青森県 温湯温泉(1) - 商船三井ロジスティクス

◆
新泉地紀行
その六十五
1.“三浦屋旅館”、中央の鉄筋コンクリート造り
青森県温湯温泉(1)
湯老人・佐藤哲治
十和田湖と津軽を結ぶ黒石市経由のルートは、奥入瀬(おいらせ)
渓流に沿って走る観光路線の青森ルートに比べ随分地味な感じ
がする。青森ルートには酸ヶ湯(すかゆ)・蔦(つた)・猿倉(さるく
ら)・谷地(やち)など古くからの名だたる温泉が顔を揃え、最
近はおいらせ渓流温泉や焼山(やけやま)温泉など設備の整っ
た豪華旅館も増えて至極華やかである。八甲田に奥入瀬を経
て十和田という北東北観光の目玉ルートなので人気が高いのも
当然であろう。一方、めぼしい観光資源のない黒石ルートがもう
一つぱっとしないのはこれ又当然ではあるが、地味なればこ
そ心惹かれる東北らしい素朴な魅力があり、筆者の大好きな
地域である。
十和田湖から黒石にかけて点在する温泉を拾ってみると、上
から温川(ぬるかわ)・青荷(あおに)・板留(いたどめ)・落合(お
ちあい)・温湯(ぬるゆ)と青森ルートに遜色ない個性的な温泉が
並ぶ。かつて、これらの温泉を総称して西十和田温泉郷と言
ったが、最近は黒石温泉郷と呼ぶようになった。
2.風格十分だが、寒そうな“飯塚旅館”
3.朝の浅瀬石川、部屋の窓から撮影
十和田湖に最も近い温川温泉は、昔吉川英治が滞在して「宮本
武蔵」の構想を練ったことで知られている。吉川英治は温泉宿
ではなく農家のような所に泊ったと聞くが、その後温川温泉
に“温川山荘”というよい宿ができて、筆者は二度泊った。
一度目は独身時代に友人と、二度目は妻との東北旅行の時で、
まだ子供のいなかった 30 年以上前の若い頃である。
“温川山
荘”はぶなの自然林に囲まれた宿で鳥の声やせせらぎの音し
か聞えず、窓を開け放ち、内湯ながら緑に染まるような入浴
に感激したことを覚えている。現在は立派な露天風呂ができ
ているようだが、詳しいことは分らない。
青荷温泉は東北の秘湯として全国的に有名である。深い山の
中の青荷川沿いにある宿のロケーションは抜群で、ランプの宿として
人々の郷愁をかきたてる。秋田県乳頭(にゅうとう)温泉郷の
鶴の湯とここ青荷が知名度の高い東北の秘湯として双璧であ
ろうか。しかし、筆者のような偏屈老人はつい不満を漏らす。
昔の青荷はよかったと思うが今は大混雑、静寂を求めて来て
みたら人ばかり。紅葉シーズンや休前日は大変な騒ぎであろう。
筆者は平成 15(2002)年 5 月下旬新緑の青荷温泉に泊ったが、東北秘湯巡りの団体客で館内はざわざわ、広間
での夕食時などご飯と汁を我勝ちによそう客で戦場のような有様であった。尚、最近宿は冬も営業しており、
虹の湖(にじのこ)公園バス停までスノーモービルによる送迎がある。
板留温泉では夏の一日”丹羽(にわ)旅館”に宿泊、最上階(4 階?)の部屋から夕陽にきらきら輝く浅瀬石(あ
せいし)川を飽かず見下ろした。「岩魚の宿」を自慢するだけあって夕食時供された岩魚の刺身が見事、相当の
大物をさばいたものと思われる。
禁無断転載
…掲載内容に関するお問合せは、弊社営業担当又は "[email protected]" までどうぞ。…
MLG CARGO WEEKLY DIGEST
商船三井ロジスティクス株式会社
1
かくして黒石温泉郷で残る未泊の温泉地は落合と温湯。両方一気に片付ける手もあったが、熟慮の末今回は
温湯温泉に 2 泊することにした。宿は鉄筋 4 階建ての”三浦屋旅館”、これで百沢・なりやと二晩苦しめられ
た寒さ地獄から漸く脱出できるはずだ。
*続く*
■
■■
■
MLG CARGO WEEKLY DIGEST VOL. 298
MLG CARGO WEEKLY DIGEST のバックナンバーは URL: http://www.mol-logistics.co.jp でご覧になれます。
・ 記事に関するお問い合わせは、弊社営業担当 または [email protected] までどうぞ。
・ 恐れ入りますが、発行者の許可無く転載されることはご遠慮願います。
禁無断転載
…掲載内容に関するお問合せは、弊社営業担当又は "[email protected]" までどうぞ。…
MLG CARGO WEEKLY DIGEST
商船三井ロジスティクス株式会社
2