予算管理

予算管理システムに関する
ディスカッション資料
Hiro Business Solutions 株式会社
代表取締役
広川 敬祐
(公認会計士)
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当資料の位置づけ
当資料は、下記のような検討ポイントを有する企業とディスカッションを行うに際し
予算管理システムに関する汎用的な内容をまとめたものです。
検討ポイント
予算管理システムの導入を検討したい
 現行の予算策定プロセスと比較してみたい
 予算管理システムを構築する上での体制を検討したい
 予算管理システムを構築する際の取引業者を選定したい
 予算管理のあり方(データの粒度、経営指標、主体、等々)を検討したい
1
予算管理業務のサイクル
予算項目作成
• エクセル中心
• 属人的
• メンテ不能な承認フロー
・利益計画
・事業計画
・予算管理単位
・予算項目作成
予算がうまくいかない例
次年度編成資料提供
・財務会計資料
・管理会計資料
・次年度予算項目作成
・次年度予算申請作成
•環境の変化に気がつかず、自社の置かれている状況が把握
できていない。
•計画や予算の未達成は、「不景気だからしょうがない」などの
外的要因によるものだとして、はなから分析をあきらめている。
•経営者から提示されたいわゆるトップダウンの計画であるため、
自主的に達成しようとの意欲が見られない。
•単なる目標となっているため、現実離れしており実績との比
較分析に意味がない。
•計画や予算を作りっぱなしで実績との詳細な比較分析がさ
れず、現場にフィードバックされていない。
予算編成・承認
・金額見積・概算
・複数予算案作成
・承認・決定
予算評価・分析
予算統制・管理
・実行予算評価
・事業評価
・実績分析
・予算統制/計画管理
・実行承認
・実績管理
・シミュレーション
ここで
何故か形骸化
2
予算管理業務がうまく機能しない理由
原因と現象
計画やPDCAの仕組みがない
・ビジョンが確立されていない、社員同士の意識がバラバラ
・行き当たりばったりの業務執行
・過去実績のみを元にする経営判断
予算編成に時間がかかる
・予算の作成自体が目的と化している
・予算の管理項目が標準化されていない
・予算編成のためのシステムがなくエクセルで実施している
予実分析に時間がかかる
・予算と実績との数値体系の整合性がとれていない
・予算と実績との差異についての判断基準がない
・予実管理のためのシステムがなくエクセルで実施している
Check / Action がない
・予算編成と予実管理に終始し、C/Aまでたどり着かない
・社員へのフィードバックがなくモチベーションを保てない
・環境変化に対して適宜な対応がない
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予算管理業務に関してよくある課題
•表計算ソフトウェアをよく利用するケースに起こる課題
•企業全体で情報を共有する仕組みにならない。
•目標設定とボトム・アップのプロセスとの調整が困難。
•多様な視点に基づく予算や予測の分析が困難。
•セキュリティ要素に欠ける。
•バージョン管理ができない。
•複数の分析シナリオによる管理が困難。
•配賦計算に限界がある。
•表シートの作成と保守が煩雑で属人的になる。
•複数の予算案や予測を取り扱えない
•ローリングフォーキャストのような分析や予測ができない
•複合的な視点からの分析(多次元分析)に対応できない
•全社レベルでの予算と、事業部の積上げ数値の間で差異が発生する。
•個別の積上げ予算の策定方法が、部門や作成者によって異なり、全体での予算差異分析が
正しくできない。
•予算方針策定時や、個別の検討でシミュレーションを実施したいが、効率的に実施できるツー
ルがない。
•中期的な方針・計画と単年度予算の間で、施策レベルでの整合性がなく、数値合わせに固執し
てしまう。
4
予算管理のメッシュ
財務会計では法的な会社の単位で財務諸表を作りますが、管理会計では部門別や事業部別といった会社組
織の切り口で管理するのが一般的です。
予算管理を行うに際し、事業別、拠点(支店・営業所・工場など)別、部門別(部署)、プロジェクト別、取
引先別、製品(群)別など、どのような切り口での経営管理を行うのかとの検討が必要です。
5
予算管理業務のレベル
管理レベル
下
管理レベル
中
管理レベル
上
管理レベル
特上
戦略マネジメント
浪花節
部下からの
報告を待つ
BSC・KPI
目標管理
戦略と予算の
一体化
予算編成
前年値からの
比率計算
エクセル
予算編成の
効率化
予算編成の
高度化
見込み
無し
エクセル
予算と見込の
調整
ローリング
フォーキャスト
予算実績管理
半期・年度
月次
予実報告の
効率化
予実報告の
高度化
連結決算
無し
制度連結
管理連結
連結経営管理
(製販・在庫・売上)
6
予算編成業務
①予算大綱の検討
②予算編成方針の策定
フィードバック
③総合予算案の作成
⑤ 部門間調整
⑥最終予算の決定と
伝達
④部門予算の作成
7
予算編成業務の効率化・高度化
予算編成業務の効率化例
予算編成業務の高度化例
予算編成方針・ガイドラインのコミュニケーショ
ン向上
多次元(多彩な切り口)分析
予算編成の日程・スケジュール調整
予算編成数値の自動提案
変更調整箇所の明確化と履歴管理
ローリングフォーキャスト
原始データの入力時間の削減
需要予測との連動
部門間調整機能
生産計画との連動
予算編成情報の共有化
戦略・中計・予算・見込までの一通管理
ワークフローによる予算調整
予算編成のDB化とWEB対応
8
予実管理業務
予実管理業務の目的
・予算と実績を比較し、予算との乖離を把握し、乖
離を改善する施策を立てる
・予算と実績が乖離している状況とその施策を経営
トップに報告し、追加施策の必要性を全社レベルで
浸透させ、施策を実行する
・予算と実績が乖離している問題点、改善点を究明
し、次回の予算の精度向上をはかる
・予算と実績が乖離している事実に基づいて、組織
あるいは個人の業績評価を行う
予実管理のためには、予算数値策定時の算定根拠
(プロセス)を明らかにし
その明細毎の比較分析が必要
× 売上高のみ
○ シェア、顧客獲得数、単価等の内訳
実績を把握する
予算実績差異分析を行い
差異の原因を把握する
差異を埋めるための
改善策を検討する
一定期間の終了後に
業績評価を行う
次の会計期間への
フィードバックを行う
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予実管理業務の効率化・高度化
予実管理業務の効率化例
予実管理業務の高度化例
予算と実績の比較単位を等しくするための施策
予算達成状況のアラート
当初予算と見直し予算の差異分析
予算管理と責任会計との関連付け
実績のシステムの集計単位と予算値の集計単位を
合わせる
予実管理情報の自動作成
標準原価の精度向上・見直しの短縮化
乖離状況からのアクションプラン策定
予実管理情報の共有化
業績シミュレーション
更なる情報の可視化
間接費管理業務の見直し(ABC等)
連結相殺消去業務のレベル向上
KPIのテンプレート化
10
予算管理システムを構築する上での主な留意事項
No
内容
業務要件
システム要件
1
予算管理業務の省力化
•予算管理の目的を確立すること
•データ入力形式
•他システムとのインターフェイス
2
シミュレーション
•トップダウン方式とボトムアップ方式
•予算編成業務での調整機能
•データ種別ごとの処理
予算管理レベルの検討
•実績と比較できる単位であること
•意思決定とリンクすること
•非財務データの検討
•マトリックス管理(組織別・地域別・セグメン
ト別等々)
4
予算数値の検討
•前期比増減方式、ゼロベース予算、変動予算等
の予算数値を策定する内容の検討
•各種予算(販売、生産、購買、資金等)とのリ
ンク
•属人的な作業からの脱却
•前提条件からのシミュレーション
5
履歴管理
•当初予算・補正予算・追加予算等、予算種別の
確定
•データ種別ごとの処理
6
社員への動機づけ
•目標の共有
•利用者の決定、役割の明確化
•ワークフロー
•公平性の確立、監査機能
7
単体予算と連結予算
•相殺消去
•連結管理項目の決定
•合算、外貨換算、相殺消去
実績との比較
•実績データ収集
•部門別、地域別、科目等のメッシュの検討
•サイクル(年、半期、四半期、月次、旬次、週次、 •原因分析としての訴求
日次)の決定
•異常値警告
3
8
11
エクセレント・エクセルカンパニー から脱却する
Excel
エクセルは、たしかに便利ですが・・。
損益計算書分析
1
2
3
A
収益
B
50
USA 50%
Germany
15%
C
Spain
4%
Switzerland
21%
France
10%
複数人で共有して作業を行う場合は
何らかのシステムを導入する方がよい
内容
発生する課題
ワークフロー化できない
• 電子メールでのコミュニケーションが限界
エラーに気付きにくい
• ゼロとO、入力項目をマスタ化できない
簡単に詳細まで作れてしまう
• 属人化し、他人がメンテできない
履歴管理ができない
• ファイル数がねずみ講的に増加
エクセルファイルが分散化
• 誰が何をやっているかわからない
多くのエクセルシートが存在
• シート間の整合性をとるのが困難
簡単にコピーできる
• セキュリティ上問題が。外部流出の可能性が大きい
予算の達成進捗管理ができない
• 都度、エクセルで作業が発生
多次元分析ができない
• 期間比較、予測・見込・計画比較
マクロの属人化
• 誰もメンテナンスできなくなる、病気や配置転換でのリスク
組織変更・品目追加等には対応が困難
• エクセルの限界
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課題解決のアプローチ
課題のタイプ
ずっと続くもの
発生している
課題
例
経営管理上、不可避的な
課題。業務改革やシステム化
によっても避けられない。
例えば、精緻な販売予測
対応策
課題解決の方策が複雑
すぎて検討が停滞しがち。
完璧を求めず検討していく。
業務を変える
必要のあるもの
業務のやり方自体に
問題があるもの
業務のやり方を変える
ことができる然るべき
体制のもとで検討する
ことが必要
システムを変える
必要のあるもの
システムを変える(新規
導入)することによって
解決できるもの
システム化と費用対
効果を策定して解決
していく
人が足りない・組織間での問題
があるという課題
人を増やして解決できるならよいが、
人がいない場合は、業務改革・シ
ステム変更を考えざるを得ない
リソース(人・組織)
の問題
対外調整
自社だけで対処できず、顧客や
取引先との調整が必要なもの
対外的なこととあきらめてしまい
がち。相手にメリットを与える方
策を検討すべき。
13
事例紹介
14
(プロジェクト事例の参考)目的
①連結予算の管理精度向上
②シミュレーション機能の充実
③予算作業項目の整理・標準化
④予算管理データのグループ内共有化
⑤予算策定、見込作成作業の効率化
15
(プロジェクト事例の参考)プロジェクトロードマップ
現在の予算管理業務
高い
エクセル中心の予算管理
作業の属人化
情報共有が困難
連結予算管理業務の
一部システム化
全社予算管理をシステム化
予算情報の共有を開始
システムを使った予算管理業
務の定着を図る
予算管理業務の標準化
システム化範囲の拡大
業務ベースでの標準化を推
進
予算管理システムの適用範
囲を事業部予算策定範囲に
広げる
次プロジェクト
のターゲット
予算管理レ
ベル
今回の
ターゲット
現状
低い
16
(プロジェクト事例の参考)プロジェクト範囲
今回は親会社での予算登録からをシステム化範囲とします。
予算項目に事業部の将来要件を盛り込みます。
上旬
1月
中旬
下旬
2月
中旬
上旬
全
社
下旬
上旬
事業部ごとに予算策定
プロセスが異なる
親
会 営
業
社
事
業
部
グ
会ル
社ー
プ
受
注
計
画
中
期
計
画
概
算
受
注
概
算
売
上
利
益
計
画
中
期
計
画
概
算
受
注
概
算
売
上
利
益
計
画
受
注
計
画
人件費
計算
諸経費配賦
減価償却費
計算
整合(連結)
売
上
計
画
売
上
計
画
上旬
4月
中旬
執
行
会
議
諸経費配賦
総括表
(受注)売上
計画登録
諸経費
計画登録
下旬
予
算
会
議
各事業共通の
プロセス
経
理
部
3月
中旬
:システム化範囲
整合(連結)
総括表
(最終)
予算実績
対比
(受注)売上
計画登録
利
益
計
画
諸経費
計画登録
諸
経
費
計
画
売上原価・
在庫計画登録
売上原価・
在庫計画登録
諸
経
費
計
画
諸経費計画登録
諸経費配賦
(受注)売上計画登録
売上原価・
在庫計画登録
整合(連結)
諸経費計画登録
諸経費配賦
(受注)売上計画登録
売上原価・
在庫計画登録
整合(連結)
調
整
作
業
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(プロジェクト事例の参考)求める効果(将来構想含む)
構築目的
ご要望に対する効果
現状課題に対する効果、および今後の対応案
連結予算の
管理制度向上
会社間取引の整合性強化
企業群別・品目別の連結管理
グループ会社との一体化
連結予実管理
・連結会社間取引の整合性が、自動的に確保される
・生産/販売の合算が可能
・品目別・企業Gr.別の連結管理ができる
・個別予算作業と並行で、連結利益が把握できる
・連結ベースでの連結予算実績対比が可能
シミュレーション
機能の充実
市場別売上と製品別売上のマトリクス調整品目
別の損益予測
利益の自動計算
・マトリクス調整のシステム化実現
・SBU別、品目別の損益予測が可能
・売上、利益などの予算数字シミュレーションが可能
見込ベースのMRP
・今後、ERP側の機能強化により、販売計画~生産計
画の連動が可能
・今後原価マスタを設けることで、売上原価とリンクした
利益予測が可能
・ERPまたは別システムによる予測機能の強化が必要
予測原価の自動計算
将来予測機能
予算作業項目の
整理・標準化
予算作業項目の統一
今後、業務改革と並行しながら、継続的に標準化・システム拡
充を行う必要あり
予算管理データ
グループ内共有
予算管理データの履歴管理
情報の共有化
データの有効活用
・予算管理データを履歴管理できる
・親会社とグループ会社が同じ情報を共有できる
・ERPから実績データをロードし、予算管理に活用可能
予算策定・
見込作成作業の
省力化
配賦処理の自動化
・配賦処理を自動で行える
個別予算と利益のデータ連動
入力作業の効率化
見込データ作成効率化
グループ会社の作業軽減
・今後原始データ登録~事業部予算作成プロセスまで
をシステム範囲を拡大することで、個別予算作成を
範囲に含めることが可能
・Excelからのアップロード機能とERP連携機能で
登録処理の負荷を軽減
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