ベイズ統計による確率的画像処理に関する研究

ベイズ統計による確率的画像処理
に関する研究
電子工学科
指導教員
北 真輔
三好誠司
ベイズの公式
• 知的情報処理における「曖昧さ」や「不確定
さ」を確率統計という理論体系のもとで定量化
• 大規模確率モデルであり計算が困難
• 統計力学的近似解析手法
目 的
• 統計力学やベイズ統計という観点か
ら画像処理へのアプローチ
– 事前確率分布を用いた 画像の生成
– 二元対称通信路による 画像の劣化
– 最大事後確率推定による 画像の修復
本研究で扱う画像
・2値画像(白黒画像)
・画素数はM×N
M
N
画像の生成
ベイズ統計を用いた画像処理においては
原画像 s は事前確率分布 P(s) に従って
生成されると仮定
モンテカルロミュレーション(熱浴法)
により生成された画像の例
α=0.25
α=0.50
α=1.0
画像の劣化
二元対称通信路
雑音
+1(確率1-p)
+1
ー1 (確率p)
雑音
ー1
ー1 (確率1-p)
+1 (確率p)
劣化画像の例
(p=0.2)
α=0.25
α=0.50
α=1.0
画像の修復
画像の修復(最大事後確率推定)
劣化画像 h
?
修復画像 ^s
の候補
● ● ●
? ?
?
?
● ● ●
2
65536
個!!
計算困難さを含む大規模確率モデル
統計力学的近似解析手法
・ 平均場近似を用いた決定論的アルゴリズム
・ モンテカルロシミュレーション (MC)
(メトロポリス法,熱浴法など)
修復画像の例
α=0.25
改善率 0.022dB
α=0.50
7.26dB
α=1.0
10.41dB
標準画像の場合
標準画像 (Mandrill)
原画像
p=0.2で劣化
改善率
0.99dB
MCによる最大事後確率推定
メディアンフィルタ
p=0.2で劣化
原画像
改善率
-0.53dB
改善率
0.99dB
MCによる最大事後確率推定
メディアンフィルタ
MCによる最大事後確率推定
改善率0.99dB
メディアンフィルタ
改善率 -0.53dB
今後の課題
• パラメータα,pの自動推定
• グレー画像,カラー画像への拡張