熱と温度

高等学校理科学習指導案
広島皆実高等学校
1
科目名
物理Ⅰ
2
学
年
第2学年
3
単元名
熱と温度
4
単元の目標
教諭
坂本
豊
熱に関する現象を観察,実験を通して探究し,熱に関する基本的な概念や法則を理解
させ,熱についての基礎的な見方や考え方を身に付けさせる。
5
指導計画
(1) 温度(1時間)
(2) 熱平衡(1時間)
(3) 熱量と熱容量(1時間)
(4) 比熱
・ 熱量保存の法則(1時間)
・ 比熱の測定の実験(本時)
(5) 熱と分子運動
(6) 熱の伝わり方
6
単元の評価規準
関心・意欲・態度
思考・判断
技能・表現
知識・理解
熱に関する現象に 熱に関する実験を 熱に関する実験の 熱に関する基本的
関心をもち,意欲的 通 し て , 熱 の 本 性 技 能 を 習 得 す る と な 概 念 や 法 則 を 理
に 探 究 し よ う と す を,実証的・総合的 と も に , 実 験 の 過 解する。
る。
に考察している。
程,結果,考察を的
確にまとめている。
7
本時の展開
(1)
本時の目標
○
比熱の測定の実験を通して,熱に対する興味・関心を高める。
○
比熱の測定の実験を通して,熱に関する基本的な概念を基に,熱の本性を,実証
的・総合的に考察させる。
○
実験の技能を習得させ,その過程や結果及び実験の考察を的確にまとめさせる。
(2)
本時の学習指導案
学 習 活 動
指導上の留意点
評価規準(評価方法)
<導入>
・ 熱量 保 存 の法 則 , 熱量 ・ 熱量 保 存 の法 則 や 熱量 ・ 熱量 保 存 の法 則 を 理解
の公式(Q=mcΔt)に
等の 熱 に 関す る 基 本的
している。(実験プリン
ついて復習する。
な概 念 や 法則 を 把 握さ
ト)
・ 金属 の 比 熱の 測 定 の実
せる。
験方法を理解する。
<展開>
1. 金属 の 質 量を 測 定 した ・
後, 金 属 をな べ の 中に
入れ て , 金属 を し ばら
く入 れ た まま に し てお
く。
・
2. 容器 の 中 の水 の 質 量を ・
測定 し , 水の 温 度 を測
定する。
3. なべ の 湯 の温 度 を 測定
し, 金 属 を容 器 の 水の ・
中に静かに入れる。
4. 容器 に ふ たを し て ,水 ・
の温度の測定を 30 秒毎
に行い,グラフ化する。 ・
5. 熱平 衡 に なっ た と きの
・
温度を求める。
6. 水の 得 た 熱量 を 計 算す
る。
7. 熱量 保 存 の法 則 か ら,
金属の比熱を求める。
8. 真の 比 熱 の値 か ら ,誤
差を求める。
9. 誤差 の 原 因に つ い て考
察する。
<まとめ>
・ 実験のまとめを行う。 ・
金属 は , 熱平 衡 に 達す
る必 要 が ある た め ,な
べに し ば らく 入 れ たま
まにさせておく。
やけどに注意させる。
温度 計 の 目盛 り の 読み
方を 注 意 させ る 。 (最
小目盛りの 1/10 まで読
ませる。)
温度 と 熱 の関 係 に つい
て考察させる。
金属 の 比 熱の 求 め 方に
ついて説明する。
誤差について説明す
る。
外部 と 断 熱さ れ て いな
い場 合 の 熱量 保 存 の法
則について考察させ
る。
・ 意欲 的 に 実験 を 行 って
いる。(行動観察)
・ 実験 方 法 が理 解 で きて
おり , 正 しく 実 験 操作
が行っている。(行動観
察)
・ 水が 得 た 熱量 の 計 算が
できている。(実験プリ
ント)
・ 熱量 保 存 の法 則 か ら,
比熱 の 計 算が で き てい
る。(実験プリント)
物質 に よ り比 熱 が 異な ・
るこ と か ら, 比 熱 の値
より そ の 物質 が 何 であ
るか を 予 想で き る こと
を説明する。
・ 次時は「熱と分子運動」
を学 習 す るこ と を 予告
する。
実験 の 過 程や 結 果 及び
実験 の 考 察を 的 確 にま
と め て い る 。( 実 験 プ
リント)
実験プリント
【
比熱の測定
】
目的
金 属 の比 熱を 測定 す る。
原理
高 温 の物 体A
……
銅 ,鉄 , アル ミニ ウム
低 温 の物 体B
……
水
B の中 に Aを 入れ しば ら く時 間が た ち熱 平衡 にな る と,
(
Aが 失 った
)熱 量 = (
B が もら った
)熱量
いう 関係 式 が成 り立 つ。
『高 温の 物 体が 失っ た熱 量 と低 温の 物 体が 得た 熱量 が 等し い』こと を(
)の 法則
とい う。
ここ でA と Bの 比 熱, 質量 ,混 合 前の 温度 を それ ぞれ c 1 〔J /g・K〕,m 1 〔g〕, t1 〔 ℃〕
とc 2 〔 J/g・K〕, m 2 〔 g〕,t2 〔℃ 〕と す る。( t 1 >t 2 )
混合 後の 温 度が t〔 ℃〕 で 熱平 衡に な った とす ると 次 式が 成り 立 つ。
Aが 失っ た 熱量
Bが もら っ た熱 量
Q1=
〔J 〕
Q2 =
〔 J〕
上の 法則 よ り, 金属 の比 熱 を求 める こ とが でき る。
準備
か き 氷(カ ッ プめ ん)の容 器, ふ た, 金属 の試 料 (銅 ,鉄 , アル ミニ ウム から 1 つ)
温度 計( 50℃), 糸 ,水 ,計 算機 , 班・・・ス トッ プウ ォ ッチ ,
2
全体 … なべ ,温 度計 (100℃ ), 湯 ,電 子天 秤
方法
1. なべ に 湯を 入れ 加熱 す る。 温度 計 (100℃ )を 入れ てお く 。
2. 金属 の 質量 m 1 (測定 済 み)を 記 入し ,金 属 をな べの 湯の 中 に入 れて
3
しば らく 加 熱す る。
3. 容器 の 中の 水の 質量 m 2 を電 子 天秤 で測 定 する 。
4. しば ら く時 間が たっ て から ,容 器 の中 の水 の温 度 t 2 を 測 定す る。
5. 金属 を 取り 出す 時の な べの 湯の 温 度t 1 を 測定 する 。金 属 を湯 から
すば やく 取 り出 して ,静 か に容 器の 中 に入 れる 。( 1度 しっ か り湯 を
6
切り ,容 器 の中 の水 がは ね ない よう に 入れ るこ と。)
6. 容器 に ふた をし て水 の 温度 の測 定 を始 める 。時 間 係が 30 秒毎 に合
図をし,水の温度を測定し記録する。金属をゆっくり動かしかき混
ぜる 。温 度 が下 がり 始め る まで 測定 す る。
記録
金 属 名(
)
金属 の質 量 m 1
水の 質量 m 2
g
混合 前の 金 属の 温度 t 1
g
混合 前の 水 の温 度t 2
℃
℃
◎混 合後 の 時間 と水 の温 度 の測 定
時間
0
0′30″
1′00″
1′30″
2′00″
2′30″
3′00″
3′30″
4′00″
4′30″
水温〔℃〕
t2
5′00″
5′30″
6′00″
6′30″
7′00″
7′30″
8′00″
8′30″
9′00″
9′30″
10′00″
整理
1. 水の 温 度変 化を グラ フ にす る。
2.グラ フ より 熱平 衡 とな った とき の
温度t〔℃〕を求め,水の比熱 を
4.19〔 J/g・K 〕と して ,次 の値 を
計 算 し な さ い 。( 計 算 式 を 書 く こ
と。)
①
t=
②
水の 温 度変 化
℃
金属 の温 度 変化
℃
③
℃
水の も らっ た熱 量Q 2 〔 J〕
水の もら っ た熱 量Q 2 =
〔J 〕
3. 金属 の 比熱 c 1 〔J/g・K〕 を求 めな さ い。
c1=
〔 J/g・K 〕
4. 教科 書 の値 を使 って 誤 差を 計算 し なさ い。
誤差=
教科書の値− 実験値
教科書の値
100 %
考察
☆
実際 に は,温度 計 にも 熱が 逃げ る 。こ の 場合 ,求 め た比 熱は ,正し い値 よ り大 きく な るか
小さ くな る か。 理由 をつ け て答 えな さ い。
感想 ・反 省 ・気 づき
(
)年(
)H (
)番 (
)班
名前(
)