1 セブンイレブンの発注・納品時間変更による 廃棄物量と店舗利益への影響 流通情報工学課程 2002723 杉山雷蔵 2 研究背景 生ごみ セブンイレブン 14.7 びん 缶 有価物 その他 20.9 6.0 74.1 30.1 2.4 ローソン 15.9 15.2 14.9 48.8 1.0 1.8 ファミリーマート 12.2 4.2 16.9 31.2 68.0 3.5 0 10 20 30 40 50 60 70 重量(kg) 生ごみの発生を抑制するべきである。 80 研究目的 3 • 廃棄を出さないためには発注が重要である。 • セブンイレブンでは発注・納品時間の変更が あった。 セブンイレブンの行った変更について、廃棄物量 と店舗利益に与える影響について検討する。 新方式の発注・納品時間に対応した、 店舗における利益最大化について検討する。 4 セブンイレブンの発注・納品時間変更 従来方式 新方式(2005年11月導入) 発注締め時間 納品時間 前日 11:00 1便 2便 10:00 3便 15:00 | 3便 18:00 21:00 | 1便 24:00 8:00 | 2便 11:00 当日 15:00 | 3便 18:00 前日 当日 発注締め時間 11:00 1便 2便 3便 納品時間 14:00 | 3便 17:00 1:00 | 1便 5:00 8:00 | 2便 11:00 14:00 | 3便 17:00 5 必要在庫量の計算式 必要在庫量= L k リードタイム中の 需要の平均値 L 安全在庫 L:リードタイム μ:単位期間中の需要の平均値 k:安全係数 σ:単位期間中の需要のバラツキ 発注・納品時間変更後、3便のリードタイムは22時間増加している。 バラツキの増大に伴い安全在庫が増加する。 廃棄量が増加する! 6 本社と店舗の主張 • 本社の主張 夕食時の欠品を抑えたい。 欠品率を下げることで 売上を伸ばしたい。 • 店舗の主張 欠品率を下げると 廃棄が増加する。 廃棄は出したくない! 従来方式と新方式の比較 検討項目 従来方式 ①廃棄数量 比 較 3便の発注を抑えた場合 3便の発注を積極的にした場合 新 方 式 ②店舗利益 7 条件の設定(リードタイムと需要) • 便ごとのリードタイムと受持つ時間 従来方式 1便 2便 3便 LT 受持つ時間 10 11 21 7 5 6 新方式 1便 2便 3便 LT 受持つ時間 14 7 21 6 27 11 単位:時間 • 需要の変動 1時間あたりの需要の平均と標準偏差 平均 標準偏差 2.86 3.40 8 条件の設定(欠品率の設定) 9 • 欠品率は以下のとおりに設定する。 3便の発注を抑えた場合 1便 2便 3便 安全係数 1.36 1.36 1.00 安全在庫 従来方式 新方式 21.19 21.19 24.47 24.03 11.28 20.96 ※ただし 安全係数=1のとき、欠品率10% 安全係数=1.36のとき、欠品率5% 安全係数=1.7のとき、欠品率2.5% 3便の発注を積極的にした場合 1便 2便 3便 安全係数 1.36 1.36 1.70 安全在庫 従来方式 新方式 21.19 21.19 24.47 24.03 19.17 35.63 条件の設定(その他の設定) • • • • 販売期限を考慮する。 機会損失による客離れ、需要の変化はない。 客は一定の確率で古い弁当を避ける。 弁当に係る価格や費用は以下のとおりである。 販売価格 仕入価格 処理費用 500 350 10 単位:円/個 10 11 シミュレーションの実行結果(在庫の変動) 新方式 3便に発注を抑えた場合の例(2日間) 1便の手持在庫 2便の手持在庫 3便の手持在庫 40 在庫数(個) 30 20 10 0 1便 納品 6 2便 納品 12 18 3便納品 1便廃棄 0 6 欠品 12 18 時刻 12 ①廃棄数量の比較 3便を抑えた場合 総廃棄数 3便を積極的にした場合 総廃棄数 20 総廃棄数量(個) 15 10 5 新方式では1.6倍 の廃棄数! 0 従来方式 新方式 13 ②店舗の利益の比較 3便を抑えた場合 店舗営業利益 3便を積極的にした場合 店舗営業利益 店舗の営業利益(円) 105000 102500 100000 3.5%回 復 5%減 少 97500 95000 従来方式 新方式 店舗における利益の最大化 14 • 利益を決定する欠品率の設定は、重要な経営 上の意思決定項目である。 欠品率大 欠品率0% 本来ならば得られたはずの 利益を逃す。 廃棄によるコストが経営に のしかかる。 利益減少 コスト増加 15 シミュレーションを用いた欠品率の検討 • シミュレーションを用いて新方式導入の際、新たに設 定するべき欠品率を以下の項目から検討する。 – 廃棄による損失 – 欠品による損失 – 店舗の利益 • 条件として、1・2・3便の欠品率は共通とする。 廃棄と欠品の損失と店舗の利益 欠品による損失 25000 110000 20000 105000 15000 100000 10000 95000 廃棄による損失 5000 0 0.5% 90000 3.5% 6.5% 85000 9.5% 12.5% 15.5% 18.5% 21.5% 24.5% 27.5% 30.5% 欠品率 約7% 店舗の利益(円) 損失額(円) 店舗の利益 16 おわりに 17 まとめ1 セブンイレブンの発注・納品時間の変更に関し てシミュレーションを行い、廃棄物量と店舗利 益に及ぼす影響について検討した。 セブンイレブンの行った変更は、店舗の経営 や廃棄物量に対して悪影響を及ぼすことが わかった。 おわりに 18 まとめ2 新方式の発注・納品時間に対応した、店舗に おける利益最大化について検討した。 今回の設定でのシミュレーションでは欠品率 を約7%に設定したとき、店舗の利益は最大と なることがわかった。 今後の課題 19 • 需要の分布を時間帯ごと考える。 • 売り場の弁当が少なくなったときの客の挙動を 設定する。 • 弁当を複数の種類に分ける。
© Copyright 2024 ExpyDoc