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第3学年社会科学習指導案
伊丹市立西中学校
指導者 明星 雄大
1. 日時 平成 26 年 6 月 19 日(木) 5校時
2. 場所 3年5組教室
3. 学年・組 3学年5組(男子 18 名 女子 17 名
計 35 名)
4. 単元名 第4章 近代化の進む世界と日本
第4節 立憲政治のはじまり
5. 要旨
(1)教材観
この単元では、開国から明治維新以降のわが国の近現代史について、欧米との関わりのなかでとらえ
させるというねらいがある。わが国の近現代史は、欧米のアジア進出などの複雑な国際情勢の中で行わ
れた開国や明治維新以降の制度が、常にアジアや欧米諸国と密接な関わりを持ち続けてきた。学習指導
要領では、内容ウに「自由民権運動、大日本帝国憲法、日清・日露戦争、条約改正などを通して、立憲
制の国家が成立して議会政治が始まるとともに、我が国の国際的地位が向上したことを理解させる。」
とあり、明治維新以降、欧米にならって立憲政治を確立し、日清・日露戦争を通して国力をつけ、欧米
と肩を並べるに至った。しかし、欧米と肩を並べるまでに犠牲となったものがある。
(2)生徒観
本学級の生徒は、歴史的事象に関して一問一答形式の発問やグループで話し合い結論が明確に出た意
見、興味のあることなどは積極的に発表しようとする。しかし、出来事の原因や感想を求められると消
極的になる傾向にある。
ほとんどの生徒が、日本がペリーの来航により開国し、その後不平等条約を結んだという事実や条約
改正が容易ではなかったということは知っている。しかし、歴史的事象の順序を整理できている生徒は
少ない。
また、小学校までに日清・日露戦争や日英同盟、韓国併合、八幡製鉄所などの用語は既習である。し
かし、こういったことが条約改正と結びつけることは難しく、条約改正について具体的に説明できる生
徒は少ないようである。
(3)方法観
不平等条約を結んだこと、岩倉使節団が条約改正に失敗したこと、条約改正に多くの日本人が関わっ
たことなどを復習させ、条約改正がいかに日本人にとって重要なことであり難しいことであったかを考
えさせる。さらに、条約改正に至るまでに起こった出来事に関する写真や資料を提示し、犠牲となった
ものがあること知り、歴史的事象を多面的・多角的に考察し、適切に判断・表現する力を身につけさせ
たい。またビゴーの風刺画から歴史的背景を読み取り、日本が欧米と肩を並べる強国にまで成長してい
く過程に気づかせたい。
6. 展開
全5時間(本時5時間目)
第1次(1時間)民選議員の主張と士族の反乱
第2次(1時間)自由民権運動と国会開設の公約
第3次(1時間)内閣制度と大日本帝国憲法の制定
第4次(2時間)立憲政治の定着と条約改正(本時2/2時)
7. 本時の主題
条約改正について考える
8. 本時の目標
・政府の条約改正交渉の経過を、国際関係の変化に関連させて理解できる。
・条約改正までの歴史的背景と自らの考えを絡ませ考えることができる。
9. 準備
新中学校歴史教科書(清水書院)
、ワイド版歴史資料集(新学社)、電子黒板
条約改正の年表、マグネットシート
10. 指導の過程
学習内容・活動
導入
前時までの復習
5分
展開
生徒の活動
岩倉使節団~1911年までの条
留意点
課題の年表を使用
約改正の流れを確認する。
不平等条約の確認
10分
領事裁判権を認めた
関税自主権がない
【発問1】
領事裁判権を認めたことと関税自主権がないことによる問題点は何ですか。
ワークシートに記入
理由を自分で考え記入する。
机間指導し、自分の考え
を具体的に書くことが
【予想される生徒の答え】
できる。
・外国人の犯罪を裁くことが
できない
・貿易で損をする
発表
他の人の意見を参考に
することができる。
25分
【発問2】
日本はどのようにして欧米の国々と対等な立場に立てるようになったのか。
ワークシートに記入
班で意見交換
【予想される生徒の答え】
・日清・日露戦争に勝利
・文明国になったから
・欧米に認めてもらえたから
発表練習
・鉄・生糸の生産の増加
班で役割を分担する。
(司会・発表・記録)
黒板に役割を貼りだし、
何をするのかを示す。
各班マグネットシートに記入し発
意見発表
表する。
グループ分け
政治・経済・軍事などのグループ
に分ける
まとめ
・条約改正までの国際関係を
電子黒板に映された資料を見て、
・さまざまな意見を聞
10 分
確認
条約改正が招いた負の側面も考え
き、多面的・多角的な考
る。
えをもつ。
【
テーマ:自ら学び、自ら表現する生徒の育成
~教師と生徒がともに表現力を伸ばす~ 】
〔
生徒が思考を深め、自分の考えを積極的に発言させる手だて
〕
A.事前学習
①条約改正の流れを年表にまとめる課題を与え、考えをまとめるための資料とする。
②日米修好通商条約の内容を復習させる。
③日米修好通商条約を結んでから条約改正までの歴史的用語や知識を定着させる。
B.場づくり
①班で話し合うとき役割分担をし、必ず1度は自分の意見を言うルールを作る。
②聞く側の姿勢・態度を意識させ、発言しやすい雰囲気を作る。
③他の班の人に分かりやすくなるように、班で発表練習の時間を確保する。
C.洞察力
①生徒の意見を机間支援で見ていき、良い意見や人と違った意見はクラスで共有する。
②班で討論している様子を見て、助言する。
③班の意見の着目点に気づかせ、自分の意見以外にも目を向けさせる。
11.板書計画
条約改正について考える
不平等条約の問題点はどんなところか。
どのようにして欧米と対等な立場になったか