豚 肉 情 勢 項 目 1.国産 供 給 2.輸入 内 容 ○ 平成27年4月全国の肉豚出荷頭数は、1,370千頭(前年比98.6%)と稼動日数が前年並みではあったものの1.4%減となった。 1日当たりと畜頭数は 今年度65,200頭、前年度が66,190頭と約990頭/日の減少で、PEDの影響が続いているものと予想される。 東京市場の4月取引成立頭数は17,557 頭(前年比93.2%)で、その内、上物が6,240頭(同109.5%)と、合計頭数は前年を下回ったが上物率は上回った。 ○ 平成27年5月の全国と畜頭数は、速報値で1,218千頭(5/29まで集計)と、前年同月より2日間稼動が少ないため、前年比92.6%となっている。 今後、土・休日分の頭数が加わるため、農水省の予測並の1,286千頭(前年比98%)程度と思われる。 平成15年以降で5月の出荷頭数としては、平成 16年5月の1,269千頭に次ぐ低い頭数であり、生産頭数の減少が続いている。 ○ 農水省食肉鶏卵課平成27年5月18日更新の今後の出荷予測は、5月1,286千頭(同98.0%)、6月1,256千頭(同101.0%)、7月1,273千頭(同95.0%) 8月1,263千頭(同103.0%)、9月1,317千頭(同99.0%)、10月1,452千頭(同102.0%)と予測している。 ○ 平成27年4月の輸入通関実績は、豚肉全体で73.2千㌧(前年比100.5%、前月比111.9%)と、前年5月以来の70千㌧台へ伸張した。 内訳はチルドが27.9千㌧(前年比99.4%)、フローズンが45.2千㌧(101.2%)で、チルド・フローズンともに前年並み輸入量となった。 主要国別では、チルドが米国16.0千㌧(前年比86.0%)、カナダ10.5千㌧(同122.2%)、メキシコ1.4千㌧(同157.6%)。 フローズンは米国が9.3千㌧ (同129.3%)、デンマーク9.7千㌧(同73.9%)、カナダ4.6千㌧(同134.6%)、メキシコ3.6千㌧(同84.1%)、チリ2.7千㌧(同103.4%)、その他国から 15.1千㌧(同109.3%)の実績。 1.家計 ○ 総務省発表の平成27年4月の家計調査報告によれば、全国二人以上の1世帯当たり豚肉購入数量は1,663g(前年比101.8%)、支出金額が2,463円 消費 前年比112.1%)となった。 購入数量は4ヶ月ぶりに前年比1.8%増と上回り、支出金額は26ヶ月連続で上回り、2桁の伸びを示した。 その他鶏肉が 購入数量1,313g(前年比107.2%)、支出金額1,299円(同114.6%)と、牛肉から豚肉・鶏肉に需要がシフトしている傾向が伺える。 2.小売 ○ 日本チェーンストア協会発表の平成27年4月度の販売概況は、昨年の消費税増税の反動が全体的に影響したほか、食料品では畜産品、 4月状況 農産品は相場高の影響もあり好調だった。 食料品売上高は6,859億円(前年比107.5%)、その内、畜産品は798.8億円(前年比107.7%) 農産品991.4億円(同109.7%)、水産品637.9億円(同104.7%)と、生鮮品はいずれも前年を上回った。 昨年4月の消費税アップの買い渋り 需 の反動による。 品目的には牛肉・豚肉・鶏肉は好調だったが、ハム・ソーと鶏卵の動きは鈍かったと報告されている。 要 5月状況 関東地区食品スーパーの5月度豚肉販売状況は、GWは牛焼肉・BBQ等の販促が中心だったため豚肉はやや鈍かった。 GW明け後は豚肉の 売行きも好調に推移したが、販促内容は輸入豚チルドの価格遡及中心の企画が多く見られた。 国産豚の部位別動向は、急激な暑さでバラが止まり モモ・ウデ・肩ロースに多少の動きがある程度で全体に低調だった。 3.加工品 ○ 日本ハム・ソーセージ工業協同組合発表の、平成27年3月の豚肉加工品仕向量は、30.1千㌧(前年比98.0%、前月比112.7%)で、前年並みとなった。 仕向量 このうち国産物が、5.7千㌧(同81.4%、同114.0%)、輸入物が24.4千㌧(同103.0%、同114.0%)と、国産物は9ヶ月連続で前年を下回っており、 国産豚を原料としたハム・ソーセージ等の生産が低迷している。 1.在庫 在 庫 1. 4月 ○ 農畜産業振興機構公表の平成27年3月末の推定期末在庫量は、178.6千㌧(前年比110.0%、前月比99.6%)で、うち冷蔵品が10.0千㌧(同181.8%、 同208.3%)、冷凍物が168.6千㌧(同107.5%、同96.6%)となった。 内訳は、輸入物在庫が161.9千㌧(前年比115.3%、前月比100.2%)、うち冷凍 物が152.2千㌧(同112.4%、同96.9%)。 国産物在庫は16.6千㌧(同75.8%、同93.3%)で、うち冷凍物が16.4千㌧(同76.3%、同93.7%)で、輸入 冷凍品在庫が前年6月以降、10ヶ月連続で増加している。 ○ 農水省食肉流通統計によれば、平成27年4月東京市場「上」枝肉相場は585円/kg(前年比99.8%、前月比102.1%)となり、平成25年6月以来22ヶ月 ぶりに前年割れした。 輸入豚チルドが3月・4月と2ヶ月連続で30千㌧近い大量の通関量が、国産相場へ影響したのもと思われる。 2. 5月 ○ 5月の東京食肉市場枝肉相場は、速報値(5/29現在)で529円/kg(前年比86.0%、前月比90.4%)と、前年・前月の相場から大幅に下落した。 5月の国内出荷頭数は例年より少ないものの、輸入豚チルドが5月も23.8千㌧と3月以降の大量の輸入量で、これまでの高値推移の国産相場が押し 下げられたものと思われる。 枝 肉 3.予測 ○ 6月については、農水省5月18日更新の全国肉豚出荷予測では1,256千頭(前年比101.0%)と、前年と同様で減少と見込んでいる。 農畜産業振興 相 6月~ 機講の予測による6月の輸入チルドは23.3千㌧(同106.8%)、フローズン35.1千㌧(同79.0%)、合計58.4千㌧(同88.2%)の大幅減となっている。 場 これは前年のフローズン輸入量が前年比150%と大幅増加した反動による。 6月も国内出荷頭数は例年よりも少なく、また、高い気温が今後も続いた 場合、出荷への影響が出ることも予想される。 <相場予想: 東京市場、税込み> 平成27年4月 5月速報値 6月予測 7月予測 【上物】 585円(99.8%) 529円(86.0%) 620円(93.1%) 600円(102.2%) 平成27年6月3日 更新 JA全農ミートフーズ株式会社 備 考 国内生産量の推移 農水省出荷予測 (千頭:%) 国内出荷頭数 出荷予測 暦年 暦年 千頭 前年比% 頭数 前年比 H24年 16,775 102.4 27年 5月 1,286 98.0 H25年 16,937 101.0 27年 6月 1,256 101.0 H26年 16,200 95.6 27年 7月 1,273 95.0 H26年 12月 1,470 94.7 27年 8月 1,263 103.0 H27年 1月 1,349 92.8 27年 9月 1,317 99.0 H27年 2月 1,282 95.6 27年 10月 1,452 102.0 H27年 3月 1,367 99.7 *平成27年5月18日更新 H27年 4月 1,370 98.6 輸入量の推移 財務省 :通関実績 輸入数量 内チルド数量 暦年 ㌧ 前年比% ㌧ 前年比% H24年 778,760 98.2 260,697 102.5 H25年 738,427 94.9 294,042 112.8 H26年 829,370 112.3 300,078 102.1 H27年 1月 53,981 80.9 19,036 74.6 H27年 2月 53,991 94.4 20,587 79.1 H27年 3月 65,427 105.5 28,999 116.2 H27年 4月 73,154 100.5 27,920 99.4 家計消費量 (㌘,円,%) 全国1世帯当り 暦年 数量 前年比 金額 前年比 H23年 19,205 103.8 24,746 103.4 H24年 18,762 97.7 23,753 96.0 H25年 19,432 103.6 24,948 105.0 H26年 19,323 99.4 27,680 111.0 H27年 1月 1,609 95.9 2,421 109.4 H27年 2月 1,580 95.5 2,384 108.0 H27年 3月 1,664 96.1 2,490 109.3 H27年 4月 1,663 101.8 2,463 112.1 市況の推移(東京市場) 加工品仕向量 暦年 H23年 H24年 H25年 H26年 H26年11月 H26年12月 H27年 1月 H27年 2月 H27年 3月 加工品仕向量 千㌧ 前年比 381.0 100.0 382.6 100.5 377.5 98.7 372.8 98.8 34.3 92.5 34.5 103.6 26.6 102.7 26.7 100.0 30.1 98.0 暦年 H23年 H24年 H25年 H26年 H27月 1月 H27月 2月 H27月 3月 H27月 4月 H27月 5月速報値 豚枝肉「上物」 円/㎏ 前年比 467 101.1 446 95.5 484 108.5 563 116.3 523 120.2 625 133.3 573 114.8 585 99.8 529 86.0 *税込み
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