第4学年1組 道徳学習指導案 1 主題名 「本当の勇気とは」1-(3)正義・勇気 2 資料名 「勇気のかんづめ」 3 主題について 出展:とっておきの道徳授業Ⅲ(日本標準)より (1)ねらいとする価値 本時で扱う内容項目は次のとおりである。(小学校指導要領解説道徳編p.49より) 中学年1-(3)正しいと判断したことは,勇気をもって行う。 この段階においては,児童は認識能力を高め,正しいことや正しくないことについての判断力も高ま ってくる。しかし,正しいことと知りつつもそのことをなかなか実行できなかったり,悪いことと知り つつも回りに流されたり,自分の弱さに負けたりしてしまう時期でもある。(中略)正しいと判断した ことは勇気をもって行い,正しくないと判断したことは勇気をもってやめる態度を育てる必要がある。 4年生ともなると事の善悪もある程度判断でき,「こうしなくてはいけない」という道理も理解 できるようになってきている。その現れとして下学年の行動に対して注意をしていることもある。 しかし,同級生同士であったり,ことさら仲の良い友だちに対しては何となく遠慮してしまったり, 逆につい気が大きくなってしまい,気が緩んでしまったりすることもありがちである。思春期にさ しかかり,わかっていても正しく行動に移しきれない気持ちも芽生える時期であるからこそ本当の 勇気について考え,正しく行動に表そうとする態度を養いたいと思い,この主題に取り組む。 (2)資料について 本学年は全学年の中で最も人数が少ない。穏やかな児童が多く,まとまりがある。しかし,少人 数であるが故,周りの目を気にして自分を出し切れなかったり,表だって注意ができなかったりす ることも見られる。本資料は,「勇気のかんづめ」を買った「ぼく」の心情に共感したり中身を想 像させたりすることにより,自分の弱い部分(勇気が出せなかった自分)に気づかされるのではな いかと考える。また,中に入っていた紙切れには,「ボクニタヨルナヨ。ヨワムシ」という決して 自分を勇気づけてくれる言葉ではないことが書かれている。そこにも児童は衝撃を覚えることと思 われる。そして,この言葉にはどのような意味があるのかを考えることにより,勇気とは決して買 えるものではないこと,自分自身が行動を起こすしかないことなどに気がついていくのではないか と考える。短い内容であるので,読んで聞かせることにより,あたかも実際にあった出来事である かのように話せるため,児童は興味を持って聞き,値段のことや自分ならいくつ買いたいかなどを 自由に言い合ったりしながら本音に迫れるのではないかと予想される。自分の弱い部分をあまり深 刻にならずにさらけ出すことができ,ではどうしたらなかなか出ない勇気を出すことができるのか を皆で考えていく活動をとおし,自分自身のこれからの行動を考えていくきっかけになってほしい と考え,本資料を選んだ。 - 4-1-1 - 4 構想スケッチ 学年テーマ 見つけたよ!今よりもっとすてきな自分 教科等との関連 道 徳 生活の中で 1-(3)正義・勇気 「サッカーボール」 (光文書院「新しいどうとく4」) ・正しいと思ったことは,たと え友だちにでも注意し,より良 い生き方をしようとする。 総合的な学習 「なかよしグループ活 動」 「年少組との交流」 ・仲よく過ごすための 本時 ・部活動 「勇気のかんづめ」正義・勇気 ・班活動 正しいと判断したことは,勇気 ・休み時間 をもって行う。 ・係活動 ・回りの人の目を気にしたり, ・日々の遊び ルールやマナーを考 誰かが手伝ってくれるのを待つ ・向山小のきまり え,実行したり下の のではなく,自分から行動を起 子に教えたりするこ こすことが勇気ある態度である。 とができる。 体育 2-(3)信頼・友情 グループ対抗ゲーム 「ドッジボール」 (ボール運動など) (東京書籍 ・互いにルールを守 「道徳」) 友情を深めていく中で,時には り,励まし合って取 言いにくいことも忠告しなければ り組むから楽しいと ならないこともあり,互いの信頼 いうことがわかる。 を深めるために大切である。 - 4-1-2 - 5 本時の指導 (1)ねらい ○勇気とは,人に頼らずに自分自身で正しく判断して行動しようとする心であることに気づき,正 しいと思うことには勇気をもって行おうとする態度を養う。 (2)展開 学習活動と資料 主な発問(○)と予想される児童の反応 仮説に対する手立て(○) (・) 導 1 かんづめの中身に ○今日の主人公は信じられないようなか ・児童が興味をもって本時 入 ついて予想する。 ( 2 かんづめの絵 んづめを見つけました。何のかんづめ の学習に入っていけるよ だと思いますか。 うな言葉掛けをする。 ・何か生き物が入っているのかな。 ) ・珍しい食べ物かな。 2 展 前 留意点(・)評価(◎) 資料をもとに話し ○「勇気のかんづめ」があったら自分も ○前半の場面だけを読み聞 合う。 買いたいですか。いくつ買いたいです かせ,「勇気のかんづめ」 (前半読み聞かせ) か。それはなぜですか。 を買った「ぼく」の気持 ・勇気がわいてくるならほしい。 ちを理解させるようにす ・自分も勇気がないから試してみたい。 る。 段 開 ( ・勇気の出ないときはたくさんあるか ・後半の場面に対する意欲 15 ら買い置きしておこうかな。 ) ・1回使ったら勇気が出せるようにな 付けのため,数人に聞く 程度に止める。 るかもしれない。 (後半読み聞かせ) ○かんづめの中身は何が入っているか予 ○後半の最後の部分を伏せ, 想しよう。 紙には何と書かれていた ・お守りかな。 か予想させる。書かれて ・勇気の出る薬かな。 あった内容との落差を感 ・こつを教えてくれているのかな。 じさせ,その言葉の意味 について,より深く考え られるようにする。 ○かんづめの中に入っていた紙には何が 書かれていたでしょう。 ・自分を信じればいいんだよ。 ・君は強いから大丈夫だよ。 ・友だちと一緒なら勇気が出るよ。 紙切れのメッセージ の掲示物 ○じつは,こんな言葉が入っていました。 ・自分が思っていた言葉と全然違う。 ・きつい言葉だ。 ・これが 100 円?なぜ? - 4-1-3 - ○前半の場面で答えた児童 なぜ,これが「勇気のかんづめ」な にも言葉についての感想 のだろう。 を聞き,言葉に込められ ・ものに頼っていた自分を叱りたかっ たメッセージについて考 たから。 えさせるようにする。 ・かんづめで勇気が出るなんてことを 信じて二つも買ってしまう自分に, 自分で解決するものだということを 教えたかったから。 ○勇気とはどのようなものか考えてみよ ・なかなか出てこないよう う。 であれば,缶詰が 100 円 ・お金では買えないもの。 で売っていたことから話 ・心の中にあるもの。 を広げていくようにする。 ・とても大切なもの。 ○自分の考えをまとめるた めに道徳ノートに書くよ うにする。 ◎「勇気とは何か」という ことについて考え,ノー トに書くことができたか。 後 3 どうしたら勇気が ○自分の「勇気」について考えよう。 出せるか話し合う。 段 ・わかっていてもなかなか勇気が持て ない。 ○自分は勇気ある態度や行 動がとれているのかいな いのかを自由に話す中で ( ・みんなにどう思われるか心配。 本音の部分(自分の弱さ) 20 ・自分から言い出せない。 を引き出すようにする。 ) ・きっかけがつかめない。 ・マイナスの意見ばかりで 終 末 4 なく前向きにとらえてい ・思い切ってやってみる。 る意見も取り上げ,「それ ・自信をもつ。 なら自分もできているか ・誰かに相談するというのもいいね。 もしれない」という安心 ・誰かと一緒ならできそう。 感ももたせるようにする。 本時の話し合いを ○勇気ある行動がとれたときの経験や, ○事前に調査したアンケー もとに,できそうな そのときの気持ちを紹介し合う。 トの結果を提示し,自分 ことをさがす。 ・自分には勇気がないと思っていたけ の考えていた「勇気」と れど,できることもあって安心した。 今の考えとを比較させた ( 8 どうしたら勇気が出せるだろう 道徳ノート ) ・できそうなことからやってみたい。 り,友だちの経験を紹介 ・自分の考え方で勇気のある行動がで したりすることで自身を - 4-1-4 - 百円 勇気のかんづめ 一まいの紙 ・お守り ・アドバイス? ・思い切ってやろう ・自分を信じよう ・君ならできる 【予想】 ・強くなる薬? ↓ (言葉を貼る) なぜ、これが「勇気のかんづめ」なのだろう ○ものにたよる自分←違うということを教えた 勇気を出すこつ どんな行動をとるか 何が正しいか むずかしい ○「自分で解決しなさい」と言いたかった 勇気とは ○お金で買えないもの ○心の中にあるもの ○思い切ってやる 選ぶのは自分 ○とても大切なもの ○自身をもつ ○相談する - 4-1-5 - 持たせるようにする。 きるかどうか決まってしまうんだな。 ・見つけたことやこれから 行動したいと思うことを 紹介し合い,これからの 生活への意欲を持たせる ようにする。 ◎自分の中の勇気ある行動 を見つけ,これからの生 活の中で実行したいとい う意欲をもつことができ たか。 (3)板書計画
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