特集にあたって ICU・CCU で使用される ME 機器は，急性病態によって生命の危機に陥った臓器を補助し，生命を維持する目的で高い頻度で使用されています。適切で安全な管理が患者の生命維持に直結するため，看護師は ME 機器の管理に習熟しておかなければなりません。一方で，近年，人工呼吸器を主とした ME 機器装着に伴うさまざまな合併症（せん妄や認知障害などの精神症状，廃用症候群）が患者の予後悪化や QOL に影響をもたらすことが明企画編集高田弥寿子（国立循環器病研究センター看護部教育担当副看護師長，急性・重症患者看護専門看護師）らかになってきています。このような医原性リスクを最小限にするために，各施設で早期離床，環境・睡眠調整，鎮静・鎮痛管理といったリスク低減策に関する取り組みがなされています。 1 イラストで理解！IABP の仕組み…p.4 2 IABP 挿入中の患者の看護を理解する…p.13 3 4 5 すために， ME 機器の仕組みや特徴を理解し適切な管理を行うとともに，医原性リスクを最小限にして QOL の維持・向上に努めていく働きかけがきわめて重要であると考えます。そこで本特集では，循環器疾患が原因で集中治療を受ける患者に必要とされる補助循環 IABP のミス・トラブルを予防する…p.21 を主軸として使用頻度の高い ME 機器を取り上げ，適切な管理のあり方や医原性リスクを最小限にするためのケアについて，CNS を中心とした高度実践者の方々に最新の知見を踏イラストで理解！PCPS の仕組み…p.30 まえて執筆していただきました。 I CU・ CCU で用いられる ME 機器管理は，苦手意識を持たれがちですが，イラストなどを用いて視覚的にもわかりやすい解説を心がけました。読者 PCPS 挿入中の患者の看護を理解する…p.36 6 7 8 つまり， I CU・ CCU における ME 機器管理は，生命の危機状態からの早期回復を目指 PCPS のミス・トラブルを予防する…p.44 の方の M E 機器管理の苦手意識が少しでも緩和し，明日からの臨床実践に役立てていただけるものと期待しています。人工呼吸器（IPPV）装着患者の看護を理解する…p.53 企画編集人工呼吸器（NPPV）装着患者の看護を理解する…p.66 9 10 高田弥寿子（たかだやすこ）（国立循環器病研究センター看護部教育担当副看護師長，急性・重症患者看護専門看護師） 2008 年大阪府立大学大学院看護学研究科急性看護学分野修士課程修了。同年 4 月から国 CHDF 施行患者の看護を理解する…p.77 低体温療法施行患者の看護を理解する…p.85 立循環器病センター CCU 病棟勤務。2009 年急性・重症患者看護専門看護師資格を取得し，現在に至る。