マリンエンジニアリング学科 研究室 Close Up 内燃機関工学研究室 段 智久 教授 たうえで、自ら課題を発見・設定をして、それを 環境にやさしく、次世代に 使えるエンジン開発 解決する手段を立案して遂行するというプロセ スが必要になります。一度のプロセスだけで十 分な結果が得られることはまれで、失敗した結 研究テーマは 「エンジンが与える環境負荷の 果に対してプロセスを見直し、幾度となく繰り返 低減および社会の持続的発展に寄与するエネ すことで研究成果は得られます。学生のみなさ ルギー源の確立」 です。船舶や鉄道、 トラックな んには、 このプロセスを経験することで、社会人 どの動力源として使われているディーゼルエン として必要な「自ら考えて行動する」 スキルを身 ジンは、他のエンジンに比べて熱効率(=投入 燃料噴射条件による燃焼特性の変化」、 「 水エ したエネルギーが仕事に変換される割合)が高 マルジョン化によるバイオ燃料の燃焼改善」、 く、経済的に優れていることから広く社会で普 につけて欲しいと願っています。 「液化ジメチルエーテルを利用したディーゼル 及しています。 しかしながら、窒素酸化物や硫黄 燃焼の改善」などのテーマで研究を行っていま 酸化物、 ススなど大気汚染の原因となる物質を す。 これらの研究テーマでは、前述の有害排気 排出するため、環境に対して負荷を与える存在 成分の低減とともに、埋蔵量が有限である化石 になっています。 燃料の替わりとなる次世代燃料の確立を目指 そこで、エンジンの性能を維持しながら、 それ しています。 らの有害物質を低減することが重要な研究課 工学分野における研究は、社会の発展に寄 題となっています。当研究室では、 ディーゼルエ 与するような新しい成果を出すことが重要で ンジンを実際に運転することで、 「バイオ燃料の す。そのためには、従来の知識を十分に理解し 卒業生からのメッセージ 将来やりたいことをやろう! 夢に近づく環境がここにはある! ! 小さい頃から工作が好きで、 高校時代には将来自動車会社で自分が欲しい車を作りたいと考えていました。 大学院修了後 に自動車会社に入社し、 現在は夢をかなえるために次世代エンジンの開発に取り組んでいます。 神戸商船大学 (現:海事科学部) には、 エンジンを学びたいと思い入学。 学部では、 海や船を中心に幅広い分野を勉強。 もち ろん、 海や船以外の内容も多く、 卒業後の進路は幅広い分野への扉が開かれています。 授業は、 実験や実技・実習も多く、 見た り触ったりして物事の本質を理解できた事は良い経験になりました。 鈴木 直樹 さん トヨタ自動車株式会社 エンジン先行設計部 勤務 2007年3月 海事科学部卒業 2009年3月 海事科学研究科博士課程前 期課程修了 専門知識を増やすために大学院へ進学。 研究室では知識だけではなく、 考えること、 やりきること、 人と協力し成し遂げるた めのチームワークなどを学べたことが、 今でも役に立っています。 自動車に限らず、 モノ作りには機械、 電気電子、 材料など多くの知識が必要で、 一人の力では難しいです。 しかし、 海事科学部 には幅広い知識やチームワークなど、 エンジニアの基礎を学ぶ環境が整っています。 みなさんも海事科学部で基礎をしっかり 学んで、 将来やりたいことをやりましょう! Fac u lty of M arit im e Scien ces 22
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