牛　肉　情　勢項　目内　容１．国産 ○ 平成27年4月成牛と畜頭数は、95.2千頭(前年比96.3％)で、再び前年比やや減となった。　内訳を見ると、和牛が42.2千頭（前年比95.6％）、交雑牛が19.3千頭（同93.5％）、乳牛去勢（雄含む）が17.9千頭（同96.4％）で、4月稼動日数は前年同月と同日数であったが、和牛・交雑牛・乳牛去勢ともに前年を下回った。　過去5年の平均出荷頭数対比では、和牛93.7％、交雑牛90.2％、乳牛去勢90.9％となり、いずれもかなりの程度下回った。 ○ 平成27年5月の成牛と畜頭数は、速報値（5/29まで集計）で78.4千頭（前年比86.7％）となっている。　前年同月より稼動日数が2日間少ない供ため、今後、土・休日分が上乗せになるものの、前年比92％程度の実績と思われる。給 2．輸入 ○ 平成27年4月の輸入通関実績は、輸入量合計で57.9千㌧(前年比126.7％)となり、6ヶ月ぶりに前年実績を大幅に上回った。　内訳は、チルドが20.4千㌧（前年比104.9％）と引き続き前年実績を上回り、前月に続き豪州産が13.7千㌧（前年比113.7％）とかなり大きく伸張した。　一方、フローズンも37.5千㌧（同142.7％）と、チルドと同様に豪州産が大幅に増加し、前年9月以来の30千㌧台まで増加した。主要国別チルドで豪州以外では、米国5.8千㌧（前年比87.8％）、NZ0.4千㌧（同85.4％）、カナダ0.2千㌧（同237.1％）となり、フローズンは、豪州が28.4千㌧（同186.2％）、米国7.2千㌧（同93.4％）、ＮＺ1.6千㌧（同76.2％）、カナダ0.1千㌧（同8.8％）となった。 1．家計 ○ 総務省発表の平成27年4月度家計調査報告による、全国二人以上の１世帯当たり牛肉購入量は、483ｇ(前年比94.7%)、支出金額1,631円消費（同105.4％）となった。　購入量は4ヶ月連続で前年割れし、また、3ヶ月連続の400ｇ台の消費量で、平成15年以降で最も厳しい消費状況　が続いている。　支出金額は12ヶ月連続で前年を上回った。 2．小売 ○ 日本チェーンストア協会発表の平成27年4月度の販売概況は、昨年の消費税増税の反動が全体的に影響したほか、食料品では畜産品、 4月概況農産品は相場高の影響もあり好調だった。　食料品売上高は6,859億円（前年比107.5％）、その内、畜産品は798.8億円（前年比107.7％）農産品991.4億円（同109.7％）、水産品637.9億円（同104.7％）と、生鮮品はいずれも前年を上回った。　昨年4月の消費税アップの買い渋りの反動による。　品目的には牛肉・豚肉・鶏肉は好調だったが、ハム・ソーと鶏卵の動きは鈍かったと報告されている。需要 5月概況関東地区食品スーパーの5月度牛肉販売状況は、ＧＷは全体に好調で焼肉・ＢＢＱ・ステーキ関係の売行き好調で、特に5月3日、6日が好調だった。　輸入牛を含めた牛肉全体の売上金額は、前月と同様前年比105％前後と報告を受けている。部位別の引き合いは、ＧＷ明けはこれまで強かったモモ・バラ・ヒレが止まり、割安感のある肩ロースに動きが出てきた。 3．外食 ○ 日本フードサービス協会発表の外食市場平成27年4月度の概況は、前半の天候不順が客足に影響したものの、後半は好天に恵まれ東京では夏日となった。　しかし、FR・DR等がおおむね好調を維持する一方、FF洋風では売上の低迷が続き、外食全体では97.3％と2ヶ月連続で前年を下回った。　そのうち業態別の焼肉は、引き続き好調で売上高が前年比105.6％、客数が前年比101.2％となった。 1．在庫 ○ 農畜産業振興機構公表の平成27年3月末の推定期末在庫量は、127.4千㌧(前年比118.8％、前月比101.0％）と、6ヶ月連続で前年実績を在上回った。　内訳は、冷蔵品が9.9千㌧（前年比92.5％）、冷凍品が117.5千㌧（同121.8％）。　その内、輸入品在庫が118.6千㌧（前年比庫 124.6、前月比101.5％）、国産品在庫品8.8千㌧（同73.3％、同94.6％）となり、輸入品在庫が6ヶ月連続で増加した。 1．4月 ○ 農水省食肉流通統計によれば、平成27年4月の東京市場枝肉卸売価格は、和牛去勢A4が2,303円/kg（前年比121.9％）、和牛去勢Ａ3が 2,161円/ｋｇ（同126.5％）、交雑牛去勢Ｂ3が1,617円/ｋｇ（同128.4％）、乳牛去勢B2が1,087円/kg（同130.2％）と、和牛と交雑牛は出荷頭数の減少で前月をさらに上回る相場展開となった。　また、交雑牛Ｂ3は2ヶ月で100円の上昇で1,600円台に乗せた。　2．5月 ○ H27年5月の東京市場枝肉卸売価格（速報値5/29時点）は、和牛去勢A4が2,285円（前年比121.9％）、和牛去勢Ａ3が2,165円（同127.2％）、交雑牛Ｂ3が1,669円（同134.2％）、乳牛去勢B2は1,147円（同140.0％）と、供給不足による相場高値が続いている。 3．予測 ○ 農畜産業振興機構の5月25日公表による、6月国内出荷予測頭数は、和牛が39.4千頭（前年比101.7％）、交雑牛が17.3千頭（同92.9％）、 6月～乳牛（雌含む）が32.4千頭（同103.5％）と、交雑牛の減少が見込まれている。　輸入牛はチルドが16.8千㌧（同92.0％）、フローズンが24.8千㌧枝（同96.2％）、合計41.6千㌧（同94.3％）でチルド、フローズンともに前年割れと予測されている。　需要については、家計消費の低迷が続いて肉いる中にあって、6月は入梅の時期であり消費量の落ち込みが懸念される。相場平成27年6月3日更新 JA全農ミートフーズ株式会社備　考 ○国内生産量の推移（単位：千頭）和牛計交雑牛計暦年頭数前年比頭数前年比 H24年 539.8 104.3 231.3 104.0 H25年 530.4 98.3 232.6 100.6 H26年 507.2 95.6 235.8 101.4 51.9 95.3 21.9 96.1 H26年　12月 35.0 99.3 17.7 99.2 H27年　1月 36.5 99.8 17.8 100.0 H27年　2月 38.3 98.7 19.2 100.2 H27年　3月 42.2 95.6 19.3 93.5 H27年　4月 ○輸入量の推移（単位：千㌧，％）輸入数量合計チルド数量暦年数量前年比数量前年比 H24年 503 97.3 212 99.5 H25年 534 106.2 212 100.0 H26年 519 97.2 219 103.3 H26年　12月 34.0 87.5 18.2 92.5 H27年　1月 33.1 98.4 12.7 89.3 H27年　2月 35.4 98.9 13.3 90.1 H27年　3月 35.1 95.3 17.2 104.5 H27年　4月 57.9 126.7 20.4 104.9 ○総務省：家計消費量 (㌘，円，％) 全国１世帯当り暦年数量前年比金額前年比 H24年 6,739 99.7 18,162 98.8 H25年 6,881 102.1 19,589 107.9 H26年 6,584 95.7 21,176 108.1 H27年 1月 537 97.8 1,783 108.0 H27年 2月 480 93.0 1,500 107.1 H27年 3月 484 90.3 1,619 100.7 H27年 4月 483 94.7 1,631 105.4 乳牛去勢計成牛計頭数前年比頭数前年比 237.4 100.2 1,190.6 102.1 220.8 93.0 1,177.9 98.9 217.6 98.6 1,149.8 97.6 18.4 99.0 108.9 96.6 16.9 97.5 84.8 98.5 16.4 98.9 85.4 99.8 17.8 100.5 91.6 100.4 17.9 96.4 95.2 96.3 フローズン数量数量前年比＊財務省： 284 95.4 通関実績 322 113.4 299 92.9 15.7 82.3 20.3 105.2 22.0 105.2 18.0 88.0 37.5 142.7 ○輸出量の推移（単位：㌧、％）暦年Ｈ24年Ｈ25年Ｈ26年Ｈ27年Ｈ27年Ｈ27年Ｈ27年 1月 2月 3月 4月数量 283.5 414.8 633.3 46.5 61.3 79.3 63.4 前年比 141.4 146.3 152.7 156.4 139.6 196.8 151.0 ※輸出数量は冷蔵品のみ ○市況の推移:　東京市場（税込み、単位：円/ｋｇ、％）和牛去勢A-4 和牛去勢A-3 交雑牛去勢B-3 乳牛去勢B-2 暦年価格前年比価格前年比価格前年比価格前年比 H23年 1,571 92.2 1,329 89.3 1,078 92.0 539 80.2 H24年 1,643 104.6 1,448 109.0 1,061 98.4 546 101.3 H25年 1,872 113.9 1,716 118.5 1,231 116.0 761 139.4 H26年 1,929 103.0 1,759 102.5 1,277 103.7 823 108.1 905 107.9 ◎相場予想：　東京市場【税込み】　平成27年4月　5月速報値　6月予測　7月予測 H26月12月 2,165 108.1 1,955 109.3 1,432 105.8 932 118.1 和牛去勢　「A-5」 2,473円（112.9％） 2,452円(113.2％）　2,500円（114.1％）　2,500円（115.4％）　H27月 1月　2,287 125.6 2,118 130.2 1,422 117.0 974 125.4 〃　去勢　「A-4」 2,303円（121.9％） 2,285円(121.9％）　2,300円（121.8％）　2,300円（122.7％）　H27月 2月　2,246 122.1 2,116 125.7 1,517 124.4 〃　去勢　「A-3」 2,161円（126.5％） 2,165円（127.2％）　2,200円（128.8％）　2,200円（129.3％）　H27月 3月　2,211 123.7 2,085 128.2 1,558 131.9 1,063 136.5 2,303 121.9 2,161 126.5 1,617 128.4 1,087 130.2 交雑去勢　「B-3」 1,617円（128.4％）　1,669円（134.2％） 1,650円（135.5％）　1,650円（134.0％）　H27月 4月 2,285 121.9 2,165 127.2 1,669 134.2 1,147 140.0 乳牛去勢　「B-2」 1,087円（130.2％）　1,147円（140.0％）　1,200円（146.5％）　1,200円（149.3％）　H27月 5月速報値農水省食肉流通統計（速報値は生体価格の単純平均値）