中・高教員コース 選択領域 6 時間 子どもソーシャルワーク論 講師:加藤 彰彦 教員が直面している子どもたちの諸問題(いじめ、不登校など)について、具体 的例を元に、その背景、対応のプロセスなどについて考察し、家庭や地域の実態把 握、また関係機関(児童相談所など)との連携について考える。 中心のテーマは、子ども自身がいかに「関係性」を回復するか、生きる気力を取 り戻せるかにおき、教員が、子どもに関するソーシャルワーカーとしての力量を高 めるところに目標を置く。 講義概要 1)子どもソーシャルワークの基本的視点 ・子ども達の自殺の背景に何があるのかを子ども達の遺書をもとにして考える。 ・失われた関係性、拒絶された関係性を回復していくプロセスがソーシャルワーク の基本であることを理解する。 ・生きる意欲が回復していくためには何が必要なのかを心理学の理論をもとに考察 する。 2)ケーススタディ(Ⅰ) ・不登校万引きなどの事例からその背景を探る ・エコマップの作成を通して、子どもの生活における関係性の全体像を知る。 ・地域のさまざまな社会資源の活用によって、関係性が回復していくプロセスを考察 する。 3)ケーススタディ(Ⅱ) ・いじめや他者への暴力行為の発生メカニズムを考える ・ジェノグラムの作成を通して、子どもの成育史を知る。 ・児童相談所など、他機関との連携を行う中で、学校の役割、教師の任務について考 える。 4)子どもソーシャルワークの展開過程 ・子どもの視点から状況を受けとめる感性を養う。 ・ソーシャルワークの展開過程を整理する。 ・子どもソーシャルワーカーとしての教師の可能性について考察する。 1 中・高教員コース 選択領域 6 時間 教師に求められる大気環境リテラシー 講師:坪田 幸政 本講座では、初めに大気汚染の現状を知り、微小粒子状物質(PM2.5)、紫外線、 熱中症をキーワードに大気環境に対する理解を深める。次に天気と気候の違いを確 認し,最近の気候変動の状況を把握し、将来世代への影響を考える.また,再生エ ネルギーの種類とその特徴と課題を学び、大気環境と関わる太陽光と風の利用を考 える。そして、天気予報を有効活用することが、児童・生徒の安全確保につながる ことを学ぶ。大気環境と科学・技術に対する理解を深め、持続可能な社会を担う児 童・生徒に必要な大気環境リテラシーを培うことがこの講座の目的である。 講義概要 ◇大気環境のかがく ・大気汚染の種類と環境基準、そして大気環境の現状に対する理解を深める。 ・オゾン層の役割と紫外線に対する理解を深めると共に国際社会の対応を学ぶ。 ・都市の温暖化であるヒートアイランド現象を熱中症の増加と関連づけて学ぶ。 ・光化学オキシダント、微小粒子状物質(PM2.5)、紫外線、熱中症などに対する理解を 深め、児童生徒の指導に役立てる。 ◇気候変動のかがく ・天気と気候の違いを理解し、気候がある程度予測できることを学ぶ。 ・エルニーニョ現象など、気候に変動性があることを理解する。 ・地球が温暖化していることを,様々な観測事実から把握する。 ・地球温暖化は私たちの生活にどのように影響する可能性があるのか、そして、私たちに 何ができるのかを考える。 ◇再生可能エネルギーのかがく ・再生可能エネルギーの種類とその特徴や課題に対する理解を深める。 ・最近身近な所で導入されている太陽光発電や風力発電に対する理解を深める。 ・発電の原理を知り、私たちが使用している電気を発電所と関連づけて考える。 ・ペーパークラフト風車やソーラーオーブンなど、再生可能エネルギーに関する学習活動 に対する理解を深める。 ◇天気予報のかがくと全体のまとめ ・天気予報は空を見ること、雲を読むことから始まることを学ぶ。 ・気象庁が提供する天気予報、週間天気予報、降水ナウキャスト、降水短時間予報、分布 予報、時系列予報等が,児童生徒の安全確保に有効活用できることを学ぶ. ・積乱雲が急な大雨や雷、竜巻に関係することや特別警報の意味を学び、命を守るための 行動について理解を深める。 ・持続可能な社会の構築には、私たち一人ひとりの大気環境リテラシーと 21 世紀を担う 子どもたちへの環境教育がとても重要となる。教師に求められる大気環境リテラシーを学 ぶ。 備考 参考書:坪田幸政編訳「地球システムの基礎 山堂書店、2008 年。 2 地球環境変動と人間活動」成 中・高教員コース 選択領域 6 時間 子供たちに伝えたい宇宙のはなし 講師:阪本 成一 最先端の望遠鏡による観測の成果や国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」 の完成、日本人宇宙飛行士の活躍などによって、児童にとって関心が高まっている 天文・宇宙分野について、学習指導要領を意識しつつ、身近な天体を例にとって学 習・指導方法を解説する。また、授業を魅力的にするための参考情報を提示する。 さらに、ニュースとして取り上げられることの多い最新の宇宙科学研究の成果を教 育の現場に導入するためのヒントを提示する。 講義概要(全体を 4 章に分け、各章に数行の箇条書きの説明を入れてください) 第1回 太陽と地面の様子 ・日時計と太陽の動き ・ガリレオが見た太陽 ・太陽観測衛星「ひので」がとらえた太陽の姿 第2回 月と太陽 ・望遠鏡の基本操作 ・月の観察のポイント ・月周回衛星「かぐや」がとらえた月の姿 ・太陽と日食の観察 第3回 月と星 ・星空の観察法 ・曇天時・雨天時の対処法 ・インターネットでの星の観察 第4回 宇宙の研究・開発の現状 ・フリーソフトを利用した宇宙の広がりの理解 ・宇宙科学研究の最新成果 ・宇宙の利用 ・宇宙から見た地球環境 3 中・高教員コース 選択領域 6 時間 こどもたちをワクワクさせる宇宙の話 講師:阪本 成一 最近ニュースになることの多い宇宙の話題は、こどもたちの夢や好奇心を育むと ともに、地球のいまとこれからについて考えるための素材としても適しています。 これらを学校教育のさまざまな局面で紹介するためのヒントを紹介します。 講義概要 第1回 ・星空の観察 ・身近な天体を知ろう① 第2回 ・身近な天体を知ろう② ・宇宙への飛翔 第3回 ・宇宙の利用/宇宙のゴミ問題 ・地球を見つめる宇宙の目/電子地球儀 DagikEarth の活用 第4回 ・国際宇宙ステーションと宇宙飛行士 ・外から地球を見つめ直す/地球を離れて暮らす 4 中・高教員コース 選択領域 6 時間 理科の授業で使える宇宙の話 講師:阪本 成一 太陽系や遠方の宇宙は宇宙物理学の研究対象であるとともに、真空・微小重力の 宇宙空間では地上では観察が難しいさまざまな現象が見られます。進展目覚ましい 天文分野について最先端の知見も踏まえて学び直すとともに、物理・化学・生物・ 地学といった理科教育の現場で使える宇宙関連のコンテンツを紹介します。 講義概要 第1回 ・星空の観察 ・宇宙の広がり/第二の地球はあるか 第2回 ・見えてきた太陽系の姿 ・身近な天体を知ろう① 第3回 ・身近な天体を知ろう② ・身近な天体を知ろう③ 第4回 ・国際宇宙ステーションと宇宙飛行士 ・星空カメラ i-Can/電子地球儀 DagikEarth の活用/JAXA と教育・普及 5 中・高教員コース 選択領域 6 時間 性-いのちと健康の学習 ~子どもの性と生を育む~ 講師:村瀬 幸浩 思春期を境に子どもたちの性意識と行動は大きく変わっていく。このことの意味 について、指導する人たちはあらためて深く理解したい。そして、彼(女)らがこ れから直面する性に関する課題に安心して取り組めるような考え方と力を育てたい。 そのためには、指導する人たちが変化する性の諸問題に柔軟に対応する認識をも つことが大切である。中・高校生という多感な時代を生きる子どもたちに直接関わ る大人として。 講義概要 第 1 回 思春期のからだ、こころ、性 ・ 思春期のからだ、こころ、性 ・ 思春期の性 ・ 月経と人生、月経と健康 ・ 射精、性的欲求、性行動 第 2 回 妊娠する・させる力の自覚 ・ 妊娠する・させる力の自覚 ・ 避妊の不可避性 ・ 性感染症 ・ 慢性疾患としてともに生きる 第 3 回 高校生と性 ・ デートDVから二人の関係性について考える。 ・ 高校生と性交-現状をどう見るか ・ 性交とはなにか。愛とセックスのかかわり 第 4 回 性の多様性、不本意な性の強制 ・ 人間の性の多様なあり方(GID、IS、性的指向など) ・ 不本意な性の強制-なぜ起こるのか性犯罪 ・ 恋愛や結婚について 6 中・高教員コース 選択領域 6 時間 博物館と学校教育 ―授業で使おう博物館― 本講義では、まず「博物館」とは何かを理解し、その上で、学校教育における博 物館の有効的な活用法及び、学校現場での博物館の設置や利用法などについて、事 例を通して修得することをねらいとする。 「総合的な学習」の導入を契機として、社会科・理科・国語科などさまざまな教 科での博物館利用が盛んになってきている。また、学校現場においても、地域や PTA などの協力を得て、余裕教室等を利用した「学校博物館」を設置するところ が増えている。これらについて、各地実例から検討を加える。 講義概要 第 1 回 博物館とは何か ・ 博物館のイメージ ・ 日本語としての説明 ・ 「博物館」という言葉の登場 ・ 「博物館」の登場 第 2 回 学校教育と博物館教育 ・ 文部科学省「社会教育調査」による種類 ・ 「ICOM(国際博物館会議)規約(第2条)」による種類 ・ 国際的定義 ・ 国内的定義 第 3 回 博物館と資料の活用 ・ 日本の博物館の現状 ・ 博物館を支える人々 ・ 博物館の社会的意義 第 4 回 学校博物館の設置と利用 ・ 博物館の構成要素と機能 ・ 資料収集 ・ 整理・保管 ・ 調査・研究 ・ 教育・普及 7
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