Early onset VAP - 九州大学医学部

当施設におけるEarly onset VAP発症の現状分析
はじめに
人工呼吸管理を開始して48時間~96時間未満に発症する肺炎を、早期人工呼吸
器関連肺炎(Early onset VAP)といいます。これは集中治療領域における最も多い感
染症の1つであり、ひとたび発症すると死亡率や入院期間、医療費の全てが増加する
ことが知られています。その予防法の一つとして、カフ上部吸引機能付き気管チュー
ブ(TaperGuardTMEvac)を使用することでVAPの発症率が減少した報告があります。し
かし日本における報告はなく、その吸引手順の詳細まで記した研究報告は少ないの
が現状です。
九州大学病院では平成24年2月よりTaperGuardTMEvacを導入しましたので、
TaperGuardTMEvac 導入後のEarly onset VAP発症の現状分析を行うことにしました。
対象
九州大学病院救命救急センター(CCU・ハイケア病棟)、救命ICU、院内ICUにおいて、
2012年2月1日から2013年10月31日までに気管挿管を施行され、人工呼吸器管理を
受けられた方を対象とします。その中でTaperGuardTMEvacを使用された患者さん約
220名を選出させていただきます。
対象者となることを希望されない方は、下記連絡先までご連絡下さい。
研究内容
上記の対象患者さんの電子カルテデータからEarly onset VAPの発症率を調査しま
す。そして発症の傾向や危険因子の推測を、統計学的手法を用いて解析し考察しま
す。
この研究を行うことで、入院中もしくは退院された患者さんに診療以外の余分な負
担が生じることはありません。
個人情報の管理について
個人情報漏洩を防ぐため、個人を特定できる情報を削除し、データの数字化、デー
タファイルの暗号化などの厳格な対策を取り、第三者が個人情報を閲覧することがで
きないようにしております。
また、本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には、患者さん
を特定できる情報は一切含まれません。
研究期間
承認日~平成26年3月31日まで
医学上の貢献
本研究により被験者となった患者さんが直接受けることができる利益はありません。
しかし九州大学病院における、Early onset VAPの発症率を知ることができ、解析によ
り当施設の病院特性を反映した危険因子などが明らかになる可能性があります。ま
た本研究結果が、効果的な吸引手順を導き出すための新たな介入研究を行うための
基礎研究となります。
データの二次利用について
本研究で得られたデータを別の研究に2次利用する可能性がありますが、その場合
は、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認を受けた上で利用
いたします。
研究機関
研究責任者:
九州大学病院看護部・看護部長 中畑高子
研究分担者所属・職・氏名:
九州大学病院 救命救急センター(CCU・ハイケア病棟)看護師 新原亮史
九州大学病院 救命救急センター(CCU・ハイア病棟)看護師長 山本直子
九州大学大学院医学研究院保健学部門看護学分野 准教授 木下義晶
九州大学大学院医学研究院保健学部門医用量子線科学 准教授 藪内英剛
九州大学病院集中治療部・救命救急センター 助教 徳田賢太郎
研究分担者代表:九州大学病院救命救急センター(CCU・ハイケア病棟)
看護師 新原亮史
連絡先
〒812-8582
福岡市東区馬出3-1-1 九州大学病院救命救急センター(CCU・ハイケア病棟)
TEL:092-641-5877
FAX:092-642-5878
担当:看護師 新原亮史