Pressure-Flow Study (内圧尿流検査) 注水 膀胱内圧 膀胱 直腸 腹圧(直腸内圧) 排尿筋圧 尿流測定 蓄尿期 排尿期 PFSの評価パラメーター 排尿指示 蓄尿期 排尿期 膀胱出口部閉塞の評価 膀胱出口部閉塞指数(BOOI) BOOI=pdetQmax-2Qmax BOOI>40 閉塞あり BOOI<20 閉塞なし BOOI=20~40 境界域 : Schafer nomogram 閉塞の程度だけでなく、排尿筋収縮の程度も評価することが可能 蓄尿期 尿流率 25 20 0 排尿期 25ml/sec strong I II UFM III normal 100cmH2O IV Pves 15 V weak 100cmH2O 10 VI 5 Pabd 100cmH2O very weak 20 50 75 100 150 Pdet 排尿筋圧 High pressure-Low flow=閉塞 250ml : Schafer nomogram 蓄尿期 尿流率 25 20 0 排尿期 25ml/sec strong I II UFM III normal IV 100cmH2O Pves 15 V weak 10 100cmH2O VI 5 Pabd 100cmH2O very weak 20 50 75 100 150 Pdet 排尿筋圧 Low pressure-High flow=非閉塞 250ml 蓄尿期の評価 初発尿意(膀胱)容量:150~200 ml 最大尿意(膀胱)容量:200~500 ml 膀胱コンプライアンス:>20~100 ml/cmH2O 膀胱不随意収縮 ・有無 ・大きさ(cmH2O) ・出現する膀胱容量 排尿期の評価 基本的には 低排尿筋圧・低尿流率(low pressure-low flow) 排尿筋収縮障害 高排尿筋圧・低尿流率(high pressure-low flow) 下部尿路閉塞 尿道内圧測定(UPP) 尿道内圧測定は,安静時の尿道括約筋緊張を評価する検査であり、 内尿道括約筋,外尿道括約筋を含む尿道抵抗を評価する。 恥骨上で 0 点補正し,カテーテルを一定スピード(0.5~5 mm/sec)で 引き抜き、尿道内圧の変化を測定,記録する。 尿道内圧測定(UPP) パラメーター A:最大尿道閉鎖圧 (maximum urethral closure pressure ; MUCP) B:最大尿道内圧 (maximum urethral pressure) C:機能的尿道長(functional profile length; FPL) D:総尿道長(total profile length) MUCPの正常値は年齢とともに低下するが,通常の成人女性では 50 ~70 cmH20程度, 男性では60 ~ 90cmH2O程度と考えられる。 腹圧下漏出時圧測定(ALPP) ① 女性腹圧性尿失禁の病態には,尿道過可動と内因性括約筋不全(ISD)の 2 つの要因が関 与する.腹圧性尿失禁において,尿道過可動と内因性括約筋 不全との鑑別, および尿道抵抗低下の程度の評価に用いる. ② ALPP 測定は座位あるいは立位にて行い, 膀胱充満時に腹圧を加え,尿漏 出が 起こるときの最も低い膀胱内圧を測定する. ③ 一般に,ALPP が 60 cmH2O 以下の場合は内因性括約筋不全,90 cmH2O 以上の場合には 尿道過可動が 疑われ,60~90 cmH2O は境界域とされて いる.実際の症例では,2 つの病態のいずれかというよりは,両病態が 種々の 程度に混在している場合が 多い. 膀胱内に造影剤を 200 ml 程度注入しながら膀胱内圧測定を施行し,以後バルサルバ法(努責), および咳にて膀胱内圧を 上昇させ,透視下に尿漏出を確認した瞬間に尿漏出の印(▲)をつける. 尿漏出が起こる最も低い膀胱内圧を ALPP とする. 尿流動態機能検査の実践 尿流動態検査実例から検討を行ってみよう (実践研修 排尿機能検査テキストより抜粋) 正常例(男性) 尿流測定 排尿筋圧 腹圧 膀胱内圧 外尿道 括約筋筋電図 初発尿意 (first desire) 強い尿意 (strong desire) 151ml 343ml ICSノモグラム Schaferノモグラム 正常例(女性) 尿流測定 排尿筋圧 腹圧 膀胱内圧 外尿道 括約筋筋電図 男性用ノモグラムにあてはめてみると 初発尿意 最大尿意 女性における下部尿路閉塞と排尿筋収縮不全について 診断基準には定まったものはなし 排尿筋収縮力の評価 男性 BCI=pdetQmax+5Qmax 女性 PIPI=pdetQmax+Qmax 30~75が標準的 Blaivas-Groutsのノモグラム 下部尿路閉塞例(男性) 尿流測定 排尿筋圧 腹圧 膀胱内圧 外尿道 括約筋筋電図 下部尿路閉塞例(女性) 尿流測定 排尿筋圧 腹圧 膀胱内圧 外尿道 括約筋筋電図 男性用ノモグラムにあてはめてみると 排尿筋過活動(男性) 尿流測定 排尿筋圧 腹圧 膀胱内圧 外尿道 括約筋筋電図 排尿筋収縮不全(女性) 尿流測定 排尿筋圧 腹圧 膀胱内圧 外尿道 括約筋筋電図 男性用ノモグラムにあてはめてみると 低コンプライアンス膀胱(男性) 尿流測定 排尿筋圧 腹圧 膀胱内圧 外尿道 括約筋筋電図 アーチファクトについて 測定中の確認:測定中の直腸圧低下 尿流測定 排尿筋圧 腹圧 膀胱内圧 外尿道 括約筋筋電図 アーチファクトについて 排尿中尿流曲線にスパイク 尿流測定 排尿筋圧 腹圧 膀胱内圧 外尿道 括約筋筋電図 アーチファクトについて 排尿中カテーテル抜去 尿流測定 排尿筋圧 腹圧 膀胱内圧 外尿道 括約筋筋電図 アーチファクトを防ぐために 検査中は、被験者の状態、被験者の周りの状態を 常に観察して、検査に影響する要因の発生を 注視する。 アーチファクトと思われる不自然な波形を認めた 場合は、その旨チャートに記載し原因を探す。 原因をチャート上に明記しておくことで、 検者でなくても解析が可能になる。 検査結果に重大な影響があり、後から補正 できないアーチファクトの場合は、再検も考慮する。 症例1 67歳男性 頻尿と排尿障害を主訴 症例;80歳男性 排尿困難と切迫性尿失禁を主訴 まとめ 尿流動態検査は侵襲的で、時間も要することから敬遠されが ちであるが、下部尿路機能の他覚的評価が可能な唯一の検 査方法である。(意義の高い検査である) その手技については、施設間での若干の差はみられるものの、 ほぼ統一されており、正確な検査実施のためにも、その理論と 意味合いを考えて行うことが重要である。 Let’s enjoy UDS!!
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