロコシと玄米の栄養価はほぼ同等であり、肥育
一豚では玄米を40%利用でき、鶏では粗米を約20∼30%
利用できる。
2.飼料用米給与により、背脂肪内層中の脂肪酸組成のう
ちオレイン酸が概ね増加する。官能評価で「香り」の項
目が優れるなど、消費者に好ましい豚肉生産に繋がる
可能性がある。
3.鶏への飼料用米の多給により、コク1味の濃さなどの官
能評価で優れた鶏肉や、保存性の高い鶏卵など、特色
ある鶏肉・鶏卵を生産できる可能性がある。
ノ=プ