第 6 回 - 情報メディア学科演習室

周波数領域におけるフィルタリング
画像処理
z
画像のフーリエ変換
z
周波数フィルタリング
‹ 2次元フーリエ変換,画像のフーリエ変換
2015年度 (第6回)
‹ ローパスフィルタ,ハイパスフィルタ,バンドパスフィルタ
‹ 高域強調フィルタ
z
空間フィルタリングと周波数フィルタリング
‹ 両者の関係
‹ いくつかの具体的なフィルタの考察
中島 克人
情報メディア学科
[email protected]
2
画像のフーリエ変換
z
2次元フーリエ変換
z
画像のフーリエ変換
画像のフーリエ変換
z
2次元フーリエ変換
‹ 画像:2次元空間の関数f(x,y)
‹ そのフーリエ変換:F(u,v)
(u,v:x,y方向の空間周波数)
z式6.1
z式6.2
空間領域(spatial domain)
z図6.1
3
画像のフーリエ変換
z
z
z
大きさ
z
z
位相
画像のフーリエ変換
4
(注)
2 の場合も,
その対数の場合もある
(注)
を表す
フーリエスペクトル画像がしばしば用いられる
:画像のフーリエスペクトル(振幅スペクトル)
2:パワースペクトル
:位相スペクトル
左:原画像
中:フーリエスペクトル
右:説明図
z式6.3
原点(0,0)の値は
その画像の直流成分
=平均の明度を表す
z式6.4
左:原画像
中:フーリエスペクトル
右:中央の断面
‹ デジタル画像は離散値のため,実際には離散フーリエ変換,
離散逆フーリエ変換が行なわれる
z
周波数領域(frequency domain)
‹ 中心を原点とする(u,v)座標系にて
‹ F(u,v)(複素数)の性質は,その大きさと位相(偏角)で見る
フーリエ逆変換
空間領域と周波数領域
画像のフーリエ変換
画像のフーリエ変換
フーリエ変換
高速化アルゴリズム:FFT(Fast Fourier Translation),IFFT
5
z図6.2
画像のフーリエ変換(合成画像)
6
画像処理 1
画像のフーリエ変換
z
周波数フィルタリング
上:原画像
下:フーリエスペクトル
画像のフーリエ変換例
z
周波数フィルタリング
ローパスフィルタ
ハイパスフィルタ
z バンドパスフィルタ
z 高域強調フィルタ
z
z
高周波成分を
余り含まない
(ぼけている)
スペクトルが
中央部分に固まる
z図6.3
画像のフーリエ変換(実画像)
7
周波数フィルタリング
z
8
周波数フィルタリング
周波数フィルタ(frequency filtering)
z
z式6.5
ローパスフィルタ(low-pass filter)
‹ 入力画像の低周波成分は残し,高周波成分だけを除去
要素ごとの乗算
‹ 残したい周波数を
0~u0 とする時,H(u,v)は中心から
半径u0 までの部分を1,それより外側部分を0とすれば良い
:入力画像のフーリエ変換
:周波数フィルタ(各周波数成分に掛ける倍率)
:フィルタリング結果
空間フィルタリング
z図6.6
z図6.4
周波数フィルタリングの処理の流れ
周波数フィルタリング
z
ローパスフィルタの適用結果(1)
入力画像
ローパスフィルタ
9
10
周波数フィルタリング
縦方向の正弦波
成分だけが残る
z
出力画像
ローパスフィルタの適用結果(2)
入力画像
平滑化された
画像が得られる
出力画像
縦横に異なる
周波数の正弦波
成分を含む
横方向の周波数
成分のピーク
フーリエ変換
高周波成分を除去
除去
逆フーリエ変換
×
z図6.7
×
ローパスフィルタの適用結果(1)
11
z図6.8’
ローパスフィルタの適用結果(2)
12
画像処理 2
周波数フィルタリング
z
ローパスフィルタの適用結果(3)
入力画像
周波数フィルタリング
更に平滑化された
画像が得られる
z
ガウス分布型ローパスフィルタ
‹
出力画像
:原点(u,v)=(0,0)において 1.0 となるガウス分布
‹ 特定周波数でいきなりカットすることによる不自然さを低減
先ほどの半分の
周波成分まで除去
×
z図6.9’
ローパスフィルタの適用結果(3)
周波数フィルタリング
z
z図6.10
13
上:原画像
下:フーリエスペクトル
ガウス分布型ローパスフィルタの適用結果
ガウス分布型ローパスフィルタ
14
周波数フィルタリング
z
ハイパスフィルタ(high-pass filter)
‹ 入力画像の高周波成分は残し,低周波成分だけを除去
‹ ローパスフィルタの逆の効果
z式6.12
ローパスフィルタ
の適用結果
z図6.11’
ガウス分布型ローパスフィルタの適用結果
周波数フィルタリング
z
ハイパスフィルタの適用結果(1)
入力画像
z図6.13
15
ハイパスフィルタ
16
周波数フィルタリング
エッジ画像が
得られる
z
ガウス分布型ハイパスフィルタ
z
バンドパスフィルタ(band-pass filter)
出力画像
低周波成分を除去
z図6.15
ガウス分布型ハイパスフィルタ
×
z図6.14’
ハイパスフィルタの適用結果(1)
17
z図6.16
バンドパスフィルタ
18
画像処理 3
周波数フィルタリング
z
周波数フィルタリング
z
高域強調フィルタ(high-emphasis filter)
上:原画像
下:フーリエスペクトル
高域強調フィルタの適用結果
‹ 低周波成分を残したまま,高周波成分を強調(=鮮鋭化)
‹ ローパスフィルタ
やハイパスフィルタ
求める事が可能(k:強調の程度を指定する定数)
から
z式6.14
z式6.15
鮮鋭化画像
が得られる
k=1
z図6.18
ガウス分布型高域強調フィルタ
19
ガウス分布型高域強調フィルタの適用結果
20
空間フィルタリングと
周波数フィルタリング
周波数フィルタリング
z
z図6.19’
k=3
その他のフィルタリング適用結果
z式5.1
‹ 両者の関係
ハーフトーン
印刷画像
z式6.6
z式6.7
式 :式のフーリエ変換
:畳み込み積分(convolution
:畳み込み積分(convolution integral)
integral)
マスク画像
ハーフトーン
除去後の
出力画像
×
直流成分は残す
参考: Introduction to Image Processing and Analysis,
J.C.Russ 他,CRC Press
21
空間フィルタリングと
周波数フィルタリング
z
z
(線形フィルタリング)
z図6.5
空間フィルタリングと周波数フィルタリングの関係
22
空間フィルタリングと
周波数フィルタリング
‹ 両者の速度比較
z
空間領域における
線形フィルタリング
(式6.1)に等価
‹ ガウシアンフィルタに関する考察
空間フィルタリング(線形フィルタリング)では画素ごとに畳み込み演
算が必要
周波数フィルタリングでは,フーリエ変換と逆フーリエ変換が必要だ
がフィルタリング操作は乗算だけで良い
一般に空間フィルタのサイズが大きい(5×5以上?)時は周波数フィ
ルタリングが速度的に有利
z
z
ガウシアンフィルタ(ガウス分布による平滑化フィルタ/式6.4)の
フーリエ変換はやはりガウス分布
広がりの度合い(σ)は両者では反比例の関係(σ大→平滑化大)
z式5.4
z式6.8
z図6.5
空間フィルタリングと周波数フィルタリングの関係
23
z図6.10
ガウス分布型ローパスフィルタ
24
画像処理 4
空間フィルタリングと
周波数フィルタリング
空間フィルタリングと
周波数フィルタリング
‹ 平均化フィルタに関する考察
z
‹ LoG(Laplacian
平均化フィルタの連続関数表現
z
of Gaussian)フィルタに関する考察
2次元ガウス分布関数のラプラシアン
z式5.9
z式6.9
z
z式6.10
バンドパスフィルタ
と見なせる
のフーリエ変換
z式6.13
z
のフーリエ変換
z式6.11
ローパスフィルタ
と見なせる
z図5.27
z図6.12
平均化フィルタとそのフーリエ変換
25
LoGフィルタの断面
(ガウス分布のラプラシアン)
z図6.9
LoGフィルタのフーリエ変換
26
画像処理 5