暑熱対策で鶏を守りましょう

家 畜 衛 生 情 報
平成 19 年 6 月 25 日
三八地域県民局地域農林水産部
八戸家畜保健衛生所
0178-27-7415
三八畜産衛生協議会
0178-27-7415
暑熱対策で鶏を守りましょう
まもなく梅雨の時期を迎え、梅雨が明けると暑い夏がやってきます。気温変化が大き
くなり暑い日々が続くと、採卵鶏では死亡や産卵率の低下・卵殻異常など、肉用鶏では
死亡や 1 日増体量の減少などの経済的損失が大きくなってきます。
平成 17・18 年の暑熱による死亡事故の発生件数
<発生時期と件数>
発生件数(件)
17 年 6∼9 月
16
18 年 6∼9 月
23
6月
1件
9月
4件
年 月
7月
9件
・ 8 月の発生が一番多く、なかでも中旬頃(お盆の前後)に
集中(16 件)。
・ 気温が低い日が続いて急に暑くなる時には要注意。
・ 台風が通過して急に暑くなる場合(フェーン現象)も注
意。
8月
25 件
<用途別発生状況>
採卵鶏
・ 採卵鶏は、全て 8 月に発生。6 件とも、気温が低い日から
6件
急に暑くなった日に発生。
・ 肉用鶏は、出荷が近くなってからの発生が多い(40 日齢
以降)
。
肉用鶏
33 件
<昨年の事故例>
例 1:肉用鶏(55 日齢)
。昨年 7 月、急激に暑くなった日の夕方から出荷が重なり、舎
内に扇風機を設置せず、散水もしなかった結果、死亡羽数が増加した。
例 2:肉用鶏(44∼46 日齢)
。昨年 8 月、急激に暑くなった日、細霧装置を動かしたが
換気扇を弱くするのを忘れて、細霧の効果が上がらず、死亡羽数が増加した。
(通常は換気扇で舎内換気し、暑い時は換気扇を弱くして風の流れを抑え、細霧の
効果を上げている)
。
例 3:肉用鶏(39 日齢)。昨年 9 月、急激に暑くなった日、農場管理者が不在で、換気
扇と扇風機を作動させず、死亡羽数が増加した。
例 4:肉用鶏(20 日齢)
。昨年 9 月、急激に暑くなった日、インバーターが故障して換
気扇が止まっていたが、警報機を作動させていなかったので、午後の巡回時まで
異常に気付かず、死亡羽数が増加した。
(通常、午前と午後に 1 回ずつ舎内巡回をしている)
。
○暑熱対策○
鶏は汗腺を持たないため、暑さに対する体温調節が非常に難しい家畜です。通常体温
が上昇すると、呼吸を早くして体内の熱を体外へ出します(パンティング)
。
鶏舎の構造に応じて以下の対策を併用して、鶏が少しでも快適に夏を越せるようにしま
しょう。
(1)扇風機、ダクト送風機等による送風や、クーリングパッド等を利用し舎内温度を低
くする。
(2)細霧装置による散水 → 湿気がこもらないように換気等に注意!
・換気装置や警報機等の保守点検を行いましょう。
・舎内の風通しが悪く、暑熱による死亡が発生しやすい鶏舎では、扇風機の設置台
数を増やしたり、舎内巡回の回数を増やしたりして重点的に対策をとりましょう。
(3)飼料摂取時間の制限、変更→ 早朝及び夜間に餌をあげ、餌を食べた時の体内発熱
と日中の鶏舎内の温度上昇が、重ならないように!
(4)飲水の十分な確保 → 新鮮で冷たい水が自由に飲めるように!
(5)適正な飼養密度で飼養
・夏の間は、他の季節に比べて飼育密度を減らすなど、密飼いを避けましょう。
(6)状況に応じた飼養管理
・週間天気予報などを参考にして、急に暑くなりそうな日は特に注意し、事前に
対策をとりましょう。
・日頃から舎内温度、湿度の記録をとり、暑い日は舎内巡回の回数を増やし、異常
事態の早期発見に努めましょう。
普段に比べて、死亡羽数が増加したり異常が認められた場合には、
至急家畜保健衛生所まで御連絡ください。
八戸家畜保健衛生所
TEL 0178−27−7415
FAX 0178−27−7418