豚肉情勢 - JA全農ミートフーズ

豚 肉 情 勢
項 目
1.国産
供
給 2.輸入
内 容
○ 平成27年3月全国の肉豚出荷頭数は、1,367千頭(前年比99.7%)で、稼動日数が前年より2日間多かったことから前年並み頭数となった。 1日当たり
と畜頭数は、今年度62,130頭、前年度が68,500頭と、約6,370頭/日の減少となっており、PEDによる影響が続いているものと予想される。 東京市場の3月取引成立頭数は、20,252頭(前年比100.8%)、その内、上物が6,400頭(同101.9%)と、ほぼ前年並み実績となった。
○ 平成27年4月の全国と畜頭数は、速報値で1,320千頭(4/30まで集計)と、前年と同日数の稼動で前年比95.0%の実績となっている。 今後、土・休日
分の頭数が加わるものの、引き続き4月も前年をやや下回ったものと思われる。
○ 農水省食肉鶏卵課平成27年4月10日更新の今後の出荷予測は、4月1,360千頭(同98.0%)、5月1,286千頭(同98.0%)、6月1,256(同101.0%)、
7月1,273千頭(同95.0%)、8月1,263千頭(同103.0%)、9月1,317千頭(同99.0%)と予測している。
○ 平成27年3月の輸入通関実績は、豚肉全体で65.4千㌧(前年比105.5%、前月比121.1%)と、米国西海岸の港湾労使交渉が暫定合意されたことで、
5ヶ月ぶりに60千㌧台へ伸張した。 米国産チルドが前年比92.2%まで回復したほか、カナダ・メキシコ等からも大幅に増加したことによる。
内訳はチルドが29.0千㌧(前年比116.2%)、フローズンが36.4千㌧(98.3%)で、チルド・フローズンともに前年、前月に比べかなり大きく増加した。
主要国別では、チルドが米国14.7千㌧(前年比92.2%)、カナダ12.4千㌧(同149.9%)、メキシコ2.0千㌧(同245.4%)。 フローズンは米国が6.8千㌧
(同135.8%)、デンマーク7.8千㌧(同80.1%)、カナダ5.8千㌧(同171.8%)、メキシコ4.6千㌧(同88.2%)、チリ0.7千㌧(同43.1%)、その他国から
10.6千㌧(同89.3%) 1.家計 ○ 総務省発表の平成27年3月の家計調査報告によれば、全国二人以上の1世帯当たり豚肉購入数量は1,664g(前年比96.1%)、支出金額が2,490円
消費
前年比109.3%)となった。 購入数量は引続き低調な動きで前年割れしが、支出金額は前年比9.3%と増加した。 平均単価は1,496円と、1月・2月
よりやや下がった。
2.小売 ○ 日本チェーンストア協会発表の平成27年3月度の販売概況は、食料品は、畜産品などは好調に推移したものの、その他の食品が昨年3月の
3月状況
消費税アップ前の買いだめの反動から前年比97.1%と苦戦した。 食料品合計は7,028億円(前年比97.1%)、その内、畜産品は808.8億円
(前年比104.1%)、農産品992.8億円(同102.1%)、水産品663.6億円(同101.8%)と、生鮮3品は前年をやや上回った。
需
畜産品の動向は、牛肉・豚肉・鶏肉の動きは良かったが、ハム・ソーと鶏卵が苦戦したと報告されている。
要 4月状況
関東地区食品スーパーの4月度豚肉販売状況は、輸入豚チルドは3月後半から出回りが多くなり、4月もかなり供給が増えており、各量販店とも輸入豚
中心の販促企画となっている。 GWに向けても輸入豚の販促が多いため。国産豚の引き合いは鈍く、ヒレ・スペアリブ等に若干の動きがある程度。
3.加工品 ○ 日本ハム・ソーセージ工業協同組合発表の、平成27年2月の豚肉加工品仕向量は、26.7千㌧(前年比100.0%、前月比100.4%)で、前年並みとなった。
仕向量
このうち国産物が、5.3千㌧(同90.8%、同101.9%)、輸入物が21.5千㌧(同102.2%、同99.5%)と、国産物は8ヶ月連続で前年を下回り、輸入物は
3ヶ月連続で前年を上回った。 1.在庫
在
庫
○ 農畜産業振興機構公表の平成27年2月末の推定期末在庫量は、179.3千㌧(前年比111.5%、前月比97.1%)で、うち冷蔵品が4.8千㌧(同68.6%、
同12.1%)、冷凍物が174.6千㌧(同113.5%、同96.6%)となった。 内訳は、輸入物在庫が161.5千㌧(前年比116.3%、前月比96.2%)、うち冷凍物
が157.0千㌧(同118.7%、同95.5%)。 国産物在庫は17.9千㌧(同82.0%、同81.7%)で、うち冷凍物が17.5千㌧(同81.4%、同107.4%)となった。
1. 3月
○ 農水省食肉流通統計によれば、平成27年3月東京市場「上」枝肉相場は573円/kg(前年比114.8%、前月比91.7%)と、引き続き前年を大幅に上回っ
たものの500円台へ戻した。 2. 4月 ○ 4月の東京食肉市場枝肉相場は、速報値(4/30現在)で588円/kg(前年比100.3%、前月比102.6%)と、前年4月から急騰し始めてから一巡し、前年
並み相場となった。 4月後半から全国の出荷頭数がやや増えており、東京市場のと畜頭数も増加傾向にあることから、枝肉相場は若干下げ基調の
展開となった。
枝
3.予測 ○ 5月については、農水省の4月10日更新の全国肉豚出荷予測では1,286千頭(前年比98.0%)。 農畜産業振興機構の予測による、5月の輸入チルド
肉
5月~
は22.3千㌧(同82.5%)、フローズン33.9千㌧(同74.7%)、合計56.2千㌧(同77.6%)の大幅減となっている。 これは前年同月の高水準の輸入量の
相
反動と、特にチルドは3月・4月の大幅輸入量の調整と考えられる。 一方、消費は5月はGWが過ぎるとやや落込む時期であり、PEDの影響が治まり
場
出荷頭数が増加した場合、4月を下回る軟調な相場と予想する。
<相場予想: 東京市場、税込み> 平成27年3月 4月速報値 5月予測 6月予測
【上物】 573円(114.8%) 588円(100.3%) 580円(94.3%) 600円(90.1%) 平成27年5月7日 更新
JA全農ミートフーズ株式会社
備 考
国内生産量の推移
農水省出荷予測 (千頭:%)
国内出荷頭数
出荷予測
暦年
暦年
千頭
前年比%
頭数
前年比
H24年
16,775
102.4 27年 4月
1,360
98.0
H25年
16,937
101.0 27年 5月
1,286
98.0
H26年
16,200
95.6 27年 6月
1,256 101.0
H26年 11月
1,288
86.1 27年 7月
1,273
95.0
H26年 12月
1,470
94.7 27年 8月
1,263 103.0
H27年 1月
1,349
92.8 27年 9月
1,317
99.0
H27年 2月
1,282
95.6 *平成27年4月10日更新
H27年 3月
1,367
99.7
輸入量の推移
財務省 :通関実績
輸入数量
内チルド数量
暦年
㌧
前年比%
㌧
前年比%
H24年
778,760
98.2
260,697
102.5
H25年
738,427
94.9
294,042
112.8
H26年
829,370
112.3
300,078
102.1
H26年12月
56,727
90.0
27,861
102.4
H27年 1月
53,981
80.9
19,036
74.6
H27年 2月
53,991
94.4
20,587
79.1
H27年 3月
65,427
105.5
28,999
116.2
家計消費量
(㌘,円,%)
全国1世帯当り
暦年
数量
前年比
金額
前年比
H23年
19,205
103.8
24,746
103.4
H24年
18,762
97.7
23,753
96.0
H25年
19,432
103.6
24,948
105.0
H26年
19,323
99.4
27,680
111.0
H26年 12月
1,780
100.3
2,666
111.2
H27年 1月
1,609
95.9
2,421
109.4
H27年 2月
1,580
95.5
2,384
108.0
H27年 3月
1,664
96.1
2,490
109.3
市況の推移(東京市場)
加工品仕向量
暦年
H23年
H24年
H25年
H26年
H26年10月
H26年11月
H26年12月
H27年 1月
H27年 2月
加工品仕向量
千㌧
前年比
381.0
100.0
382.6
100.5
377.5
98.7
372.8
98.8
33.0
99.1
34.3
92.5
34.5
103.6
26.6
102.7
26.7
100.0
暦年
H23年
H24年
H25年
H26年
H26月12月
H27月 1月
H27月 2月
H27月 3月
H27月4月速報値
豚枝肉「上物」
円/㎏ 前年比
467 101.1
446
95.5
484 108.5
563 116.3
663 122.3
523 120.2
625 133.3
573 114.8
588 100.3
*税込み