解答・解説

解答・解説
生活家電 15年3月/水曜日試験
問題
冷蔵庫
解答 ②(イ)と(ア)
1
(ア) [×] 家庭用冷蔵庫の冷却方式は、現在蒸発熱を利用する圧縮式冷凍サイクルが主流で
ある。
吸収式冷凍サイクルは、冷凍倉庫などの大きな設備や、静音性が高いので、小型
のものは医療用やホテル用に使用されている。
設問は、家庭用冷蔵庫は吸収式冷凍サイクルが主流である、とあるので誤りである。
(イ) [×] 昇華熱を利用した冷却方式は、固体が直接気体に変化するとき周囲から熱を奪う
ことを利用している。
昇華熱を利用したものは、ドライアイスが代表的なものである。
固体が液体に変化するときに周囲から熱を奪う冷却方法は、融解熱である。
融解熱を利用した代表的なものは、氷室
(ひむろ)
や氷冷蔵庫が代表的なものである。
設問は、固体が液体に変化するときに、とあるので誤りである。
(ウ)
[〇] ファン式冷却方式には、一つの冷却器で冷やす「シングル冷却」と、冷蔵専用と冷
凍専用の冷却器を持つ「ツイン冷却」の2種類がある。
シングル冷却は冷凍室を冷やし、冷蔵室は冷凍室との間に設けたダンパーの開閉
により温度制御をしている。
ツイン冷却は、三方弁で冷媒の流れを切り替えることで、蒸発器を冷凍のみ、ま
たは冷凍と冷蔵同時に運転させて冷却力をアップし効率よく冷やすことができる。
(エ)
[〇] ペルチェ効果を利用した冷却方法(ペルチェ方式)は、異なる金属や半導体を接合
して、電流を流すと起こる吸熱・放熱の効果(ペルチェ効果)を利用して冷却する
方法である。
ペルチェ方式の冷蔵庫は圧縮機(コンプレッサー)を使用しないため、作動音(起
動音や振動音)がなく静かである。この方式はホテルの小型冷蔵庫やワインセ
ラー、アウトドア用のドリンククーラーなどに採用されている。
(オ)
[〇] 現在の冷蔵庫に使用されている冷媒は、炭化水素系のイソブタン(R-600a)が採
用されている。イソブタン冷媒は可燃性ガスなので、霜取り用ヒーターやスイッ
チなどの電気部品は防爆仕様になっている。
314
15-3W_SE_A.indd 314-315
問題
冷蔵庫
解答 (ア)① (イ)① (ウ)② (エ)① (オ)②
2
(ア)
[〇] 冷凍保存で食品のうまみを維持するためには「急速冷凍機能」を使用する。
急速冷凍機能は、食品内の水分が氷結晶に変わる−1 ~−5℃の温度帯(最大氷結
晶生成帯)を通過する時間が短いほどよい。これにより冷凍時に生じる食品の細
胞破壊を抑制し、解凍時のうまみ成分(ドリップ)の流出を抑えることができる。
(イ)
[〇]
省エネ基準の算出区分は冷気強制循環方式(間接冷却方式)の冷凍冷蔵庫の場合、
300L超で冷蔵室の扉が1枚のものと2枚以上のもの、300L以下という3つに区
分されている。
省エネ基準達成率は、基準エネルギー消費効率を年間消費電力量で割った比率で
ある。
基準エネルギー消費効率(KWh/年) 省エネ基準達成率(%)= ×100
年間消費電力量(KWh/年)
生活家電
(ウ) [×] 庫内の棚やドアポケット、容器などは取り外して水洗いする。また油汚れがある
ときは、中性洗剤とぬるま湯を使用して拭き取った後、洗剤残りがないようしっ
かり水拭きする。化学雑巾やアルカリ性洗剤、アルコール、ベンジンなどを使用
すると、プラスチック部品の変形や破損につながるので使用しないのが望ましい
ので、設問は誤りである。
(エ)
[〇] 干物や海苔などの乾物はもともと含まれている水分が少ないため吸湿しやすい。
梅雨時や夏場はカビが生えやすいため、冷蔵室に保存するとよい。ただし、最近
の冷蔵室や野菜室は食品の乾燥を防ぐために高湿度に保たれているため、乾物を
保存するときは密閉容器に入れたりラップをかける。長期保存したい場合は、冷
凍保存するとよい。
15年3月
水曜日
(オ) [×] 冷蔵庫は、運転中に発生する振動や騒音を抑えるため、丈夫で水平な場所に設置
する。設置は、正面側にある左右の調整脚を床に付くように回して冷蔵庫を水平
に固定する。ガタガタするときは、調節脚で微調整を行う。
設置場所がじゅうたんや、クッションフロアなどといった塩化ビニール製の床材
の場合は、熱により変色する恐れがあるので丈夫な床材を敷くのが望ましいので、
設問の塩化ビニール素材が段差を吸収するため、水平調節をする必要がない、
は誤りである。
315
15/06/04 8:13