JT-‐60Uにおけるプラズマ制御実験と 原型炉に向けたプラズマ

第18回若手科学者によるプラズマ研究会 平成27年3月4−6日 JT-­‐60Uにおけるプラズマ制御実験と 原型炉に向けたプラズマ制御研究
日本原子力研究開発機構 六ヶ所核融合研究所 坂本宜照 はじめに
l  炉心プラズマ研究や炉工学技術の進展により、定常核融合炉の実現は大きく
近づいている。 ü  国際熱核融合実験炉ITERの建設(2020年ファーストプラズマ、2027年DT
燃焼実験) ü  核融合発電の技術的実証を目指す原型炉開発の本格的な議論が開始 l  核融合炉開発における炉心プラズマ研究の究極の目的は、燃焼プラズマ制
御手法の確立である。 l  燃焼プラズマ制御では、装置の健全性を確保しつつ、所要の核融合出力を安
定に維持するために、現実的かつ信頼性のある手法を構築することが重要 Ø  本講演では、JT-­‐60Uにおける炉心プラズマ制御研究の進展を紹介し、原型炉
に向けたプラズマ制御研究について、議論する。 JT-­‐60Uにおけるプラズマ制御実験
〜 高性能放電の達成と長時間維持への挑戦 〜 ü  高自発電流割合プラズマの長時間
維持に向けた制御技術の進展 ü  様々な実時間制御技術
JT-­‐60Uにおける炉心プラズマ制御研究
炉心プラズマ制御研究の意義 l  運転領域の開拓 ü  高性能放電の実現 ü  長時間維持に貢献 l  物理実験研究 ü  安定した放電 ü  パラメータスキャン ECRF
シンプルな制御から高度な制御への挑戦 l  JT-­‐60Uの持つ多彩なアクチュエーターと実時間
計測技術の進展によって、 ü  シンプル(グローバル量)の実時間制御 ü  複雑な(複合、分布、MHD)の実時間制御 を開発。 JT-­‐60Uにおけるプラズマの実時間制御
グローバル量の実時間制御
l 
l 
l 
l 
線密度(干渉計、ガスパフ) 中性子発生率(中性子計測、NB加熱) 蓄積エネルギー(反磁性ループ、NB加熱) 放射損失(ボロメーター、不純物ガスパフ)
ローカル量(分布)の実時間制御
l 
l 
l 
l 
電子温度・温度勾配(ECE、NB加熱) イオン温度・温度勾配(CXRS、NB加熱) 回転速度(CXRS、接線NB加熱) 電流・安全係数(MSE、LHCD)
不安定性の実時間制御
l  新古典テアリングモード(ECE、ECCD)
平衡の実時間制御
l  プラズマ位置・形状(磁気プローブ、PF
コイル)
磁気シアと内部輸送障壁(ITB)
ITBは弱正磁気シア、負磁気シアで形成 Ø  負磁気シアでより強い輸送低減(箱型の温度 分布、χi~χiNC) Ø  弱正磁気シアではパラボラ型の温度分布
(χi>~3χiNC )
トロイダル方向(φ)
磁気面
小半径r
磁気軸
ポロイダル
方向 (θ)
正磁気シア 負磁気シア [MA/m 2 ]
凸状電流分布
0.4
10!
−0.4
安全係数
q
qの極小値
0.5
規格化小半径ρ
負磁気シア領域
0.5
(中心)
(表面)
電流分布はq分布、磁気シア分布を通じて
MHD安定性、輸送に影響
2!
磁気シアは至る所で正
8
6
4
2
0
15!
凹状電流分布
Ti!! , Te!! (keV)!
ポロイダル 0.4
[T]
磁場のZ成分
BZ
−0.4
磁気シア
s
8
6
4
2
0
5!
8.15 sec!
Te! !
Ti!!
15!
6.2sec!
10! Te! !
0!
0! 0.2!0.4!0.6!0.8! 1!
10!
χ!e!
χ!i!
1!
χ!(m!/sec)!
電流密度
j
プラズマ
電流 j
Ti!,! Te!!(keV)!
大半径R
neo!
χ!i!
0.1!
0! 0.2!0.4!0.6!0.8! 1!
r/a!
Ti!!
5!
0!
0! 0.2!0.4!0.6!0.8! 1!
10!
2!
ポロイダル磁場(Bθ)
χ!(m!/sec)!
Z
トロイダル磁場(Bφ)
χ!i!
1!
χ!e!
neo!
χ!i!
0.1!
0! 0.2!0.4!0.6!0.8
! 1!
r/a! 6"
内部輸送障壁の形成機構と意義
乱れのサイズ
乱流渦
内部輸送障壁の形成機構
l  加熱により温度勾配が大きくなると、電場
の揺らぎが発生し、乱流渦が成長して、
電
径方向輸送が増大à異常輸送 流密
度
l  径電場勾配によるExBシア流により乱流
5
安
渦を分断し、径方向輸送が減少 全
半径
内部輸送障壁の意義
l  トカマクの定常運転のためには、自発
電流割合(fBS)を高める必要がある。 l  自発電流は圧力勾配に比例して流れ
る。 Ø  内部輸送障壁により、強い圧力勾配が
形成され、自発電流が多く流れる。 表
面
5
安
全
係
数
0
中
心
q-極小面
乱流を引きおこす
波の線形成長率
à内部輸送障壁の形成
係
数
0
中
心
電
流
密
度
負磁気シア
-1.0
0
磁気シア S
正磁気シア
1.0
(∝安全係数)
2.0
内部輸送障壁を制御するためには、径電場Erの制御が有効、そのためには、、、 Er = (Zi e ni)-1 ∇pi + vφiBθ - vθiBφ
半径
表
面
内部輸送障壁(ITB)の運動量入力に対する応答
JT-­‐60の接線NB (プラズマ電流方向入射 (CO)x2、逆方向入射 (CTR) x2)の組合せを変え
て、運動量入力のに対する内部輸送障壁の応答特性を調べた。
BAL or CO or CTR
Ti (keV)
5
0
4
2
BAL
CO
8
CO
CTR
4
0
2
Vφ (105 m/s)
I P (MA)
10
12
10
0
2
1
0
3
アクチュエーター(接線NB)に対する
制御対象(ITB)の応答特性
χ i (m2/sec)
15
Wdia (MJ)
PNBI (MW)
BAL入射:強い内部輸送障壁を維持 CO入射:内部輸送障壁の劣化 CTR入射:内部輸送障壁の劣化 1
0
-2
5
ITB formation Time (sec)
6
7
profile
0
CTR
0
CTR
BAL
χ ineo
0.1
BAL
-1
-3
4
CO
1
0.2 0.4 0.6 0.8
ρ
r/a
1
0.5
r/a
1
内部輸送障壁(ITB)の制御
応答特性に基づいて、放電中にアクチュエーター(接線NB)でITBを制御できるか?
Er = (Zi e ni)-1 ∇pi + vφiBθ - vθiBφ
運動量入力によるITBの制御
運動量入力と加熱パワーによるITB制御
Bt=3.5T, Ip=1.5MA
(3.4MW)
L
CTR
0.4 0.6 0.8 1
ρ
6.5
7
Time (sec)
1
5.9 s
0
-1
0
8
5.9sec
6.6sec
6
4
0.2 0.4 0.6 0.8 1
ρ
0
20
10
CO- INJECTION
0
25
r/a~0.3
20 r/a~0.5
r/a~0.7
r/a~0.9
15
10
5
7.3sec
2
notch
-2
7.5
10
6.25 s
Ti (keV)
CO
2
Vφ (105m/sec)
ITB
ITB
recovery
50
6
PNB (MW)
ITB
degradation
0
5.5
BAL
CTR
Electron Pressure
(1019 m-3 keV)
-grad Ti at ITB
[keV/m]
Tangential NB BAL
CO
(4.2MW)
100
Gradient at ITB
Tang. NBs (CO:4MW, CTR:0.75MW)
Perpendicular NB
0
0
0.2 0.4 0.6 0.8 1
ρ
3
4
5
6 7 8
Time (sec)
9
10 11
ITB制御によって高fBSプラズマの長時間維持を実証
長時間維持の課題
l  qmin値は、定常状態に向かって時間的に低下 l  qmin値が、整数になる時刻で不安定性が発生 5
~4
安全係数 4
の極小値
3
接線中性粒子
ビーム組合せ
CTR入射接線ビーム
CTR入射接線ビーム
CO入射接線ビーム
1
Ø  維持時間を制限 熱拡散係数
Ø  圧力勾配を低減すれば、不安定性を回避可能 (m2/sec) 0.5
0
工夫
l  qmin値が整数になるタイミングでITBを弱めて、
不安定性を回避
不安定性発生
100
80
²  原型炉で想定されるブートストラップ電流(自発
電流)割合(~75%)を世界最長の7.4秒間(電流
拡散時間τRの約3倍)維持。
²  圧力分布と電流分布がほぼ一定に落ち着くこと
明らかにした。
この制御手法を、「使える技術」に発展させるため
には、qminが整数になるタイミングを実時間で認識
する必要がある。 60
40
20
0
0
2
4
6
8
MSE計測を用いた q分布制御の開発
MSE計測
NBIにより入射された重水素原子のスペクトル線
Dαが、ローレンツ電場 EL = v×B により分離・偏
光(モーショナルシュタルク効果;Motional
Stark Effect (MSE))。
局所的な磁場ピッチ角(q)の計測が可能。
à実時間化 低域混成波(LH)による電流駆動
アンテナモジュール間のLH波位相差を制御
することで、電流駆動位置の制御が可能
à実時間化 4
e46965
N//=1.7"
q
3
2
qmin=1.7"
1
qmin 上昇"
0
0
0.2
q(t=7.00s)
q(t=8.00s)
q(t=13.00s)
q(t=14.80s)
0.4
ρ
0.6
r/a"
qminが整数になるタイミングを実時間で認
識することが可能 1.3→1.7"
実時間MSE計測による内部輸送障壁制御の自動化
l  qminが整数になるタイミングを自動認識し、トルク入力の自動制御によって、不
安定性を回避し、高自発電流割合プラズマを長時間維持することに成功"
l  しかし、圧力分布がピーキングしたため、qmin整数でないタイミングで不安定性
が発生"
E45903"
CTR-NB stop"
15
10 PNB
5 [MW]
0
12 6.8 s 8.3 s 10 8 6 4 2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 r/a 8
q Wdia control by PNB"
6.8s
7.7s
6
T (keV)
qmin~4"
i
4
2
0
4
6
8
10
Time [sec]
12
14
圧力分布の実時間制御や回転制御手法の開発が必要 1
0.5
T
5
3
n
2
e
1
19
-3
[10 m ]
0
V (10 m/s)
1.5
1
β
N
0.5
0
5
q * 4
min
3
10
T
i
5
[keV]
0
2
V
1
T
5
[10 m/s] 0
-1
50
div
D
α
25
[a.u.]
0
0
-0.5
0.4
0.6
r/a
0.8
イオン温度勾配とトロイダル回転の実時間制御
l  荷電交換再結合分光
(CXRS)計測の高速化
と実時間化
イオン温度勾配の実時間制御
イオン温度勾配の実時間制御
中性子発生率の制御を用いてQ
DT=1.25 の達成
Q
=1.25
DT
E318
ベータコラプス
0
-1
-2
2
3
4
R [m]
5
0
Ti, Te [keV]
線平均電子密度
プラズマ電流
内部輸 送障壁
10 E31872, 6.94s
トロイダル磁場
大半径 86 電子密度
小半径 4
2
NB加熱パワー
0
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
エネルギー閉じ込め時間
20
中心イオン温度
15 イオン温度
Ti
中心電子温度
10
Te
5
電子温度
中心重水素密度
0
核融合三重積
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
6
安全係数
Hファクター
4
規格化ベータ
2
QDT eq 0
ne [1019m-3]
0
中性子フィードバック
10 蓄積エ
5 ネルギー
0
中性子発生率
8
4
1
Z [m]
3 E31872
2 プラズマ電流
1
0
20 NB加熱パワー
10
ITB
[1016/s]
0
4
2 安全係数極小値
3
4
5
時間 [s]
6
QDTeq
7
=Pfusion
q
qmin [1019m-3 ] [MJ]
[MW]
[MA]
2
eq
/ (Pinput - dW/dt)
0
0.2 0.4 0.6 0.8
規格 化小半 径
1
2.6 MA
4.3 T
3.08 m
0.69 m
11.8 MW
1.07 s
16.8 keV
7.2 keV
4.8x1019
8.6x102
3.2
1.5
1.25
新古典テアリングモードの安定化制御
JT-­‐60において、新古典テアリングモード(NTM)の 実時間安定化技術を確立 •  不安定性発生位置を実時間で正確に同定 •  電子サイクロトロン波による局所電流駆動位置を可動ミラーで自動追尾 ECE計測による 磁気島中心位置の同定
Z[m]
ECE M-shaped
amplitude
profile
[%]
5
4
Steerable
mirror
1
EC
ECE
δTe/Te
-1
10ms
周期
EC
Steerable
mirror
EC 入
射
• Calculation:
10ms
3
2
1 Local min.:
island center
0
3.5
3.6
3.7
R [m]
fEC
0
Rs at step 1
可動ミラーを用いて 磁気島中心を自動追尾
プラズマ形状計算から EC入射角度を決定
2
3.8
3
4 R[m]
Rs
Real-time calculation
of plasma shape with
a given q-profile
• Mirror scan:
ΔRdep/Δt~10cm/s
原型炉に向けたプラズマ制御研究
ü  核燃焼プラズマの特徴
ü  制御ロジック構築に向けて必要なこと 原型炉における燃焼プラズマ制御の展望
原型炉
1
SlimCS
0.8
自律
性
0.6
原型炉
0.4
0.2
NTM 0
0
1
2
3
RWM 4
5
燃焼プラズマの自律性
プラズマ性能をプラズマ自身が決める?
l  コアプラズマの輸送特性やMHD不安
定性を特徴付ける物理量が分布とし
て強い相関 ü  電流&圧力&回転 l  周辺ペデスタルも同様 l  SOL&ダイバータ、周辺ペデスタル、コ
アプラズマが、空間領域で強い相関 l  圧力&電流&回転の各分布のソー
ス項のほとんどがプラズマ内部で発
生、外部から制御できる割合は小さ
い ü  自己加熱、自発電流、自発回転 燃焼プラズマは、自律的に一定の状態に留まるか? ü  外部入力による制御が必要 ü  自律プラズマの何を制御すると効果的か
原型炉の計測・制御開発に向けて
原型炉に必要な計測・制御機器を提供する
JT-­‐60SA, ITER 現実的・信頼性のある
制御ロジックの確立 制御ロジックの最適
化が必要
炉心プラズマ 研究 JT-­‐60SA, ITER 移行判断 (2027)
原型炉に適用し得る計測システムの見通し
JT-­‐60SA、LHD、 ITER、国際協力 プラズマ実験装置に
おいて、計測器と解析
コードを開発 炉心プラズマ 研究 JT-­‐60SA 計測器の寿命評価、
耐放射線機器の開発 原型炉の磁気計測環
境下での平衡制御精
度の向上 制御に必要な性能を
有する計測器の開発
が必要
JT-­‐60SA シミュレーターの検証
が必要
実時間運転制御シ
ミュレータの開発 実時間化が必要
放射線照射試験施設 ガンマ線・中性子照射
により性能劣化
実験データを用いたシ
ミュレーターの検証 JAEA, NIFS, Univ. 運転制御シミュレータ
開発 磁気計測に対する渦
電流の影響が大きい
計測機器が限られる
原型炉条件での制御
ロジック開発が必要
理論シミュレー
ション研究 理論シミュレー
ション研究 炉心プラズマ 研究 炉設計 中間C&R (2020)
JT-­‐60SA/ITER 研究計画への反映
計測器の目標性能を決定
JAEA, NIFS ITER, JT-­‐60SA, LHD, ITPA 原型炉の候補計測器
を選定 制御のベースになる
プラズマ応答特性
データを蓄積し、モデ
リングを検証する 放射線場が大きく設
置可能な計測器が 限定
H17推進方策
以降の進捗
ITER計測R&D活動 (ITPA)
炉心プラズマ 研究 炉設計 時間発展を含めたモ
デリングが不十分
JAEA, NIFS 運転基準点と運転許
容範囲の同定 理論シミュレー
ション研究 炉心プラズマ 研究 実時間制御技術(NTM, Ti, Vφ, J)の進展(JT-­‐60U) プラズマ応答特性データの取得(JT-­‐60U)
運転限界に対する裕
度やデタッチプラズマ
制御範囲を明確にす
る必要がある
炉心プラズマ 研究 炉設計 計測機器・アクチュエータへの制約
原型炉基本概念:合同コアチーム報告(平成26年7月)
l  数十万kWを超える定常かつ安定な電気出力 l  実用に供しうる稼働率 l  燃料の自己充足性を満足する総合的なトリチウム増殖
燃料であるトリチウムはプラズマを取り囲むブランケットで生産 Ø  ブランケットの占有体積を最大限にしたい。 Ø  計測器、アクチュエータを最低限にした制御系が必要 v  強い放射線場による設置可能な機器への制約
放射線場
炉壁の占有割合
高速中性子 (n/cm2s)
例)光ファイバーの寿命
炉壁の面積:~1000m2
計装機器への割当:~10m2
原型炉に不可欠な制御は?
ガンマ線(Gy/h)
BLK背面
高温遮蔽体背面
低温遮蔽体背面 (真空容器前面)
0.00日
0.6日
4日
原型炉に不可欠な制御は?
原型炉基本概念:合同コアチーム報告(平成26年7月)
l  数十万kWを超える定常かつ安定な電気出力 l  実用に供しうる稼働率 l  燃料の自己充足性を満足する総合的なトリチウム増殖
原型炉に不可欠な制御は?
装置の健全性確保
定常核融合出力 制御技術
ディスラプションの
予測・回避・緩和
ELMの緩和
高ベータ・高密度
高放射損失
ダイバータデタッチ
メント
何をどうやって制御するか?
高自発電流割合
定常運転の制御概念
核融合出力を一定に制御
ü  運転基準点 ü  運転範囲:安定した運転が可能な範囲 ü  運転限界:不安定性で規定される境界、アクチュエータの動作限界、など
運転基準点と運転範囲、 運転範囲と運転限界の距離は、制
御に影響する応答特性に依存
S. Matsuda
NIFS-­‐MEMO-­‐68 「核融合炉の計装制御」図4.3-­‐1 プラズマの応答特性の研究が重要
制御応答特性
過渡応答特性
ü  計測の測定時間 ü  アクチュエータ動作速度 ü  プラズマ応答時間 ü  プラズマの過渡応
答時間 制御量 運転限界(上限) 運転基準点 運転範囲(マージン) 擾乱 運転限界(下限) 時間 運転制御シミュレーター
運転制御シミュレーター • 
• 
分離した3つの制御系を統合(相互連関する自律系の制御) 他の分布計測データを用いてプラズマの状態を詳細に認識 (計測できない物理量は推測) Ø  運転限界(MHD限界、密度限界、デタッチ)に対する距離を監視 トムソン
レーザー偏光計
ECE
等、補完計測器
Ø  不安定性制御(出力抑制、ソフトランディング、緊急停止、、、)
CSコイル、PFコイル、NBCD、ECCD
平衡制御計算機
磁気プローブ
ロゴスキーコイル
ペレット、、、
燃焼制御計算機
中性子発生率
不純物、重水素
ダイバータ制御計算機
ダイバータ分光
燃焼プラズマ
実験、理論、計装機器開発の連携が重要
プラズマ実験研究
理論・シミュレーション研究
•  運転制御シミュレーター •  プラズマ応答特性 •  制御応答関数
輸送・MHD •  パラメータ連関 •  燃焼プラズマ予測
•  制御技術の信頼性向上 モデリング
燃焼プラズマ
制御手法の
確立
アクチュエーター 実時間制御
特性モデリング
•  候補機器の選定 •  耐放射線性の向上 •  実時間解析コード開発 計装機器開発
おわりに
l  核融合研究開発における炉心プラズマ研究の究極の目的は、燃焼プラズマ
制御手法の確立であり、これまでの成果に加えて、JT-­‐60SAやITERにおいて、
原型炉環境下(高放射線場、限られた計測器・アクチュエーター)で現実的・
信頼性のある制御手法を構築することが肝要である。 l  特に、高い自律性を有する燃焼プラズマの過渡応答特性と制御応答特性を、
実験と理論・シミュレーションの両側面から明らかにし、実時間の予測を含め
た運転制御シミュレーターの構築が重要になる。 v  核融合研究開発の大きなマイルストーンである原型炉に向けた本格的な議
論が開始されている。 原型炉のスケジュール
l  建設 (2030年代前半)
l  運転 (2040年代前半)
l  発電実証 (2040年代後半)
原型炉の主役は、若手科学者の
みなさんです!