牛 肉 情 勢 項 目 内 容 1.国産 ○ 平成27年3月成牛と畜頭数は、91.6千頭(前年比100.4%)で、引き続き前年並みとなった。 内訳を見ると和牛が38.3千頭(前年比98.7%) 交雑牛が19.2千頭(同100.2%)、乳牛去勢(雄含む)が17.8千頭(同100.5%)で、和牛が僅かに前年を下回ったものの、交雑牛と乳牛去勢は 前年並みとなった。 これは今年度稼動日数が前年同月より2日間多いためで、1日当たりのと畜頭数比では、和牛が前年比89.7%、交雑牛 同90.8%、乳牛去勢91.4%と、減少傾向が続いている。 ○ 平成27年4月の成牛と畜頭数は、速報値(4/30まで集計)で90.7千頭と、前年と同日数の稼動で前年比91.7%となっている。 今後、土・休日 供 分が上乗せになるものの、4月は前年比95%前後と思われる。 給 2.輸入 ○ 平成27年3月の輸入通関実績は、輸入量合計で35.1千㌧(前年比95.3%)と、5ヶ月連続の前年割れとなった。 内訳は、チルドが17.2千㌧(前年比104.5%)と4ヶ月ぶりに前年実績を上回り、特に豪州産が10.4千㌧(前年比105.4%、前月比119.5%)と 3ヶ月ぶりの10千㌧台へ伸張したため。 一方、フローズンは18.0千㌧(同88.0%)で、前年比12.0%とかなり大きく減少した。 主要国別では、チルドが豪州10.4千㌧(前年比105.4%)、米国5.8千㌧(同99.9%)、NZ0.4千㌧(同89.6%)、カナダ0.2千㌧(同240.8%)、 フローズンは豪州7.7千㌧(同86.5%)、米国7.6千㌧(同83.4%)、NZ1.3千㌧(同81.4%)、カナダ0.3千㌧(同60.7%)となっている。 1.家計 ○ 総務省発表の平成27年3月度家計調査報告による、全国二人以上の1世帯当たり牛肉購入量は、484g(前年比90.3%)、支出金額1,619円 消費 (同100.7%)となった。 購入量は前年比9.7%減と前月を上回る落ち込みで、平成15年以降で1ヶ月の消費量が500gを割ったのは、平成 21年2月と前月に続き3度目となった。 2.小売 ○ 日本チェーンストア協会発表の平成27年3月度の販売概況は、食料品は、畜産品などは好調に推移したものの、その他の食品が昨年3月の 3月概況 消費税アップ前の買いだめの反動から前年比97.1%と苦戦した。 食料品合計は7,028億円(前年比97.1%)、その内、畜産品は808.8億円 (前年比104.1%)、農産品992.8億円(同102.1%)、水産品663.6億円(同101.8%)と、生鮮3品は前年をやや上回った。 畜産品の動向は、牛肉・豚肉・鶏肉の動きは良かったが、ハム・ソーと鶏卵が苦戦したと報告されている。 需 要 4月概況 関東地区食品スーパーの4月度牛肉販売状況は、全般に和牛などの国産牛は相場高騰もあり、数量ベースでは前年を下回った企業が多い。 輸入牛を含めた牛肉全体の売上金額は前年比105%前後と報告を受けている。 3.外食 ○ 日本フードサービス協会発表の外食市場平成27年3月度の概況は、北日本以外の地域では比較的天候に恵まれたものの、土曜日と祝日が 重なり土曜日が前年より2日少なかったことから、多くの業種で客数が前年を下回った。 FRは客数が前年を下回ったが、客単価の上昇から 好調な売上となった一方で、FF洋風は異物混入問題の影響から回復が鈍く、外食全体の売上が前年比95.4%となった。 業態別焼肉は、売上高が前年比103.0%、客数が同101.3%と、これまで105%以上の伸びで推移していた売上高がやや鈍化した。 1.在庫 ○ 農畜産業振興機構公表の平成27年2月末の推定期末在庫量は、126.2千㌧(前年比113.3%、前月比95.6%)と、前年に比べ増加した。 在 その内、冷蔵品が7.7千㌧(前年比74.0%)、冷凍品が118.5千㌧(同117.3%)。 内訳は、輸入品在庫が116.9千㌧(前年比118.0%、前月比 庫 95.9%)、国産品在庫品9.3千㌧(同75.6%、同92.1%)となり、前年に比べ国産品の在庫が減少した。 1.3月 ○ 農水省食肉流通統計によれば、平成27年3月の東京市場枝肉卸売価格は、和牛去勢A4が2,211円/kg(前年比123.7%)、和牛去勢A3が 2,085円/kg(同128.2%)、交雑牛去勢B3が1,558円/kg(同131.9%)、乳牛去勢B2が1,063円/kg(同136.5%)と、引続き前年を大幅に上回 った。 交雑牛B3は前月をさらに上回る堅調な相場展開となった。 2.4月 ○ H27年4月の東京市場枝肉卸売価格(速報値4/28時点)は、和牛去勢A4が2,306円(前年比122.1%)、和牛去勢A3が2,161円(同126.5%)、 交雑牛B3が1,615円(同128.3%)、乳牛去勢B2は932円(同111.6%)で、和牛3等級の発生減のため交雑牛B3が一段と上昇した。 3.予測 ○ 農畜産業振興機構の4月27日公表による、5月国内出荷予測頭数は、和牛が36.4千頭(前年比92.2%)、交雑牛が17.2千頭(同91.1%)、乳牛 5月~ (雌含む)が30.2千頭(同96.8%)と、引き続き和牛・交雑牛が大きく減少する見込みで、輸入牛はチルドが16.9千㌧(同93.2%)、フローズンが 枝 24.9千㌧(同109.0%)、合計41.7千㌧(同101.7%)でチルドが前年割れと予測されている。 一方、需要はGWに入り本格的な焼肉シーズンの 肉 到来で堅調な需要が見込まれることから、5月も堅調な相場展開と思われる。 相 場 平成27年5月7日 更新 JA全農ミートフーズ株式会社 備 考 ○国内生産量の推移(単位:千頭) 和牛計 交雑牛計 暦年 頭数 前年比 頭数 前年比 H24年 539.8 104.3 231.3 104.0 H25年 530.4 98.3 232.6 100.6 H26年 507.2 95.6 235.8 101.4 52.9 94.3 22.2 99.1 H26年 11月 51.9 95.3 21.9 96.1 H26年 12月 35.0 99.3 17.7 99.2 H27年 1月 36.5 99.8 17.8 100.0 H27年 2月 38.3 98.7 19.2 100.2 H27年 3月 ○輸入量の推移(単位:千㌧,%) 輸入数量合計 チルド数量 暦年 数量 前年比 数量 前年比 H24年 503 97.3 212 99.5 H25年 534 106.2 212 100.0 H26年 519 97.2 219 103.3 H26年 11月 41.2 84.1 17.7 108.0 H26年 12月 34.0 87.5 18.2 92.5 H27年 1月 33.1 98.4 12.7 89.3 H27年 2月 35.4 98.9 13.3 90.1 H27年 3月 35.1 95.3 17.2 104.5 ○総務省:家計消費量 (㌘,円,%) 全国1世帯当り 暦年 数量 前年比 金額 前年比 H24年 6,739 99.7 18,162 98.8 H25年 6,881 102.1 19,589 107.9 H26年 6,584 95.7 21,176 108.1 H26年 12月 734 104.6 3,020 113.1 H27年 1月 537 97.8 1,783 108.0 H27年 2月 480 93.0 1,500 107.1 H27年 3月 484 90.3 1,619 100.7 乳牛去勢計 成牛計 頭数 前年比 頭数 前年比 237.4 100.2 1,190.6 102.1 220.8 93.0 1,177.9 98.9 217.6 98.6 1,149.8 97.6 18.5 94.3 110.0 94.3 18.4 99.0 108.9 96.6 16.9 97.5 84.8 98.5 16.4 98.9 85.4 99.8 17.8 100.5 91.6 100.4 フローズン数量 数量 前年比 *財務省: 284 95.4 通関実績 322 113.4 299 92.9 23.5 72.1 15.7 82.3 20.3 105.2 22.0 105.2 18.0 88.0 ○輸出量の推移(単位:㌧、%) 暦年 H24年 H25年 H26年 H26年 H27年 H27年 H27年 12月 1月 2月 3月 数量 283.5 414.8 633.3 91.8 46.5 61.3 79.3 前年比 141.4 146.3 152.7 190.0 156.4 139.6 196.8 ※輸出数量は冷蔵品のみ ○市況の推移: 東京市場(税込み、単位:円/kg、%) 和牛去勢A-4 和牛去勢A-3 交雑牛去勢B-3 乳牛去勢B-2 暦年 価格 前年比 価格 前年比 価格 前年比 価格 前年比 H23年 1,571 92.2 1,329 89.3 1,078 92.0 539 80.2 H24年 1,643 104.6 1,448 109.0 1,061 98.4 546 101.3 H25年 1,872 113.9 1,716 118.5 1,231 116.0 761 139.4 H26年 1,929 103.0 1,759 102.5 1,277 103.7 823 108.1 926 113.9 ◎相場予想: 東京市場【税込み】 平成27年3月 4月速報値 5月予測 6月予測 H26月11月 2,146 106.0 2,003 107.7 1,400 105.1 905 107.9 和牛去勢 「A-5」 2,401円(115.0%) 2,476円(113.0%) 2,500円(114.1%) 2,500円(115.4%) H26月12月 2,165 108.1 1,955 109.3 1,432 105.8 932 118.1 〃 去勢 「A-4」 2,211円(123.7%) 2,306円(122.1%) 2,300円(121.8%) 2,300円(122.7%) H27月 1月 2,287 125.6 2,118 130.2 1,422 117.0 2,246 122.1 2,116 125.7 1,517 124.4 974 125.4 〃 去勢 「A-3」 2,085円(128.2%) 2,161円(126.5%) 2,200円(128.8%) 2,200円(129.3%) H27月 2月 2,211 123.7 2,085 128.2 1,558 131.9 1,063 136.5 交雑去勢 「B-3」 1,558円(131.9%) 1,615円(128.3%) 1,600円(127.1%) 1,600円(128.6%) H27月 3月 2,306 122.1 2,161 126.5 1,615 128.3 932 111.6 乳牛去勢 「B-2」 1,063円(136.5%) 932円(111.6%) 1,000円(119.8%) 1,000円(122.1%) H27月4月速報値 農水省食肉流通統計(速報値は生体価格の単純平均値)
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