ミリ波観測では世界最大級の口径を誇る精度の高いアンテナと 独自に開発した最新鋭の受信機を備え、非常に弱い電波もとら える超高感度の望遠鏡です。1982 年の完成から今日まで 30 年以上、第一線で活躍を続け、未知の宇宙を切り開く研究で威 力を発揮しています。 野辺山45m電波望遠鏡では、どんな観測が行われているの でしょう? そして、研究者は宇宙のどこを見ているの でしょう? 星座盤で探してみてください。 この星座盤にある天体は、毎日必ず私たちの 頭上に現れます。昼間に現れる天体は太陽 の光で遮られているので見えませんが、 きます。野辺山宇宙電波観測所で は、大気が澄んで電波の受信状 態が良くなる冬季 (12 月∼ 青 天体から届く電波は昼間でも観測で 45m 電波望遠鏡最大の成果 はある。 星 も に 上 の 空 ブラックホールの発見【観測ポイント:りょうけん座領域】 毎秒 1,000 km という高速 で回転するガスの円盤があ る事を観測で捉え、この観 測結果は、世界で初めてブ ラックホールの存在を確か にする証拠となりました。 5 月 ) に集中して観測を行って います。観測シーズンは 銀河の鼓動を捉える 24 時間体制。昼も夜も宇 宙を追い続けています。 星の誕生を見つめる 星形成研究【観測ポイント:オリオン座領域】 星の材料となるガスが集まっている部分をより詳しく観測し、 星ができるメカニズムを解き明かす研究です。 銀河中心研究 【観測ポイント:いて座領域】 電波での観測により、私たちの銀河の中心では、他にはな い特殊な現象が見られることがわかってきました。中心核 ブラックホールのダイナミックな活動やその周辺の環境を 調べる研究です。 天の川銀河中心核の想 像図。「核周円盤」が 比較的単純な分子で構 成されること(右下) と「巨大分子雲」が複 雑な分子を多く含むこ と(左下)が明らかに されました。 多くの星が生まれている場所 Ⓒ Keio University オリオン座にある M42 の電 波写真。星の材料となるガス の分布を示しています。 次世代への宇宙地図 生命の起源に迫る 星間分子研究【観測ポイント:おうし座領域】 銀河面サーベイ【観測ポイント:わし座∼はくちょう座】 天の川の広い範囲の電波写真を撮り、星の材料となるガスの分布地図を作るプロジェクトです。 ガスの分布がわかれば、星が生まれる場所を特定したり、銀河の成り立ちを詳しく調べることが できるなど、未来の研究を導く貴重な ガイドブック となります。 宇宙空間には水やアンモニア などを始め、様々な分子が漂っ ています。このような分子を 調べ、宇宙で様々な物質がで きる仕組みを調べています。 夏の天の川の電波写真。星の材料となるガスの詳しい様子を捉えています。
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