QRコードを用いたIDカードに 適した電子透かし

QRコードを用いたIDカードに
適した電子透かし
200902802
木下研究室 山崎 慎太郎
背景
• 急速な IDカードの普及と高機能化
• カード社会の進展とともに、改ざん、なりすま
しなどの被害が深刻になっている
• 先行研究でQRコードの誤り訂正能力に着目
した透かし情報の生成が提案されている
• bit系列として埋め込まれているためQRコー
ドの変形に対する耐性などが生かされていな
い
研究目的
• 透かし情報にQRコードを2値画像として用い
た電子画像の提案
• 対象画像はIDカード・免許書などの顔写真と
する
• 斜めからの撮影など撮影条件が悪い場合な
どでも検出可能な電子透かしを目指す
電子透かし
画像やIDカード等に不可視の情報を埋め込み
販売元や所有者を明らかにする技術
QRコード
• 縦横方向に情報を持ち大容量
• 高速読み取りが可能
• 360°どの方向からでも読み
取り可能
• 汚れ・破損に強くコードワード
単位で最大約30%程度の復元
が可能
電子透かしの種類
2種類の方法
空間領域の
埋め込み
周波数領域へ
の埋め込み
• 埋め込み・処理が容易
• 圧縮・加工に弱い
• 圧縮・加工に強い
• 埋め込み・抽出に時間を要す
る
今回は耐性が求められるため
周波数成分に埋め込む方法を採用
電子透かしに適した
周波数領域への変換
FFT
DCT
以上の弱点を補う方法としてウェーブレット変換があ
る
今回はそれを用いる
ハールウェーブレット変換
• ウェーブレットのなかで最も単純な関数
• データの圧縮・ノイズ除去などに利用
ハールウェーブレット変換
横方向に走査し縦方向に走査する
180
160
140
120
170
130
10
10
170
130
120
120
150
120
20
0
160
120
120
100
140
110
20
10
140
100
80
100
120
90
20
-10
160
125
15
5
130
100
20
0
10
5
-5
5
10
10
0
10
提案方式
8×8画素にブロック分割
原画像をウェーブレット変換
各ブロックで総和を求める
電子透かしbit値により
各ブロックの総和を変更
逆ウェーブレット変換
埋め込み方式
• 埋め込むQRコードにより、電子透かし値を決
定する事とする
• 対象位置が黒の場合には0を、白の場合は1
を与える
• ブロックの総和を電子透かし値により変更す
る
• 0であれば総和を偶数に、1であれば奇数に
変更する
使用した画像
原画像
透かし情報
結果画像1
• 埋め込み後の画像を示す
原画像
透かし入り画像
PSNR:40.26「[dB]
結果画像2
埋め込んだQRコード
抽出したQRコード
• 抽出したQRコードは元のQRコードと比べると
所々に乱れがあることが見受けられる
結論
• 大きな画像劣化は見受けられなかった
• 抽出したQRコードは問題なく読み取ることができた
• QRコードを透かし情報として埋め込む場合、他の画
像を埋め込む場合に比べ、抽出した時に劣化してい
ても情報を保護することができる
今後の課題
• 透かし入り画像の耐性の評価
• 各種攻撃に対する、透かし画像の耐性評価
• 耐性評価を踏まえた上でのアルゴリズムの検討
電子透かしへの攻撃
StirMark :
• ノイズ付加・フィルタリング・回転等の処理(攻
撃)を行う
• StirMarkへの耐性=種々の画像処理への耐
性