2015年1月 オホーツクの地域特性を活かした 両面受光

オホーツクの地域特性を活かした
両面受光型太陽光発電システム実証試験
発電実績レポート
評価対象期間
2015年1月
発行日
2015年5月1日
実施体制
協働(タイアップ)事業
協力
北⾒市
架台:伊藤組土建TIS・S
太陽電池容量:3.048kW
北見実証試験場
ホタテ貝殻
草地
(1) 月間システム出力係数(PR値)
太陽電池型式
試験条件
両面受光(ホタテ貝殻反射)
PST254EarthON60
両面受光(草地反射)
片面受光(推定値)
-
セル種類
システム出力係数
0.86
0.89
0.88
両面(n型単結晶)
片面(単結晶)
PR値の増加率 [%]
-2.3
1.1
-3.4
(2) 両面発電の効果
片面受光に対するホタテ貝殻反射による発電量増加率
片面受光に対する草地反射による発電量増加率
草地に対し,ホタテ貝殻による発電量増加率(ホタテの反射効果)
1.4
1.2
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
0.0
両面受光:ホタテ
両面受光:草地
片面受光(日射量からの推定値)
月積算アレイ面日射量
200
150
100
50
1月
2月
発電量増加率 [%]
ホタテ貝殻反射による
草地反射による
3月
1月
16.1
18.4
4月
2月
16.9
18.1
5月
3月
33.3
34.6
6月
4月
23.5
17.6
7月
5月
21.8
10.3
8月
6月
24.7
11.8
9月
10月 11月 12月
7月
25.0
11.9
8月
20.0
9.4
9月
15.1
5.8
1月
月積算斜面日射量
[kWh/m2]
システム出力係数
(3) システム出力係数(PR値)の年間推移
0
10月 11月 12月 1月
14.8 14.4 12.4 -2.3
6.8
7.8
9.0
1.1
システム出力係数 (= Performance Ratio = PR) とは
太陽電池の公称最大出力値(Pmax)に対して、実際にどの程度の発電量が得られたのかを示す値で、
設置条件等に違いがあるシステムにおいて、太陽電池同士を公平に比較することができる指標です。
(太陽電池Pmax 1[kW]あたりに、1[kWh/m2] の光が当たったときの発電量[kWh]を意味しています。)
* PR値の計算に用いている両面受光モジュール(PST254EarthON60)の公称最大出力は表面のみの測定値です。
* 当資料でのPR値は、パワーコンディショナ(PCS)への入力前での、IVカーブトレーサーによるPmax計測によるものであり、PCSによる損失は不含です。
* 当資料の内容は、パネルの設置場所、気温、周辺環境、管理方法、データ通信状況などによる不確定要素を含んでおり、
製品特性を正確に表現したものではなく、製品の性能を保証するようなデータではございません。
* 試験場での作業中、およびシステムメンテナンス中は、計測は実施されません。
* 北見市での当実証試験の詳細については、 http://www.pvgs.jp または http://www.facebook.com/PVG.Solutions をご覧ください。
* EarthON
はPVG Solutions株式会社製の高効率両面受光型太陽電池セルの登録商標です。
発行責任: PVG Solutions株式会社 神奈川県横浜市港北区新横浜3-6-12 日総第12ビル7階 TEL:045-474-5656
オホーツクの地域特性を活かした両面受光型太陽光発電システム実証試験発電実績レポート
評価対象期間
2015年1月
発行日
2015年5月1日
(4) 月積算量(日射量と太陽電池1kWp当たりの発電量)
太陽電池アレイ面日射量 [kWh/m2]
(両面受光)ホタテ側発電量 [kWh/kWp]
(両面受光)草地側発電量 [kWh/kWp]
片面受光発電量(推定値) [kWh/kWp]
98.4
84.6
87.6
86.7
単位「kWp」の「p」はPeak(ピーク)の略.
標準試験条件における最大出力のこと.
(5) 太陽電池1kWp当たりの発電量の月内推移
両面発電量-ホタテ
両面発電量-草地
片面発電量(推定)
斜面日射
発電量[kWh/kW]
日射量[kWh/m2]
10
8
6
4
2
0
1
3
5
7
9
11
13
15
17
(6) システム出力係数(PR値)の月内推移
PR-ホタテ
PR-草地
1.5
19
21
23
25
PR-片面(推定)
27
29
31
斜面日射
15
1.0
日射量[kWh/m2]
PR[-]
12
9
6
0.5
3
0
0.0
1
3
5
7
9
11
13
15
17
19
21
23
25
27
29
31
(7) コメント
(1)の月間システム出力係数をみると,今月は両面受光(ホタテ貝殻反射),両面受光(草地反射),片面受光
(推定値)で,差異がほとんどありませんでした.これは実証試験サイトが積雪に覆われ,ホタテ敷設と草地との
差異がなくなったことを示しています.
また,(2)の両面発電効果もホタテ敷設側はマイナスの値となっています.(≒片面受光の方がよく発電したこと
になっています).しかしこれは片面受光の発電量推定が簡易的であるがための計算上のことです.
(5),(6)をみると,18~21日の間,片面受光が突出して大きく発電をしている計算になっていますが,両面受光の
発電量の方から類推すると,おそらくアレイへの着雪により実際にはほとんど発電できなかったはずです.仮に,
この分がなかったとすると,片面受光に対する両面受光のPR値の増加率は,11.5~16.1%になります.
今月は欠測日が8日間と多くなりました.計測システム上の一時的な不具合によるものでした.
推定片面受光発電量について
日射量から推定した片面(表面のみ)の推定発電量です。日射量から太陽電池温度を推測し、
温度係数によって温度損失(利得)を算出し、分光日射変動、直流回路損失、等の損失を、
7%として、計算しています。また太陽電池モジュールへの着雪による損失については、
当日降雪量に対し、右表の着雪損失係数を設定し計算しています。
当日降雪量
着雪損失係数
9cm以上のとき
0.90
6cm以上のとき
0.50
3cm以上のとき
0.10
1cm以上のとき
0.05