貨幣数量の役割

貨幣数量の役割
*Mは変数、とりわけ名目賃金や為替レートの変化を通して物価
の変化率に影響を与える。
スタンダードなマクロ経済学では…
Mを増やすと利子率が低下し、これが「投資」を増大させる。
利子率の低下により、有効需要が増大し、生産水準が上がると、
物価への上昇圧力が生まれる。
波及経路 ☆市況性の強い素材価格の上昇
☆生産水準が上がると、労働時間が増えるため
雇用が増え、失業率は低下する。
日米独のフィリップス・カーブ
• フィリップスは1958年、イギリス経済について名目賃金の変化率と失
業率の間に負の関係があることを見出した。 =フィリップス・カーブ
• Mの増大は、景気をよくして名目賃金を上昇させる。
例:1970年代初頭の日本経済
Mが過大に供給され「超低金利」に。
~景気の過熱、インフレ
• 一方で、Mの減少は、不況を生みだすことによって名目賃金の上昇
率を低下させる。
例:1970年代末、インフレに悩まされていたアメリカ経済
「新しい金融政策」 短期金利TBレートの導入
~景気が落ち込み、戦後最悪の不況に
<2つの例から分かること>
• プラスにせよマイナスにせよ、Mが物価上昇率に影響を与え
るのは、「景気」を通してである
• Mが「景気」=有効需要に影響を与えるのは、利子率の変化
を通してである
• Mが物価の変化率πに影響を与える際の要因は、
①名目賃金、②市況性の強い素材価格