(4月27日)「タマネギ催涙因子合成酵素(LFS)の発見から応用研究まで」

応用生命科学コロキウム植物バイオサイエンスオープンセミナー共催
オープンセミナーのご案内
演者:2013年イグノーベル賞化学賞受賞者
今井 真介
博士
(ハウス食品グループ本社(株)中央研究所研究主幹)
日時:4月27日(月)16:30~17:30
場所:C17棟1階 講義室
B3棟 118号室大講義室 に変更!
「タマネギ催涙因子合成酵素(LFS)
の発見から応用研究まで」
みなさん、『イグノーベル賞』って賞の名前は聞いたことがありますか。毎年、「人々を笑わ
せ、しかる後に考えさせる研究」にたいして贈られている世界的な賞です。過去「足の匂い
の原因物質」「なぜ忙しい時にトイレに行きたくなるか」など様々な笑える研究に対して贈
られています。今回は2013年のこの賞の受賞者の1人、ハウスの今井真介博士をお招
きして、笑えるだけではない研究がいかにして誕生したかを語っていただこうかと思います。
院生 学類生の皆さん、必聴!!
講演のあらすじ:
ー毎年秋にイグノーベル賞というちょっと笑える研究がテレビで紹介される.2011年のワサビの
匂いを使った警報装置には,食品会社に勤務する私にとって「ワサビの匂いにこんな使い方が
あったのか」と大いに驚かされた.そんな,イグノーベル賞の化学賞を幸運にも受賞した.そこ
で今回は,人に注目して貰えた「新しい視点の研究に気づいたきっかけ」と
「実際に行った研究の概要」ならびに,「受賞の連絡から授賞式の後に反響に至るまでの顛
末記」を紹介したい.
ー世界中の研究者が日々さまざまな研究を行って論文を発表している.そんな中で,私たち
の研究が選ばれた事は幸運であったことは間違いないが、他の研究とは毛色の違う研究
であったことは,選考時の重要な要因であったと思う.「もう研究し尽くされたと,誰もが思っ
ていたタマネギの催涙因子の生成機構の研究を,どうして敢えてしようと考えたのか?」と良く
尋ねられた.実は,我々も催涙因子の生成機構を研究しようとは元々は全く考えていなかっ
たのだが,レトルトカレーの製造工程で起きた変色トラブルの原因を究明
する過程で,LFSの存在が示唆されたため,この研究に着手したのである.
ー豊富な人手や資金があるわけでもない我々の様な弱者でも注目して貰える研究ができたの
は,今振り返ると,自分達だからこそ気づける情報が,いつも面白い研究題材
を見つけるヒントになっていたからだと思う.こうした新しい研究の種を,気づかずに踏み潰して
しまうのではなく,気づいて育てて欲しいと願っている.
連絡先:青木考(内線6561, [email protected]