平成27年度久喜市立東鷲宮小学校いじめ防止基本方針 1 いじめの定義といじめに対する本校の基本認識 いじめとは、 「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことに より、精神的な苦痛を感じているもの」です。そして、個々の行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は、 表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うものです。 (平成18年度 文部科学省「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」 ) 上記の考え方のもと、本校では全ての職員が「いじめは、どの学校・どの学級でも起こりうるものであり、 いじめ問題に全く無関係ですむ児童はいない。」という基本認識にたち、全校の児童が「いじめのない明るく 楽しい学校生活」を送ることができるように、「学校いじめ防止基本方針」を策定した。 いじめ防止のための基本姿勢として、以下の5つのポイントをあげる。 ① いじめを許さない、見過ごさない雰囲気づくりに努める。 ② 児童一人一人の自己有用感を高め、自尊感情を育む教育活動を推進する。 ③ いじめの早期発見のために、様々な手段を講じる。 ④ いじめの早期発見のために、当該児童の安全を保証するとともに、学校内だけでなく各種団体や専門家 と協力をして、解決にあたる。 ⑤ 学校と家庭が協力して、事後指導にあたる。 2 学校におけるいじめ未然防止等の対策のための組織 いじめ等調査委員会=生徒指導委員会+外部専門家(指導主事、相談員等) (1) 生徒指導委員会 校長、教頭、教務、生徒指導主任、学年主任、養護教諭、相談員で組織する。毎月1回問題傾向を有 する児童について、現状や指導についての情報交換、及び共通行動についての話し合いを行う。また、緊 急な生徒指導上の問題が発生した場合は、その場の適切な処置をとるとともに教頭に報告する。状況によ っては、緊急生徒指導委員会を開催し、迅速な対応を行う。教頭は校長に報告し、校長の指示により敏速 に支援体制をつくり、対処する。 (2)いじめ等調査委員会 いじめに関する措置を実行的に行うため、生徒指導委員会のメンバーに指導主事、相談員等を加え、 いじめ等調査委員会を設置する。 3 学校におけるいじめ未然防止等に関する措置 (1) いじめの防止 ① いじめを許さない、見過ごさない雰囲気づくりに努める。 ア、いじめゼロ運動 「いじめは絶対に許されないことである」という認識を全児童がもつように、教育活動全体を通 して指導する。そして、見て見ぬふりをすることも「傍観者」として、いじめに加担していること を教える。また、いじめゼロを目指した児童会活動を推進する。 イ、 「正義が通る学校」づくり 学校の経営方針「あたり前の事が あたり前にできる」を掲げ、弱い者いじめや卑怯なふるまい をしない見過ごさない「正義が通る学校」づくりに取り組む。 ウ、職員研修 「彩の国生徒指導ハンドブック じめの予防等の研修を 8 月に行う。 NewI’s」を活用し、いじめの発見、いじめへの対応、い (2) 児童一人一人の自己有用感を高め、自尊感情を育む教育活動を推進する。 ア、 一人一人が活躍できる学習活動 「健康な心や体づくりなどの基本的な生活習慣の定着は学習を支える生活基盤となるものであ る。 」という立場に立ち、以下の教育活動を推進する。 ・ 「なかよし活動」での異学年交流の充実 ・児童の自発的な活動を支える委員会活動の充実 ・児童が主体的に取り組める学習活動やプリントの工夫 イ、 人とつながる喜びを味わう体験活動 友だちと分かり合える楽しさやうれしさを実感できる確かな力の育成と、相互交流の育成を行 うことでコミュニケーション力を育成する。また、学校行事や児童会活動、総合的な学習の時間 や生活科における道徳性育成に資する体験活動の推進を行う。 ウ、 道徳教育の充実 子どもたちの心に染みる道徳授業を実践する。本校独自の取り組みとして、毎年1月の土曜日 に「命の教育の日」を位置づけている。この日は、全日公開日とし、保護者、地域の方々に授業 を公開する。全学級道徳の時間では、「命の大切さ」をテーマにした授業を行う。 (3) いじめの早期発見・早期解決に努める。 ① いじめの早期発見のために、様々な手段を講じる。 ア、 「いじめはどの学校でも、どの児童にも起こりうるものである。」という基本認識に立ち、全ての 教員が児童の様子を見守り、日常的な観察を丁寧に行うことにより、児童の小さな変化を見逃さな い鋭い感覚を身に付けるようにする。 イ、おかしいと感じた児童がいる場合には、学年間や生徒指導委員会の場において、気づいたことを共 有し、より大勢の目で当該児童を見守る。 ウ、様子に変化が見られる場合には、教師が積極的に働きかけを行い、児童に安心感を持たせるととも に、問題の有無を確かめ、解決すべき問題がある場合には相談員等も当該児童から悩みを聞き、問 題の早期解決を図る。 エ、 「なかよしアンケート」を年3回(各学期1回 5月、10月、2月)行い、児童の悩みや人間関 係等を把握する。また、アンケートをもとにして全児童を対象にした教育相談を実施する。 ②いじめの早期解決のために全職員が一致団結して問題の解決にあたる。 ア、いじめ問題を発見した時には、学級担任だけで抱え込むことなく、学校長以下全ての教員が対応を 協議し、組織的に問題の解決にあたる。 イ、情報収集を綿密に行い、事実確認をした上で、いじめられている児童の身の安全を最優先に考え、 いじめている側の児童に対しては、毅然とした態度で指導にあたる。 ウ、傍観者の立場にいる児童たちにも、 「いじめているのと同様である。」ということを指導する。 エ、いじめられている児童の心を癒すために、相談員や養護教諭と連携を取ながら指導を行っていく。 (4)相談体制を整備する。 ①教育相談室、相談員を活用する。 普段から話しやすい相談室になるように努め、いじめや悩み等に関わらず、気軽に相談できる雰囲 気をつくる。 ②教育相談委員会を実施する。 毎月1回、生徒指導委員会と同時に教育相談委員会も実施する。不登校など問題を抱えている児童 の情報を共有し、改善策を協議する。 (5)インターネットを通じて行われているいじめに対する対策を推進する。 毎年講師を招いて、5、6年生とその保護者を対象にした情報セキュリティー講演会を実施し、イン ターネットの危険性や携帯・スマホに潜む危険性などについての学習を行う。 4 学校におけるいじめに対する措置 (1)いじめの事実確認を迅速かつ正確に行う。 いじめに関わった当該者双方から個々に状況を聞き取り記録する。状況によって、周囲にいた児童 からも話を聞き、聞いた情報を付き合わせる。食い違いが生じた場合は、再度該当者から聞き直し確 認する。 (2)いじめを受けた児童又はその保護者に対する支援を行う。 ①児童に対して ア、 「いじめから最後まで守る」ことを伝え、心の安定を図る。 イ、休み時間等も教師による見回りを行い、いじめが継続しない体制を整える。 ②保護者に対して ア、発見したその日のうちに複数の教職員で家庭訪問し、保護者に事実関係を伝える。 イ、学校の指導方針を伝え、今後の対応について協議する。 ウ、家庭で児童の変化に注意してもらうとともに、継続して家庭と連絡を取りながら、解決に向かっ て取り組んでいくことを伝える。 (3)いじめを行った児童に対する指導又はその保護者に対する助言を行う。 ①児童に対して ア、 「いじめは絶対に許さない」をいう毅然とした態度で臨み、事実を確認していじめをやめさせる。 イ、いじめの理由や背景を探り、根本的な解決を図る。 ウ、状況に応じて、学校カウンセラーや相談員、関係諸機関と連携を図って指導にあたる。 ②保護者に対して ア、学校は、いじめられた子どもを守ることを第一に考えた対応を取ることを伝える。 イ、被害児童、保護者に対して適切な対応(謝罪等)をするように伝える。 (4)所轄警察署との連携を図る。 犯罪行為として取り扱われるべきいじめについては、早期に所轄警察署に相談し、連携を図る。 (5)懲戒、出席停止制度の適切な運用等その他いじめの防止に関する措置を定める。 他の児童の心身の安全が保障されない等の恐れがある場合には、いじめ等調査委員会を開催し、教育 委員会の指導のもと、懲戒や出席停止等の措置を検討する。 5 重大事態への調査 (1)組織 いじめ等調査委員会を開催するとともに、市教育委員会と協議し、該当事案に対応する組織を設置す る。 (2)事実関係を明確にするための調査の実施 ①当該者双方と周囲の児童から別々に状況を聞き取り、記録する。この場合、複数の教員による聞き取り 事項は決めておく。 ②状況によっては、学級や学年、学校全体としてアンケート調査をする。 ③いじめを受けた児童の保護者からも状況を聞き取り、記録する。 ④知り得た情報は対策組織において共通理解し、不明な点や矛盾点が出た場合は、再度聞き取り調査とア ンケート調査等を行う。 (3)調査結果の提供及び報告 ①調査結果は、いじめを受けた児童・保護者に対して、事実関係やその他の必要な情報を適切に提供する。 ②調査結果は、教育委員会に報告する。 ③調査結果は、対策組織において共通理解を図るとともに、窓口は一本化する。
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