☆ 新泉地紀行 その一 熊本県人吉温泉(1) 湯老人・佐藤哲治 退職後何やかや雑用に追われ、暫し失礼しました。このたび心機一転(少し大袈裟ですね)、表題に「新」の文字 を加えて駄文を発表させて頂きます。これからほぼ月 1 回のペースで温泉行を実施、リアルタイムとはいきませんがな るべくホットな状態で本紀行を執筆したいものと考えております。そう言いながら古い話を引っ張り出すこともありう べしで、その際はご容赦下さい。 又、相変わらず父と妻と犬との福岡での生活が続きますので題材にはやはり 九州の温泉が多くなりますことと、退職後怠け癖がついてしまい時々ずる休みをとるかもしれません、その点悪し からずご了承下さい。 今日は 7 月 7 日、七夕の日である。時刻は今午前 11:35、梅雨の真っ最中にもかかわらず太陽が雲間から顔 を出し、人吉インターの高速バス停ではじりじりと焼けつくような暑さになった。「落ちゆく先は九州相良」 と浄瑠璃「伊賀越道中双六」に謡われ、相良 700 年の歴史を刻む人吉は、四方を山に囲まれた盆地にあって 夏の暑さは尋常ではない。梅雨で地中にたまった水分が日射で蒸発していくような感じで、日陰で休んでい ても汗が吹き出てくる。ちっぽけなバス停の壁にいくつかタクシー会社の電話番号が貼ってある、その内「つば めタクシー」に電話、女性運転手の車で取りあえず JR 人吉駅に向かう。駅には観光案内所があると思われるの でそこで人吉の地図をもらい、コインロッカーにザックを預けて人吉の町を散策するためである。尚、人吉駅前正面に からくり時計が設置されており、日に何回か人形が民謡にあわせて 3 分強のショウを演ずる。筆者はたまたま正 午開演のショウを見たがそれほど面白いものではない、当たり前か。 球磨川を渡って駅から人吉城址まで 20 分弱、暑いことこの上ない、テーシャツはもう汗でびしょぬれである。余 りの暑さにやけくそになってとんこつラーメンと餃子にビール中瓶1本などという昼食をとる、ラーメンはうまかった もののビールのせいか余計汗が吹き出る、心底冷房が恋しい。テーシャツの替えは2枚しか持ってきていない、短い 旅程の旅先で洗濯はいやだ。仕方がないので目についたスーパーで 980 円のテーシャツを1枚購入、ついでに休憩所 のベンチでお爺さんと並んで仲良く涼をとる。一方デジカメの調子が悪く、人吉城址も球磨川も撮影できなかっ た。こんな季節に旅に出るのが間違いだと後悔しつつ、早く“人吉旅館”に避難しようとザックををとりに駅 に戻る。 途中、「新温泉」という名前の共同湯が目につく、「新」と称する割には建物が古びている、木造の引戸を開 け中に入ると上品な女性が番台に座っていた。入浴料は 300 円、泉質は単純泉で胃腸病・便秘・肥満に効く とのこと、汗を流したかったがやや温度が高目と聞き入浴をあきらめた、入浴でいったんさっぱりしても又 歩くので汗をかく。人吉市内にはこのような共同湯が 10 ヶ所以上ある、又、入浴だけを受けつける旅館も数 多い。巨人軍・赤バットの川上哲治が生まれた人吉は、鮎や球磨焼酎の故郷であると共に温泉の町として有名 なのである。ついでながら、川上の名前は‘てつはる’、筆者の名前・哲治は‘てつじ’と読ませる、どうで もよいことだが。 ① 禁無断転載 ② ③ …掲載内容に関するお問合せは、弊社営業担当又は "[email protected]" までどうぞ。… MLG CARGO WEEKLY DIGEST 編集・発行 商船三井ロジスティクス株式会社営業企画部業務グループ 1 ①JR人吉駅(今年 4 月撮影) ②人吉駅前からくり時計の人形達 ③人吉城址と球磨川・カヌーが練習中(今年 4 月撮影) ④人吉城址と球磨川(今年 4 月撮影) ④ * 続く * ■ ■■ ■ MLG CARGO WEEKLY DIGEST vol.174 MLG CARGO WEEKLY DIGEST のバックナンバーは、商船三井ロジスティクスのホームページでご覧になれます。 http://www.mol-logistics.co.jp 掲載記事の無断転載・複製は、ご遠慮くださいますようお願い申し上げます。 禁無断転載 …掲載内容に関するお問合せは、弊社営業担当又は "[email protected]" までどうぞ。… MLG CARGO WEEKLY DIGEST 編集・発行 商船三井ロジスティクス株式会社営業企画部業務グループ 2
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