審査委員会審査講評

平田村統合中学校校舎・屋内運動場建設工事に係る
施工予定者選定プロポーザル
審査講評
平田村においては,中学校教育に関して顕在化している少子化による就学
生徒数の減少,教科指導に伴う教員確保並びに生徒活動指導等の課題を解
消するため,村内中学校統廃合計画をまとめ,現在,設計業務を実施して
いるところであるが,昨今の課題となっている建設業界における建設資材
の高騰や建設資材の不足,人手不足等による相次ぐ入札不調を鑑み,実施
設計段階で施工予定者を選定し,村と設計業者と施工業者とが協議を重ね,
より実現性の高い確実な工事施工に結び付けるため,新しい業者選定方式
である「施工予定者技術協議方式」を採用した。
平成27年4月2日に応募要領を公示,4月17日事業者に対する説明会
の開催,5月15日の技術提案書の提出締切日として進められ,八光建設
株式会社,東洋建設株式会社東北支店,株式会社淺沼組東北支店の3者よ
り技術提案書が提出された。
5月19日審査委員会が開催され厳正な審査の結果,次の通り施工予定者
を選定した。
選定者:八光建設株式会社
次点者:株式会社淺沼組東北支店
○選定者(八光建設株式会社)
執筆要綱に定められた条件を遵守し,要領よく丁寧にまとめられた提案書
であった。
まず,建物別に技術者を配備しマスター工程との比較検討を行うことでの
工程管理や本社の品質管理部門との関係,専門業者を早い段階で選定し,
材料・人材の確保を考慮している点や専門技師の配備等が言及されており,
工程や品質の管理に留意している点が評価された。
また,コスト縮減・ランニングコスト縮減に係る提案については,ノウハ
ウを活かした提案が述べられており,実施設計での組み入れに期待が持て
る提案であった。
さら に , 地元 平 田 村 の下 請 け 業者 の 手 配 並び に 資 材調 達 に つ いても ECI
を活用した提案があった。
以上の点を含め,本提案書は他者と比較して優位と認め選定することとし
た。
なお,工事費についてはあらかじめ提示された参考工事見積書の評価基準
額と他2者が大きく超えた提示額であったが,この評価項目を差し引いて
も技術提案の評価項目において選定者の優位は覆るものではなかったこ
とを付記する。
今後,具体的な実施設計を進めるに当たり,選定された施工予定者と綿密
な打ち合わせを重ね,更なるコスト縮減に努めることを期待するとともに,
卒業を控えた生徒が一日でも長く新校舎を利用できるような工程管理を
期待したい。
最後に,震災復興に向けた多忙な時期,本プロポーザルに応募頂いた各者
に心から感謝申し上げます。
文責:審査委員長
松井
壽則